2 / 73
下準備A②
しおりを挟む
急に大人びたララスティからアインバッハ公爵邸に滞在したいとの連絡を、彼女の祖父であるランバルト公爵経由で受けた際、最初は家族が伝染病に罹患しているため断る予定だった。
しかし、ララスティが手書きした『会いたい』という一言で、オーギュストとアマリアスの心が動かされたのだ。
母親の葬儀で泣いてばかりいた孫。
父親は始まりの挨拶に顔を出しただけで、実の娘に声をかけることもなくすぐにどこかに消えた。
以前ミリアリスから聞いた話では、愛人のところにばかり滞在し、本邸に仕事をしに行くことはあっても本妻と娘が暮らす別邸には寄り付かなかったという。
ミリアリス自身もララスティに惜しみなく愛を与えていたかと言われればそのようなこともなく、それならば寂しい思いでしかない別邸にいるよりも、他の親族にぬくもりを求めても不思議ではなかった。
父方の祖父母であるランベルト公爵夫妻は領地の立て直しに忙しく、孫娘に構っている時間などほとんどないと聞けば、なおさら母方の祖父母として何かしたいと思ってしまう。
アインバッハ公爵邸に来たら、三人は満足するまで甘やかそうと思っていたが、目の前のララスティを見て、彼女は甘えに来たのではないことを察した。
「まず、この部屋に運び込んでもらった荷物をこちらのアインバッハ公爵家で管理して欲しいのです。中身はお母様の形見なのですが、お母様が結婚前から持っていたものもしくは私財で購入したものであり、ランバルト公爵夫人として購入したもの以外の形見です。こちらの荷物はランバルト公爵家令嬢宛ではなく、わたくし個人宛に贈られた品物ですわ。ああ、ランバルト公爵夫妻から頂いたものは入っていないのでご安心ください」
一気に説明したララスティは「ふぅ」と息を吐いてもう一口ココアを飲む。
「今後お父様が再婚した際に、ランバルト公爵令嬢としての品物は異母妹に譲るべきと言って強引に取られるかもしれませんし、その前に本当に大切にすべきものは守っておきたいのです」
「それは……」
コールストが何とも言えない表情を浮かべる。
「お母様が亡くなって今すぐに再婚するほどお父様も愚かではないと思いますが、喪が明けてからはどうでしょうか? ご自分が公爵になって自由が利くようになれば? あちらの家庭には愛する人と愛する娘がいるのですからいつまでも日陰の身にしておくとは思えません」
ララスティのもっともな言葉にアインバッハ公爵家の三人は黙るしかない。
子供であるララスティでもここまで考えることが出来るほどの環境なのか。
それであるのなら家を離れて考えたいことがあるというのも、自分たちに会いたいというのも再度納得できる。
「では、ルティは今後の何について考えたいのかな?」
コールストがララスティをまっすぐ見て尋ねれば、ララスティは間をおかずに「この先について」と答えた。
「運命というものがあるのなら、どこまでその影響があるのかを知りたいと思いますの。真実だというのであれば、どうしてそれが真実と思えるのかその根拠を知りたいのです。そしてこの先にある未来の結末が変わるのかを見届けたいのです」
決して七歳の子供が強い意志を持った目で言うことではなかった。
「どうしてそう思うのかしら?」
アマリアスがゆっくり息を吸った後に静かな声音で尋ねれば、今度は少し間を開けてララスティは「信じていただけないでしょうが」と言葉を紡ぐ。
「夢にしては妙に現実的で長いこの先にある出来事を知っております。予知をしたというよりも未来を体験した魂が時間を巻き戻して目覚めた感覚ですわ」
「「「なっ」」」
時間を巻き戻すような魔法は現代には残っておらず、魔法が発展していた古代でも禁忌の分類だったとされていた。
それゆえにそのような魔法をララスティが使えるはずはないとコールストとオーギュストは驚いたが、アマリアスは別の意味で驚いている。
「帝国の国営第一図書館の最深部近くにある古代書物を管理しているところに、時間を巻き戻った人が未来を変えようと努力をする書物が残っております。もちろんそれは空想の物語、言ってしまえばフィクションです。けれども、一部では実際に起きた話をもとにしていたのではないかという説もありますの」
アマリアスの話によると、フィクションの本が一時たくさん出回った時期が帝国にあったのだという。
だからその中のどれかは真実をもとにしたのではないかと推測されているらしい。
確かに時間を巻き戻ったと言われても証明する方法はほとんどない。
起きる出来事を話しても、話したことでその出来事が起きない可能性もある。
天災などの不可逆なものを予言しても膨大なデータによる推測だと言われればそれまでだ。
それほど、実際に時間を巻き戻して何かを変えたことを立証するのは難しい。
観測者が当人だけなのだから。
「そんな本が……いや、この国にもいくつかそのようなフィクションの物語が存在するが、それこそファンタジーだ」
なぜ時間を巻き戻す魔法が残っていないのか、あった時代に禁忌とされていたのか。
それは自分の好きなように未来を改変する者が横行すれば、未来にあるのはデストピアでしかないからだ。
魔法には代償が必要であり、現代でも残っている生活魔法程度のものなら魔石を使用するか、この国の貴族であれば自身の魔力を使えば事足りる。
ダンジョンという場所が帝国などにはあるが、最深部に魔物という過去の生物が生息しているものの、何の影響かはわからないがダンジョンの外に出してしまうと、すぐさま消滅してしまうらしい。
だからなのか攻撃魔法というもの自体は残っているが自らの力で生み出すのではなく、何かしらの媒体を使用して発動するようになっており、代償になる魔力さえあればだれでも使用できる。
反面、代償になる魔力が膨大になるため効率が悪くめったに使われることはない。
だからこそ驚きはしてもアインバッハ公爵家の三人は実際にララスティが時間を巻き戻ったという部分を信じ切ることが出来ない。
「わたくし自身もよくわかっておりませんわ。けれども夢だとしてもわたくし自身に同じ結末を望んでおりませんの。だから、変えようとこうして動きました」
「我がアインバッハ公爵家に来ることが?」
オーギュストが困ったように首を傾げる。
「それはある意味ついでのようなものですわ。皆様には今後についてある覚悟をしてほしくて参りました」
「覚悟?」
今度はコールストが首を傾げる。
「…………ルジアンナおば様と、エルンストにぃ様は伝染病の特効薬が間に合わずお亡くなりになります」
「……………………そう、か」
コールストはララスティの言葉を受け入れた後、まるで大丈夫だとでも言うように優しくララスティの頭を撫でた。
貴族が罹患すれば致死率が高い。もう覚悟はしていたのかもしれない。
「お待ちなさい、ララスティ。特効薬? 伝染病に対する特効薬が完成するのですか!?」
「はい。帝国が必要な生薬の栽培に成功し、適切な配合を見つけます。けれど、それでも生薬に根本的に体質が合わない人には効果がありませんし飲むのが遅れた人にも効果はほとんどないか後遺症が残ります。試作段階のものがまず提供されますが必ず後遺症が残ります。けれども試作品を飲まずに完成品を待てば致死率や後遺症率が高まります」
ララスティの言葉に三人は難しい表情を浮かべるしかない。
だが、その後に放たれたララスティの言葉に特にアマリアスは驚愕の表情を浮かべた。
「そして、帝国から今罹患している貴族全員分の特効薬をアインバッハ公爵家が購入し王家がそれを有償で貴族に配りました」
「それは、我がアインバッハ公爵家は王家に対価をもらって配布権を渡したということ?」
「いえ、アインバッハ公爵家は完全に致死を回避できるわけでもなく、後遺症が残る可能性があるため、無償で王家に特効薬を渡しましたが王家は帝国と交渉して特効薬を譲ってもらったと吹聴し有償で配りました」
「セレンが、セレンティアがそのようなことを許したというの?」
「実行なさったのはセレンティア王太后、いえ、王妃様ではありません。国王陛下が最終的に決断して実行なさいました」
「兄上が……」
オーギュストは兄王であるグレンジャーの行動に驚きを隠せない。
確かに伝染病の蔓延で思うように国営費を捻出できないとは聞いていたが、命を対価にして金銭を集めるなんて思わなかった。
「試作品の特効薬は、試作品であることと致死を回避できるとは限らないこと、後遺症が残ることを説明した上でアインバッハ公爵家が無償配布しましたが数が足りず結局は王家が有償で配る完成品の特効薬に頼ることになりました」
試作品の完成と購入が六月ごろで、完成品は十二月後半にできることをララスティは3人に伝えた。
しかし、ララスティが手書きした『会いたい』という一言で、オーギュストとアマリアスの心が動かされたのだ。
母親の葬儀で泣いてばかりいた孫。
父親は始まりの挨拶に顔を出しただけで、実の娘に声をかけることもなくすぐにどこかに消えた。
以前ミリアリスから聞いた話では、愛人のところにばかり滞在し、本邸に仕事をしに行くことはあっても本妻と娘が暮らす別邸には寄り付かなかったという。
ミリアリス自身もララスティに惜しみなく愛を与えていたかと言われればそのようなこともなく、それならば寂しい思いでしかない別邸にいるよりも、他の親族にぬくもりを求めても不思議ではなかった。
父方の祖父母であるランベルト公爵夫妻は領地の立て直しに忙しく、孫娘に構っている時間などほとんどないと聞けば、なおさら母方の祖父母として何かしたいと思ってしまう。
アインバッハ公爵邸に来たら、三人は満足するまで甘やかそうと思っていたが、目の前のララスティを見て、彼女は甘えに来たのではないことを察した。
「まず、この部屋に運び込んでもらった荷物をこちらのアインバッハ公爵家で管理して欲しいのです。中身はお母様の形見なのですが、お母様が結婚前から持っていたものもしくは私財で購入したものであり、ランバルト公爵夫人として購入したもの以外の形見です。こちらの荷物はランバルト公爵家令嬢宛ではなく、わたくし個人宛に贈られた品物ですわ。ああ、ランバルト公爵夫妻から頂いたものは入っていないのでご安心ください」
一気に説明したララスティは「ふぅ」と息を吐いてもう一口ココアを飲む。
「今後お父様が再婚した際に、ランバルト公爵令嬢としての品物は異母妹に譲るべきと言って強引に取られるかもしれませんし、その前に本当に大切にすべきものは守っておきたいのです」
「それは……」
コールストが何とも言えない表情を浮かべる。
「お母様が亡くなって今すぐに再婚するほどお父様も愚かではないと思いますが、喪が明けてからはどうでしょうか? ご自分が公爵になって自由が利くようになれば? あちらの家庭には愛する人と愛する娘がいるのですからいつまでも日陰の身にしておくとは思えません」
ララスティのもっともな言葉にアインバッハ公爵家の三人は黙るしかない。
子供であるララスティでもここまで考えることが出来るほどの環境なのか。
それであるのなら家を離れて考えたいことがあるというのも、自分たちに会いたいというのも再度納得できる。
「では、ルティは今後の何について考えたいのかな?」
コールストがララスティをまっすぐ見て尋ねれば、ララスティは間をおかずに「この先について」と答えた。
「運命というものがあるのなら、どこまでその影響があるのかを知りたいと思いますの。真実だというのであれば、どうしてそれが真実と思えるのかその根拠を知りたいのです。そしてこの先にある未来の結末が変わるのかを見届けたいのです」
決して七歳の子供が強い意志を持った目で言うことではなかった。
「どうしてそう思うのかしら?」
アマリアスがゆっくり息を吸った後に静かな声音で尋ねれば、今度は少し間を開けてララスティは「信じていただけないでしょうが」と言葉を紡ぐ。
「夢にしては妙に現実的で長いこの先にある出来事を知っております。予知をしたというよりも未来を体験した魂が時間を巻き戻して目覚めた感覚ですわ」
「「「なっ」」」
時間を巻き戻すような魔法は現代には残っておらず、魔法が発展していた古代でも禁忌の分類だったとされていた。
それゆえにそのような魔法をララスティが使えるはずはないとコールストとオーギュストは驚いたが、アマリアスは別の意味で驚いている。
「帝国の国営第一図書館の最深部近くにある古代書物を管理しているところに、時間を巻き戻った人が未来を変えようと努力をする書物が残っております。もちろんそれは空想の物語、言ってしまえばフィクションです。けれども、一部では実際に起きた話をもとにしていたのではないかという説もありますの」
アマリアスの話によると、フィクションの本が一時たくさん出回った時期が帝国にあったのだという。
だからその中のどれかは真実をもとにしたのではないかと推測されているらしい。
確かに時間を巻き戻ったと言われても証明する方法はほとんどない。
起きる出来事を話しても、話したことでその出来事が起きない可能性もある。
天災などの不可逆なものを予言しても膨大なデータによる推測だと言われればそれまでだ。
それほど、実際に時間を巻き戻して何かを変えたことを立証するのは難しい。
観測者が当人だけなのだから。
「そんな本が……いや、この国にもいくつかそのようなフィクションの物語が存在するが、それこそファンタジーだ」
なぜ時間を巻き戻す魔法が残っていないのか、あった時代に禁忌とされていたのか。
それは自分の好きなように未来を改変する者が横行すれば、未来にあるのはデストピアでしかないからだ。
魔法には代償が必要であり、現代でも残っている生活魔法程度のものなら魔石を使用するか、この国の貴族であれば自身の魔力を使えば事足りる。
ダンジョンという場所が帝国などにはあるが、最深部に魔物という過去の生物が生息しているものの、何の影響かはわからないがダンジョンの外に出してしまうと、すぐさま消滅してしまうらしい。
だからなのか攻撃魔法というもの自体は残っているが自らの力で生み出すのではなく、何かしらの媒体を使用して発動するようになっており、代償になる魔力さえあればだれでも使用できる。
反面、代償になる魔力が膨大になるため効率が悪くめったに使われることはない。
だからこそ驚きはしてもアインバッハ公爵家の三人は実際にララスティが時間を巻き戻ったという部分を信じ切ることが出来ない。
「わたくし自身もよくわかっておりませんわ。けれども夢だとしてもわたくし自身に同じ結末を望んでおりませんの。だから、変えようとこうして動きました」
「我がアインバッハ公爵家に来ることが?」
オーギュストが困ったように首を傾げる。
「それはある意味ついでのようなものですわ。皆様には今後についてある覚悟をしてほしくて参りました」
「覚悟?」
今度はコールストが首を傾げる。
「…………ルジアンナおば様と、エルンストにぃ様は伝染病の特効薬が間に合わずお亡くなりになります」
「……………………そう、か」
コールストはララスティの言葉を受け入れた後、まるで大丈夫だとでも言うように優しくララスティの頭を撫でた。
貴族が罹患すれば致死率が高い。もう覚悟はしていたのかもしれない。
「お待ちなさい、ララスティ。特効薬? 伝染病に対する特効薬が完成するのですか!?」
「はい。帝国が必要な生薬の栽培に成功し、適切な配合を見つけます。けれど、それでも生薬に根本的に体質が合わない人には効果がありませんし飲むのが遅れた人にも効果はほとんどないか後遺症が残ります。試作段階のものがまず提供されますが必ず後遺症が残ります。けれども試作品を飲まずに完成品を待てば致死率や後遺症率が高まります」
ララスティの言葉に三人は難しい表情を浮かべるしかない。
だが、その後に放たれたララスティの言葉に特にアマリアスは驚愕の表情を浮かべた。
「そして、帝国から今罹患している貴族全員分の特効薬をアインバッハ公爵家が購入し王家がそれを有償で貴族に配りました」
「それは、我がアインバッハ公爵家は王家に対価をもらって配布権を渡したということ?」
「いえ、アインバッハ公爵家は完全に致死を回避できるわけでもなく、後遺症が残る可能性があるため、無償で王家に特効薬を渡しましたが王家は帝国と交渉して特効薬を譲ってもらったと吹聴し有償で配りました」
「セレンが、セレンティアがそのようなことを許したというの?」
「実行なさったのはセレンティア王太后、いえ、王妃様ではありません。国王陛下が最終的に決断して実行なさいました」
「兄上が……」
オーギュストは兄王であるグレンジャーの行動に驚きを隠せない。
確かに伝染病の蔓延で思うように国営費を捻出できないとは聞いていたが、命を対価にして金銭を集めるなんて思わなかった。
「試作品の特効薬は、試作品であることと致死を回避できるとは限らないこと、後遺症が残ることを説明した上でアインバッハ公爵家が無償配布しましたが数が足りず結局は王家が有償で配る完成品の特効薬に頼ることになりました」
試作品の完成と購入が六月ごろで、完成品は十二月後半にできることをララスティは3人に伝えた。
313
お気に入りに追加
832
あなたにおすすめの小説
嘘はあなたから教わりました
菜花
ファンタジー
公爵令嬢オリガは王太子ネストルの婚約者だった。だがノンナという令嬢が現れてから全てが変わった。平気で嘘をつかれ、約束を破られ、オリガは恋心を失った。カクヨム様でも公開中。
悪役令嬢は永眠しました
詩海猫
ファンタジー
「お前のような女との婚約は破棄だっ、ロザリンダ・ラクシエル!だがお前のような女でも使い道はある、ジルデ公との縁談を調えてやった!感謝して公との間に沢山の子を産むがいい!」
長年の婚約者であった王太子のこの言葉に気を失った公爵令嬢・ロザリンダ。
だが、次に目覚めた時のロザリンダの魂は別人だった。
ロザリンダとして目覚めた木の葉サツキは、ロザリンダの意識がショックのあまり永遠の眠りについてしまったことを知り、「なぜロザリンダはこんなに努力してるのに周りはクズばっかりなの?まかせてロザリンダ!きっちりお返ししてあげるからね!」
*思いつきでプロットなしで書き始めましたが結末は決めています。暗い展開の話を書いているとメンタルにもろに影響して生活に支障が出ることに気付きました。定期的に強気主人公を暴れさせないと(?)書き続けるのは不可能なようなのでメンタル状態に合わせて書けるものから書いていくことにします、ご了承下さいm(_ _)m
悪役令嬢は処刑されました
菜花
ファンタジー
王家の命で王太子と婚約したペネロペ。しかしそれは不幸な婚約と言う他なく、最終的にペネロペは冤罪で処刑される。彼女の処刑後の話と、転生後の話。カクヨム様でも投稿しています。
私ではありませんから
三木谷夜宵
ファンタジー
とある王立学園の卒業パーティーで、カスティージョ公爵令嬢が第一王子から婚約破棄を言い渡される。理由は、王子が懇意にしている男爵令嬢への嫌がらせだった。カスティージョ公爵令嬢は冷静な態度で言った。「お話は判りました。婚約破棄の件、父と妹に報告させていただきます」「待て。父親は判るが、なぜ妹にも報告する必要があるのだ?」「だって、陛下の婚約者は私ではありませんから」
はじめて書いた婚約破棄もの。
カクヨムでも公開しています。
どうも、死んだはずの悪役令嬢です。
西藤島 みや
ファンタジー
ある夏の夜。公爵令嬢のアシュレイは王宮殿の舞踏会で、婚約者のルディ皇子にいつも通り罵声を浴びせられていた。
皇子の罵声のせいで、男にだらしなく浪費家と思われて王宮殿の使用人どころか通っている学園でも遠巻きにされているアシュレイ。
アシュレイの誕生日だというのに、エスコートすら放棄して、皇子づきのメイドのミュシャに気を遣うよう求めてくる皇子と取り巻き達に、呆れるばかり。
「幼馴染みだかなんだかしらないけれど、もう限界だわ。あの人達に罰があたればいいのに」
こっそり呟いた瞬間、
《願いを聞き届けてあげるよ!》
何故か全くの別人になってしまっていたアシュレイ。目の前で、アシュレイが倒れて意識不明になるのを見ることになる。
「よくも、義妹にこんなことを!皇子、婚約はなかったことにしてもらいます!」
義父と義兄はアシュレイが状況を理解する前に、アシュレイの体を持ち去ってしまう。
今までミュシャを崇めてアシュレイを冷遇してきた取り巻き達は、次々と不幸に巻き込まれてゆき…ついには、ミュシャや皇子まで…
ひたすら一人づつざまあされていくのを、呆然と見守ることになってしまった公爵令嬢と、怒り心頭の義父と義兄の物語。
はたしてアシュレイは元に戻れるのか?
剣と魔法と妖精の住む世界の、まあまあよくあるざまあメインの物語です。
ざまあが書きたかった。それだけです。
『伯爵令嬢 爆死する』
三木谷夜宵
ファンタジー
王立学園の中庭で、ひとりの伯爵令嬢が死んだ。彼女は婚約者である侯爵令息から婚約解消を求められた。しかし、令嬢はそれに反発した。そんな彼女を、令息は魔術で爆死させてしまったのである。
その後、大陸一のゴシップ誌が伯爵令嬢が日頃から受けていた仕打ちを暴露するのであった。
カクヨムでも公開しています。
【完結】父が再婚。義母には連れ子がいて一つ下の妹になるそうですが……ちょうだい癖のある義妹に寮生活は無理なのでは?
つくも茄子
ファンタジー
父が再婚をしました。お相手は男爵夫人。
平民の我が家でいいのですか?
疑問に思うものの、よくよく聞けば、相手も再婚で、娘が一人いるとのこと。
義妹はそれは美しい少女でした。義母に似たのでしょう。父も実娘をそっちのけで義妹にメロメロです。ですが、この新しい義妹には悪癖があるようで、人の物を欲しがるのです。「お義姉様、ちょうだい!」が口癖。あまりに煩いので快く渡しています。何故かって?もうすぐ、学園での寮生活に入るからです。少しの間だけ我慢すれば済むこと。
学園では煩い家族がいない分、のびのびと過ごせていたのですが、義妹が入学してきました。
必ずしも入学しなければならない、というわけではありません。
勉強嫌いの義妹。
この学園は成績順だということを知らないのでは?思った通り、最下位クラスにいってしまった義妹。
両親に駄々をこねているようです。
私のところにも手紙を送ってくるのですから、相当です。
しかも、寮やクラスで揉め事を起こしては顰蹙を買っています。入学早々に学園中の女子を敵にまわしたのです!やりたい放題の義妹に、とうとう、ある処置を施され・・・。
なろう、カクヨム、にも公開中。
問い・その極悪令嬢は本当に有罪だったのか。
風和ふわ
ファンタジー
三日前、とある女子生徒が通称「極悪令嬢」のアース・クリスタに毒殺されようとした。
噂によると、極悪令嬢アースはその女生徒の美貌と才能を妬んで毒殺を企んだらしい。
そこで、極悪令嬢を退学させるか否か、生徒会で決定することになった。
生徒会のほぼ全員が極悪令嬢の有罪を疑わなかった。しかし──
「ちょっといいかな。これらの証拠にはどれも矛盾があるように見えるんだけど」
一人だけ。生徒会長のウラヌスだけが、そう主張した。
そこで生徒会は改めて証拠を見直し、今回の毒殺事件についてウラヌスを中心として話し合っていく──。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる