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動けない時はやりたいほうだいだ
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俺とコト姉はICカードを使って、羽ヶ鷺駅の改札を通る。
辰川駅まで電車で8駅、20分程で到着する。途中には国立の公園もあって、休日でもそこそこ電車は混むが、学生がいる平日程ではない。
しかし駅のホームに着いた俺達の周囲には多くの人がおり、むしろ平日より混雑しているように見える。
「今日は電車混んでるね」
「何かイベントでもあるのかな?」
俺は急いでスマートフォンで調べてみると⋯⋯。
「今日は国立の公園で食べ物のイベントがあるのと、辰川ステージガーデンのホールでアイドルのライブがあるみたい」
「そうなんだあ⋯⋯それじゃあ電車の中は混み混みかもしれないね。お姉ちゃんは通勤ラッシュを経験したことないから大丈夫かなあ」
「俺も経験したことないけどね」
正直帰りたい衝動に駆られるが、コト姉はデート? を諦める気はないようだし、このまま行くしかないよな。
そして待つこと10分、快速辰川行きの電車が来てたので、俺達は電車に乗り込む。
しかし想像通り、いや想像以上に電車は混んでいたので、俺はコト姉の手を取り、ドア付近へと移動する。
そして俺は両手をドアに手をついてスペースをつくり、そこにコト姉を入れる。
これだけ混んでいるとコト姉は人波に押されかねないし、何よりよからぬ奴らに痴漢をされる可能性がある。家族の俺が言うのも何だが、この姉にはそれだけの魅力が備わっている。
そして羽ヶ鷺から次の駅に到着すると、さらに多くの人が電車に乗ってきた。
「くっ!」
背中に食らう圧がより強くなり、思わず呻き声を上げてしまう。
「リウトちゃん大丈夫?」
コト姉は俺が呻き声を上げてしまったからか、上目遣いで心配そうに語りかけてくる。
「全然大丈夫」
本当は背中もドアを押さえている手も痛いし、全然大丈夫じゃないが、コト姉に心配をかけたくないから強がって見せる。
「ごめんね。お姉ちゃんのために⋯⋯」
「何のこと?」
たぶんコト姉のためにスペースを作っているのがバレバレだと思うが、何だが恥ずかしくて俺は知らない振りをする。
「男の子だね」
コト姉は頬を紅潮させ、優しい笑顔を向けてきた。
やっぱりばれてるか。俺はその顔を直視することができずそっぽを向くと、不意に胸の所に暖かいものを感じた。
「コ、コト姉」
あろう事かコト姉は俺の胸に顔を埋めてきたため、俺は驚いてしまう。
「ふふ⋯⋯リウトちゃん成分を充電中。いつもなら逃げられちゃうけど今なら充電し放題だね」
いやいや、この姉は甘い匂いを振り撒いて何をやっちゃってくれてるの! もう背中や腕が痛いなんて言ってる場合じゃない。こんなことされたら俺の理性が壊れそうなんだけど。
辰川駅まで後7駅、堪えられるか。
そして俺はコト姉の甘い誘惑に堪えながら、何とか辰川駅まで到着することができた。しかしまだデート前にも限らず、俺の精神は既に息絶え絶えになってしまうのだった。
辰川市⋯⋯都心へのアクセスをしやすいということで近年栄えてきた都市。商業施設も充実しており、モノレールが通っている半面、緑豊な所も残っていることから、住みやすい地域とされ人気がある。
俺達は電車を降りて改札口を出るが、俺は先程のコト姉の誘惑攻撃に疲労困憊だった。
辰川駅まで電車で8駅、20分程で到着する。途中には国立の公園もあって、休日でもそこそこ電車は混むが、学生がいる平日程ではない。
しかし駅のホームに着いた俺達の周囲には多くの人がおり、むしろ平日より混雑しているように見える。
「今日は電車混んでるね」
「何かイベントでもあるのかな?」
俺は急いでスマートフォンで調べてみると⋯⋯。
「今日は国立の公園で食べ物のイベントがあるのと、辰川ステージガーデンのホールでアイドルのライブがあるみたい」
「そうなんだあ⋯⋯それじゃあ電車の中は混み混みかもしれないね。お姉ちゃんは通勤ラッシュを経験したことないから大丈夫かなあ」
「俺も経験したことないけどね」
正直帰りたい衝動に駆られるが、コト姉はデート? を諦める気はないようだし、このまま行くしかないよな。
そして待つこと10分、快速辰川行きの電車が来てたので、俺達は電車に乗り込む。
しかし想像通り、いや想像以上に電車は混んでいたので、俺はコト姉の手を取り、ドア付近へと移動する。
そして俺は両手をドアに手をついてスペースをつくり、そこにコト姉を入れる。
これだけ混んでいるとコト姉は人波に押されかねないし、何よりよからぬ奴らに痴漢をされる可能性がある。家族の俺が言うのも何だが、この姉にはそれだけの魅力が備わっている。
そして羽ヶ鷺から次の駅に到着すると、さらに多くの人が電車に乗ってきた。
「くっ!」
背中に食らう圧がより強くなり、思わず呻き声を上げてしまう。
「リウトちゃん大丈夫?」
コト姉は俺が呻き声を上げてしまったからか、上目遣いで心配そうに語りかけてくる。
「全然大丈夫」
本当は背中もドアを押さえている手も痛いし、全然大丈夫じゃないが、コト姉に心配をかけたくないから強がって見せる。
「ごめんね。お姉ちゃんのために⋯⋯」
「何のこと?」
たぶんコト姉のためにスペースを作っているのがバレバレだと思うが、何だが恥ずかしくて俺は知らない振りをする。
「男の子だね」
コト姉は頬を紅潮させ、優しい笑顔を向けてきた。
やっぱりばれてるか。俺はその顔を直視することができずそっぽを向くと、不意に胸の所に暖かいものを感じた。
「コ、コト姉」
あろう事かコト姉は俺の胸に顔を埋めてきたため、俺は驚いてしまう。
「ふふ⋯⋯リウトちゃん成分を充電中。いつもなら逃げられちゃうけど今なら充電し放題だね」
いやいや、この姉は甘い匂いを振り撒いて何をやっちゃってくれてるの! もう背中や腕が痛いなんて言ってる場合じゃない。こんなことされたら俺の理性が壊れそうなんだけど。
辰川駅まで後7駅、堪えられるか。
そして俺はコト姉の甘い誘惑に堪えながら、何とか辰川駅まで到着することができた。しかしまだデート前にも限らず、俺の精神は既に息絶え絶えになってしまうのだった。
辰川市⋯⋯都心へのアクセスをしやすいということで近年栄えてきた都市。商業施設も充実しており、モノレールが通っている半面、緑豊な所も残っていることから、住みやすい地域とされ人気がある。
俺達は電車を降りて改札口を出るが、俺は先程のコト姉の誘惑攻撃に疲労困憊だった。
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