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疲労は敗因の要因となる
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後半18分⋯⋯試合はCクラスの攻撃から始まる。
Aクラスは先程まで前線に柳、ちひろ、神奈さんを残していたが、今は柳のワントップにフォーメーションを変更し、ちひろ、神奈さんは守備に回ってもらうことにした。
今は得点するより失点しないことの方が大切だからだ。
ここからはもうわざとシュートを打たせることはさせず、通常通り戦うように指示を出す。
戦力的には敵の主力である沢尻、井沢、田中には重りはついてないため、こちらの方が不利に見えるが、実際にはキーパーがいないためゴール前に何人も張り付いていなければならないからAクラスが押していた。
「外れたか」
柳のロングシュートが田中に弾かれ、コーナーキックになる。
そして柳はコーナーキックから直接ゴールを狙うが、これも井沢のヘディングによりクリアしてしまう。
Cクラスはクリアしたボールを拾うが、攻めるのに人数を三人しかかけていないため、すぐにAクラスがボールを奪い返す。
「奴らはビビって自分達の陣地から出てこれねえぞ!」
都筑が今までの鬱憤を晴らすかのように、意気揚々と声を上げる。
確かに都筑の言う通り、Cクラスは攻めるのに消極的だ。しかしカウンターでも食らったらたまったもんじゃないため、6人は常に自陣に残すようにしている。
それと気になることがもう1つ⋯⋯。
俺は再びこちらのコーナーキックになった時、急ぎ神奈さんの元へと向かった。
「前半から攻守に走り回って疲れているだろう?」
「はあ⋯⋯はあ⋯⋯。大丈夫、後少しの時間だからがんばります」
正直な話、神奈さんはもう疲労困憊で限界を越えているように見える。だが彼女の持ち前の責任感の強さのせいなのか、最後まで全力で戦うことを選択したようだ。
「わかった。けどどんなシュートが来ても必ず止めるから無理しないでいい」
「その時は⋯⋯お願いします」
99%休むことはしないと思っていたが、やはり予想が当たってしまったか。
だが、神奈さんの言う通り時間は既に後半29分を越えている。ロスタイムはおそらく3分くらいだから、後少しで試合が終わるのも事実だ。
しかし試合は後半32分に動く。
Aクラスのコーナーキックを沢尻がヘディングでクリアすると今まで攻めるのに消極的だったCクラスが一斉にこちらの陣地へと走り出す。
時間ギリギリに攻めてきたか。この場合33分を過ぎてもこちらがボールを奪わない限り試合終了のフエが鳴ることはない。逆にボールを奪った瞬間に試合終了のフエが鳴るので、攻められるリスクがない。
「最後の力を振り絞れ! ここで絶対に点を入れるぞ」
Cクラスは全員一丸となって攻めてくる。元々のポテンシャルが高いこともあり、華麗とはいえないがそれなりのパス回しでAクラスのディフェンス陣を切り裂いていく。
「戻れ戻れ!」
「最後の最後でやられてたまるかよ!」
悟と都筑の言葉にAクラスはボールを奪おうと奮闘するが、ついにはボールがペナルティエリアの中にいる沢尻に渡ってしまう。
「今度こそ決めてやるぜ!」
沢尻はシュートを放つため右足を振りかぶる。
「さ、させないわ」
だが神奈さんが沢尻のシュートをブロックしようと必死に走り、足を伸ばそうとするが⋯⋯。
「あっ!」
疲労のせいか足がもつれ、沢尻のボールではなく、左足を引っかけてしまう。
そして沢尻はバランスを崩し、その場に倒れると審判のフエが静寂したこの場に鳴り響いた。
審判は右手をペナルティマークを指差すと、Cクラスから歓喜の声が拡がった。
Aクラスは先程まで前線に柳、ちひろ、神奈さんを残していたが、今は柳のワントップにフォーメーションを変更し、ちひろ、神奈さんは守備に回ってもらうことにした。
今は得点するより失点しないことの方が大切だからだ。
ここからはもうわざとシュートを打たせることはさせず、通常通り戦うように指示を出す。
戦力的には敵の主力である沢尻、井沢、田中には重りはついてないため、こちらの方が不利に見えるが、実際にはキーパーがいないためゴール前に何人も張り付いていなければならないからAクラスが押していた。
「外れたか」
柳のロングシュートが田中に弾かれ、コーナーキックになる。
そして柳はコーナーキックから直接ゴールを狙うが、これも井沢のヘディングによりクリアしてしまう。
Cクラスはクリアしたボールを拾うが、攻めるのに人数を三人しかかけていないため、すぐにAクラスがボールを奪い返す。
「奴らはビビって自分達の陣地から出てこれねえぞ!」
都筑が今までの鬱憤を晴らすかのように、意気揚々と声を上げる。
確かに都筑の言う通り、Cクラスは攻めるのに消極的だ。しかしカウンターでも食らったらたまったもんじゃないため、6人は常に自陣に残すようにしている。
それと気になることがもう1つ⋯⋯。
俺は再びこちらのコーナーキックになった時、急ぎ神奈さんの元へと向かった。
「前半から攻守に走り回って疲れているだろう?」
「はあ⋯⋯はあ⋯⋯。大丈夫、後少しの時間だからがんばります」
正直な話、神奈さんはもう疲労困憊で限界を越えているように見える。だが彼女の持ち前の責任感の強さのせいなのか、最後まで全力で戦うことを選択したようだ。
「わかった。けどどんなシュートが来ても必ず止めるから無理しないでいい」
「その時は⋯⋯お願いします」
99%休むことはしないと思っていたが、やはり予想が当たってしまったか。
だが、神奈さんの言う通り時間は既に後半29分を越えている。ロスタイムはおそらく3分くらいだから、後少しで試合が終わるのも事実だ。
しかし試合は後半32分に動く。
Aクラスのコーナーキックを沢尻がヘディングでクリアすると今まで攻めるのに消極的だったCクラスが一斉にこちらの陣地へと走り出す。
時間ギリギリに攻めてきたか。この場合33分を過ぎてもこちらがボールを奪わない限り試合終了のフエが鳴ることはない。逆にボールを奪った瞬間に試合終了のフエが鳴るので、攻められるリスクがない。
「最後の力を振り絞れ! ここで絶対に点を入れるぞ」
Cクラスは全員一丸となって攻めてくる。元々のポテンシャルが高いこともあり、華麗とはいえないがそれなりのパス回しでAクラスのディフェンス陣を切り裂いていく。
「戻れ戻れ!」
「最後の最後でやられてたまるかよ!」
悟と都筑の言葉にAクラスはボールを奪おうと奮闘するが、ついにはボールがペナルティエリアの中にいる沢尻に渡ってしまう。
「今度こそ決めてやるぜ!」
沢尻はシュートを放つため右足を振りかぶる。
「さ、させないわ」
だが神奈さんが沢尻のシュートをブロックしようと必死に走り、足を伸ばそうとするが⋯⋯。
「あっ!」
疲労のせいか足がもつれ、沢尻のボールではなく、左足を引っかけてしまう。
そして沢尻はバランスを崩し、その場に倒れると審判のフエが静寂したこの場に鳴り響いた。
審判は右手をペナルティマークを指差すと、Cクラスから歓喜の声が拡がった。
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