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番外編
蜜を召しませ 3
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「レジナス様、それはここでなく厨房へ・・・!いえ、厨房?厨房でいいのかしら?」
扉の向こうでシンシアさんの戸惑った声とレジナスさんのやや慌てたような
「いや、捌くのは俺が・・・」
「捌く⁉︎ユーリ様の寝室でですか⁉︎」
なんてやり取りが聞こえてきた。会話のところどころしか聞こえてこないけど一体何だろう。
リオン様も不思議そうに
「何だろうね?厨房や捌くって言葉からして、レジナスがユーリのために何か栄養のある食材でも持ってきたみたいだけど」
と扉を注視している。
私に栄養のつくものとか好物っていうならパッと思い浮かぶのはお肉・・・?
ユリウスさんもそう思ったのか、
「え?まさかレジナス、ユーリ様に元気になってもらうために魔獣を狩ってきたとかナイっすよね?王都周辺にそんな大型魔獣はいないはずっすけど、まさか仕事を早々に切り上げてから王都を出て狩りをして来たとか・・・?」
恐ろしい奴っす、と言いながらでもまさかね?と自分で自分の言葉に半信半疑でいる。
そうだよね?いくらなんでもそこまでしないでしょう、と私も思うんだけどシグウェルさんもリオン様も
「あいつならやりかねない。何しろユーリが体調を崩したのは初めての事だからな。慌ててしまい、いつもならやらない事もしてしまう可能性はある」
「まあレジナスがユーリのことになると途端にポンコツになるのは今に始まったことじゃないから否定は出来ないよね。でもここの庭園で魔獣の肉を捌いたり焼いたりするのはやめて欲しいかなあ」
と言っている。
すると部屋の外での押し問答が終わったのか・・・ていうかシンシアさんの「あっ、お待ちくださいレジナス様!」って声が聞こえたから押し通ったのかな?そこでやっと寝室の扉がノックされて
「ユーリ、休んでいるところを悪いが大丈夫か?様子を見に来た!」
とレジナスさんが部屋へ入って来た。
「⁉︎」
ガチャリと扉を開けたレジナスさんがその手に持っている物を見て思わず固まる。
ヘビだ。銀色に青紫と黄色の原色も毒々しいシマシマ模様で首元にエリマキトカゲのエリみたいなヒラヒラがついているやつ。
そのヒラヒラの襟元・・・首根っこをがっしりと素手で直に握りしめて持ちながらレジナスさんは
「熱は下がったか?」
と私に歩み寄って来た。ひぃ!ちょっと待って、それって生きてるの死んでるの?
「・・・‼︎」
喉の痛みで声が出ないまま、ベッドサイドで私の両隣に腰掛けていたリオン様とシグウェルさんの服の裾を驚いて思わずぎゅっと握りしめる。
当然リオン様は
「待ってレジナス落ち着いて。ユーリが驚いてるから、そのままそこで止まって。」
とストップをかけてくれた。シグウェルさんはレジナスさんが手にしているいかにも毒ヘビです!って言った主張が強いシマ模様のそれを観察して
「ナールカナヘビか。それは海ヘビの一種ではなかったか?随分と新鮮だな。まだ死にたてのようだが、まさか仕事終わりにわざわざどこぞの海まで行って来たのか?」
と冷静だ。う、海ヘビ?なんでそんなものをここに?
二人の間から恐る恐る顔を覗かせて私もよく見る。
うわ、ノコギリみたいにギザギザでちっちゃな白い歯がびっしりと口の中から覗いている。噛まれたりしたらすごく痛そう。
首元のヒラヒラも、よく見たらその先端がトゲみたいに尖ってるし。レジナスさん、よく恐ろしげもなくこんなのを素手で掴めるなあ。
するとストップをかけたリオン様の言葉に、そこでやっとレジナスさんはハッと我に返ったらしく
「申し訳ありません、つい慌ててしまいました。」
きっちりと綺麗な礼をして頭を下げると、手にしているヘビを一応私の視界に入らないように後ろ手に隠してくれた。
まあ結構な長さと太さのあるヘビだから、どうしたってチラチラとその毒々しい色合いを私達に見せているけど。
そりゃマリーさんが悲鳴を上げてシンシアさんが止めるわけだ。
むしろこんなのを見てレジナスさんに冷静に注意していたシンシアさんはすごい。それにしてもどうしてレジナスさんはこんなものを持って来たのか。
「な・・・なんでず?ぞれ・・・」
熱だけでなく鼻まで詰まってきていて苦しいんだけど、やっとの思いでレジナスさんに聞いた。
すると鼻詰まりの掠れ声だった私の様子が思っていたよりも酷く見えたのか、レジナスさんは眉根を寄せた痛々しそうな顔でそんな私に教えてくれた。
「ナールカナヘビの生き血は毒性もあるが同時に強力な解熱作用もあるんだ。南海では伝染性の熱病が発生した際は即効性のある解熱剤として重用している。今日は仕事を早々に終わらせてから宮廷魔導士に頼み込み、さっき魔法陣で南海まで送ってもらい獲ってきた。待ってろ、今すぐ解熱剤を作るから」
いや、ちょっと待って⁉︎切実そうな顔をして丁寧に教えてくれたのはありがたいけど、話してくれた内容が怖い。
へ、ヘビの生き血が解熱剤?さっきシンシアさんに自分が捌くって言ってたのはまさか、ここでそのヘビの首を切って、どばーっと出たその血を私に飲めってこと?
スッポンの血はそのまま飲むと滋養強壮に優れているって聞いたことがあるけど、それに近い感じなのかな?でもヘビの生き血って・・・。
しかもわざわざ魔法陣で遠く南海まで行って海ヘビを獲ってきたとか、行動力がいつものシェラさん並だ。
なんだか色々と理解が追いつかないしツッコミどころがあり過ぎて、ますます熱っぽくなってきたような気がする。
リオン様も
「レジナス、君、本当にユーリのことになると冷静さを失うよね・・・。いくらなんでもユーリにヘビの生き血を飲めだなんて、今の君はシェラより過激だよ?」
と呆れている。私もさすがにヘビの血を飲むのは遠慮したいかな・・・。
心配をかけて申し訳ないと思う反面、その気持ちは嬉しいしわざわざ魔法陣まで使って南方の海辺まで行ってきてくれたのはありがたいけど。
うん、そこまでしてまで私に早く治って欲しいと思っているとか心配してくれているのは本当に嬉しい。心の中がほんのりと暖かくなった。
すると私をチラリとみたシグウェルさんが
「なんだ君、随分と嬉しそうだな。もしかしてあのヘビの血を飲みたいのか?」
と言ってきた。
「え?そうなのユーリ。すごいね」
「そうなのか?なら鮮度が落ちないうちに早く・・・」
リオン様とレジナスさんまで!シグウェルさんがおかしな事を言うから勘違いしている。
「ぢ、ぢがう・・・!」
このままだとヘビの血を飲まされる、と必死で頭を振った。私はただ、レジナスさんの気持ちが嬉しかっただけであって決してヘビの血を飲みたいわけじゃない。
またすぐにでもヘビの首を切り落としてその血を搾り取りそうな勢いのレジナスさんをなんとか身振り手振りで止める。
ユリウスさんも
「そうっすよ、そんな物騒なものよりもホラ、シンシアさんが蜂蜜酒を持ってきてくれたんで飲むなら断然こっちっす!」
と私に加勢してくれた。
見ればさっき廊下でレジナスさんを止めてくれていたシンシアさんがマリーさんと一緒に蜂蜜酒らしい金色の液体が入ったグラスや大きな氷がごろごろ入った入れ物、水らしきものが入っている瓶などを乗せたカートを押して部屋に入って来たところだった。
「ユーリ様の体調も優れませんのに、遅くなり申し訳ございませんでした。少し事故があり蜂蜜酒を準備し直しておりました。」
シンシアさんが深々と頭を下げ、それに続いてマリーさんも
「お待たせして申し訳ありません!わたしのせいで・・・‼︎」
と謝った。あ、そういえばさっき廊下からマリーさんの悲鳴とガチャンって音が聞こえてきたっけ。
あれはきっと、レジナスさんが手にしているヘビを見て驚いたせいで蜂蜜酒をひっくり返したんじゃないのかな?
レジナスさんを見ると「驚かせてすまなかった」って二人に謝ってるし、きっとそうだ。
ただ、まだ慌てているのかヘビを片手に二人に歩み寄るのはやめた方がいいと思うんだけど。
さすがに見かねたユリウスさんが
「何やってるんすか、二人がビビってるじゃないっすか!本当にアンタはユーリ様が寝込んだからって動揺し過ぎっす!」
とレジナスさんが手に持っていたヘビをどこからか取り出した袋の中へ突っ込んだ。そして
「これは没収っす!魔導士院で魔法薬の原料にさせてもらうっす!」
と自らレジナスさんの持って来たモノの後始末まで申し出てくれた。
うーんさすが普段からシグウェルさんのあれこれの尻拭いをするのに手慣れているだけある。流れるように鮮やかな始末の仕方だ。
とりあえず目の前からヘビが消えてほっとすれば、そんな私を見てシンシアさんが
「すぐに蜂蜜酒をお渡しいたしますからね」
と優しく微笑んでくれた。わーん、まるでお母さんみたいな優しさだ。
声を出さずにぱくぱくと口だけ動かして「ありがとうございます」と伝えれば、それを見ていたレジナスさんがなぜか寂しそうな顔をしているけど。
いやレジナスさんが持って来たのはヘビだし・・・。
扉の向こうでシンシアさんの戸惑った声とレジナスさんのやや慌てたような
「いや、捌くのは俺が・・・」
「捌く⁉︎ユーリ様の寝室でですか⁉︎」
なんてやり取りが聞こえてきた。会話のところどころしか聞こえてこないけど一体何だろう。
リオン様も不思議そうに
「何だろうね?厨房や捌くって言葉からして、レジナスがユーリのために何か栄養のある食材でも持ってきたみたいだけど」
と扉を注視している。
私に栄養のつくものとか好物っていうならパッと思い浮かぶのはお肉・・・?
ユリウスさんもそう思ったのか、
「え?まさかレジナス、ユーリ様に元気になってもらうために魔獣を狩ってきたとかナイっすよね?王都周辺にそんな大型魔獣はいないはずっすけど、まさか仕事を早々に切り上げてから王都を出て狩りをして来たとか・・・?」
恐ろしい奴っす、と言いながらでもまさかね?と自分で自分の言葉に半信半疑でいる。
そうだよね?いくらなんでもそこまでしないでしょう、と私も思うんだけどシグウェルさんもリオン様も
「あいつならやりかねない。何しろユーリが体調を崩したのは初めての事だからな。慌ててしまい、いつもならやらない事もしてしまう可能性はある」
「まあレジナスがユーリのことになると途端にポンコツになるのは今に始まったことじゃないから否定は出来ないよね。でもここの庭園で魔獣の肉を捌いたり焼いたりするのはやめて欲しいかなあ」
と言っている。
すると部屋の外での押し問答が終わったのか・・・ていうかシンシアさんの「あっ、お待ちくださいレジナス様!」って声が聞こえたから押し通ったのかな?そこでやっと寝室の扉がノックされて
「ユーリ、休んでいるところを悪いが大丈夫か?様子を見に来た!」
とレジナスさんが部屋へ入って来た。
「⁉︎」
ガチャリと扉を開けたレジナスさんがその手に持っている物を見て思わず固まる。
ヘビだ。銀色に青紫と黄色の原色も毒々しいシマシマ模様で首元にエリマキトカゲのエリみたいなヒラヒラがついているやつ。
そのヒラヒラの襟元・・・首根っこをがっしりと素手で直に握りしめて持ちながらレジナスさんは
「熱は下がったか?」
と私に歩み寄って来た。ひぃ!ちょっと待って、それって生きてるの死んでるの?
「・・・‼︎」
喉の痛みで声が出ないまま、ベッドサイドで私の両隣に腰掛けていたリオン様とシグウェルさんの服の裾を驚いて思わずぎゅっと握りしめる。
当然リオン様は
「待ってレジナス落ち着いて。ユーリが驚いてるから、そのままそこで止まって。」
とストップをかけてくれた。シグウェルさんはレジナスさんが手にしているいかにも毒ヘビです!って言った主張が強いシマ模様のそれを観察して
「ナールカナヘビか。それは海ヘビの一種ではなかったか?随分と新鮮だな。まだ死にたてのようだが、まさか仕事終わりにわざわざどこぞの海まで行って来たのか?」
と冷静だ。う、海ヘビ?なんでそんなものをここに?
二人の間から恐る恐る顔を覗かせて私もよく見る。
うわ、ノコギリみたいにギザギザでちっちゃな白い歯がびっしりと口の中から覗いている。噛まれたりしたらすごく痛そう。
首元のヒラヒラも、よく見たらその先端がトゲみたいに尖ってるし。レジナスさん、よく恐ろしげもなくこんなのを素手で掴めるなあ。
するとストップをかけたリオン様の言葉に、そこでやっとレジナスさんはハッと我に返ったらしく
「申し訳ありません、つい慌ててしまいました。」
きっちりと綺麗な礼をして頭を下げると、手にしているヘビを一応私の視界に入らないように後ろ手に隠してくれた。
まあ結構な長さと太さのあるヘビだから、どうしたってチラチラとその毒々しい色合いを私達に見せているけど。
そりゃマリーさんが悲鳴を上げてシンシアさんが止めるわけだ。
むしろこんなのを見てレジナスさんに冷静に注意していたシンシアさんはすごい。それにしてもどうしてレジナスさんはこんなものを持って来たのか。
「な・・・なんでず?ぞれ・・・」
熱だけでなく鼻まで詰まってきていて苦しいんだけど、やっとの思いでレジナスさんに聞いた。
すると鼻詰まりの掠れ声だった私の様子が思っていたよりも酷く見えたのか、レジナスさんは眉根を寄せた痛々しそうな顔でそんな私に教えてくれた。
「ナールカナヘビの生き血は毒性もあるが同時に強力な解熱作用もあるんだ。南海では伝染性の熱病が発生した際は即効性のある解熱剤として重用している。今日は仕事を早々に終わらせてから宮廷魔導士に頼み込み、さっき魔法陣で南海まで送ってもらい獲ってきた。待ってろ、今すぐ解熱剤を作るから」
いや、ちょっと待って⁉︎切実そうな顔をして丁寧に教えてくれたのはありがたいけど、話してくれた内容が怖い。
へ、ヘビの生き血が解熱剤?さっきシンシアさんに自分が捌くって言ってたのはまさか、ここでそのヘビの首を切って、どばーっと出たその血を私に飲めってこと?
スッポンの血はそのまま飲むと滋養強壮に優れているって聞いたことがあるけど、それに近い感じなのかな?でもヘビの生き血って・・・。
しかもわざわざ魔法陣で遠く南海まで行って海ヘビを獲ってきたとか、行動力がいつものシェラさん並だ。
なんだか色々と理解が追いつかないしツッコミどころがあり過ぎて、ますます熱っぽくなってきたような気がする。
リオン様も
「レジナス、君、本当にユーリのことになると冷静さを失うよね・・・。いくらなんでもユーリにヘビの生き血を飲めだなんて、今の君はシェラより過激だよ?」
と呆れている。私もさすがにヘビの血を飲むのは遠慮したいかな・・・。
心配をかけて申し訳ないと思う反面、その気持ちは嬉しいしわざわざ魔法陣まで使って南方の海辺まで行ってきてくれたのはありがたいけど。
うん、そこまでしてまで私に早く治って欲しいと思っているとか心配してくれているのは本当に嬉しい。心の中がほんのりと暖かくなった。
すると私をチラリとみたシグウェルさんが
「なんだ君、随分と嬉しそうだな。もしかしてあのヘビの血を飲みたいのか?」
と言ってきた。
「え?そうなのユーリ。すごいね」
「そうなのか?なら鮮度が落ちないうちに早く・・・」
リオン様とレジナスさんまで!シグウェルさんがおかしな事を言うから勘違いしている。
「ぢ、ぢがう・・・!」
このままだとヘビの血を飲まされる、と必死で頭を振った。私はただ、レジナスさんの気持ちが嬉しかっただけであって決してヘビの血を飲みたいわけじゃない。
またすぐにでもヘビの首を切り落としてその血を搾り取りそうな勢いのレジナスさんをなんとか身振り手振りで止める。
ユリウスさんも
「そうっすよ、そんな物騒なものよりもホラ、シンシアさんが蜂蜜酒を持ってきてくれたんで飲むなら断然こっちっす!」
と私に加勢してくれた。
見ればさっき廊下でレジナスさんを止めてくれていたシンシアさんがマリーさんと一緒に蜂蜜酒らしい金色の液体が入ったグラスや大きな氷がごろごろ入った入れ物、水らしきものが入っている瓶などを乗せたカートを押して部屋に入って来たところだった。
「ユーリ様の体調も優れませんのに、遅くなり申し訳ございませんでした。少し事故があり蜂蜜酒を準備し直しておりました。」
シンシアさんが深々と頭を下げ、それに続いてマリーさんも
「お待たせして申し訳ありません!わたしのせいで・・・‼︎」
と謝った。あ、そういえばさっき廊下からマリーさんの悲鳴とガチャンって音が聞こえてきたっけ。
あれはきっと、レジナスさんが手にしているヘビを見て驚いたせいで蜂蜜酒をひっくり返したんじゃないのかな?
レジナスさんを見ると「驚かせてすまなかった」って二人に謝ってるし、きっとそうだ。
ただ、まだ慌てているのかヘビを片手に二人に歩み寄るのはやめた方がいいと思うんだけど。
さすがに見かねたユリウスさんが
「何やってるんすか、二人がビビってるじゃないっすか!本当にアンタはユーリ様が寝込んだからって動揺し過ぎっす!」
とレジナスさんが手に持っていたヘビをどこからか取り出した袋の中へ突っ込んだ。そして
「これは没収っす!魔導士院で魔法薬の原料にさせてもらうっす!」
と自らレジナスさんの持って来たモノの後始末まで申し出てくれた。
うーんさすが普段からシグウェルさんのあれこれの尻拭いをするのに手慣れているだけある。流れるように鮮やかな始末の仕方だ。
とりあえず目の前からヘビが消えてほっとすれば、そんな私を見てシンシアさんが
「すぐに蜂蜜酒をお渡しいたしますからね」
と優しく微笑んでくれた。わーん、まるでお母さんみたいな優しさだ。
声を出さずにぱくぱくと口だけ動かして「ありがとうございます」と伝えれば、それを見ていたレジナスさんがなぜか寂しそうな顔をしているけど。
いやレジナスさんが持って来たのはヘビだし・・・。
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