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グリードは身支度を整えながら落ち着かない素振りをみせていた。
昨夜の可愛く強請ったリアの姿が、頭から離れない。
朝、もう一度リアを抱きたい衝動に駆られて、理性を抑えるのに一人で苦悶したことは秘密だ。
日に日に強くなっていく独占欲。
今まで誰にも心と身体を許したことはない。
身体は繋げても、制欲のはけ口くらいにしか思っていなかった。
今ではリアがどうすれば喜ぶか、苦痛を与えないようにーとか相手のこと考えるようになっている。
仕事がなければ一日中リアと一緒にいたいほど、リアを愛している。
「買い物?」
「そ。お姉さんにこの街を案内するの。だって、お兄様お仕事ばかりでリアお姉さんのことほったらかしでしょ?」
玄関でグリードを送るとき、サーラが突然そんなことを言い出した。
痛いところを突かれてリアを見やると、期待の眼差しで見つめ返されてしまう。
そんな顔をされると、駄目だとは言えなくなる。
本当は心配で行かせたくはないのだが……。
確かに仕事が忙しく、リアと過ごすのは食事のときか、ベッドの中だけだったので、退屈はさせていただろうと自覚はしている。
「わかった。なんでも好きなものを買うといい。だが、変な男に声かけられても無視をしろよ?」
「大丈夫よ。そんな男がいたら、私が追っ払うから」
サーラが強気に言って見せ、グリードは頭を抱えたくなった。
「お前も、一応女、だろう」
「メイドのレイラも連れて行くし、大丈夫です」
グリードの心配を感じ取ったリアが安心させるように付け足した。
「ええ。私がお二人をしっかりとガードしますわ」
レイラは女性だがメイド頭として対応力もあるし、何より下手な男よりも強い。
「分かった。くれぐれも気をつけていけよ」
「はいっ」
リアが嬉しそうに笑ったのをみて、やはり退屈させていたのかと少々気落ちしてしまう。
気になりながらも、グリードは二つ返事で了承したのだった。
「グリード公爵様、何か不備がございましたか?」
今日は領地を馬車で回っている。
グリードの元で働く部下、ライアンが窓の外を厳しい眼差しで見つめているグリードに恐る恐る聞いてきた。
「……なんでもない。次、行くぞ」
「は、はいっ」
ついどこかにリアがいないかと視線を巡らせている辺り、自分でも呆れている。
グリードの迫力に押されて、ライアンは慌てて馬車を走らせるのだった。
そして何軒か馬車で街中を巡るうち、グリードはリアの姿を認めてはっとした。
「とめろっ!」
慌てて馬車を制止させ、驚くライアンを無視し馬車を降りて走った。
「リア!!」
「グリード様っ!?」
グリードをみやり、驚きに目を見開く。
「こ、公爵様っ……!?」
リアに話しかけていた男が、ぎょっとして身を引く。
「……お前は、セレスタン伯爵」
「こ、これはこれは公爵様。領地の見回りでございますか?」
相変わらず癪に触る物言いだ。20代後半のセレスタンは仕事もせずに街をふらふらと徘徊する姿を時々みていた。
まさか、その男がリアに声をかけるとはー。
「私の妻に何の用だ?」
セレスタンの言葉を無視して鋭い声音で問いかける。リアに視線を送ると、少し怯えた顔をしていた。
「つ、妻!? リア嬢! 本当にこの方と結婚したのか!?」
「っは、はい」
驚きに目を見張ったセレスタンは、あからさまに落胆している。
「……そうか、結婚、されたのか……はは」
意気消沈したように、肩を落としてとぼとぼとどこかへ歩いて行く。
その姿をみて、リアがほっと息を吐いた。
「……リア」
「あ、す、すみません、あのっ」
「何もされなかったか?」
「え、あ、は、はい」
その返事を聞いてようやく一息つけ、怖がらせないよう優しく問いかける。
「セレスタンと知り合いだったのか?」
「知り合いというわけではないんですけど、結婚する前に行った舞踏会で、結婚を何度も迫られた方です。少し、しつこくて……ジルお兄様にグリード様と結婚したということを伝えてもらったんですが」
「なるほど。それでも諦めきれていないという感じだったな」
「まさかこんなところでセレスタン様に会うとは思わなくて……」
「まあ、あの男はここに屋敷を持っているからな。素行は悪く税金も度々滞納している」
忌々しく吐き捨てると、リアがびくっと身をすくませた。
「す、すみません……私がしっかりと対応すれば……」
「しつこく迫られて怖い思いしたんだろ? お前が謝ることじゃない。それよりも、サーラはどうした?」
こんなところにリア一人でいさせている妹がどこにいるのか、と視線を彷徨わせると、店の扉が開いてサーラとレイラが顔を出した。
「まあ、リア様。お先にお外に出られてた……っ、だ、旦那様っ!?」
「お兄様!? こんなところで何してるの?」
「サーラ……、お前こそ何をしている? リアを待たせて悠長に買い物でもしていたのか?」
グリードの怒気を含んだ声に、サーラは呆れ声をだす。
「ちょっと試着に手間取っただけよ? お兄様ったら、リアお姉さんが心配で仕事を放り出してるの?」
「自分の領地をこの目でみて回っているだけだ。ったく」
「グリード様」
馬車を走らせ、追いついたライアンが窓から声をかける。
「なにか問題でもありましたか?」
グリードが女性三人を囲み、何か言い合いをしているのを見遣り、ライアンが気遣わしげに言った。
「いや。レイラ。買い物は中止だ。三人とも馬車に乗れ。とりあえず屋敷まで送る」
「えー、いやよ。これから美味しいいケーキでも食べに行こうって話してたのよ」
サーラがリアの腕を絡め抗議をする。グリードは疲れた顔をしてライアンに命じた。
「そこのカフェでテイクアウトのケーキ、三人分買ってこい」
「え、わ、私がですか!?」
ぎょっとしてオロオロするライアンに、リアが口を出す。
「あ、あの。私が買ってきましょうか?」
「……では、俺も行こう」
「え、グリード様!?」
またもライアンは驚いた。
カフェの前で馬車をとめ、グリードがリアの手をとり、店の中へと入って行く。
「す、すみません……、こういうところで買い物、したことなくて。してみたいなって思って」
「いいよ。なんでも好きなものを頼め」
「いいんですか!?」
ぱっとリアが華やいだ笑顔をみせた。さっきまで沈んでいたから、やっと笑顔がみれたことにそれだけで嬉しくなる。
「俺も、相当過保護だな……」
グリードのつぶやきは一生懸命ケーキを選ぶリアには聞こえていなかった。
昨夜のリアの可愛いお強請り攻撃をまた思い出す。
きっと、サーラ辺りに入れ知恵でもされたのだろうが、そのことには少し感謝してやると独り言ちる。
(セレスタンは執念深い男だ。このままにするわけがない)
「グリード様はどれにします? グリード様……?」
リアに声を掛けられてはっと我にかえる。
「お前と同じものを頼んでくれるか」
「はい」
不安にさせないように笑顔をみせると、リアはほっとしたように微笑んだ。
リアの可愛い笑顔を守るのは、夫であるグリードの役目だと改めて心に誓った。
昨夜の可愛く強請ったリアの姿が、頭から離れない。
朝、もう一度リアを抱きたい衝動に駆られて、理性を抑えるのに一人で苦悶したことは秘密だ。
日に日に強くなっていく独占欲。
今まで誰にも心と身体を許したことはない。
身体は繋げても、制欲のはけ口くらいにしか思っていなかった。
今ではリアがどうすれば喜ぶか、苦痛を与えないようにーとか相手のこと考えるようになっている。
仕事がなければ一日中リアと一緒にいたいほど、リアを愛している。
「買い物?」
「そ。お姉さんにこの街を案内するの。だって、お兄様お仕事ばかりでリアお姉さんのことほったらかしでしょ?」
玄関でグリードを送るとき、サーラが突然そんなことを言い出した。
痛いところを突かれてリアを見やると、期待の眼差しで見つめ返されてしまう。
そんな顔をされると、駄目だとは言えなくなる。
本当は心配で行かせたくはないのだが……。
確かに仕事が忙しく、リアと過ごすのは食事のときか、ベッドの中だけだったので、退屈はさせていただろうと自覚はしている。
「わかった。なんでも好きなものを買うといい。だが、変な男に声かけられても無視をしろよ?」
「大丈夫よ。そんな男がいたら、私が追っ払うから」
サーラが強気に言って見せ、グリードは頭を抱えたくなった。
「お前も、一応女、だろう」
「メイドのレイラも連れて行くし、大丈夫です」
グリードの心配を感じ取ったリアが安心させるように付け足した。
「ええ。私がお二人をしっかりとガードしますわ」
レイラは女性だがメイド頭として対応力もあるし、何より下手な男よりも強い。
「分かった。くれぐれも気をつけていけよ」
「はいっ」
リアが嬉しそうに笑ったのをみて、やはり退屈させていたのかと少々気落ちしてしまう。
気になりながらも、グリードは二つ返事で了承したのだった。
「グリード公爵様、何か不備がございましたか?」
今日は領地を馬車で回っている。
グリードの元で働く部下、ライアンが窓の外を厳しい眼差しで見つめているグリードに恐る恐る聞いてきた。
「……なんでもない。次、行くぞ」
「は、はいっ」
ついどこかにリアがいないかと視線を巡らせている辺り、自分でも呆れている。
グリードの迫力に押されて、ライアンは慌てて馬車を走らせるのだった。
そして何軒か馬車で街中を巡るうち、グリードはリアの姿を認めてはっとした。
「とめろっ!」
慌てて馬車を制止させ、驚くライアンを無視し馬車を降りて走った。
「リア!!」
「グリード様っ!?」
グリードをみやり、驚きに目を見開く。
「こ、公爵様っ……!?」
リアに話しかけていた男が、ぎょっとして身を引く。
「……お前は、セレスタン伯爵」
「こ、これはこれは公爵様。領地の見回りでございますか?」
相変わらず癪に触る物言いだ。20代後半のセレスタンは仕事もせずに街をふらふらと徘徊する姿を時々みていた。
まさか、その男がリアに声をかけるとはー。
「私の妻に何の用だ?」
セレスタンの言葉を無視して鋭い声音で問いかける。リアに視線を送ると、少し怯えた顔をしていた。
「つ、妻!? リア嬢! 本当にこの方と結婚したのか!?」
「っは、はい」
驚きに目を見張ったセレスタンは、あからさまに落胆している。
「……そうか、結婚、されたのか……はは」
意気消沈したように、肩を落としてとぼとぼとどこかへ歩いて行く。
その姿をみて、リアがほっと息を吐いた。
「……リア」
「あ、す、すみません、あのっ」
「何もされなかったか?」
「え、あ、は、はい」
その返事を聞いてようやく一息つけ、怖がらせないよう優しく問いかける。
「セレスタンと知り合いだったのか?」
「知り合いというわけではないんですけど、結婚する前に行った舞踏会で、結婚を何度も迫られた方です。少し、しつこくて……ジルお兄様にグリード様と結婚したということを伝えてもらったんですが」
「なるほど。それでも諦めきれていないという感じだったな」
「まさかこんなところでセレスタン様に会うとは思わなくて……」
「まあ、あの男はここに屋敷を持っているからな。素行は悪く税金も度々滞納している」
忌々しく吐き捨てると、リアがびくっと身をすくませた。
「す、すみません……私がしっかりと対応すれば……」
「しつこく迫られて怖い思いしたんだろ? お前が謝ることじゃない。それよりも、サーラはどうした?」
こんなところにリア一人でいさせている妹がどこにいるのか、と視線を彷徨わせると、店の扉が開いてサーラとレイラが顔を出した。
「まあ、リア様。お先にお外に出られてた……っ、だ、旦那様っ!?」
「お兄様!? こんなところで何してるの?」
「サーラ……、お前こそ何をしている? リアを待たせて悠長に買い物でもしていたのか?」
グリードの怒気を含んだ声に、サーラは呆れ声をだす。
「ちょっと試着に手間取っただけよ? お兄様ったら、リアお姉さんが心配で仕事を放り出してるの?」
「自分の領地をこの目でみて回っているだけだ。ったく」
「グリード様」
馬車を走らせ、追いついたライアンが窓から声をかける。
「なにか問題でもありましたか?」
グリードが女性三人を囲み、何か言い合いをしているのを見遣り、ライアンが気遣わしげに言った。
「いや。レイラ。買い物は中止だ。三人とも馬車に乗れ。とりあえず屋敷まで送る」
「えー、いやよ。これから美味しいいケーキでも食べに行こうって話してたのよ」
サーラがリアの腕を絡め抗議をする。グリードは疲れた顔をしてライアンに命じた。
「そこのカフェでテイクアウトのケーキ、三人分買ってこい」
「え、わ、私がですか!?」
ぎょっとしてオロオロするライアンに、リアが口を出す。
「あ、あの。私が買ってきましょうか?」
「……では、俺も行こう」
「え、グリード様!?」
またもライアンは驚いた。
カフェの前で馬車をとめ、グリードがリアの手をとり、店の中へと入って行く。
「す、すみません……、こういうところで買い物、したことなくて。してみたいなって思って」
「いいよ。なんでも好きなものを頼め」
「いいんですか!?」
ぱっとリアが華やいだ笑顔をみせた。さっきまで沈んでいたから、やっと笑顔がみれたことにそれだけで嬉しくなる。
「俺も、相当過保護だな……」
グリードのつぶやきは一生懸命ケーキを選ぶリアには聞こえていなかった。
昨夜のリアの可愛いお強請り攻撃をまた思い出す。
きっと、サーラ辺りに入れ知恵でもされたのだろうが、そのことには少し感謝してやると独り言ちる。
(セレスタンは執念深い男だ。このままにするわけがない)
「グリード様はどれにします? グリード様……?」
リアに声を掛けられてはっと我にかえる。
「お前と同じものを頼んでくれるか」
「はい」
不安にさせないように笑顔をみせると、リアはほっとしたように微笑んだ。
リアの可愛い笑顔を守るのは、夫であるグリードの役目だと改めて心に誓った。
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