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1話
しおりを挟む現実は小説より奇なり、なんて言葉はあるけれども、これはそんな次元の話じゃなかった。
気づいたら見知らぬ場所いました。
「ここ何処ーーーーーーー?! 」
叫ぶ事、数時間前
その日、私は念願の最新スマホに機種変し、浮かれながら帰宅を急いでいた。
「早く家に帰って、触りたいー」
スマホ片手にまた笑みを浮かべる雫がほんの少し怖かったのか、行き交う人が若干避けていくの姿に、顔を真っ赤にしながらその場から逃げ出した。
「恥ずかしいー」
ブツブツ言いながら、早足で歩いていた瞬間
「……えっ、何?! 眩しいーー!!」
眩しさを感じなくなり、恐る恐る目を開けると。
一面真っ白な世界に、土下座する二人組がいる、変な場所に変わっていた。
「ここ何処ーーーーーー?!」
と叫ぶしか出来なかった。
叫び声に驚くも未だ、土下座し続ける二人に気づき。
「なんなのーーーー?! 意味わからんーーーーー」
と、また心からの叫びをあげるのだった。
散々叫び、声も枯れてきた事で多少、落ち着いてきたのか、ようやく土下座する二人に声をかけた。
さすがにずっと土下座のままも、居心地悪いと言う思いもあって。
「意味わかりませんが、まずその土下座はやめてください!なんなんですか、貴方達は? ドッキリか何かですか? 」
「……ありがとうこざいます、申し訳ありません、いろいろとお聞きしたい事があるとは思いますが、まずこの状況は現実であり、貴女は異世界に召喚されているのです」
「はあ、異世界?! 」
土下座していた金髪の男が、真っ青な表情で、また頭を下げてきた。
横に立っている、もう一人の銀髪の男は頭痛がするのか始終頭を抑えている。
「この状況で、混乱するなと言うのも無理だと思うが、まずは話を聞いて欲しい」
「……あー、わかりました、さすがに私も状況をきちんと知りたいです」
二人はホッとした様な表情を浮かべ、銀髪の男が言葉を紡ぐと、何もない空間にテーブルに椅子、そして美味しそうなお菓子にお茶が出てきた。
「さあ、座ってくれ。 お菓子もお茶も君の世界の物を用意したよ、慣れしたしんだ味の方が安心出来るだろう」
「うわーすごい、ありがとうこざいます、あっ、でもゆっくり話してて大丈夫なんですか?」
「心配はもっともだ、だが問題はない、この空間は時間の流れが違う故、ゆっくり説明しても問題はないのだ」
銀髪の男性の言葉に安心して、テーブルの上にあるお菓子に手だした。
(状況もわからないし、お腹もすいてるし、遠慮なくいただきます!)
「食べながらでいいから、聞いて欲しい」
「モグモグ(コクコク)」
遠慮なく食べる姿に安心したような表情を浮かべながら、金髪の男が横に座った、銀髪の男に目配せする。
それに答えるように、頷くと話始めた。
「この状況の全ての原因は、うちの配下の馬鹿の仕業で起きた事なんだ」(グシャ)
「その馬鹿達が貴方達を召喚する手助けをしたのです」(グシャ)
言いながら、持っていたカップがひしゃげた。
(よほど、迷惑かけられてるんだろうな、普段から)
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