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夢で追いかけられました。

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 私は夢の中で、夢に追いかけられていた。
 夢の主はあのドラゴンだ。
 前に一度だけ、約束通りドラゴンに会うために夢の中に入ったけど、その後は避け続けている。
 夢の中に入れば、抱きつかれて放してもらえなくなるからだ。

 せっかく助けた命だ。無事に育ってほしい。
 そう思って夢から逃げ続けているのだけれど、ドラゴンはまるで諦める様子はなく、毎夜、夢の中で追いかけっこを続けている。

 夢の中では夢魔が最強のはずなのに。
 けれど、ドラゴンに食べられたことのある私だ。
 中途半端な夢魔である私は、きっとドラゴンには適わないのだろう。

 それにしても、夢の中で追いかけるのはそろそろ終わりにしてほしい。
 私は意を決して、ドラゴンの夢の中に入ることにした。

 夢の中に入ると、人型になったドラゴンが必死な顔をして私にしがみついてきた。
 私そっくりなその頭を撫でて、私はもう追いかけてこないように言い聞かせようとした。
 けれどいくら言っても、ドラゴンはただ私にしがみついて頬をすり寄せてくるだけで、私の言葉を理解しているかどうかさえわからない。
 私は途方に暮れた。そして夢から覚めるまでそのまま抱きつかれていた。
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