赤唐辛子の童話作品集

（２作品目）七面鳥のお願い

（０２）厳めしい顔をしたオジサン

　七面鳥を捕らえたハンターは、名前をウィリアムといって、体格のがっちりとしたオジサンです。髪は輝くブロンドで、年齢は四十才です。
　鼻の下に濃いヒゲがところ狭しと生えています。

　こんなにも厳めしい顔をしたオジサンが、七面鳥に向かい、なにやら笑いながら話しかけています。

「オメエは明日の昼、オレの可愛いベスのバースデーパーティーで主役になってもらうんだ。なあに、心配しなくていいぞ。オメエには演技も台詞もいらねえ。華やかなテーブルの真ん中で、ただ黙って座っていればいい。あははは。」

　七面鳥は悲しくなって涙をこぼします。
　首にロープが食い込むので逃げることもできません。