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Cランクの依頼を受けました。

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 夕方まで狩りを続け、私達は走って街まで帰った。
 街に入るとお風呂屋さんに向かった。
 そして今日はレオン達は洗わずに、私はゆっくりとお風呂を堪能した。
 お風呂の後はギルドには寄らずに、宿に戻って夕食を取った。
 今日はたくさん狩ってお風呂に入って、充実した一日だったと思う。
 これからは狩れる時はたくさん狩ろう。
 そして天気の悪い日は休めばいい。
 疲れたら休めばいいし。
 そう思って、私は眠りについたのだった。


 翌朝、私達はギルドに行って納品した。
 昨日はたくさん狩ったので、報酬も多かった。
 それに、ランクがEからDに上がった。

 私はさっそくDとCの依頼票を見た。
 Cの所にゴブリンの巣の調査というのがあったので、私はそれを受けることにした。
 受付に依頼票を持って行くと、これはパーティ推奨の依頼だと言われた。

「でも、パーティに入ってなくても受けられるんですよね?」
「そうですが……お勧めはできません」
「私には従魔がいるから大丈夫です」
「……ゴブリンに見つからないように気をつけてくださいね」
「わかりました」

 ゴブリンに見つかったら倒してしまえばいいと思っていたけど、見つかってはいけないようだ。
 今回は慎重に行動しよう。

 ゴブリンの巣は西の森にあるらしいので、私達は門を出てから森までは走って向かった。
 そして森に着くと、私はレオンに「ゴブリンがたくさんいる所を探してくれる? でもゴブリンに見つからないように気をつけてね」と言った。
 レオンからは『ゴブリンってなにー?』という答えが返ってきて、そこから説明しなきゃならないのかとガックリきた。

「ゴブリンっていうのはね、緑色で人間みたいな形をしていて……臭いの!」

 私は夢で情報収集した姿を説明したけど、わかっただろうか。

『くさいの、あっちー』

 レオンが走り出したので、私とジーンは後を追った。
 そしてレオンが止まった先にはゴブリンが三匹いたけど、こちらに気づかれてしまった。
 ゴブリンが襲いかかってきたので、私がどうしようかと思案していると、後ろからジーンが飛び出して来てゴブリンに噛みついた。
 そしてゴブリンを引き倒して、首に噛みついた。
 するとほかのゴブリン達がジーンに向かって木の棒で殴ろうとした。
 私はゴブリン達に雷撃を食らわせたけど、一匹は外してしまった。
 その残りの一匹は、ジーンが喉笛に噛みついて倒してくれた。
 ……ゴブリンに見つからないようにって言われたけど、常時依頼にゴブリンを倒して右耳を持ってくるっていうのがあったから、巣のゴブリン達に見つからなければ大丈夫だろう。

 とりあえず、私はジーンを褒めた。
 それから、短剣でゴブリンの右耳を切り取った。
 耳はそのままアイテムボックスに入れたけど、何か袋を用意して来れば良かったと思った。

『あるじ、みつかっちゃった』

 レオンはしょんぼりしていた。

「たくさんのゴブリンに見つからなければいいよ」

 私はレオンを撫でて慰めた。

「レオン、見つけてくれてありがとね。また探してくれる?」

 私がそう言うと、レオンは元気を取り戻して『わかったー! こっちー!』と再び走り出した。
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