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アイテムボックスについて教えてもらいました。
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ギース達が倒した角熊をアイテムボックスに入れた後、次の獲物を探すために移動した。
しばらくすると、またスロムが何かを見つけて言った。
「角熊だ。二頭いる」
「二頭か……ハルカ、大丈夫か?」
「大丈夫」
私達はスロムの後についてしばらく歩いた。
そしてスロムが立ち止まった先に角熊がいた。
私は雷撃を二度放った。
角熊二頭が倒れた。
ギース達は、驚いた顔で私を見た。
「雷属性もあるのか」
ギースが言ったので、私は頷いた。
「丸腰だから、アイテムボックスを利用して倒すんだと思ってた」
そう言ったのはクリスだ。
「アイテムボックスを利用って?」
「アイテムボックスには生き物も入るだろ? だから獲物を生きたまま入れて殺す方法さ」
「え! 生き物も入るの!?」
「知らなかったのかよ!」
知らなかった……。アイテムボックスに生き物が入らないのはお約束だと思っていた。
「でも生き物を入れたままにして餓死するまで待つの?」
「そこまで待たなくても、生き物を入れてしばらくすると死んじまうんだってさ」
「そうなんだ……」
アイテムボックスの中は空気がないのかもしれない。でも時間は止まってるみたいなのに、何で死んでしまうんだろう。
不思議だ。
「でも雷使いなら、遠くからでも倒せるからいいな」
アルクスがそう言ったので驚いた。
彼は喋らない人だと思ってた。
「でもハルカとなら、ドラゴンでも倒せそうだな!」
そうギースが言ったのでドキッとした。
そうだ。私は倒される側なのだ。
改めて自分は人間ではないのだと思い知らされてた。
「どうした?」
落ち込んだ私にギースが話しかけて来るけど、私は「なんでもない」と言って倒れている角熊に近づいた。
そして二頭をアイテムボックスに入れ、彼らを振り返った。
「私はやっぱりパーティには入らないよ」
するとギースが「角熊なら一撃で仕留められても、もっと大物になると一人じゃ危ないぞ」と言った。
「……でもギース達のパーティには、私は必要ないと思う」
「そんなことない」
ギースは引かない。でも私はパーティに入る気はない。
私が黙っていると、アルクスがとりなすように言った。
「とりあえず、今日は一緒に狩ろう」
そう言われて私は彼らと行動を共にすることにしたけど、心の中は暗いままだった。
しばらくすると、またスロムが何かを見つけて言った。
「角熊だ。二頭いる」
「二頭か……ハルカ、大丈夫か?」
「大丈夫」
私達はスロムの後についてしばらく歩いた。
そしてスロムが立ち止まった先に角熊がいた。
私は雷撃を二度放った。
角熊二頭が倒れた。
ギース達は、驚いた顔で私を見た。
「雷属性もあるのか」
ギースが言ったので、私は頷いた。
「丸腰だから、アイテムボックスを利用して倒すんだと思ってた」
そう言ったのはクリスだ。
「アイテムボックスを利用って?」
「アイテムボックスには生き物も入るだろ? だから獲物を生きたまま入れて殺す方法さ」
「え! 生き物も入るの!?」
「知らなかったのかよ!」
知らなかった……。アイテムボックスに生き物が入らないのはお約束だと思っていた。
「でも生き物を入れたままにして餓死するまで待つの?」
「そこまで待たなくても、生き物を入れてしばらくすると死んじまうんだってさ」
「そうなんだ……」
アイテムボックスの中は空気がないのかもしれない。でも時間は止まってるみたいなのに、何で死んでしまうんだろう。
不思議だ。
「でも雷使いなら、遠くからでも倒せるからいいな」
アルクスがそう言ったので驚いた。
彼は喋らない人だと思ってた。
「でもハルカとなら、ドラゴンでも倒せそうだな!」
そうギースが言ったのでドキッとした。
そうだ。私は倒される側なのだ。
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「どうした?」
落ち込んだ私にギースが話しかけて来るけど、私は「なんでもない」と言って倒れている角熊に近づいた。
そして二頭をアイテムボックスに入れ、彼らを振り返った。
「私はやっぱりパーティには入らないよ」
するとギースが「角熊なら一撃で仕留められても、もっと大物になると一人じゃ危ないぞ」と言った。
「……でもギース達のパーティには、私は必要ないと思う」
「そんなことない」
ギースは引かない。でも私はパーティに入る気はない。
私が黙っていると、アルクスがとりなすように言った。
「とりあえず、今日は一緒に狩ろう」
そう言われて私は彼らと行動を共にすることにしたけど、心の中は暗いままだった。
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