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17話 お寿司のお店 その1

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 占いの店でアリッサと別れた私達は、アクセサリーショップなどを見学していた。特に買い物をする予定もないんだけれど、ライジング公爵と二人きりだと緊張しちゃうし……。

「あの、ライジング公爵……退屈、ではないでしょうか?」

「ん? ははは、気を遣う必要はないぞファリーナ。何か買いたい物があれば言って欲しいくらいだ」

「さ、左様でございますか……」


 ライジング公爵の言葉はとても嬉しいんだけれど……なんというか、大人だな~~って思う。本音で言えば、決して楽しくはないと思うんだけれど……だって、アクセサリーショップって男性には無縁でしょ。えっ、そうでもないの? 私が世間知らずなだけ? 誰が世間知らずよ、失礼ね!


 と、頭の中の自分と格闘していたのだけれど、ライジング公爵は本当に退屈な様子を見せていなかった。女の子用のアクセサリーしかないけど、案外楽しめているのかしら?


「あの、ライジング公爵」

「なんだ? ファリーナ?」


「よろしければ、お昼を済ませませんか? ええと、お腹が空いてきたもので……」


 本当はそこまでお腹は空いていないけれど、ライジング公爵にこれ以上付き添ってもらうのも気が引けたので、昼食という目的を提示してみた。


「なるほど……そうだな、ではレストランにでも入ろうとしようか」

「はいっ」

「私のおすすめの店でもいいかな?」


 ライジング公爵のおすすめの店……とても良い値段がしそうだけれど、この流れだと価格は気にするなってところかしら? 私は自然と頷いていた。



------------------------------------



「ライジング公爵……ここって……」


「ああ、貴族街でも隠れた名店になるとは思うが、寿司店だ」

「寿司店……」


 王国内でもお寿司の店は貴重。海の幸を生で捌くのには、特別な免許が必要らしいから……そういう意味では、この店のレベルの高さは凄いことになる。店構えは地味で、貴族街の裏手にある感じなんだけど。


「これは公爵閣下、よくぞいらっしゃいました。では、ご注文はいかがされますか?」

「まずはイクラを貰えるか?」

「イクラですね? 畏まりました」


 店主っぽい人の雰囲気が既に違う。ライジング公爵も凄いオーラを放ちながら、イクラを注文していたし。私がここに居て大丈夫なのかしら?


「お待たせいたしました。イクラ、でございます」

「……えっ?」


 赤いつぶつぶのイクラが来ると私は考えており……頭の中も先行していたんだけれど。イクラはイクラだったのだけれど……なぜか、20個以上ある。

「ど、どうしてこんな数が……?」

「ん? ああ、言っていなかったか。私はお寿司に目がなくてな……いつも大量に食べるんだ」


 そうなの……? それにしても1品目にしてこの数は……私は先が怖くなってしまった。


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