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8話 ルデルテ公爵 その1 (視点変更)
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「ポーションメーカーか……大層な呼び名だ。ふはははははっ!」
ジールテン宮殿の一室で私は寛いでいた……1週間ほど前に婚約破棄をしてやった、レミュラ・ミセットのことを考えながら……。正直、なかなか美人な奴だったので、存分にその身体を味わってから捨てても良かったのだが……処女のまま捨ててやったのは、私なりの優しさだ。
やはり、私ほど優れた家系に生まれた者であれば、相応の地位の者と結婚をしなければならない。それが、ライトフェロー王国の繁栄に繋がるのだから。すでに、レミュラの代わりの者は用意できている。
ニーナ伯爵令嬢、マイム侯爵令嬢など……いずれもレミュラと同等、若しくはそれ以上の美貌を誇る女たちだ。女の役割など、後継ぎを残す以外にはないと言えるが、せっかくの行為なのだ……出来るだけ良い女でなくてわな。
「ルデルテ公爵……レミュラ・ミセットを追放したのは大丈夫なのでしょうか? あれほどのポーションメーカーも存在しないかと思われますが……」
私の執事を務めているアルガントから、当然の質問が入った。まったく……私の執事を何年も務めていながら、その狙いに気付いていないとは……まあ、仕方ない、答えてやるとするか。
「レミュラがポーションメーカーか……ふはははは、さぞあの女もそう呼ばれて、天狗になっていたんだろうな」
我がバーン家は王国内でも信頼熱き家臣の家系……ポーション製造から配給までを任されていたのだ。レミュラのスキルは重宝していた。素材なしでポーションを作れるのだからな!
何割かは城下町に配給し3000ゴールドで売り、何割かを手元に取っておく……こういったことが可能なのも、名家だからこそだな。しかし、それも必要なくなったのだ……私の管理する研究開発部門が、ポーションの調合に成功したのだから!
最早、あんな平民の小娘などは必要なくなった……甘ちゃんのサウス王子殿下など、一部の者達は反対しているようだが……それも、私の研究部門のポーションが成功すれば意味を成さないはずだ!
我がバーン家は未来永劫語り継がれ、いずれはライトフェロー王国最大の貴族として語り継がれるだろう。
我が研究部門での試作品が世に流れるのはすぐそこまで来ている。
「ルデルテ公爵……!」
「なんだ、騒々しい!」
私が優越感に浸っていた時、慌てた様子で執事の一人が、我が私室に入ってきた。そんなに慌てて、なんだというのだ?
「研究部門からの要請でございます! トラブルが発生したので、至急来てほしいとのこと……!」
「……なんだと?」
トラブルだと……? まったく、私が居ないと何も出来ん奴らだ……それくらいも解決できないのか。私は舌打ちをしながら、座っていたソファから立ち上がった。
ジールテン宮殿の一室で私は寛いでいた……1週間ほど前に婚約破棄をしてやった、レミュラ・ミセットのことを考えながら……。正直、なかなか美人な奴だったので、存分にその身体を味わってから捨てても良かったのだが……処女のまま捨ててやったのは、私なりの優しさだ。
やはり、私ほど優れた家系に生まれた者であれば、相応の地位の者と結婚をしなければならない。それが、ライトフェロー王国の繁栄に繋がるのだから。すでに、レミュラの代わりの者は用意できている。
ニーナ伯爵令嬢、マイム侯爵令嬢など……いずれもレミュラと同等、若しくはそれ以上の美貌を誇る女たちだ。女の役割など、後継ぎを残す以外にはないと言えるが、せっかくの行為なのだ……出来るだけ良い女でなくてわな。
「ルデルテ公爵……レミュラ・ミセットを追放したのは大丈夫なのでしょうか? あれほどのポーションメーカーも存在しないかと思われますが……」
私の執事を務めているアルガントから、当然の質問が入った。まったく……私の執事を何年も務めていながら、その狙いに気付いていないとは……まあ、仕方ない、答えてやるとするか。
「レミュラがポーションメーカーか……ふはははは、さぞあの女もそう呼ばれて、天狗になっていたんだろうな」
我がバーン家は王国内でも信頼熱き家臣の家系……ポーション製造から配給までを任されていたのだ。レミュラのスキルは重宝していた。素材なしでポーションを作れるのだからな!
何割かは城下町に配給し3000ゴールドで売り、何割かを手元に取っておく……こういったことが可能なのも、名家だからこそだな。しかし、それも必要なくなったのだ……私の管理する研究開発部門が、ポーションの調合に成功したのだから!
最早、あんな平民の小娘などは必要なくなった……甘ちゃんのサウス王子殿下など、一部の者達は反対しているようだが……それも、私の研究部門のポーションが成功すれば意味を成さないはずだ!
我がバーン家は未来永劫語り継がれ、いずれはライトフェロー王国最大の貴族として語り継がれるだろう。
我が研究部門での試作品が世に流れるのはすぐそこまで来ている。
「ルデルテ公爵……!」
「なんだ、騒々しい!」
私が優越感に浸っていた時、慌てた様子で執事の一人が、我が私室に入ってきた。そんなに慌てて、なんだというのだ?
「研究部門からの要請でございます! トラブルが発生したので、至急来てほしいとのこと……!」
「……なんだと?」
トラブルだと……? まったく、私が居ないと何も出来ん奴らだ……それくらいも解決できないのか。私は舌打ちをしながら、座っていたソファから立ち上がった。
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