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【第六幕】ピクルスの出稼ぎ留学@ヤポン神国
ヤポン神の正妻かフランセ国の王妃か
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ピクルスにとって、先日フランセ国で起きた一連の騒動で何度も聞いて、今も耳に残っている忘れもしない名前だ。
(ヤポン神国での出稼ぎというのは、ここだったのですわね♪)
直感的に第一王子本人であることを確信した。昆虫が持つ独特な第六感的効果かもしれない。いわゆる、虫の知らせ、というものだ。
一方、メロウリは、見合い予定の相手の名前が突如耳に飛び込んできたので、少なからず驚いてしまった。
(シャンペンハウアー!?)
見合い写真は貰っていないし、またフランセ国の王子たちはマスコミに露出していないため、テレビでも週刊誌でも第一王子シャンペンハウアーの顔を見たことがない。同じ名前を名乗った男子が想像以上に麗しい容姿なので、メロウリの胸が高鳴り始める。
シャンペンハウアーの方は、最初からメロウリのことに気づいていた。この百戦錬磨のプレイボーイは、知らない素振りでロイヤルスマイルフラッシュとでもいう様な、それでいてポーカーの最強役とはなんら関係ないが、実に甘い笑顔を、教室にいる五人の女子に向けて平等に振り撒いている。
さらには、追加の殺し言葉も添えられる。
「仲良くしようね、セニョリータたち。ふふふ」
これは、ラスト・ボス流の静かな宣戦布告なのだ。なぜなら、言葉の意味を裏返して解釈すると、セニョリータたち以外とは仲良くしようと思っていないことを暗に仄めかしている、とも受け取れるからだ。
ここで、胸の高鳴りを抑え切れなくなったメロウリが思い切って尋ねてみることにする。
「あなたは、フランセ国の第一王子かしら?」
対して、シャンペンハウアーは慌てたりしなかった。
「やあ、バレてしまった様だね。ふふふ」
王子様フェイスに魅了されたメロウリは、普段の冷静さを二割引きされて、つい席を立ってしまった。
「まあ、やっぱりそうなのね!」
「そうさ。でも、サラッド電器のお嬢さんこそ、もしかして、ボクとお見合いをすることになっていたサラッド‐メロウリ嬢なのでは?」
「はっ、はあいっ♪♪」
冷静さが50%OFFになった。むしろ自然な笑顔がメロウリの美少女力を八割増しにしたといえよう。効果はテキメンで、対シャンペンハウアー接近度数が10になったのだ。
「そうかあ、メロウリ嬢は、遠いヴェッポン国から、ここまでボクを追いかけてきてくれた様だね。ふふふ」
「も、もちろんです!」
恋に恋する少女は平気で嘘をつけるのである。
この二人の弾む会話を聞かされているニクコは不機嫌になり、顔をしかめ歯噛みして悔しがる。
(ニクぅーっ! シャンさんのお見合い相手が、この傲慢娘だったとは!)
ニクコのシャンペンハウアーに対する接近度数が、25から20まで下がってしまった。この後1でも下がると破局終遊になる。
そんな中、いよいよ最終親分の自己紹介も佳境だ。
「ボクは、結婚したらすぐにでもフランセ国王に即位することになっていてね。現国王である父と現王妃である母からも、早く孫の顔を見せて欲しいと毎日のように催促されているのさ。ふふふ」
これを聞いたニクコは婚姻終遊も悪くないと思い始める。
(フランセ国の次期王妃かあ……それもアリかもねえ)
ニクコの心の天秤が揺れ始めた。ヤポン神の正妻かフランセ国の王妃か。
ここで、シャンペンハウアーの隣席者ブタノピロシキの頭に素朴な疑問が湧き起こって、それが何気なく口から出る。
「でも、どうしてフランセ国の王子ともあろう高貴なお方が、この様な辺境の島国までこられたのでしょうか」
「うん、それがねえ、少し恥ずかしい話なのだけれども、実はボクの国の財政状況が悪くてね。要するに出稼ぎなのさ」
一国の王子に恥を掻かせてしまったか、と気になったブタノピロシキは、取り敢えず謝辞を述べておくことにする。
「は、あ、済みません……余計なことを聞いてしまったみたいです」
「いいや、構わないさ。ふふふ」
「恐れ入ります。実は自分も出稼ぎなのですよ」
「へえ、奇遇だね」
「はい……」
ブタノピロシキの方の事情は、国家レベルの財政ではなく、家庭レベルの財政に関する問題であり、スケールが遥かに小さい。
(これはお金でなんとかなりそうだわね)
ここへきて、ニクコの心の天秤がシャンペンハウアー側に傾いた。
「シャンさん」
「なんだい、ニクちゃん」
「アタイが、フタバラ子爵家の財力で以って、フランセ国を全面的にバックアップ致しますわ。だから、アタイをフランセ国王宮へ連れてって!」
「幾らくらい、出してくれるのだい?」
「幾らでも、お出ししますわ!!」
これにより、ニクコの対シャンペンハウアー接近度数が、20から一気に95まで上がった。5以上の加算があれば婚姻終遊となる。
だが決してシャンペンハウアーは、ポーカー・フェイスを崩したりしない。
この時、密かに微笑を浮かべる少女と少年と動物がいる。その二人と一匹は他でもなく、ササミとマロウリとシュガーだ。
(ふふふ、うまくかかったわね)
(腐っても大判持ちのお嬢様だよ、はは)
(これで戦略もスムーズに進みそうサー)
それぞれが、しめしめと内心ほくそ笑んでいる。
そしてまた、複雑な心境の少女が二人いる。メロウリとショコレットだ。
(私のお見合い相手なのに……でもウムラジアン大陸のため……)
(ブタノピロシキ様よりも高貴で美少年。ここは狙うべきかしら?)
生徒たちの様々な思惑が渦巻く中、落ち着いていて堂々とした態度のフランセ国第一王子が静かに着席した。
(ヤポン神国での出稼ぎというのは、ここだったのですわね♪)
直感的に第一王子本人であることを確信した。昆虫が持つ独特な第六感的効果かもしれない。いわゆる、虫の知らせ、というものだ。
一方、メロウリは、見合い予定の相手の名前が突如耳に飛び込んできたので、少なからず驚いてしまった。
(シャンペンハウアー!?)
見合い写真は貰っていないし、またフランセ国の王子たちはマスコミに露出していないため、テレビでも週刊誌でも第一王子シャンペンハウアーの顔を見たことがない。同じ名前を名乗った男子が想像以上に麗しい容姿なので、メロウリの胸が高鳴り始める。
シャンペンハウアーの方は、最初からメロウリのことに気づいていた。この百戦錬磨のプレイボーイは、知らない素振りでロイヤルスマイルフラッシュとでもいう様な、それでいてポーカーの最強役とはなんら関係ないが、実に甘い笑顔を、教室にいる五人の女子に向けて平等に振り撒いている。
さらには、追加の殺し言葉も添えられる。
「仲良くしようね、セニョリータたち。ふふふ」
これは、ラスト・ボス流の静かな宣戦布告なのだ。なぜなら、言葉の意味を裏返して解釈すると、セニョリータたち以外とは仲良くしようと思っていないことを暗に仄めかしている、とも受け取れるからだ。
ここで、胸の高鳴りを抑え切れなくなったメロウリが思い切って尋ねてみることにする。
「あなたは、フランセ国の第一王子かしら?」
対して、シャンペンハウアーは慌てたりしなかった。
「やあ、バレてしまった様だね。ふふふ」
王子様フェイスに魅了されたメロウリは、普段の冷静さを二割引きされて、つい席を立ってしまった。
「まあ、やっぱりそうなのね!」
「そうさ。でも、サラッド電器のお嬢さんこそ、もしかして、ボクとお見合いをすることになっていたサラッド‐メロウリ嬢なのでは?」
「はっ、はあいっ♪♪」
冷静さが50%OFFになった。むしろ自然な笑顔がメロウリの美少女力を八割増しにしたといえよう。効果はテキメンで、対シャンペンハウアー接近度数が10になったのだ。
「そうかあ、メロウリ嬢は、遠いヴェッポン国から、ここまでボクを追いかけてきてくれた様だね。ふふふ」
「も、もちろんです!」
恋に恋する少女は平気で嘘をつけるのである。
この二人の弾む会話を聞かされているニクコは不機嫌になり、顔をしかめ歯噛みして悔しがる。
(ニクぅーっ! シャンさんのお見合い相手が、この傲慢娘だったとは!)
ニクコのシャンペンハウアーに対する接近度数が、25から20まで下がってしまった。この後1でも下がると破局終遊になる。
そんな中、いよいよ最終親分の自己紹介も佳境だ。
「ボクは、結婚したらすぐにでもフランセ国王に即位することになっていてね。現国王である父と現王妃である母からも、早く孫の顔を見せて欲しいと毎日のように催促されているのさ。ふふふ」
これを聞いたニクコは婚姻終遊も悪くないと思い始める。
(フランセ国の次期王妃かあ……それもアリかもねえ)
ニクコの心の天秤が揺れ始めた。ヤポン神の正妻かフランセ国の王妃か。
ここで、シャンペンハウアーの隣席者ブタノピロシキの頭に素朴な疑問が湧き起こって、それが何気なく口から出る。
「でも、どうしてフランセ国の王子ともあろう高貴なお方が、この様な辺境の島国までこられたのでしょうか」
「うん、それがねえ、少し恥ずかしい話なのだけれども、実はボクの国の財政状況が悪くてね。要するに出稼ぎなのさ」
一国の王子に恥を掻かせてしまったか、と気になったブタノピロシキは、取り敢えず謝辞を述べておくことにする。
「は、あ、済みません……余計なことを聞いてしまったみたいです」
「いいや、構わないさ。ふふふ」
「恐れ入ります。実は自分も出稼ぎなのですよ」
「へえ、奇遇だね」
「はい……」
ブタノピロシキの方の事情は、国家レベルの財政ではなく、家庭レベルの財政に関する問題であり、スケールが遥かに小さい。
(これはお金でなんとかなりそうだわね)
ここへきて、ニクコの心の天秤がシャンペンハウアー側に傾いた。
「シャンさん」
「なんだい、ニクちゃん」
「アタイが、フタバラ子爵家の財力で以って、フランセ国を全面的にバックアップ致しますわ。だから、アタイをフランセ国王宮へ連れてって!」
「幾らくらい、出してくれるのだい?」
「幾らでも、お出ししますわ!!」
これにより、ニクコの対シャンペンハウアー接近度数が、20から一気に95まで上がった。5以上の加算があれば婚姻終遊となる。
だが決してシャンペンハウアーは、ポーカー・フェイスを崩したりしない。
この時、密かに微笑を浮かべる少女と少年と動物がいる。その二人と一匹は他でもなく、ササミとマロウリとシュガーだ。
(ふふふ、うまくかかったわね)
(腐っても大判持ちのお嬢様だよ、はは)
(これで戦略もスムーズに進みそうサー)
それぞれが、しめしめと内心ほくそ笑んでいる。
そしてまた、複雑な心境の少女が二人いる。メロウリとショコレットだ。
(私のお見合い相手なのに……でもウムラジアン大陸のため……)
(ブタノピロシキ様よりも高貴で美少年。ここは狙うべきかしら?)
生徒たちの様々な思惑が渦巻く中、落ち着いていて堂々とした態度のフランセ国第一王子が静かに着席した。
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