49 / 50
49.トミタカ×マリス 再会♡
しおりを挟む
「ご主人様ぁ~、今夜は時間を空けておいてくださいねぇ~。マリスちゃんの育成も終わったのでぇ~、感動の再会が待ってますよぉ~。ですから例の部屋に必ず来てくださいねぇ~。それから私の相手もお願いしますよぉ~」
例の部屋とは、初めてマリスと身体を重ねた遊戯室の事である。マリスの温かいぬくもりや、熱く愛し合ったあの日の思いが蘇えってくる。
「ああ、必ず行くよ。私もマリスとの再会を心待ちにしていたからね。……ところで、リルルは何で抱き付いてくるんだ?」
「あ~ん、そんな冷たい事を言わないでくださいよぉ~。私だってぇ~、マリスちゃんの件では凄く頑張ったんですよぉ~。少しぐらい甘えてもいいじゃないですかぁ~。ですけどメインディッシュは今夜ですよねぇ~、狂おしいほどの肉欲と愛欲に溺れるぅ~、最高のアバンチュールを期待してますからねぇ~♡ 」
オープニングセレモニーに向けて、手落ちがないか現場を確認していると、いきなりリルルに背後から抱き付かれる。背中に押し付けられた、たわわな膨らみは心地よいが、まるでお●ぶおばけか子泣き爺に取り憑かれたようである。そして周りからは奇異な視線を向けられて実に恥ずかしい。
「ああ……。前向きに検討する所存でありますよ」
「それってぇ~、絶対に実行する気がないですよねぇ~。そんな態度を取るとこうですよぉ~。えい♪ チョークスリーパー!」
「ぐえぇぇぇぇぇぇっ!」
リルルの腕が首に巻きつき、気管を潰すように食い込んでくる。気管を塞がれる状態になり、私は慌ててリルルの腕にタップをした。
「アハッ、どうせご主人様のことですからぁ~、愛しのマリスちゃんに全力投入してぇ~、全弾撃ち尽くすつもりですよねぇ~。そして私とのエッチはぁ~、適当に誤魔化すつもりですよねぇ~。そうは問屋が卸しませんよぉ~」
「ゴホゴホッ……わ、悪かったよ。リルルの相手も存分にさせてもらいますので、そろそろ離してよ」
「アハッ、言質を取りましたよぉ~♪ 約束は必ず守ってもらいますからねぇ~」
「フハハ、大丈夫だよ。私は誠意大将軍の異名を持っているからね。問題ナッシングだよ」
「ネタが古いですねぇ~、それにどちらかと言うとぉ~、ご主人様は性意大将軍ですからぁ~。アハッ、でも久しぶりに燃えそうですねぇ~、もう今夜は寝かせてあげませんからぁ~♡ 」
満面の笑みを浮かべたリルルが、腕を解いて私の背中から降りる。しかし若さ溢れるマリスと、淫欲の申し子であるリルルの二人を相手にしたら、さすがの私でも分が悪いであろう。私は赤玉の発射や、腹上死の恐怖に慄きながら、ルンルン気分で立ち去るリルルを見送るのであった。
「はぁ~、マリスと久しぶりに会えるのは嬉しいけど、育成を終えたという事は、他の男とも行為に及んだという事だよな……」
マリスと愛し合った遊戯室で、独り物思いにふけていた。すでに外は暗くなっており、月明かりだけが漆黒の闇にほのかな光を流していた。マリスとの関係は複雑であり、今は恋人と宣言できる立場ではない。愛しているのに手が届かない――そんなもどかしい状態であった。
「ご主人様ぁ~、お待たせしましたぁ~。いよいよマリスちゃんとの感動の再会ですよぉ~」
マリスに会える喜びと、胸を搔きむしられるような嫉妬心が止めどなく湧きあがってくる。気を揉みながら部屋の中をうろついていると、リルルが遠慮なく部屋に飛び込んできた。相変わらず、情緒もへったくれもない奴である。
「お前なぁ、久しぶりの再会なんだよ。もう少しムードと言うモノをだな……」
「ええっ! もうヌードになれって言うんですかぁ~♪ いくら私の事が好きすぎでもぉ~、気が早いですよぉ~。ご主人様のエッチぃ~♡ 」
「……リルルとのエッチは中止だな……」
「いや~ん、ほんのジョークじゃないですかぁ~。あ~ん、すぐに呼びますので怒らないでくださいよぉ~。マリスちゃん、いらっしゃ~い!」
呼びかけから数秒後、ノック音が響きゆっくりとドアが開かれる。やがて恥じらう花のように顔を赤らめ、はにかむような笑みを浮かべたマリスが姿を現した。清楚なメイド服姿で、表情や仕草に気品さを感じられるが、熱く愛し合ったあの日のマリスと本質は変わっていないようだ。私はホッと胸をなでおろすのであった。
「マリス、やっと会えたね! 元気そうでなによりだ!」
「トミタカ様……わ、私も会える日を心待ちにしていました。会えない日々が、こんなに切なくて寂しいなんて……グスン」
「マリス!」
「トミタカ様!」
会えなかった日々の寂しさを埋めるように、マリスをギュッと抱き締める。涙ぐんでるマリスがとても愛しく、何度も唇を重ねていく。可憐な唇は、しっとりとしていて柔らかく、柑橘系の甘い味がした。情熱の炎は次第に燃え盛っていき、やがて互いに舌を絡める濃厚なキスへと移っていった。
「はぁんっ、ん、んっ、トミタカ様……ちゅっ、ちゅぷん、じゅるる♡ 」
吐息が漏れる艶っぽい唇を、割り開くように舌を差し込んでいく。口内を丹念にねぶり、唾液を交換するように舌を差し入れする。遠慮がちであったマリスも次第に大胆になっていき、やがて動きに呼応するように舌を絡ませ始めた。
「ごめんマリス――もう我慢できそうにないよ」
当然、キスだけで終われる訳もなく、腰に手を回してグッとマリスを引き寄せる。胸元にムニュムニュした膨らみが押し当たり、彼女の体温がダイレクトに伝わってくる。いよいよ我慢できなくなった私は、手をゆっくりと下へと移動させ、可愛らしいヒップを優しく撫で回していく。そして張りのある尻肉の感触を一通り楽しむと、スカートをたくし上げて内腿に手を忍び込ませていった。
「はぁ~、はああっ、トミタカ様――か、身体が熱くなってきて……。あっ、ああん……そ、そこは……やぁぁぁんっ♡ 」
滑らかな柔肌を愛撫しながら、ショーツに包まれた肉丘に指をなぞらせていく。形状を確かめるように、秘裂に沿って指をスライドさせると、マリスの華奢な身体がビクンと仰け反る。指先も湿り気を帯びており、動きに合わせるようにクチュクチュと淫靡な音が響き始めた。
「くうぅんっ、あぁっ、ダメですぅ……それ以上されたら、もう……イッちゃう! ……んんっ、あんっ、ああんっ、はうぅぅぅぅぅん♡ 」
わななく秘所からは滾々と淫蜜が湧きあがり、マリスの身体も甘い快楽に打ち震えている。やがてマリスは、嬌声と共に脱力したように身体を預けてくる。如何やら指愛撫だけでイッてしまったようだ。こんなエロ可愛い姿を見せられて何とも思わない男は、ガチホモか聖人君主だけであろう。異様な興奮に支配された私は、マリスを抱きかかえるとベッドの上に優しく横たわらせた。しかし、さあこれからだと言う瞬間に、リルルの非難じみた声が聞こえてきた。
「ご主人様にマリスちゃん――ちょっと待ったぁ~!」
突然のリルルからのちょっと待ったコールである。一体、どういうつもりなのだろう?
「ダメですよぉ~、ご主人様にマリスちゃん。今日の趣旨はぁ~、マリスちゃんの育成結果を見せるのが目的なんですよぉ~。ラブラブエッチは後にしてくださいよぉ~」
「ええっ? 今のままでも充分に分かると思うけど……」
「ご主人様ぁ~、マリスちゃんの真価はSプレイにあるんですよぉ~。ご主人様もご存知じゃないですかぁ~」
「ううっ、分かっているけど、やはり甘々のラフラブエッチの方が……」
「却下しますぅ~! それからマリスちゃん! 気持ちは分かるけどぉ~、これは仕事の一環ですよぉ~。ご主人様に成果を見てもらうのがぁ~、今日一番の目的なんですからねぇ~」
「そうでした。先ずは成果……成果ですよね。トミタカ様にリルル様、申し訳ありませんでした。改めて仕度をしますので、少々お待ちください」
「アハッ、マリスちゃん頑張ってねぇ~。心を落ち着かせてぇ~、次のプランは成功させようねぇ~♪」
少し身体がふらついているが、マリスは吹っ切れたような表情で部屋を出て行った。一体何がどうなっているやら……。
「なあリルル。次のプランが――とか言ってたけれど、マリスのメイド服姿もプランの一つだったのかい?」
「そうですよぉ~。プランAは主従逆転プレーでぇ~、メイドにセクハラばかりしているご主人様がぁ~、メイドに弱みを握られてぇ~、逆襲で手や足コキでイカされまくる羞恥プレーだったんですよぉ~。名付けてぇ~、ナマ足魅惑のMyメイド! By T(ツンデレ)・M(メイド)・R(レボリューション)」
「リルルぅぅぅ! 頼むから、これ以上ヤバいネタは止めてくれよ。本当に、色々とマズいんだよ」
「え~っ、これぐらいリルル的にはオールオッケーですよぉ~。アハッ、それ以外にも緊縛プレイでぇ~、ご主人様の全身に黒い布をガムテープみたいに巻いてぇ~、海の上の舞台で……きゃあぁぁぁ、いったぁ~い!」
「はいはい、リルル君はお口にチャックしようね!」
リルルの頬を抓って、思いっ切り横に引っ張る。痛がっているリルルの顔が、がき●カかダ●ーンのおじさんのようになるがガン無視である。まったく懲りないアホサキュバスは、これぐらいやっても問題ないであろう。
「トミタカ様にリルル様。支度が整いましたので、入室しても宜しいでしょうか」
リルルと戯れていると、ノック音が室内に響きマリスの声が聞こえる。如何やらアホな事をやっている間に、新たなプランとやらの準備が出来たようである。
「マリスちゃん、どうぞ♪」
「失礼いたします」
ガチャリと扉が開き、改めてマリスが入室してくる。しかしその姿を見た私は思わず、ユイちゃん――と声を漏らしてしまった。マリスは青いスカーフのセーラー服を身に着けており、髪も白いリボンでまとめたポニーテールであった。その姿は高校時代の初恋の人と瓜二つである。つぶらな瞳、長いまつ毛、透き通るような白い肌、そしてこぼれるような可憐な笑顔。過ぎ去りし日の情景が次々と脳裏をよぎっていく。告白できなかった後悔、消える事の無い未練、そして取り戻せない過去。初恋の人とマリスの姿が、グルグルと頭の中でリンクしていく。心を激しく揺さぶられた私は、茫然とその場に立ち尽くしてしまった。
例の部屋とは、初めてマリスと身体を重ねた遊戯室の事である。マリスの温かいぬくもりや、熱く愛し合ったあの日の思いが蘇えってくる。
「ああ、必ず行くよ。私もマリスとの再会を心待ちにしていたからね。……ところで、リルルは何で抱き付いてくるんだ?」
「あ~ん、そんな冷たい事を言わないでくださいよぉ~。私だってぇ~、マリスちゃんの件では凄く頑張ったんですよぉ~。少しぐらい甘えてもいいじゃないですかぁ~。ですけどメインディッシュは今夜ですよねぇ~、狂おしいほどの肉欲と愛欲に溺れるぅ~、最高のアバンチュールを期待してますからねぇ~♡ 」
オープニングセレモニーに向けて、手落ちがないか現場を確認していると、いきなりリルルに背後から抱き付かれる。背中に押し付けられた、たわわな膨らみは心地よいが、まるでお●ぶおばけか子泣き爺に取り憑かれたようである。そして周りからは奇異な視線を向けられて実に恥ずかしい。
「ああ……。前向きに検討する所存でありますよ」
「それってぇ~、絶対に実行する気がないですよねぇ~。そんな態度を取るとこうですよぉ~。えい♪ チョークスリーパー!」
「ぐえぇぇぇぇぇぇっ!」
リルルの腕が首に巻きつき、気管を潰すように食い込んでくる。気管を塞がれる状態になり、私は慌ててリルルの腕にタップをした。
「アハッ、どうせご主人様のことですからぁ~、愛しのマリスちゃんに全力投入してぇ~、全弾撃ち尽くすつもりですよねぇ~。そして私とのエッチはぁ~、適当に誤魔化すつもりですよねぇ~。そうは問屋が卸しませんよぉ~」
「ゴホゴホッ……わ、悪かったよ。リルルの相手も存分にさせてもらいますので、そろそろ離してよ」
「アハッ、言質を取りましたよぉ~♪ 約束は必ず守ってもらいますからねぇ~」
「フハハ、大丈夫だよ。私は誠意大将軍の異名を持っているからね。問題ナッシングだよ」
「ネタが古いですねぇ~、それにどちらかと言うとぉ~、ご主人様は性意大将軍ですからぁ~。アハッ、でも久しぶりに燃えそうですねぇ~、もう今夜は寝かせてあげませんからぁ~♡ 」
満面の笑みを浮かべたリルルが、腕を解いて私の背中から降りる。しかし若さ溢れるマリスと、淫欲の申し子であるリルルの二人を相手にしたら、さすがの私でも分が悪いであろう。私は赤玉の発射や、腹上死の恐怖に慄きながら、ルンルン気分で立ち去るリルルを見送るのであった。
「はぁ~、マリスと久しぶりに会えるのは嬉しいけど、育成を終えたという事は、他の男とも行為に及んだという事だよな……」
マリスと愛し合った遊戯室で、独り物思いにふけていた。すでに外は暗くなっており、月明かりだけが漆黒の闇にほのかな光を流していた。マリスとの関係は複雑であり、今は恋人と宣言できる立場ではない。愛しているのに手が届かない――そんなもどかしい状態であった。
「ご主人様ぁ~、お待たせしましたぁ~。いよいよマリスちゃんとの感動の再会ですよぉ~」
マリスに会える喜びと、胸を搔きむしられるような嫉妬心が止めどなく湧きあがってくる。気を揉みながら部屋の中をうろついていると、リルルが遠慮なく部屋に飛び込んできた。相変わらず、情緒もへったくれもない奴である。
「お前なぁ、久しぶりの再会なんだよ。もう少しムードと言うモノをだな……」
「ええっ! もうヌードになれって言うんですかぁ~♪ いくら私の事が好きすぎでもぉ~、気が早いですよぉ~。ご主人様のエッチぃ~♡ 」
「……リルルとのエッチは中止だな……」
「いや~ん、ほんのジョークじゃないですかぁ~。あ~ん、すぐに呼びますので怒らないでくださいよぉ~。マリスちゃん、いらっしゃ~い!」
呼びかけから数秒後、ノック音が響きゆっくりとドアが開かれる。やがて恥じらう花のように顔を赤らめ、はにかむような笑みを浮かべたマリスが姿を現した。清楚なメイド服姿で、表情や仕草に気品さを感じられるが、熱く愛し合ったあの日のマリスと本質は変わっていないようだ。私はホッと胸をなでおろすのであった。
「マリス、やっと会えたね! 元気そうでなによりだ!」
「トミタカ様……わ、私も会える日を心待ちにしていました。会えない日々が、こんなに切なくて寂しいなんて……グスン」
「マリス!」
「トミタカ様!」
会えなかった日々の寂しさを埋めるように、マリスをギュッと抱き締める。涙ぐんでるマリスがとても愛しく、何度も唇を重ねていく。可憐な唇は、しっとりとしていて柔らかく、柑橘系の甘い味がした。情熱の炎は次第に燃え盛っていき、やがて互いに舌を絡める濃厚なキスへと移っていった。
「はぁんっ、ん、んっ、トミタカ様……ちゅっ、ちゅぷん、じゅるる♡ 」
吐息が漏れる艶っぽい唇を、割り開くように舌を差し込んでいく。口内を丹念にねぶり、唾液を交換するように舌を差し入れする。遠慮がちであったマリスも次第に大胆になっていき、やがて動きに呼応するように舌を絡ませ始めた。
「ごめんマリス――もう我慢できそうにないよ」
当然、キスだけで終われる訳もなく、腰に手を回してグッとマリスを引き寄せる。胸元にムニュムニュした膨らみが押し当たり、彼女の体温がダイレクトに伝わってくる。いよいよ我慢できなくなった私は、手をゆっくりと下へと移動させ、可愛らしいヒップを優しく撫で回していく。そして張りのある尻肉の感触を一通り楽しむと、スカートをたくし上げて内腿に手を忍び込ませていった。
「はぁ~、はああっ、トミタカ様――か、身体が熱くなってきて……。あっ、ああん……そ、そこは……やぁぁぁんっ♡ 」
滑らかな柔肌を愛撫しながら、ショーツに包まれた肉丘に指をなぞらせていく。形状を確かめるように、秘裂に沿って指をスライドさせると、マリスの華奢な身体がビクンと仰け反る。指先も湿り気を帯びており、動きに合わせるようにクチュクチュと淫靡な音が響き始めた。
「くうぅんっ、あぁっ、ダメですぅ……それ以上されたら、もう……イッちゃう! ……んんっ、あんっ、ああんっ、はうぅぅぅぅぅん♡ 」
わななく秘所からは滾々と淫蜜が湧きあがり、マリスの身体も甘い快楽に打ち震えている。やがてマリスは、嬌声と共に脱力したように身体を預けてくる。如何やら指愛撫だけでイッてしまったようだ。こんなエロ可愛い姿を見せられて何とも思わない男は、ガチホモか聖人君主だけであろう。異様な興奮に支配された私は、マリスを抱きかかえるとベッドの上に優しく横たわらせた。しかし、さあこれからだと言う瞬間に、リルルの非難じみた声が聞こえてきた。
「ご主人様にマリスちゃん――ちょっと待ったぁ~!」
突然のリルルからのちょっと待ったコールである。一体、どういうつもりなのだろう?
「ダメですよぉ~、ご主人様にマリスちゃん。今日の趣旨はぁ~、マリスちゃんの育成結果を見せるのが目的なんですよぉ~。ラブラブエッチは後にしてくださいよぉ~」
「ええっ? 今のままでも充分に分かると思うけど……」
「ご主人様ぁ~、マリスちゃんの真価はSプレイにあるんですよぉ~。ご主人様もご存知じゃないですかぁ~」
「ううっ、分かっているけど、やはり甘々のラフラブエッチの方が……」
「却下しますぅ~! それからマリスちゃん! 気持ちは分かるけどぉ~、これは仕事の一環ですよぉ~。ご主人様に成果を見てもらうのがぁ~、今日一番の目的なんですからねぇ~」
「そうでした。先ずは成果……成果ですよね。トミタカ様にリルル様、申し訳ありませんでした。改めて仕度をしますので、少々お待ちください」
「アハッ、マリスちゃん頑張ってねぇ~。心を落ち着かせてぇ~、次のプランは成功させようねぇ~♪」
少し身体がふらついているが、マリスは吹っ切れたような表情で部屋を出て行った。一体何がどうなっているやら……。
「なあリルル。次のプランが――とか言ってたけれど、マリスのメイド服姿もプランの一つだったのかい?」
「そうですよぉ~。プランAは主従逆転プレーでぇ~、メイドにセクハラばかりしているご主人様がぁ~、メイドに弱みを握られてぇ~、逆襲で手や足コキでイカされまくる羞恥プレーだったんですよぉ~。名付けてぇ~、ナマ足魅惑のMyメイド! By T(ツンデレ)・M(メイド)・R(レボリューション)」
「リルルぅぅぅ! 頼むから、これ以上ヤバいネタは止めてくれよ。本当に、色々とマズいんだよ」
「え~っ、これぐらいリルル的にはオールオッケーですよぉ~。アハッ、それ以外にも緊縛プレイでぇ~、ご主人様の全身に黒い布をガムテープみたいに巻いてぇ~、海の上の舞台で……きゃあぁぁぁ、いったぁ~い!」
「はいはい、リルル君はお口にチャックしようね!」
リルルの頬を抓って、思いっ切り横に引っ張る。痛がっているリルルの顔が、がき●カかダ●ーンのおじさんのようになるがガン無視である。まったく懲りないアホサキュバスは、これぐらいやっても問題ないであろう。
「トミタカ様にリルル様。支度が整いましたので、入室しても宜しいでしょうか」
リルルと戯れていると、ノック音が室内に響きマリスの声が聞こえる。如何やらアホな事をやっている間に、新たなプランとやらの準備が出来たようである。
「マリスちゃん、どうぞ♪」
「失礼いたします」
ガチャリと扉が開き、改めてマリスが入室してくる。しかしその姿を見た私は思わず、ユイちゃん――と声を漏らしてしまった。マリスは青いスカーフのセーラー服を身に着けており、髪も白いリボンでまとめたポニーテールであった。その姿は高校時代の初恋の人と瓜二つである。つぶらな瞳、長いまつ毛、透き通るような白い肌、そしてこぼれるような可憐な笑顔。過ぎ去りし日の情景が次々と脳裏をよぎっていく。告白できなかった後悔、消える事の無い未練、そして取り戻せない過去。初恋の人とマリスの姿が、グルグルと頭の中でリンクしていく。心を激しく揺さぶられた私は、茫然とその場に立ち尽くしてしまった。
16
お気に入りに追加
189
あなたにおすすめの小説
離婚したらどうなるのか理解していない夫に、笑顔で離婚を告げました。
Mayoi
恋愛
実家の財政事情が悪化したことでマティルダは夫のクレイグに相談を持ち掛けた。
ところがクレイグは過剰に反応し、利用価値がなくなったからと離婚すると言い出した。
なぜ財政事情が悪化していたのか、マティルダの実家を失うことが何を意味するのか、クレイグは何も知らなかった。
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
余りモノ異世界人の自由生活~勇者じゃないので勝手にやらせてもらいます~
藤森フクロウ
ファンタジー
相良真一(サガラシンイチ)は社畜ブラックの企業戦士だった。
悪夢のような連勤を乗り越え、漸く帰れるとバスに乗り込んだらまさかの異世界転移。
そこには土下座する幼女女神がいた。
『ごめんなさあああい!!!』
最初っからギャン泣きクライマックス。
社畜が呼び出した国からサクッと逃げ出し、自由を求めて旅立ちます。
真一からシンに名前を改め、別の国に移り住みスローライフ……と思ったら馬鹿王子の世話をする羽目になったり、狩りや採取に精を出したり、馬鹿王子に暴言を吐いたり、冒険者ランクを上げたり、女神の愚痴を聞いたり、馬鹿王子を躾けたり、社会貢献したり……
そんなまったり異世界生活がはじまる――かも?
ブックマーク30000件突破ありがとうございます!!
第13回ファンタジー小説大賞にて、特別賞を頂き書籍化しております。
♦お知らせ♦
余りモノ異世界人の自由生活、コミックス1~3巻が発売中!
漫画は村松麻由先生が担当してくださっています。
第四巻は11月18日に発送。店頭には2~3日後くらいには並ぶと思われます。
よかったらお手に取っていただければ幸いです。
書籍1~7巻発売中。イラストは万冬しま先生が担当してくださっています。
コミカライズの連載は毎月第二水曜に更新となります。
漫画は村松麻由先生が担当してくださいます。
※基本予約投稿が多いです。
たまに失敗してトチ狂ったことになっています。
原稿作業中は、不規則になったり更新が遅れる可能性があります。
現在原稿作業と、私生活のいろいろで感想にはお返事しておりません。
私を捨ててまで王子が妃にしたかった平民女は…彼の理想とは、全然違っていたようです。
coco
恋愛
私が居ながら、平民の女と恋に落ちた王子。
王子は私に一方的に婚約破棄を告げ、彼女を城に迎え入れてしまい…?
愛する彼には美しい愛人が居た…私と我が家を侮辱したからには、無事では済みませんよ?
coco
恋愛
私たちは仲の良い恋人同士。
そう思っていたのに、愛する彼には美しい愛人が…。
私と我が家を侮辱したからには、あなたは無事では済みませんよ─?
婚約破棄されたので暗殺される前に国を出ます。
なつめ猫
ファンタジー
公爵家令嬢のアリーシャは、我儘で傲慢な妹のアンネに婚約者であるカイル王太子を寝取られ学院卒業パーティの席で婚約破棄されてしまう。
そして失意の内に王都を去ったアリーシャは行方不明になってしまう。
そんなアリーシャをラッセル王国は、総力を挙げて捜索するが何の成果も得られずに頓挫してしまうのであった。
彼女――、アリーシャには王国の重鎮しか知らない才能があった。
それは、世界でも稀な大魔導士と、世界で唯一の聖女としての力が備わっていた事であった。
【完結】死ぬとレアアイテムを落とす『ドロップ奴隷』としてパーティーに帯同させられ都合よく何度も殺された俺は、『無痛スキル』を獲得し、覚醒する
Saida
ファンタジー
(こちらの不手際で、コメント欄にネタバレ防止のロックがされていない感想がございます。
まだ本編を読まれておられない方でネタバレが気になる方は、コメント欄を先に読まれないようお願い致します。)
少年が育った村では、一人前の大人になるための通過儀礼があった。
それは、神から「スキル」を与えられること。
「神からのお告げ」を夢で受けた少年は、とうとう自分にもその番が回って来たと喜び、教会で成人の儀を、そしてスキル判定を行ってもらう。
少年が授かっていたスキルの名は「レアドロッパー」。
しかしあまりにも珍しいスキルだったらしく、辞典にもそのスキルの詳細が書かれていない。
レアスキルだったことに喜ぶ少年だったが、彼の親代わりである兄、タスラの表情は暗い。
その夜、タスラはとんでもない話を少年にし始めた。
「お前のそのスキルは、冒険者に向いていない」
「本国からの迎えが来る前に、逃げろ」
村で新たに成人になったものが出ると、教会から本国に手紙が送られ、数日中に迎えが来る。
スキル覚醒した者に冒険者としての資格を与え、ダンジョンを開拓したり、魔物から国を守ったりする仕事を与えるためだ。
少年も子供の頃から、国の一員として務めを果たし、冒険者として名を上げることを夢に見てきた。
しかし信頼する兄は、それを拒み、逃亡する国の反逆者になれという。
当然、少年は納得がいかない。
兄と言い争っていると、家の扉をノックする音が聞こえてくる。
「嘘だろ……成人の儀を行ったのは今日の朝のことだぞ……」
見たことのない剣幕で「隠れろ」とタスラに命令された少年は、しぶしぶ戸棚に身を隠す。
家の扉を蹴破るようにして入ってきたのは、本国から少年を迎えに来た役人。
少年の居場所を尋ねられたタスラは、「ここにはいない」「どこかへ行ってしまった」と繰り返す。
このままでは夢にまで見た冒険者になる資格を失い、逃亡者として国に指名手配を受けることになるのではと少年は恐れ、戸棚から姿を現す。
それを見て役人は、躊躇なく剣を抜き、タスラのことを斬る。
「少年よ、安心しなさい。彼は私たちの仕事を邪魔したから、ちょっと大人しくしておいてもらうだけだ。もちろん後で治療魔法をかけておくし、命まで奪いはしないよ」と役人は、少年に微笑んで言う。
「分かりました」と追従笑いを浮かべた少年の胸には、急速に、悪い予感が膨らむ。
そして彼の予感は当たった。
少年の人生は、地獄の日々に姿を変える。
全ては授かった希少スキル、「レアドロッパー」のせいで。
孤独な腐女子が異世界転生したので家族と幸せに暮らしたいです。
水都(みなと)
ファンタジー
★完結しました!
死んだら私も異世界転生できるかな。
転生してもやっぱり腐女子でいたい。
それからできれば今度は、家族に囲まれて暮らしてみたい……
天涯孤独で腐女子の桜野結理(20)は、元勇者の父親に溺愛されるアリシア(6)に異世界転生!
最期の願いが叶ったのか、転生してもやっぱり腐女子。
父の同僚サディアス×父アルバートで勝手に妄想していたら、実は本当に2人は両想いで…!?
※BL要素ありますが、全年齢対象です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる