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エリーナの乱れた姿を見たカールは、血相を変えてライの胸倉を掴んだ。
「お前、何をしている―?」
怒りを露にしたカールに対し、ライは掴まれた手を放して平常心のまま冷めた声音で言った。
「何って、カールこそ邪魔しないでほしいね。僕とエリーナは逢引の最中なんだけど」
「なん、だと?」
ライは尚もエリーナの乳房を愛撫してきて、エリーナは泣きながら懇願した。
「や、いやっ、もうっ、あんっ」
両乳房を激しく揉まれ、エリーナは声を上げた。
ピクピクと身体が小刻みに痙攣し、シーツの上で身をよじらせる。
(ああ、どうして、こんなー)
また、あのときと同じ。
ヴァレリー公爵にされたことと。
他の男の手で乱れるエリーナをカールはどんな思いで見詰めているのだろう。
怖くてカールの顔をみることができなかった。
カールは拳を握りしめ、エリーナの上に乗りかかるライの顔面を勢いよく殴った。
「つ……」
いとも簡単にライがベッドから投げ飛ばされ床に転げ落ちて、エリーナは真っ青になって震えあがる。
「あ……」
「ひどいな、いきなり殴りかかることないだろ?」
唇から赤い血が流れ、ライはそれを指で拭いながら挑戦的な視線をカールに向けた。
カールは自分がした行動に瞠目する。
「僕が彼女と何をしてようが関係ないだろ? 何しにきたのさ、いいところだったのに」
カールの癇に障るようなことをわざと言ってのけ、ライは小さく笑みを零した。
「いい、ところ―?」
「そ。いくら屋敷の主だからって、そういう最中に入り込んでくるのはどうかな。ねえ?」
同意を求められて答えられないでいるエリーナを、カールは悲し気な瞳で見詰めていた。
「ということだから、早く部屋を出ていってくれない?」
「あっ……」
ライに引き寄せられ顎をくい、と持ち上げられる。ライの顔が近づいてきてエリーナは身をすくませた。
「ま、待ってください、も、もう」
「何今さら恥ずかしがってんの? 何度もしたでしょ?」
「や、う、うそ、してないっ……してませんから、カール、さまっ」
頭を振って否定するエリーナをライは容赦なく攻めていく。
唇が今にも触れそうな距離まで迫った刹那。
「……め、ろ―」
カールが頭を押さえて蹲って苦しみ始めた。尋常ではない様子にエリーナはありったけの力を振り絞ってライを突き放し、カールの元に駆け寄る。
「カール様っ!? 大丈夫ですか!?」
「くっ、あっ……」
顔中に大量の汗をかき、もがき苦しむカールの背をエリーナは支えるしかできない。
「オズワルド様っ、早く、お医者様をっ……、オズワルド様!!」
エリーナの必死の呼びかけに、ライは苦笑を零して言った。
「大丈夫。今、カールは戦っているんだ。君のことを思い出そうとしている」
「え……?」
エリーナは苦しむカールを不安げに見詰める。
「っつ、はっ」
「カール様っ……大丈夫、私はずっと、あなたの側にいます、だからっ……」
「―エ、リー、ナは私の、つ、まだっ……くっ」
苦し気ながらもはっきりと聞こえた。
エリーナは満ち足りた気持ちになり、震えて苦しむカールの大きな体を包み込むようにそっと抱きしめる。
今までどこか虚ろだったカールの瞳に、生気が戻った。
「お前、何をしている―?」
怒りを露にしたカールに対し、ライは掴まれた手を放して平常心のまま冷めた声音で言った。
「何って、カールこそ邪魔しないでほしいね。僕とエリーナは逢引の最中なんだけど」
「なん、だと?」
ライは尚もエリーナの乳房を愛撫してきて、エリーナは泣きながら懇願した。
「や、いやっ、もうっ、あんっ」
両乳房を激しく揉まれ、エリーナは声を上げた。
ピクピクと身体が小刻みに痙攣し、シーツの上で身をよじらせる。
(ああ、どうして、こんなー)
また、あのときと同じ。
ヴァレリー公爵にされたことと。
他の男の手で乱れるエリーナをカールはどんな思いで見詰めているのだろう。
怖くてカールの顔をみることができなかった。
カールは拳を握りしめ、エリーナの上に乗りかかるライの顔面を勢いよく殴った。
「つ……」
いとも簡単にライがベッドから投げ飛ばされ床に転げ落ちて、エリーナは真っ青になって震えあがる。
「あ……」
「ひどいな、いきなり殴りかかることないだろ?」
唇から赤い血が流れ、ライはそれを指で拭いながら挑戦的な視線をカールに向けた。
カールは自分がした行動に瞠目する。
「僕が彼女と何をしてようが関係ないだろ? 何しにきたのさ、いいところだったのに」
カールの癇に障るようなことをわざと言ってのけ、ライは小さく笑みを零した。
「いい、ところ―?」
「そ。いくら屋敷の主だからって、そういう最中に入り込んでくるのはどうかな。ねえ?」
同意を求められて答えられないでいるエリーナを、カールは悲し気な瞳で見詰めていた。
「ということだから、早く部屋を出ていってくれない?」
「あっ……」
ライに引き寄せられ顎をくい、と持ち上げられる。ライの顔が近づいてきてエリーナは身をすくませた。
「ま、待ってください、も、もう」
「何今さら恥ずかしがってんの? 何度もしたでしょ?」
「や、う、うそ、してないっ……してませんから、カール、さまっ」
頭を振って否定するエリーナをライは容赦なく攻めていく。
唇が今にも触れそうな距離まで迫った刹那。
「……め、ろ―」
カールが頭を押さえて蹲って苦しみ始めた。尋常ではない様子にエリーナはありったけの力を振り絞ってライを突き放し、カールの元に駆け寄る。
「カール様っ!? 大丈夫ですか!?」
「くっ、あっ……」
顔中に大量の汗をかき、もがき苦しむカールの背をエリーナは支えるしかできない。
「オズワルド様っ、早く、お医者様をっ……、オズワルド様!!」
エリーナの必死の呼びかけに、ライは苦笑を零して言った。
「大丈夫。今、カールは戦っているんだ。君のことを思い出そうとしている」
「え……?」
エリーナは苦しむカールを不安げに見詰める。
「っつ、はっ」
「カール様っ……大丈夫、私はずっと、あなたの側にいます、だからっ……」
「―エ、リー、ナは私の、つ、まだっ……くっ」
苦し気ながらもはっきりと聞こえた。
エリーナは満ち足りた気持ちになり、震えて苦しむカールの大きな体を包み込むようにそっと抱きしめる。
今までどこか虚ろだったカールの瞳に、生気が戻った。
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