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終章
最終話 無限の可能性
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世界が平和に戻ってから三か月の月日が過ぎた。
俺は一度フェンリィを殺してしまったが自分の全能力を代償に生と死を反転させて、フェンリィを生き返らせることが出来た。魔王サタナも滅んで俺たちを縛るものは何も無い。
俺はただの人間になった。つまり、俺は無能力者になったのだ。俺が無能力者になったということは、フェンリィやルーナやメメも戦うことはできない。ルーナは王族なのに身体能力が子どもぐらいだし、メメは妖精族なのに魔力がほとんど無くなってしまった。フェンリィも普通の女の子と比べて秀でた能力はない。
でも大丈夫。この力に頼らなくても俺たちは円滑に毎日を送っている。もう、俺たちが戦う必要のない世界になったのだ。
『陛下。そろそろお時間です』
ドアの向こうから声が聞こえた。
少し痒い呼ばれ方だが、陛下とは俺のことだ。
魔王により反転してしまった世界は少しずつ戻りつつある。一応衣食住は安定して最低限の街並みまでは回復した。毎日やることが多積みでバタバタしているが、人々の顔には笑顔が戻り充実した日々を送っている。
「ああ、今行くよ」
慣れないマントを羽織って王冠を被る。
あんまりこういう格好はしたくないがみんなにやれと勧められるため断れない。
ドアを開けると長い廊下にはレッドカーペットが敷かれていた。廊下の両脇を兵士たちが一列に並んでいる。
「やっぱ慣れないな」
「良く似合ってますよ。今日も素敵です、陛下っ」
「その呼び方辞めてくれ。絶対からかって言ってるだろ」
「えーそんなことないですよぉ。でもリクト様の方がしっくりきますね!」
そう言ってフェンリィは腕を組んできた。
ドレスを着てお化粧もばっちり決めている。この三か月でさらに綺麗になったと思う。
「今日もかわいいよ、フェンリィ」
「えへへ、ありがとうございます。でも今日は結婚式じゃないですよ?」
「分かってるよ。そんなことよりルーナとメメは?」
「むぅ、そんなことってなんですかぁ。女の子の憧れですよ」
えいっ、えいっと肘で突いてきた。
両脇に構えた兵士たちが目を逸らして見ないふりをしてくれている。
「いてっ、ちょっとみんな居るから後にして」
「むぅぅぅ、私のことは後回しですか? そんなこと言うと不機嫌になっちゃいますよ」
なんだか凄く面倒なことを言ってきた。最近忙しかったせいで二人きりになれる時間が少ないから構って欲しいのかもしれない。
「なってていいよ。あー歩きやすい歩きやすい」
「な……ほんとになっちゃいますからね! もう知らないです。ふんっ」
俺もフェンリィのこと言えないな。つい意地悪して楽しんでしまった。周りの人がひそひそ話を始めてしまったためそろそろやめておこう。
「フェンリィ? 怒った?」
「ぷんぷんです。もう許してあげ──ぷわぁっ!」
親指と中指でぷくっとした頬っぺたを押し込んであげた。空気が抜けてしぼんでしまう。
「適当にしたくないからさ。もうちょっと待っててね」
「……しょうがないですね。許してあげます」
「よかった。それで、二人は?」
「先に行ってますよ。早く追いつきましょう!」
ここでベタベタするのは終了し、フェンリィと並んでレッドカーペットを歩く。
今日は魔王を討伐してから三か月記念ということで式典があるのだ。
魔王討伐に大きく貢献した者を称えるのと、それから陛下就任の任命式を行う。
「やっぱりリクト様は凄いです。私の自慢ですっ」
「そう言ってもらえると嬉しいよ。ありがとう」
世界は統一されることになった。
種族や国という概念は残るが世界を一つにまとめようということになったのだ。
そこで一番のトップを決める時に俺の名が挙がった。誰もが俺を光だと言ってくれたことと、世界を治めることが俺という存在の償いであると思ったため引き受けることにした。もう二度と恐怖が訪れない世界にしてみせる。
長い廊下をゆっくり歩いていると見知った顔もちらほらいた。
今では俺と一緒に組織をまわしてくれる仲間たちだ。
「いろいろと悪かったわね、リクト。これからは私も心を入れ替えることにするわ」
「オレも、もう悪に手は染めたりしないっす。死ぬまで償います」
ルキシアとハウザー。
姿だけではなくて心も人間に戻っている。
「ああ、これから頼むな」
「はっ、この俺様が人助けをする日が来るとはな」
「期待してるよ、アーノルド」
「勘違いすんな。お前のためにやるわけじゃねぇ」
「わかってるさ。頑張ろうな」
三人のことを良く思わない者もいるが、これからどう変わっていくかは三人次第だ。一度気づけたのだから人間として進化していけるだろう。
さらに歩くと階段が見えてきた。
外からは歓声が聞こえてくる。
俺たちは一歩ずつ踏みしめて上っていく。
「リクト君。今日からまた新しい時代が始まるんだね。君ならきっといい世界をつくってくれると信じてるよ」
「ありがとうございます。でも多分ルーイさん達の方が忙しくなりますよ。俺は顔役みたいなものですから」
ルーイ以外にもあらゆる種族の有力者が俺たちを迎えた。
当然、俺一人ですべてを束ねるなど不可能なため協力が必要だ。人族はルーイがまとめることになっている。
「えへっ、なんだか私も褒められてるみたいで嬉しいです」
「フェンリィも遊んでばかりじゃダメだからね」
「わかってますよっ。リクト様のお世話は何でも任せてください!」
「そういう意味じゃないんだけどまあいいや。時間だな」
階段を上りきると外の光が差してきた。
ここは結構大きな城のため絶景だ。
「あ、やっときた。まーたそんなべったりして」
「仲良しでいいと思うけどしっかりしてね?」
俺についてきてくれた最高の仲間、ルーナとメメ。
二人とも三か月分だけ大人になって随分たくましくなった気がする。心の成長が大きな要因だろう。いい顔をしている。
「メメちゃーん! ルーナ! 久しぶりです!」
「こ、こら。人前立つってのに崩れちゃうでしょ」
「ふふっ、でもメメこういうの好き。ずっと友達だよ」
メメは妖精族を束ねて、ルーナもルーイと共にあちこち駆け回っていたから四人揃うのは久しぶりだ。フェンリィとルーナとメメが笑っている姿はやっぱり和む。懐かしい気持ちになって、平和を実感できる。
「ルーナ、メメ。これからもよろしくな」
「当然でしょ。私たちが一緒ならなんだってできるわ」
「うん。メメも一生懸命がんばるね」
俺たちの旅が終わったからと言って繋がりが断たれるわけではない。ゴールはまた新たなスタートの合図だ。
「「あ、そうだ」」
ルーナとメメが俺にてけてけと寄ってきた。
フェンリィに聞こえないように耳打ちする。
「フェンリィ幸せにしなかったらぶった切るからねっ」
「リィちゃん泣かせたら消しちゃおっかな。なーんてっ」
二人はそう言うとにへらと笑った。
俺に好意を持ってくれてたことは勿論知っている。二人なりに応援の言葉をかけてくれたのだろう。
「約束するよ」
「ま、全然心配してないけどね」
「うん、お似合いだもんね」
「みんな私に内緒で何の話してるんですか?」
三人で盛り上がっているとフェンリィもとことこやってきた。
「アンタは今日もアホな顔してるねって話」
「もう、またルーナはそんなこと言う。そんなことないですよね、リクト様?」
「いやそうなんじゃない?」
「うん、メメもそう思うよ」
「メメちゃんとリクト様まで!?」
そんな風に笑い合っていると、
『お待たせ致しました。まもなく世界を救った英雄のご登場です!』
外からアナウンスが聞こえてきた。
俺たちの出番だ。
「よし、行くか」
「はい!」「ええ!」「うん!」
一歩ずつ、一歩ずつ。
もがき苦しみ、最後には笑ってここまで来れた。
「ははっ、凄いな」
外に出ると一面が人で埋め尽くされていた。
俺たちを見ると拍手と称賛の嵐に包まれる。
そのすべてが、俺たちに向けられたものだ。
「夢みたいです……」
「嘘じゃ、ないのよね」
「うん、本物だよ」
かつて無能と呼ばれ、追放された少女たち。
孤独に絶望し、生きる意味を失った少女たち。
誰一人として下を向いている者はいない。
特別な力は無くなったが、彼女らを非難する者は誰もいない。
「頑張ったな」
持たざる者として生まれてしまった少女たち。
長きにわたり暗闇を彷徨っていた少女たち。
フェンリィ。ルーナ。メメ。
俺はそんな彼女らにほんの少し手を差し伸べただけだ。
光がある方を教えてあげただけに過ぎない。
あとは自分で起き上がって、前を向いて、歩き出して、世界をがらっとひっくり返した。
本当によく頑張った。
そして伝えたい、
「ありがとう」
俺にとっての光は三人だった。
三人がいたから俺はここまで来れた。
三人にはこの景色がどう映っているだろうか。
きっと大勢の民衆は見えていない。
別に褒められたかったわけではないのだ。
誰かに認めてもらいたかったわけではない。
ただ特別なものはいらないから、ほんの少し生きやすくなってくれればいいと思っていただけだ。
ここに立ったことでそれを実感し、涙を流している。
俺もそれを見て視界が光り輝いた。
ようやくスタートラインに立っただけ。
でもこれからはずっと生きやすい。
毎日、明日は何をしようかと考えられる。
昨日はこんなことをしたと話し合える。
そんな普通でありふれた生活が欲しかった。
これは魔法でも特別な能力でもない。
俺たちは無限の可能性を秘めている。
フェンリィ。ルーナ。メメ。そしてリクト。
俺たちの世界はこうして反転した。
─ 終 ─
俺は一度フェンリィを殺してしまったが自分の全能力を代償に生と死を反転させて、フェンリィを生き返らせることが出来た。魔王サタナも滅んで俺たちを縛るものは何も無い。
俺はただの人間になった。つまり、俺は無能力者になったのだ。俺が無能力者になったということは、フェンリィやルーナやメメも戦うことはできない。ルーナは王族なのに身体能力が子どもぐらいだし、メメは妖精族なのに魔力がほとんど無くなってしまった。フェンリィも普通の女の子と比べて秀でた能力はない。
でも大丈夫。この力に頼らなくても俺たちは円滑に毎日を送っている。もう、俺たちが戦う必要のない世界になったのだ。
『陛下。そろそろお時間です』
ドアの向こうから声が聞こえた。
少し痒い呼ばれ方だが、陛下とは俺のことだ。
魔王により反転してしまった世界は少しずつ戻りつつある。一応衣食住は安定して最低限の街並みまでは回復した。毎日やることが多積みでバタバタしているが、人々の顔には笑顔が戻り充実した日々を送っている。
「ああ、今行くよ」
慣れないマントを羽織って王冠を被る。
あんまりこういう格好はしたくないがみんなにやれと勧められるため断れない。
ドアを開けると長い廊下にはレッドカーペットが敷かれていた。廊下の両脇を兵士たちが一列に並んでいる。
「やっぱ慣れないな」
「良く似合ってますよ。今日も素敵です、陛下っ」
「その呼び方辞めてくれ。絶対からかって言ってるだろ」
「えーそんなことないですよぉ。でもリクト様の方がしっくりきますね!」
そう言ってフェンリィは腕を組んできた。
ドレスを着てお化粧もばっちり決めている。この三か月でさらに綺麗になったと思う。
「今日もかわいいよ、フェンリィ」
「えへへ、ありがとうございます。でも今日は結婚式じゃないですよ?」
「分かってるよ。そんなことよりルーナとメメは?」
「むぅ、そんなことってなんですかぁ。女の子の憧れですよ」
えいっ、えいっと肘で突いてきた。
両脇に構えた兵士たちが目を逸らして見ないふりをしてくれている。
「いてっ、ちょっとみんな居るから後にして」
「むぅぅぅ、私のことは後回しですか? そんなこと言うと不機嫌になっちゃいますよ」
なんだか凄く面倒なことを言ってきた。最近忙しかったせいで二人きりになれる時間が少ないから構って欲しいのかもしれない。
「なってていいよ。あー歩きやすい歩きやすい」
「な……ほんとになっちゃいますからね! もう知らないです。ふんっ」
俺もフェンリィのこと言えないな。つい意地悪して楽しんでしまった。周りの人がひそひそ話を始めてしまったためそろそろやめておこう。
「フェンリィ? 怒った?」
「ぷんぷんです。もう許してあげ──ぷわぁっ!」
親指と中指でぷくっとした頬っぺたを押し込んであげた。空気が抜けてしぼんでしまう。
「適当にしたくないからさ。もうちょっと待っててね」
「……しょうがないですね。許してあげます」
「よかった。それで、二人は?」
「先に行ってますよ。早く追いつきましょう!」
ここでベタベタするのは終了し、フェンリィと並んでレッドカーペットを歩く。
今日は魔王を討伐してから三か月記念ということで式典があるのだ。
魔王討伐に大きく貢献した者を称えるのと、それから陛下就任の任命式を行う。
「やっぱりリクト様は凄いです。私の自慢ですっ」
「そう言ってもらえると嬉しいよ。ありがとう」
世界は統一されることになった。
種族や国という概念は残るが世界を一つにまとめようということになったのだ。
そこで一番のトップを決める時に俺の名が挙がった。誰もが俺を光だと言ってくれたことと、世界を治めることが俺という存在の償いであると思ったため引き受けることにした。もう二度と恐怖が訪れない世界にしてみせる。
長い廊下をゆっくり歩いていると見知った顔もちらほらいた。
今では俺と一緒に組織をまわしてくれる仲間たちだ。
「いろいろと悪かったわね、リクト。これからは私も心を入れ替えることにするわ」
「オレも、もう悪に手は染めたりしないっす。死ぬまで償います」
ルキシアとハウザー。
姿だけではなくて心も人間に戻っている。
「ああ、これから頼むな」
「はっ、この俺様が人助けをする日が来るとはな」
「期待してるよ、アーノルド」
「勘違いすんな。お前のためにやるわけじゃねぇ」
「わかってるさ。頑張ろうな」
三人のことを良く思わない者もいるが、これからどう変わっていくかは三人次第だ。一度気づけたのだから人間として進化していけるだろう。
さらに歩くと階段が見えてきた。
外からは歓声が聞こえてくる。
俺たちは一歩ずつ踏みしめて上っていく。
「リクト君。今日からまた新しい時代が始まるんだね。君ならきっといい世界をつくってくれると信じてるよ」
「ありがとうございます。でも多分ルーイさん達の方が忙しくなりますよ。俺は顔役みたいなものですから」
ルーイ以外にもあらゆる種族の有力者が俺たちを迎えた。
当然、俺一人ですべてを束ねるなど不可能なため協力が必要だ。人族はルーイがまとめることになっている。
「えへっ、なんだか私も褒められてるみたいで嬉しいです」
「フェンリィも遊んでばかりじゃダメだからね」
「わかってますよっ。リクト様のお世話は何でも任せてください!」
「そういう意味じゃないんだけどまあいいや。時間だな」
階段を上りきると外の光が差してきた。
ここは結構大きな城のため絶景だ。
「あ、やっときた。まーたそんなべったりして」
「仲良しでいいと思うけどしっかりしてね?」
俺についてきてくれた最高の仲間、ルーナとメメ。
二人とも三か月分だけ大人になって随分たくましくなった気がする。心の成長が大きな要因だろう。いい顔をしている。
「メメちゃーん! ルーナ! 久しぶりです!」
「こ、こら。人前立つってのに崩れちゃうでしょ」
「ふふっ、でもメメこういうの好き。ずっと友達だよ」
メメは妖精族を束ねて、ルーナもルーイと共にあちこち駆け回っていたから四人揃うのは久しぶりだ。フェンリィとルーナとメメが笑っている姿はやっぱり和む。懐かしい気持ちになって、平和を実感できる。
「ルーナ、メメ。これからもよろしくな」
「当然でしょ。私たちが一緒ならなんだってできるわ」
「うん。メメも一生懸命がんばるね」
俺たちの旅が終わったからと言って繋がりが断たれるわけではない。ゴールはまた新たなスタートの合図だ。
「「あ、そうだ」」
ルーナとメメが俺にてけてけと寄ってきた。
フェンリィに聞こえないように耳打ちする。
「フェンリィ幸せにしなかったらぶった切るからねっ」
「リィちゃん泣かせたら消しちゃおっかな。なーんてっ」
二人はそう言うとにへらと笑った。
俺に好意を持ってくれてたことは勿論知っている。二人なりに応援の言葉をかけてくれたのだろう。
「約束するよ」
「ま、全然心配してないけどね」
「うん、お似合いだもんね」
「みんな私に内緒で何の話してるんですか?」
三人で盛り上がっているとフェンリィもとことこやってきた。
「アンタは今日もアホな顔してるねって話」
「もう、またルーナはそんなこと言う。そんなことないですよね、リクト様?」
「いやそうなんじゃない?」
「うん、メメもそう思うよ」
「メメちゃんとリクト様まで!?」
そんな風に笑い合っていると、
『お待たせ致しました。まもなく世界を救った英雄のご登場です!』
外からアナウンスが聞こえてきた。
俺たちの出番だ。
「よし、行くか」
「はい!」「ええ!」「うん!」
一歩ずつ、一歩ずつ。
もがき苦しみ、最後には笑ってここまで来れた。
「ははっ、凄いな」
外に出ると一面が人で埋め尽くされていた。
俺たちを見ると拍手と称賛の嵐に包まれる。
そのすべてが、俺たちに向けられたものだ。
「夢みたいです……」
「嘘じゃ、ないのよね」
「うん、本物だよ」
かつて無能と呼ばれ、追放された少女たち。
孤独に絶望し、生きる意味を失った少女たち。
誰一人として下を向いている者はいない。
特別な力は無くなったが、彼女らを非難する者は誰もいない。
「頑張ったな」
持たざる者として生まれてしまった少女たち。
長きにわたり暗闇を彷徨っていた少女たち。
フェンリィ。ルーナ。メメ。
俺はそんな彼女らにほんの少し手を差し伸べただけだ。
光がある方を教えてあげただけに過ぎない。
あとは自分で起き上がって、前を向いて、歩き出して、世界をがらっとひっくり返した。
本当によく頑張った。
そして伝えたい、
「ありがとう」
俺にとっての光は三人だった。
三人がいたから俺はここまで来れた。
三人にはこの景色がどう映っているだろうか。
きっと大勢の民衆は見えていない。
別に褒められたかったわけではないのだ。
誰かに認めてもらいたかったわけではない。
ただ特別なものはいらないから、ほんの少し生きやすくなってくれればいいと思っていただけだ。
ここに立ったことでそれを実感し、涙を流している。
俺もそれを見て視界が光り輝いた。
ようやくスタートラインに立っただけ。
でもこれからはずっと生きやすい。
毎日、明日は何をしようかと考えられる。
昨日はこんなことをしたと話し合える。
そんな普通でありふれた生活が欲しかった。
これは魔法でも特別な能力でもない。
俺たちは無限の可能性を秘めている。
フェンリィ。ルーナ。メメ。そしてリクト。
俺たちの世界はこうして反転した。
─ 終 ─
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