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今日から授業が始まる。私が教室に入ると既にみんな好きな席に座っていた。
おはようと声を掛けて、私は手招きしてくれたウィルの隣に座った。
少しすると豪奢な巻き毛のブロンドを揺らし、優雅な足取りで一人の美少女が教室に入ってきた。
「あら。皆様ごきげんよう。アルベルティーナ・レブロンですわ。皆様より少しお姉さんかしらね。これからどうぞよろしく。」
扇を口に当てて微笑む様は正に女王様だ。
レブロン家は、アーレント王国に3家ある公爵家の1つで、豊かな穀倉地帯と魔鉱石鉱山を所有している。
レブロン家のお姫様がアルグリア学院に入学するなんて意外に思いながらも、私は挨拶を返した。
みんなも高貴なお姫様の登場に緊張しながら各々自己紹介をしていた。
ウィルはいつも通りだったけど。
これで今年の魔法科入学生が全員揃った。そう思っていると、色素の薄い砂色の髪を一つに束ねた男性が教室に入ってきた。
「おはようございます。まずは皆さん入学おめでとう。私は学院教師のリント・バリー。ここでは皆さんに魔法基礎学を教えます。今日は初めに学院と授業について説明します。その後少しだけ基礎学を学びましょう。午後からは教師の実技授業が見学出来ますから、ぜひ沢山見学してください。」
バリー先生の穏やかな口調に私の緊張も少しづつほぐれていく。優しそうな先生でよかった。
先生の説明によると、このクラスで受ける授業は魔法基礎学のみで、歴史や数学などの教科は定期的に課題やレポートを提出するだけでいいらしい。つまり自主学習。しかし毎年この課題に苦戦する生徒がいるらしく気を抜かないようにと言われた。私も気を付けないと。
あとはとにかく先生に付いて魔法の訓練をする。魔法科の先生は全員魔法士なので誰に師事してもいいそうだ。ただ、やり方は先生に寄って違うのでよく授業を見学することを勧められた。
説明の後に行われたバリー先生の授業は分かりやすかった。リヴァン先生の教え方は実技を交えた教え方だったけれど、バリー先生の授業は歴史的観点を踏まえた教え方だった。古代魔法や呪術があまりにも現在の魔法とは違っていて面白かった。リヴァン先生にも詳しく聞いてみよう。
お昼の時間になり、ウィルが食堂に誘ってくれた。
折角なのでクラスのみんなにも声を掛ける。
残念ながらアルベルティーナ様は用事があるとの事でご一緒出来なかったけれど、5人で食事を楽しんだ。
食堂の食事は種類が豊富でデザートまであった。いつか全部チャレンジしてみたい。
食事を食べ終え、昼休みを教室でゆっくり過ごしていると、バリー先生に声を掛けられた。
「リルメリアさん。昼休みが終わったら研究室1ー5に行ってくれる?」
先生はそう言って、窓から見える隣の建物を指差した。
「分かりました。」
私の返答を聞くと先生は足早に教室を出て行った。
疑問には思ったけれど、時計を見るともう昼休みも終わる時間だった。
私はみんなに声を掛けてから研究室へ向かった。
おはようと声を掛けて、私は手招きしてくれたウィルの隣に座った。
少しすると豪奢な巻き毛のブロンドを揺らし、優雅な足取りで一人の美少女が教室に入ってきた。
「あら。皆様ごきげんよう。アルベルティーナ・レブロンですわ。皆様より少しお姉さんかしらね。これからどうぞよろしく。」
扇を口に当てて微笑む様は正に女王様だ。
レブロン家は、アーレント王国に3家ある公爵家の1つで、豊かな穀倉地帯と魔鉱石鉱山を所有している。
レブロン家のお姫様がアルグリア学院に入学するなんて意外に思いながらも、私は挨拶を返した。
みんなも高貴なお姫様の登場に緊張しながら各々自己紹介をしていた。
ウィルはいつも通りだったけど。
これで今年の魔法科入学生が全員揃った。そう思っていると、色素の薄い砂色の髪を一つに束ねた男性が教室に入ってきた。
「おはようございます。まずは皆さん入学おめでとう。私は学院教師のリント・バリー。ここでは皆さんに魔法基礎学を教えます。今日は初めに学院と授業について説明します。その後少しだけ基礎学を学びましょう。午後からは教師の実技授業が見学出来ますから、ぜひ沢山見学してください。」
バリー先生の穏やかな口調に私の緊張も少しづつほぐれていく。優しそうな先生でよかった。
先生の説明によると、このクラスで受ける授業は魔法基礎学のみで、歴史や数学などの教科は定期的に課題やレポートを提出するだけでいいらしい。つまり自主学習。しかし毎年この課題に苦戦する生徒がいるらしく気を抜かないようにと言われた。私も気を付けないと。
あとはとにかく先生に付いて魔法の訓練をする。魔法科の先生は全員魔法士なので誰に師事してもいいそうだ。ただ、やり方は先生に寄って違うのでよく授業を見学することを勧められた。
説明の後に行われたバリー先生の授業は分かりやすかった。リヴァン先生の教え方は実技を交えた教え方だったけれど、バリー先生の授業は歴史的観点を踏まえた教え方だった。古代魔法や呪術があまりにも現在の魔法とは違っていて面白かった。リヴァン先生にも詳しく聞いてみよう。
お昼の時間になり、ウィルが食堂に誘ってくれた。
折角なのでクラスのみんなにも声を掛ける。
残念ながらアルベルティーナ様は用事があるとの事でご一緒出来なかったけれど、5人で食事を楽しんだ。
食堂の食事は種類が豊富でデザートまであった。いつか全部チャレンジしてみたい。
食事を食べ終え、昼休みを教室でゆっくり過ごしていると、バリー先生に声を掛けられた。
「リルメリアさん。昼休みが終わったら研究室1ー5に行ってくれる?」
先生はそう言って、窓から見える隣の建物を指差した。
「分かりました。」
私の返答を聞くと先生は足早に教室を出て行った。
疑問には思ったけれど、時計を見るともう昼休みも終わる時間だった。
私はみんなに声を掛けてから研究室へ向かった。
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