平凡な私が選ばれるはずがない

私が選ばれるはずはない。
だって両親の期待を裏切った出来損ないなのだから。
ずっとそうやって生きてきた。

それなのに、今更...。
今更、その方は私の前に現れた。

期待してはダメ。
縋ってはいけない。

私はもう諦めたのだから。



ある国の片田舎に、異能者の番となる特別な印を持った少女がいた。
しかし、その少女にはいつまで経っても迎えは来なかった。
両親に虐げられ、奴隷にまで落ちた少女は、全てを諦めながら残された人生を生きる。
自分を助けてくれた優しい人達に感謝しながら。

そんなある日、彼女は出会ってしまった。
彼女を切り捨てた美しい番と。




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