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遠藤加奈子
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遠藤加奈子は小さい頃から太り気味だった。生まれつき太りやすい体質だったのか、生まれてこの方痩せていたことはなかった。小学生になると、クラスメイトの男子から付けられたあだ名は「震度5」だった。
本当はそこまで太ってはいなかったのだが、加奈子が歩くと地震が来るぞ!とか揺れるとか揶揄された。
みんながそういう風に言うものだから、心密かに好意を抱いていた男子もそれに迎合していた。哀しかった...
加奈子は傷つけられるのが怖くて、なるべく聞かない見ないようにしていたが、それでも、ふとした瞬間に耳にする。
絶望的な現実
しかも、加奈子の母親は毒親だった。
ほんとに何をしてもパッとしない子だねとか、どうしたら、そんなに豚のように太れるんだい?とかありとあらゆる否定的な言葉を聞きながら加奈子は大人になった。
そんな母親といるのが嫌で
高校卒業と同時に家を出た。
しかし、学歴もなければ、まとまな両親さえいない加奈子を雇ってくれるような企業はなく、派遣社員として色んな会社を転々としていた。
40代を過ぎた頃にはなかなか派遣の仕事も見つからず、最終的にはスーパーのパート従業員に落ち着いた。
生活はますます困窮していった...
いい出会いもなく、婚期も逃したまま、気づけば50歳になっていた。
しかし、そんな加奈子にも一つだけ楽しみがあった。スマホ依存症だった加奈子は、ある日、顔変換アプリというものを見つけた。面白そうなので自分の顔写真を10代まで若がえらせて、別のアプリで顔変換してみた。するとどうだろう?
加奈子とは似ても似つかぬ美女が画面の中から微笑んでいたのだ。
これ私...?なんて綺麗なの...!
加奈子は太っているだけで、顔立ちはそれほど悪くなかったのだ。しかし、あまりにも長いこと、デブだのブスだの言われて育った為、自分は醜いと思い込んでいただけだった。
加奈子はすぐに辞めるつもりでTiktokを開設して、その美女の動画をあげた。
すると、Lilyという女性が熱心にコメントをくれるようになった。
その頃は自然な感じの美女だったが、今はスーパーモデルのような外見に変貌している。
後にカコジョ業界の人気クリエーターとして君臨するLily's clubの長女 会員ナンバー1番のLilyその人である。
加奈子は、自分にkiraraという名前をつけた。私の可愛い妹と言ってくれるLilyをいつの間にかLily姉様と慕うようになっていた。
実際はLilyの方が年下だったのだが。
そんな、ある日Lilyはこう言った。
私ね、Lily's clubを立ち上げたの。kiraraちゃんも入ってね(*^^*)
Lily's club 会員ナンバー28番
カコジョのkiraraの誕生である。
加奈子は、ふとベッドの横にあったドレッサーで自分の姿をみた。
あれ?愛瑠ちゃんって...よく見たら
kiraraに似てるわ。
いや、kiraraより美人かもしれない。
出会ったのは偶然...?
それとも必然なのか....
加奈子の新しい人生が今、始まろうとしていた...
本当はそこまで太ってはいなかったのだが、加奈子が歩くと地震が来るぞ!とか揺れるとか揶揄された。
みんながそういう風に言うものだから、心密かに好意を抱いていた男子もそれに迎合していた。哀しかった...
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絶望的な現実
しかも、加奈子の母親は毒親だった。
ほんとに何をしてもパッとしない子だねとか、どうしたら、そんなに豚のように太れるんだい?とかありとあらゆる否定的な言葉を聞きながら加奈子は大人になった。
そんな母親といるのが嫌で
高校卒業と同時に家を出た。
しかし、学歴もなければ、まとまな両親さえいない加奈子を雇ってくれるような企業はなく、派遣社員として色んな会社を転々としていた。
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加奈子はすぐに辞めるつもりでTiktokを開設して、その美女の動画をあげた。
すると、Lilyという女性が熱心にコメントをくれるようになった。
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