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宝探し?
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(嫌です! 誰か助け⋯⋯えっ?)
暴れていたルルが、突然驚きの声を上げる。
(こ、これはどういうことですか?)
「ユート様⋯⋯霧がなくなって」
リリシアの言う通り、目の前の霧が消えていく。正確には俺達を避けるように霧が晴れていく。
「どうして私達が通る場所には、霧がないのでしょうか?」
「実は一度切りだけど、俺達の周囲の霧がなくなるアイテムを使ったんだ」
「なるほど。ユート様は予め迷いの森を進まれる準備をされていたのですね」
「そうなんだ。だけど効力が二時間程で切れてしまうから、早く行こう」
「わかりました」
俺達は森に入る。
森と言えば生き物の宝庫だが、ここからは何の気配も感じられない。動物はおろか虫の一匹もいないのだ。
そして十分程進んでいくと地面が舗装されている場所に出たため、容易に進んでいくことが出来た。
(少しよろしいですか?)
森の中心部へと向かっている途中、突然ルルが頭の中で話しかけてきた。
(どうした?)
(どうしたもこうしたもありません。あなた⋯⋯嘘をついてますね)
(嘘? 何が?)
(何もかもです)
なるべく考えないようにしていたが、さすがにルルにはバレていたか。
(霧が晴れるアイテムなんて持っていないですよね? そのようなアイテムを使った形跡はありませんでしたから)
(確かにルルの言うとおりだ。そんなアイテムがあったら見てみたい)
(でしたら霧が晴れる理由はなんですか? それとこの霧は普通の霧ではないですよね? 何故か懐かしい感じがします)
(そこまで見破るとはさすがだな)
(バカにしているのですか? 早く私の問いに答えて下さい。その自分だけ知っているような言い方は腹が立ちますね)
(やれやれ。怒るなよ。霧が晴れた一端はルルにもあるんだぞ)
(バカですか? あなたの言っている意味が理解できません)
バカ言われたよ。ひどくね? さっきリリシアに抱きしめられていたルルの方が慌てふためいていて、俺からすれぱバカっぽかったけど。
(何かいいましたか?)
(言ってません)
これ以上怒らせるとどんな報復を受けるかわからないので、余計なことを考えないようにしておく。
(だけどさっきも言ったように、霧が晴れたのはルルのお陰でもあるんだぞ)
(それはどういう⋯⋯)
(ほら、目的地に着いたぞ)
(えっ? ここは⋯⋯)
辺りが開けている場所に出ると、そこには大きな建物があり、そして入口には女性を司る銅像が見えた。
「このような森の中に⋯⋯もしかして女神セレスティア様の神殿ですか?」
「俺も初めて来るけどそうみたいだ」
「何故ここに神殿が⋯⋯誰かいるのでしょうか」
リリシアは神殿の中へ入っていく。
(そういうことですか。ここは王女が言うようにセレスティア様の神殿で間違いありません。森を覆っていた霧は、招かれざる客を神殿に入れないための処置だったようですね)
(その通り)
(そして霧が晴れた理由は、私達がセレスティア様の加護を受けているからですか?)
(さすがルルだ。俺は異世界転生でセレスティア様の加護を受けているし、ルルもセレスティア様の神獣だから加護を受けている。だから俺達はこの神殿に入ることが出来たんだ)
(そうですか。ですが何故この神殿を訪れたのですか? 崇高なセレスティア様に対して感謝の気持ちが足りないあなたが、お祈りに来たとは思えません)
(まあ確かにお祈りに来た訳じゃないけど)
(そこは嘘でもセレスティア様に全財産捧げるために来ましたと言ってください)
(嫌だよ。それに嘘をついてもルルにばれるじゃないか)
この猫は暗に破産して路頭に迷えと言いたいのだろうか。そんなことになったらルルに魚を買ってあげられなくなるぞ。
(今の話はなしでお願いします)
どうやら俺の考えを読んだみたいだ。自分の食事に影響が出るのは嫌なのかよ。
(とにかく目的の物を回収しに行ってくる)
(ちょっと待ってください。私も行きます)
そしてルルは定位置になりつつある俺の肩に乗って来たので、リリシアを追って神殿の中へと入るのであった。
暴れていたルルが、突然驚きの声を上げる。
(こ、これはどういうことですか?)
「ユート様⋯⋯霧がなくなって」
リリシアの言う通り、目の前の霧が消えていく。正確には俺達を避けるように霧が晴れていく。
「どうして私達が通る場所には、霧がないのでしょうか?」
「実は一度切りだけど、俺達の周囲の霧がなくなるアイテムを使ったんだ」
「なるほど。ユート様は予め迷いの森を進まれる準備をされていたのですね」
「そうなんだ。だけど効力が二時間程で切れてしまうから、早く行こう」
「わかりました」
俺達は森に入る。
森と言えば生き物の宝庫だが、ここからは何の気配も感じられない。動物はおろか虫の一匹もいないのだ。
そして十分程進んでいくと地面が舗装されている場所に出たため、容易に進んでいくことが出来た。
(少しよろしいですか?)
森の中心部へと向かっている途中、突然ルルが頭の中で話しかけてきた。
(どうした?)
(どうしたもこうしたもありません。あなた⋯⋯嘘をついてますね)
(嘘? 何が?)
(何もかもです)
なるべく考えないようにしていたが、さすがにルルにはバレていたか。
(霧が晴れるアイテムなんて持っていないですよね? そのようなアイテムを使った形跡はありませんでしたから)
(確かにルルの言うとおりだ。そんなアイテムがあったら見てみたい)
(でしたら霧が晴れる理由はなんですか? それとこの霧は普通の霧ではないですよね? 何故か懐かしい感じがします)
(そこまで見破るとはさすがだな)
(バカにしているのですか? 早く私の問いに答えて下さい。その自分だけ知っているような言い方は腹が立ちますね)
(やれやれ。怒るなよ。霧が晴れた一端はルルにもあるんだぞ)
(バカですか? あなたの言っている意味が理解できません)
バカ言われたよ。ひどくね? さっきリリシアに抱きしめられていたルルの方が慌てふためいていて、俺からすれぱバカっぽかったけど。
(何かいいましたか?)
(言ってません)
これ以上怒らせるとどんな報復を受けるかわからないので、余計なことを考えないようにしておく。
(だけどさっきも言ったように、霧が晴れたのはルルのお陰でもあるんだぞ)
(それはどういう⋯⋯)
(ほら、目的地に着いたぞ)
(えっ? ここは⋯⋯)
辺りが開けている場所に出ると、そこには大きな建物があり、そして入口には女性を司る銅像が見えた。
「このような森の中に⋯⋯もしかして女神セレスティア様の神殿ですか?」
「俺も初めて来るけどそうみたいだ」
「何故ここに神殿が⋯⋯誰かいるのでしょうか」
リリシアは神殿の中へ入っていく。
(そういうことですか。ここは王女が言うようにセレスティア様の神殿で間違いありません。森を覆っていた霧は、招かれざる客を神殿に入れないための処置だったようですね)
(その通り)
(そして霧が晴れた理由は、私達がセレスティア様の加護を受けているからですか?)
(さすがルルだ。俺は異世界転生でセレスティア様の加護を受けているし、ルルもセレスティア様の神獣だから加護を受けている。だから俺達はこの神殿に入ることが出来たんだ)
(そうですか。ですが何故この神殿を訪れたのですか? 崇高なセレスティア様に対して感謝の気持ちが足りないあなたが、お祈りに来たとは思えません)
(まあ確かにお祈りに来た訳じゃないけど)
(そこは嘘でもセレスティア様に全財産捧げるために来ましたと言ってください)
(嫌だよ。それに嘘をついてもルルにばれるじゃないか)
この猫は暗に破産して路頭に迷えと言いたいのだろうか。そんなことになったらルルに魚を買ってあげられなくなるぞ。
(今の話はなしでお願いします)
どうやら俺の考えを読んだみたいだ。自分の食事に影響が出るのは嫌なのかよ。
(とにかく目的の物を回収しに行ってくる)
(ちょっと待ってください。私も行きます)
そしてルルは定位置になりつつある俺の肩に乗って来たので、リリシアを追って神殿の中へと入るのであった。
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