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しおりを挟む自身の黒歴史を更新した後、やはり水の確保と思い再び歩き出した。もちろん三毛猫さんも一緒だ。
三毛猫さんが立ち止まったところに木苺っぽいのやさくらんぼっぽい木の実が成っていたので、採りながら、食べながら、三毛猫さんを撫でながら歩いていく。
森で食べ歩きができるとは。採れたてはやはりおいしい。
お陰でお腹が空くことはないけど、そろそろたんぱく質も欲しい。
川か湖かわからないけど魚とかいるといいな。
そして……大事な事がもう1つ。
お風呂に入りたいっ!
頭も身体も洗いたい……温かいお風呂なんて贅沢は言わない。水でもいいのでまるっと洗わせて欲しい。
服も汚れているしヨレヨレだ。
ただ………気になる事がある。
川か湖があったとして、
身体が洗えたとして、
私の意思に関係なく発動するあの移動能力。
「素っ裸の時に発動したらどうするのぉ――!?」
(のぉ……のぉ……のぉ……)
三毛猫さんごめんなさい。
たまに声を出さないと不安になっちゃって。
驚いて……怒っているのかな?
尻尾太くなってる可愛い……ごめん。
でもこれ結構重要な事じゃないかな。
お風呂とか……トイレとか……の最中に
…………どう思う!?
……嫌だ…………そんなことにはならないと思いたいが、絶対ないとも言えない。
せめて発動条件がわかれば……そんなのもあるかどうか…
まぁ…考えても分からないことは一旦置いておこう。
それにしてもこの森……どこまで森なんだろう。
もう1時間は歩いている。
靴もこんな森の中を歩くようなものじゃないし、
さすがに疲れてきたよぉ……
水辺はあるのかなぁ……同じところをぐるぐる歩いていないかなぁ。
このまま暗くなるまで歩き続けるより、眠れそうな場所を確保した方がいいかもしれない。
そしたら今日もお風呂……水浴び……身体を拭くことすら出来ないよね……
お水が無いんだもの。
今のところ狂暴そうな小動物は三毛猫さんの
「シャァ――ッ」
で逃げて行ってくれるけど…大型のもきっといるだろう。
出会ったらどうしよう。
…………良くないぞ。こんなことを考えていると
「グルルルルル………」
ほらぁ―――――ッッッ!! ピンチ!!!
縄張りとかに入っちゃったのかなぁー!? 熊!? 熊より狂暴そう!!
木の陰から唸り声と共に現れた……熊?
………っ大きい!! 3メートルはありそうな巨大熊!!
どうしよう……走りたい……追いかけられて追い付かれるけど走って逃げたい!!
どうしよう! どうしよう! どうしよう!
このままにらみ合いも出来ない……相手の一撃で終わってしまうのだから。
あぁ………
ここは一体どこだったんだろう。
もとの世界の私はどうなってここに来たんだろう。
この状況を助けてくれる大剣とか杖とか持った強い人は来ないのだろうか。
私にチートな能力をくれる神様はマジでいないのだろうか。
諦めながら現実逃避しかけたその時………
「シャァ―――――――――ッッッ!!!!」
三毛猫さんが私と巨大熊の間に入り威嚇した。
「三毛猫……さん…………」
この森に来てからずっと一緒にいてくれて、食べられるものを教えてくれて私を守って癒してくれた三毛猫さん。
今もまた、自分より遥かに大きい巨大熊相手に私を守ろうとしてくれている。
ポロポロと涙がこぼれる。
私は諦めかけていたのに…
三毛猫さんは何て勇気があるんだろう…
現実逃避してる場合じゃない!!
私だって三毛猫さんを守りたい!!
巨大熊が片手を振り上げた
「三毛猫さん危ないっっ!!!」
嫌だっっ!! 三毛猫さんを失いたくない!!
私は三毛猫さん庇うように抱きしめた。
その瞬間――――突然私の周りがキラキラと光だした
あのお城でみたキラキラだ。
巨大熊は驚いたのかそのまま後退りし、様子を伺っている。
私は三毛猫さんの無事を確認しようと腕の中を覗くと、
「ニャ―――――――ン」
と、可愛い声を聞かせてくれた。ケガもないようだ。
良かった。
安心するとまた涙がこぼれる。
しかし巨大熊はまだ近くにいる。どうしよう。
未だにピンチだと焦っていると、
私の周りのキラキラが強く光だして―――
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