【都市伝説】新妖怪ワリメのエロ恐怖

第0章. プロローグ

002. 筋好太郎の弁明

　総理総裁を辞めてしまった筋好すじすき太郎たろうが、テレビ帝京放送、略称〈テレ帝〉が深夜に放送している人気番組『朝まで生マンポコリ～ン♪』に生出演した。
　テレ帝のエロ度No.1美人アナとして知られている陳湖田ちんこだ萌絵もええ、通称〈チンパン〉を前にして、筋好は男泣きしつつ熱心に語っている。

「ワシは、ハメられたのじゃ」
「誰にハメたのでしょうか？」
「ワシがハメたんじゃあない！　ハメられたのじゃ！」
「あなたが女性にハメたのでは、ないのですか？」
「だから違う、ハメられたんだ！　アホかお前は、ワシの言葉をちゃんと聞け！」

　筋好は茹ダコのような顔になってチンパンを睨みつける。

「奥さんと5人いる愛人だけでは飽きたらず、四里之しりの香織かおり議員にも、常々ハメたいと思ってらっしゃるのでしょうか？」
「お前、いい加減にしろ！」

　ついに筋好が席から立ち上がった。そして大声で怒鳴る。

「お～い、お茶！　――じゃあない、こいつを今すぐ取り替えろ。こんなポンコツなキャスターじゃあ話にならん！」
「四里之議員と同じように、わたしにもハメたいのですか？」
「だから違う、ハメられたんだ！　アホだろお前、小学校行ったんか？」
「はい、わたし小学校の頃からよくイク体質でした。ハメてみますか？」
「なにを云っておるのだ、お前マヌケすぎるぞ」
「まぁヌケすぎるのですか？　性処理が必要のようでしたら、ここで今すぐわたしにハメてみますか？　きっと気持ちよくヌケますよ？」

　チンパンと云う女は、こう云うエロエロなキャラを売りにしているエロいアナで、またこの『朝まで生マンポコリ～ン♪』と云う番組も、こう云う下ネタまみれのエロ番組なのである。
　筋好はあきれ顔になり、とうとうチンパンに背を向けた。まさか番組をすっぽかして帰るつもりであろうか、なかろうか。それは彼の腹の中。
　だがしかし、どう云うわけだか筋好が突然にして発情状態となったのである。

「ワリメワリメ、ワリメを見せろ！　萌絵ちゃ～ん、ワシにワリメを見せてくれ！　スカートを脱いで、パンツも脱いでくれ！」
「きゃあ～～～～～～っ！」

　チンパンは甲高い叫び声を上げて逃げようとする。
　だがしかし、彼女の尻に筋好が喰らいついた。79歳のくせに殿様バッタ級のジャンプ力を持っている。そんな筋好が、チンパンのタイトスカートを脱がそうとして無理矢理に引っ張っているのだ。誠に破廉恥千万けしからん前総理だと視聴者の大多数は思っていることであろう。
　突然起きたパプニングに、スタジオ内にいるスタッフたちは、総立ちで唖然となっている。
　ディレクターは開いた口がふさがらない。今は生放送中なのだ。この偶発的なアクシデントのおかげで視聴率が跳ね上がってくれるのか？　はたまた放送事故になって責任を取らされてしまうのか？　――これはもう、只々運を天に任せるしかなさそうだ。
　この大騒ぎの張本人である前総理・筋好太郎の方はと云うと、当然のことながらスタジオ内で待機していた屈強な男たちによって取り押さえられる。
　チンパンは、なんとか助かり貞操は守られた。
　だがしかし、視聴者たちが大騒ぎした。どこもかしこも抗議の電話がとまることなく、ジリリン、ジリリ～ン♪　などといつまでもしつこく鳴り響いていた。もちろんネット上でも、再び大大大の猛烈炎上ババババーン！