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番外編
好きだと言って 7
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私に好きだと言わせて満足していたシェラさんがところで、と私とその左右に立っているレジナスさんシグウェルさんの二人を見やった。
「見間違いでなければオレが部屋に入って来た時、リオン殿下ではなくあなた方お二人がユーリ様と連れ立って寝室へ向かおうとしていたようですが・・・?」
「つ・・・」
連れ立って、とか人聞きの悪い。それじゃまるで私が寝室へ二人を引き込もうとしているみたいじゃない?
さっと頬を赤くした私とレジナスさんが、それでもまだ繋いでいる手から目を離さずにシェラさんが小首をかしげる。
「もしかして新婚休暇の練習でもされるおつもりですか?確かに、挙式後にいきなり同衾するよりも今から少しずつ慣らしておく方が本番は緊張しないで済むかもしれませんね。」
式まで半年を切りましたし良い頃合いでしょうか?それにしても殿下を差し置いていきなりあなた方お二人同時とはねぇ、とまだシェラさんは独りごちている。
「そうですよ!」
たまらず違います!と声を上げようとしたら全肯定の返事が勢い良く口から飛び出した。
私の勢いにレジナスさんが
「おいユーリ・・・」
と握る手に力がこもってしまう。シグウェルさんも、
「君の言わんとすることは分かっているが、不意打ちでそのような返事をされるとついその気になってしまいそうだな。」
と意味ありげに私の首筋をその冷たい指先で撫で下ろす。
「ひゃ・・・!」
「寝室で君の薬の効果の切れ目を確かめるために何の会話をしようかと考えていたが、シェラザードを見習って君から愛の言葉を囁いてもらうのがいいかも知れん。」
いやシグウェルさん、レジナスさんも見張りでついてくれるのにまだ私を数時間置きに叩き起こすつもりだったの?
なんて人だ、と思っていたらシェラさんがああ、と納得したように声を上げた。
「なるほど、同衾ではなくユーリ様の飲まれた魔法薬の効力を調べるためでしたか。それではオレは邪魔をしない方がよろしいでしょうか?それとも、オレにも何かお手伝い出来ることはありますか?」
そう言ってお辞儀をするように腰を折るとまたぐいと私に迫ってくる。妖艶な笑顔を乗せた顔が近い。
・・・これは自分も寝室に連れて行って欲しいってことなんだろうなあ。
にこにこと笑ませているシェラさんの金色の瞳を見つめれば、それはどう考えてもレジナスが行くならオレも!と私に訴えている。
これでシェラさんまで寝室に来ちゃったら私の明日の朝までの安眠の保証が遠ざかるような気がした。
レジナスさんと二人で人の枕元でずっとわちゃわちゃ騒いでいそうなんだよねぇ・・・。
現に、何かうまいこと断ることは出来ないかなと私が悩んでいるその間にもレジナスさんはシェラさんに
「お前、その服装を見るに任務を終えてすぐここに直行したんだろう?ユーリも大事だがイリヤ様の護衛任務の報告書を上げるのが先だろうが。いつも通りお前は明日の朝ユーリに会いに来い。」
と言って
「どうせ今から報告書を作ってもすでに時間も遅いですからね、書類の提出は結局明日になりますよ。それよりもあなただけがユーリ様の美しい寝顔と朝の光に輝く、まるで蕾が花開くように愛らしい寝起きのお顔を独占するのが許せません。」
とシェラさんに返されている。そして
「俺だけじゃなくシグウェルもいるんだが?」
と答えたレジナスさんの言葉を今度はシグウェルさんが
「いや、さっきも言ったが俺はユーリを朝までずっと寝かせているつもりはないぞ」
と混ぜっ返して「お前は誰の味方なんだ・・・!」と怒られている。すでにカオスだ。まずい、早くなんとかしないとこうしている間にも私の睡眠時間が削られていく。
リオン様が仲裁に入ってくれないかなとちらりと助けを求めるように見ても、
「伴侶が四人揃う夜ってこんなにも賑やかになるものなんだね。これからはそういう日も増えるだろうし、ユーリも頑張って僕達の手綱を取らなきゃいけないから大変だなあ。」
なんて笑っているだけだ。
これはきっと、この先もこういうことはよくあるだろうし自分に頼るだけでなく私自身も対処出来るようにしなきゃね、ってことなんだろう。
どうやらリオン様に頼るのはダメらしい、と気付いた時にまたシェラさんに
「ではユーリ様、オレも寝室へ行ってもいいですよね?」
と聞かれてしまった。あっ、えーと・・・。
シェラさんには私よりも仕事の方を最後まで完遂して欲しい。報告書を書かなきゃいけないんだよね?
とりあえず今日は最初の予定通りレジナスさんとシグウェルさんだけ寝室にいてもらえればいいんだけど、さて何て言えばシェラさんの申し出をなるべく本人を傷付けずに断れるだろうか。
ものすごく必死に、ぐるぐると頭の中で考えを巡らせる。
そうして、私に返事を迫っていたシェラさんから離れるように手を繋いでいたレジナスさんの陰に隠れてからそっと顔を覗かせた。
そのまま伏せ目がちに
「・・・いいですよ、一緒に寝ます・・・?」
頬を染めて呟いてから恥ずかしそうにちらりとシェラさんを見上げる。
すると思いもよらない私の返事に、シェラさんはいつものあの色気ダダ漏れな笑顔を顔に乗せるのも忘れてぽかんとして
「え・・・?」
と私を見つめ返した。そのまま
「それはどういう意味で・・・?ああ、いえ、今のユーリ様は思っているのと正反対の言葉が出るのでしたね。ということはお嫌だということですか?ですがそのお顔は嫌がっているのではなくて恥じらっておられるようですし、もしかして魔法薬の効力がすでに切れてきていて本心ということも・・・?」
一体どっちだ、と戸惑っている。よし、計画通り。今だ!とそのままぐいとレジナスさんの手を引いて寝室へと向かう。
「じゃあリオン様、シェラさん、そーいうことでおはよう・・・じゃなくておやすみなさい!」
シェラさんへの色仕掛けもどきは大成功した。
ついでにレジナスさんまでなぜか動揺させてしまい、いつもなら非力な私が手を引いてもびくともしないのにあの大きなレジナスさんが簡単にふらついて私について来た。
シグウェルさんも珍しくクッ、と小さな笑いを漏らし
「大の男の恋心を手玉に取るなど、やっぱり君は悪女だな」
と、私とレジナスさんの後を追って寝室に入ってくる。
呆気に取られたシェラさんが我に返る前に居室から寝室へと繋がる扉へすかさず鍵をかければ、さすがにシェラさんも開錠してまで入って来ないだろう。
扉を閉める前にその向こうではリオン様が
「そう来たか!面白いなあ、ユーリもやるねぇ。シェラ、今日のところは君の負けだよ。」
と楽しそうに笑っている声も聞こえてきた。
ええ、いいんですよ?悪女って言われようがおもしれー女認定されようが、とりあえず今夜一晩の安眠を確保する方が私にとっては大事ですから!
「見間違いでなければオレが部屋に入って来た時、リオン殿下ではなくあなた方お二人がユーリ様と連れ立って寝室へ向かおうとしていたようですが・・・?」
「つ・・・」
連れ立って、とか人聞きの悪い。それじゃまるで私が寝室へ二人を引き込もうとしているみたいじゃない?
さっと頬を赤くした私とレジナスさんが、それでもまだ繋いでいる手から目を離さずにシェラさんが小首をかしげる。
「もしかして新婚休暇の練習でもされるおつもりですか?確かに、挙式後にいきなり同衾するよりも今から少しずつ慣らしておく方が本番は緊張しないで済むかもしれませんね。」
式まで半年を切りましたし良い頃合いでしょうか?それにしても殿下を差し置いていきなりあなた方お二人同時とはねぇ、とまだシェラさんは独りごちている。
「そうですよ!」
たまらず違います!と声を上げようとしたら全肯定の返事が勢い良く口から飛び出した。
私の勢いにレジナスさんが
「おいユーリ・・・」
と握る手に力がこもってしまう。シグウェルさんも、
「君の言わんとすることは分かっているが、不意打ちでそのような返事をされるとついその気になってしまいそうだな。」
と意味ありげに私の首筋をその冷たい指先で撫で下ろす。
「ひゃ・・・!」
「寝室で君の薬の効果の切れ目を確かめるために何の会話をしようかと考えていたが、シェラザードを見習って君から愛の言葉を囁いてもらうのがいいかも知れん。」
いやシグウェルさん、レジナスさんも見張りでついてくれるのにまだ私を数時間置きに叩き起こすつもりだったの?
なんて人だ、と思っていたらシェラさんがああ、と納得したように声を上げた。
「なるほど、同衾ではなくユーリ様の飲まれた魔法薬の効力を調べるためでしたか。それではオレは邪魔をしない方がよろしいでしょうか?それとも、オレにも何かお手伝い出来ることはありますか?」
そう言ってお辞儀をするように腰を折るとまたぐいと私に迫ってくる。妖艶な笑顔を乗せた顔が近い。
・・・これは自分も寝室に連れて行って欲しいってことなんだろうなあ。
にこにこと笑ませているシェラさんの金色の瞳を見つめれば、それはどう考えてもレジナスが行くならオレも!と私に訴えている。
これでシェラさんまで寝室に来ちゃったら私の明日の朝までの安眠の保証が遠ざかるような気がした。
レジナスさんと二人で人の枕元でずっとわちゃわちゃ騒いでいそうなんだよねぇ・・・。
現に、何かうまいこと断ることは出来ないかなと私が悩んでいるその間にもレジナスさんはシェラさんに
「お前、その服装を見るに任務を終えてすぐここに直行したんだろう?ユーリも大事だがイリヤ様の護衛任務の報告書を上げるのが先だろうが。いつも通りお前は明日の朝ユーリに会いに来い。」
と言って
「どうせ今から報告書を作ってもすでに時間も遅いですからね、書類の提出は結局明日になりますよ。それよりもあなただけがユーリ様の美しい寝顔と朝の光に輝く、まるで蕾が花開くように愛らしい寝起きのお顔を独占するのが許せません。」
とシェラさんに返されている。そして
「俺だけじゃなくシグウェルもいるんだが?」
と答えたレジナスさんの言葉を今度はシグウェルさんが
「いや、さっきも言ったが俺はユーリを朝までずっと寝かせているつもりはないぞ」
と混ぜっ返して「お前は誰の味方なんだ・・・!」と怒られている。すでにカオスだ。まずい、早くなんとかしないとこうしている間にも私の睡眠時間が削られていく。
リオン様が仲裁に入ってくれないかなとちらりと助けを求めるように見ても、
「伴侶が四人揃う夜ってこんなにも賑やかになるものなんだね。これからはそういう日も増えるだろうし、ユーリも頑張って僕達の手綱を取らなきゃいけないから大変だなあ。」
なんて笑っているだけだ。
これはきっと、この先もこういうことはよくあるだろうし自分に頼るだけでなく私自身も対処出来るようにしなきゃね、ってことなんだろう。
どうやらリオン様に頼るのはダメらしい、と気付いた時にまたシェラさんに
「ではユーリ様、オレも寝室へ行ってもいいですよね?」
と聞かれてしまった。あっ、えーと・・・。
シェラさんには私よりも仕事の方を最後まで完遂して欲しい。報告書を書かなきゃいけないんだよね?
とりあえず今日は最初の予定通りレジナスさんとシグウェルさんだけ寝室にいてもらえればいいんだけど、さて何て言えばシェラさんの申し出をなるべく本人を傷付けずに断れるだろうか。
ものすごく必死に、ぐるぐると頭の中で考えを巡らせる。
そうして、私に返事を迫っていたシェラさんから離れるように手を繋いでいたレジナスさんの陰に隠れてからそっと顔を覗かせた。
そのまま伏せ目がちに
「・・・いいですよ、一緒に寝ます・・・?」
頬を染めて呟いてから恥ずかしそうにちらりとシェラさんを見上げる。
すると思いもよらない私の返事に、シェラさんはいつものあの色気ダダ漏れな笑顔を顔に乗せるのも忘れてぽかんとして
「え・・・?」
と私を見つめ返した。そのまま
「それはどういう意味で・・・?ああ、いえ、今のユーリ様は思っているのと正反対の言葉が出るのでしたね。ということはお嫌だということですか?ですがそのお顔は嫌がっているのではなくて恥じらっておられるようですし、もしかして魔法薬の効力がすでに切れてきていて本心ということも・・・?」
一体どっちだ、と戸惑っている。よし、計画通り。今だ!とそのままぐいとレジナスさんの手を引いて寝室へと向かう。
「じゃあリオン様、シェラさん、そーいうことでおはよう・・・じゃなくておやすみなさい!」
シェラさんへの色仕掛けもどきは大成功した。
ついでにレジナスさんまでなぜか動揺させてしまい、いつもなら非力な私が手を引いてもびくともしないのにあの大きなレジナスさんが簡単にふらついて私について来た。
シグウェルさんも珍しくクッ、と小さな笑いを漏らし
「大の男の恋心を手玉に取るなど、やっぱり君は悪女だな」
と、私とレジナスさんの後を追って寝室に入ってくる。
呆気に取られたシェラさんが我に返る前に居室から寝室へと繋がる扉へすかさず鍵をかければ、さすがにシェラさんも開錠してまで入って来ないだろう。
扉を閉める前にその向こうではリオン様が
「そう来たか!面白いなあ、ユーリもやるねぇ。シェラ、今日のところは君の負けだよ。」
と楽しそうに笑っている声も聞こえてきた。
ええ、いいんですよ?悪女って言われようがおもしれー女認定されようが、とりあえず今夜一晩の安眠を確保する方が私にとっては大事ですから!
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