28 / 60
帰って来た?
しおりを挟む
次の日。
朝食の時、カーラさんにグレイス様はまだ出かけていると言われた。
それでまだ本を読み続けることができた。
キューちゃんは寝てばかりいるので、本に集中できてちょうどいい。
起きていると、細かいことまで記録を付けなければいけないのだ。
「キュウ」
キューちゃんが起きてしまったので餌を与えた。
しかしキューちゃんは食べ終えてもいつものようにすぐに寝ないで、私の肩に乗って頭を擦り付けてきた。
……構ってほしいらしい。
可愛いなあ~と思いながら、キューちゃんが満足するまで頭や体を撫でてあげる。
しばらくすると、キューちゃんは私の肩から飛び立ち寝床に戻って行った。
私は再び本を読むのに集中した。
ノックの音がして、私は扉を振り返った。
「はい」
扉が開いて、カーラさんが入って来た。
「お茶をお持ちしました」
「ありがとうございます」
もうそんな時間かと思いながら、私は立ち上がって伸びをした。
「リゼ様。グレイス様がお帰りになられましたよ」
カーラさんがそう言ったので、まだあんまり覚えてない! と私は少し焦ってしまった。
「今日はこのまま本を読んで、明日の朝食後に部屋に来るようにと言付かりました」
「わかりました」
まだ本を読んでいられると知ってホッとした。
それから明日のことを考えて……グレイス様の寝起きの悪さを思い出して、ちょっと笑ってしまった。
翌日。
グレイス様の部屋の扉を叩くが、返事がない。
「グレイス様!」
私はもう一度ノックをして、返事を待った。
「グレイス様! 入りますよ!」
一言そう断ってから扉を開けた。そしてベッドに向かった。
そこにはすやすやと眠るグレイス様が。
私はグレイス様の肩を揺すって呼びかけた。
「グレイス様! 起きて下さい!」
何度も揺すって呼びかけて、なんとかグレイス様を起こすことができた。
それからいつものように、グレイス様の支度ができるまで部屋に戻って待っていた。
グレイス様の寝起きの悪さは、夜が遅いせいかもしれない。
毎日遅くまで仕事をしているのだろうか。
私はグレイス様が身体を壊さないかと心配になった。
私を弟子にして、負担が増えたのかも。
そう思うと、早く一人前にならなくては、という気持ちになってくる。
本の内容はまだあんまり覚えてないけど、順番だけならなんとなく分かるようになってきたし、これからもたくさん読んで覚えよう。
そう思って、気合いを入れた。
グレイス様から声がかかって、私は再び彼の部屋に行った。
グレイス様は気まずそうに「毎回手間をかけさせてすまない」と言った。
私は「大丈夫です」と答えた。
朝食の時、カーラさんにグレイス様はまだ出かけていると言われた。
それでまだ本を読み続けることができた。
キューちゃんは寝てばかりいるので、本に集中できてちょうどいい。
起きていると、細かいことまで記録を付けなければいけないのだ。
「キュウ」
キューちゃんが起きてしまったので餌を与えた。
しかしキューちゃんは食べ終えてもいつものようにすぐに寝ないで、私の肩に乗って頭を擦り付けてきた。
……構ってほしいらしい。
可愛いなあ~と思いながら、キューちゃんが満足するまで頭や体を撫でてあげる。
しばらくすると、キューちゃんは私の肩から飛び立ち寝床に戻って行った。
私は再び本を読むのに集中した。
ノックの音がして、私は扉を振り返った。
「はい」
扉が開いて、カーラさんが入って来た。
「お茶をお持ちしました」
「ありがとうございます」
もうそんな時間かと思いながら、私は立ち上がって伸びをした。
「リゼ様。グレイス様がお帰りになられましたよ」
カーラさんがそう言ったので、まだあんまり覚えてない! と私は少し焦ってしまった。
「今日はこのまま本を読んで、明日の朝食後に部屋に来るようにと言付かりました」
「わかりました」
まだ本を読んでいられると知ってホッとした。
それから明日のことを考えて……グレイス様の寝起きの悪さを思い出して、ちょっと笑ってしまった。
翌日。
グレイス様の部屋の扉を叩くが、返事がない。
「グレイス様!」
私はもう一度ノックをして、返事を待った。
「グレイス様! 入りますよ!」
一言そう断ってから扉を開けた。そしてベッドに向かった。
そこにはすやすやと眠るグレイス様が。
私はグレイス様の肩を揺すって呼びかけた。
「グレイス様! 起きて下さい!」
何度も揺すって呼びかけて、なんとかグレイス様を起こすことができた。
それからいつものように、グレイス様の支度ができるまで部屋に戻って待っていた。
グレイス様の寝起きの悪さは、夜が遅いせいかもしれない。
毎日遅くまで仕事をしているのだろうか。
私はグレイス様が身体を壊さないかと心配になった。
私を弟子にして、負担が増えたのかも。
そう思うと、早く一人前にならなくては、という気持ちになってくる。
本の内容はまだあんまり覚えてないけど、順番だけならなんとなく分かるようになってきたし、これからもたくさん読んで覚えよう。
そう思って、気合いを入れた。
グレイス様から声がかかって、私は再び彼の部屋に行った。
グレイス様は気まずそうに「毎回手間をかけさせてすまない」と言った。
私は「大丈夫です」と答えた。
0
お気に入りに追加
37
あなたにおすすめの小説
毒はお好きですか? 浸毒の令嬢と公爵様の結婚まで
屋月 トム伽
恋愛
産まれる前から、ライアス・ノルディス公爵との結婚が決まっていたローズ・ベラルド男爵令嬢。
結婚式には、いつも死んでしまい、何度も繰り返されるループを終わらせたくて、薬作りに没頭していた今回のループ。
それなのに、いつもと違いライアス様が毎日森の薬屋に通ってくる。その上、自分が婚約者だと知らないはずなのに、何故かデートに誘ってくる始末。
いつもと違うループに、戸惑いながらも、結婚式は近づいていき……。
※あらすじは書き直すことがあります。
※小説家になろう様にも投稿してます。
残滓と呼ばれたウィザード、絶望の底で大覚醒! 僕を虐げてくれたみんなのおかげだよ(ニヤリ)
SHO
ファンタジー
15歳になり、女神からの神託の儀で魔法使い(ウィザード)のジョブを授かった少年ショーンは、幼馴染で剣闘士(ソードファイター)のジョブを授かったデライラと共に、冒険者になるべく街に出た。
しかし、着々と実績を上げていくデライラとは正反対に、ショーンはまともに魔法を発動する事すら出来ない。
相棒のデライラからは愛想を尽かされ、他の冒険者たちからも孤立していくショーンのたった一つの心の拠り所は、森で助けた黒ウサギのノワールだった。
そんなある日、ショーンに悲劇が襲い掛かる。しかしその悲劇が、彼の人生を一変させた。
無双あり、ザマァあり、復讐あり、もふもふありの大冒険、いざ開幕!
美しくも残酷な世界に花嫁(仮)として召喚されたようです~酒好きアラサーは食糧難の世界で庭を育てて煩悩のままに生活する
くみたろう
ファンタジー
いつもと変わらない日常が一変するのをただの会社員である芽依はその身をもって知った。
世界が違った、価値観が違った、常識が違った、何もかもが違った。
意味がわからなかったが悲観はしなかった。
花嫁だと言われ、その甘い香りが人外者を狂わすと言われても、芽依の周りは優しさに包まれている。
そばに居るのは巨大な蟻で、いつも優しく格好良く守ってくれる。
奴隷となった大好きな二人は本心から芽依を愛して側にいてくれる。
麗しい領主やその周りの人外者達も、話を聞いてくれる。
周りは酷く残酷な世界だけれども、芽依はたまにセクハラをして齧りつきながら穏やかに心を育み生きていく。
それはこの美しく清廉で、残酷でいておぞましい御伽噺の世界の中でも慈しみ育む人外者達や異世界の人間が芽依を育て守ってくれる。
お互いの常識や考えを擦り合わせ歩み寄り、等価交換を基盤とした世界の中で、優しさを育てて自分の居場所作りに励む。
全ては幸せな気持ちで大好きなお酒を飲む為であり、素敵な酒のつまみを開発する日々を送るためだ。
余命宣告を受けたので私を顧みない家族と婚約者に執着するのをやめることにしました
結城芙由奈
恋愛
【余命半年―未練を残さず生きようと決めた。】
私には血の繋がらない父と母に妹、そして婚約者がいる。しかしあの人達は私の存在を無視し、空気の様に扱う。唯一の希望であるはずの婚約者も愛らしい妹と恋愛関係にあった。皆に気に入られる為に努力し続けたが、誰も私を気に掛けてはくれない。そんな時、突然下された余命宣告。全てを諦めた私は穏やかな死を迎える為に、家族と婚約者に執着するのをやめる事にした―。
2021年9月26日:小説部門、HOTランキング部門1位になりました。ありがとうございます
*「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
※2023年8月 書籍化
【R-18】【完結】皇帝と犬
雲走もそそ
恋愛
ハレムに複数の妻子を抱える皇帝ファルハードと、片足の悪い女官長シュルーク。
皇帝はかつて敵国の捕虜にされ、惨い扱いを受けた。女官長は彼を捕らえていた敵国の将軍の娘。
彼女の足が悪いのは、敵国を攻め滅ぼした際に報復として皇帝に片足の腱を切られたからだ。
皇帝が女官長を日々虐げながら傍に置く理由は愛か復讐か――。
・執着マシマシなヒーローがヒロインに屈辱的な行為を強要(さして反応なし)したり煮詰まったりする愛憎劇です。
・ヒーロー以外との性交描写や凌辱描写があります。
・オスマン・トルコをモチーフにした世界観ですが、現実の国、宗教等とは関係のないフィクションです。
・他サイトにも掲載しています。
公爵家の半端者~悪役令嬢なんてやるよりも、隣国で冒険する方がいい~
石動なつめ
ファンタジー
半端者の公爵令嬢ベリル・ミスリルハンドは、王立学院の休日を利用して隣国のダンジョンに潜ったりと冒険者生活を満喫していた。
しかしある日、王様から『悪役令嬢役』を押し付けられる。何でも王妃様が最近悪役令嬢を主人公とした小説にはまっているのだとか。
冗談ではないと断りたいが権力には逆らえず、残念な演技力と棒読みで悪役令嬢役をこなしていく。
自分からは率先して何もする気はないベリルだったが、その『役』のせいでだんだんとおかしな状況になっていき……。
※小説家になろうにも掲載しています。
転生令嬢の食いしん坊万罪!
ねこたま本店
ファンタジー
訳も分からないまま命を落とし、訳の分からない神様の手によって、別の世界の公爵令嬢・プリムローズとして転生した、美味しい物好きな元ヤンアラサー女は、自分に無関心なバカ父が後妻に迎えた、典型的なシンデレラ系継母と、我が儘で性格の悪い妹にイビられたり、事故物件王太子の中継ぎ婚約者にされたりつつも、しぶとく図太く生きていた。
そんなある日、プリムローズは王侯貴族の子女が6~10歳の間に受ける『スキル鑑定の儀』の際、邪悪とされる大罪系スキルの所有者であると判定されてしまう。
プリムローズはその日のうちに、同じ判定を受けた唯一の友人、美少女と見まごうばかりの気弱な第二王子・リトス共々捕えられた挙句、国境近くの山中に捨てられてしまうのだった。
しかし、中身が元ヤンアラサー女の図太い少女は諦めない。
プリムローズは時に気弱な友の手を引き、時に引いたその手を勢い余ってブン回しながらも、邪悪と断じられたスキルを駆使して生き残りを図っていく。
これは、図太くて口の悪い、ちょっと(?)食いしん坊な転生令嬢が、自分なりの幸せを自分の力で掴み取るまでの物語。
こちらの作品は、2023年12月28日から、カクヨム様でも掲載を開始しました。
今後、カクヨム様掲載用にほんのちょっとだけ内容を手直しし、1話ごとの文章量を増やす事でトータルの話数を減らした改訂版を、1日に2回のペースで投稿していく予定です。多量の加筆修正はしておりませんが、もしよろしければ、カクヨム版の方もご笑覧下さい。
※作者が適当にでっち上げた、完全ご都合主義的世界です。細かいツッコミはご遠慮頂ければ幸いです。もし、目に余るような誤字脱字を発見された際には、コメント欄などで優しく教えてやって下さい。
※検討の結果、「ざまぁ要素あり」タグを追加しました。
旦那様、前世の記憶を取り戻したので離縁させて頂きます
結城芙由奈
恋愛
【前世の記憶が戻ったので、貴方はもう用済みです】
ある日突然私は前世の記憶を取り戻し、今自分が置かれている結婚生活がとても理不尽な事に気が付いた。こんな夫ならもういらない。前世の知識を活用すれば、この世界でもきっと女1人で生きていけるはず。そして私はクズ夫に離婚届を突きつけた―。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる