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番外編
なごり雪 14
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ニーヴェ様の案内で神殿の中を歩きながら色々と説明を受ける。
私の出した泉を中心に中庭を作りそこをぐるりと取り囲むような回廊になっているとか、その奥にイリューディアさんを祀る祭壇があることなんかだ。
「とはいえ、この地はグノーデル神様の加護を受けた聖地でもありますのでこの山をずっと登って行った先の頂上にはグノーデル神様を祀る小さな廟も建てられております。そちらには戦神の加護を願う方々の納めた剣や弓、槍などが奉納されておりますのでお時間があればユーリ様にはぜひそちらも訪れていただき祝福を授けていただきたいですね。」
そうニーヴェ様は目を細めた。私がイリューディアさんだけでなくグノーデルさんの加護を受けているのは公にはしていないけど・・・。
まああれだけ派手な雷を落としてしまったし、アドニスの町ではグノーデルさんそのものを呼び寄せたりもしているので私がグノーデルさんの何がしかの加護を受け力を使えるということは神官さん達の間では公然の秘密になっているのかも知れない。
ニーヴェ様の私を見る目もなんだかそんな感じだし。
「そうですね。この後時間があればそちらにも立ち寄りたいと思います。ところでニーヴェ様はこちらに預けられているエリス様の事情については・・・?」
神殿についての説明が一通り済んだので、タイミングを見計らって尋ねてみたらニーヴェ様は小さく頷いた。
そして自分の背後を歩く二人の神官さんには聞こえないように
「ヒルダ様よりお聞きしております。詳細を知るのは私だけで、他の者達には『不幸な事故に遭い魔力を失った特別な事情を持つ神官だった者』と話してあります。」
そうこっそりと教えてくれた。それを聞いたシェラさんは
「他の者達にも事実を知らせて不測の事態に備えて警戒するべきでは?」
と眉を顰めたけどニーヴェ様は首を振った。
「今の彼女を見ていただければ分かると思いますが、その必要はないでしょう。彼女を預かってからも経過を見るために一度王都からシグウェル魔導士団長が来られましたが問題はないとのお墨付きです。」
「シグウェルさん、来てくれてたんですか!」
それは知らなかった。私の隣のレジナスさんも意外そうな顔をしているから、リオン様の依頼とかではなくシグウェルさんが自分の判断で個人的に様子を見に来てくれたのかもしれない。
「ユーリの事がよほど心配だったんだな」
レジナスさんがそう呟いて、エル君も
「あの人、王宮から頼まれた仕事はしないくせに自分の気になることがあると勝手にフラフラ出掛けますよね。それ、絶対に無許可で魔導士院を抜け出してると思います。」
なんて言っている。う、うーん否定は出来ない。だけど万が一私に何かあってはいけないとシグウェルさんなりに警戒してのことだろうし、帰ったらありがとうって伝えよう。
そんな事を考えていた時だった。
「あらまあ嫌だ、あの子ったらまた!」
ニーヴェ様が突然驚いたように呆れたような声を上げた。
何ごとかと思ってニーヴェ様の視線の先を見てどきりとする。
視界に入ってきたのはしゃがんで一心不乱に土いじりをしている、青紫色に揺れる髪の毛のおかっぱ頭の女性。整った綺麗な顔に真剣な表情で手元の土を見つめている瞳の色は綺麗な赤。
髪の長さが違うだけで間違いなくエリス様だ。
無意識に、隣に立つレジナスさんの服の裾をぎゅっと握ってしまう。
ニーヴェ様の後ろにいた二人の神官さん達がそんなエリス様の元へ行き何かを話し、その頬をハンカチでぐいと拭ってあげている。
あ、顔が土で汚れてたんだ。ていうか、以前のエリス様なら顔を汚してまで土いじりをするようなイメージはない。
思わず無言で見つめていたら、こちらに気付いたエリス様は立ち上がりその手に小さなスコップを持ったままにっこりと笑った。
「こんにちは、ニーヴェ様!お客様も、こんにちは!」
全く警戒心のない無邪気な子供のように輝く笑顔だ。しかも私のことも全然覚えていない・・・?
そんなエリス様にニーヴェ様が話しかける。
「エリス、今日は王都からのお客様が見えるので花壇の整備はしなくて良いと言ったでしょう?それなのにまたそんなに顔や服を汚して・・・。」
「ごめんなさい。綺麗なお花でお迎えしたかったんだけど、間に合わなかったの。」
照れたように土で汚れた指先で自分の頬をかき、また顔を汚したエリス様がちらりと視線を流した先には今さっきまで植えていた花がある。
それは私が作った泉を囲むようになっている花壇の一角で、その他に花はなく青々とした芝とまだ蕾のままの植物が植えられているところだ。
それを見たシェラさんが
「ああ、ここは聖地特有の冷気のせいで雪はなくてもまだ花が咲くに早いようですね。それにしてもあの女が花の世話など、全く信じられませんが・・・」
とまだ疑わしそうな目でエリス様を観察する。
なるほど、まだ花は咲いていないから代わりにすでに花をつけているものをここに植えてエリス様はお客様である私達を歓迎したかった、ということだろうか。
いや本当に、元のエリス様なら私に対してそんな歓迎をするとは思えないし、全然想像が出来ない。
そもそも王宮では私が加護を付けたバラを手に取り、イリューディアさんの力を吸収しようとして枯らしていたほどだったしなあ。
そんな事を思い出していたら、エリス様がまじまじと私を見つめているのに気付いた。
「え?どうかしましたか?」
以前のあの憎々しげに射るような冷たい視線で見つめられたことも一瞬思い出し、戸惑った私の声色に庇うようにレジナスさんとシェラさんが半歩私の前に出た。
カラン、とエリス様の手からスコップの落ちる乾いた音がする。
「・・・」
私を見つめたまま、無言でフラフラとこちらへ近付いて来るエリス様にニーヴェ様やレジナスさん達に緊張が走った。
でも詳しい事情を知らない二人の神官さんは「エリス、失礼ですよ!」と慌てているだけだ。
私も思わず緊張したけど、私を真っ直ぐ見つめながら近付いて来るエリス様をよくよく見ても何の邪心も感じられない。勿論ヨナスの力もだ。
これは大丈夫だ、となぜか直感して警戒するレジナスさん達の前に踏み出した。
「ユーリ様?」
エル君にも訝しげな声をかけられたけど、
「大丈夫です。手を出さずにそのまま見守っていてください!」
エル君だけでなくレジナスさんとシェラさんにもそうお願いしてエリス様を見守る。
すると私に近づいてきたエリス様は、土だらけのその手ですいと私の両手を取った。そして
「ああ、やっと会えた。これでようやくお返しできます。」
そう目を見つめて微笑んできた。その笑顔はついさっきまでの子供のように無邪気な笑顔ではなく、前のあの聖女と呼ばれていた頃のエリス様の気高く、それでいてちょっぴり高慢さも感じるようなそれだった。
「え?」
元のエリス様だ、とハッとしていると両手をぎゅっと握ったエリス様が祈るように目を閉じる。
途端にその手を通じてふわっと何かが私に流れ込んで来た。・・・それは私もよく知る暖かな、イリューディアさんの力そのものだった。
私の出した泉を中心に中庭を作りそこをぐるりと取り囲むような回廊になっているとか、その奥にイリューディアさんを祀る祭壇があることなんかだ。
「とはいえ、この地はグノーデル神様の加護を受けた聖地でもありますのでこの山をずっと登って行った先の頂上にはグノーデル神様を祀る小さな廟も建てられております。そちらには戦神の加護を願う方々の納めた剣や弓、槍などが奉納されておりますのでお時間があればユーリ様にはぜひそちらも訪れていただき祝福を授けていただきたいですね。」
そうニーヴェ様は目を細めた。私がイリューディアさんだけでなくグノーデルさんの加護を受けているのは公にはしていないけど・・・。
まああれだけ派手な雷を落としてしまったし、アドニスの町ではグノーデルさんそのものを呼び寄せたりもしているので私がグノーデルさんの何がしかの加護を受け力を使えるということは神官さん達の間では公然の秘密になっているのかも知れない。
ニーヴェ様の私を見る目もなんだかそんな感じだし。
「そうですね。この後時間があればそちらにも立ち寄りたいと思います。ところでニーヴェ様はこちらに預けられているエリス様の事情については・・・?」
神殿についての説明が一通り済んだので、タイミングを見計らって尋ねてみたらニーヴェ様は小さく頷いた。
そして自分の背後を歩く二人の神官さんには聞こえないように
「ヒルダ様よりお聞きしております。詳細を知るのは私だけで、他の者達には『不幸な事故に遭い魔力を失った特別な事情を持つ神官だった者』と話してあります。」
そうこっそりと教えてくれた。それを聞いたシェラさんは
「他の者達にも事実を知らせて不測の事態に備えて警戒するべきでは?」
と眉を顰めたけどニーヴェ様は首を振った。
「今の彼女を見ていただければ分かると思いますが、その必要はないでしょう。彼女を預かってからも経過を見るために一度王都からシグウェル魔導士団長が来られましたが問題はないとのお墨付きです。」
「シグウェルさん、来てくれてたんですか!」
それは知らなかった。私の隣のレジナスさんも意外そうな顔をしているから、リオン様の依頼とかではなくシグウェルさんが自分の判断で個人的に様子を見に来てくれたのかもしれない。
「ユーリの事がよほど心配だったんだな」
レジナスさんがそう呟いて、エル君も
「あの人、王宮から頼まれた仕事はしないくせに自分の気になることがあると勝手にフラフラ出掛けますよね。それ、絶対に無許可で魔導士院を抜け出してると思います。」
なんて言っている。う、うーん否定は出来ない。だけど万が一私に何かあってはいけないとシグウェルさんなりに警戒してのことだろうし、帰ったらありがとうって伝えよう。
そんな事を考えていた時だった。
「あらまあ嫌だ、あの子ったらまた!」
ニーヴェ様が突然驚いたように呆れたような声を上げた。
何ごとかと思ってニーヴェ様の視線の先を見てどきりとする。
視界に入ってきたのはしゃがんで一心不乱に土いじりをしている、青紫色に揺れる髪の毛のおかっぱ頭の女性。整った綺麗な顔に真剣な表情で手元の土を見つめている瞳の色は綺麗な赤。
髪の長さが違うだけで間違いなくエリス様だ。
無意識に、隣に立つレジナスさんの服の裾をぎゅっと握ってしまう。
ニーヴェ様の後ろにいた二人の神官さん達がそんなエリス様の元へ行き何かを話し、その頬をハンカチでぐいと拭ってあげている。
あ、顔が土で汚れてたんだ。ていうか、以前のエリス様なら顔を汚してまで土いじりをするようなイメージはない。
思わず無言で見つめていたら、こちらに気付いたエリス様は立ち上がりその手に小さなスコップを持ったままにっこりと笑った。
「こんにちは、ニーヴェ様!お客様も、こんにちは!」
全く警戒心のない無邪気な子供のように輝く笑顔だ。しかも私のことも全然覚えていない・・・?
そんなエリス様にニーヴェ様が話しかける。
「エリス、今日は王都からのお客様が見えるので花壇の整備はしなくて良いと言ったでしょう?それなのにまたそんなに顔や服を汚して・・・。」
「ごめんなさい。綺麗なお花でお迎えしたかったんだけど、間に合わなかったの。」
照れたように土で汚れた指先で自分の頬をかき、また顔を汚したエリス様がちらりと視線を流した先には今さっきまで植えていた花がある。
それは私が作った泉を囲むようになっている花壇の一角で、その他に花はなく青々とした芝とまだ蕾のままの植物が植えられているところだ。
それを見たシェラさんが
「ああ、ここは聖地特有の冷気のせいで雪はなくてもまだ花が咲くに早いようですね。それにしてもあの女が花の世話など、全く信じられませんが・・・」
とまだ疑わしそうな目でエリス様を観察する。
なるほど、まだ花は咲いていないから代わりにすでに花をつけているものをここに植えてエリス様はお客様である私達を歓迎したかった、ということだろうか。
いや本当に、元のエリス様なら私に対してそんな歓迎をするとは思えないし、全然想像が出来ない。
そもそも王宮では私が加護を付けたバラを手に取り、イリューディアさんの力を吸収しようとして枯らしていたほどだったしなあ。
そんな事を思い出していたら、エリス様がまじまじと私を見つめているのに気付いた。
「え?どうかしましたか?」
以前のあの憎々しげに射るような冷たい視線で見つめられたことも一瞬思い出し、戸惑った私の声色に庇うようにレジナスさんとシェラさんが半歩私の前に出た。
カラン、とエリス様の手からスコップの落ちる乾いた音がする。
「・・・」
私を見つめたまま、無言でフラフラとこちらへ近付いて来るエリス様にニーヴェ様やレジナスさん達に緊張が走った。
でも詳しい事情を知らない二人の神官さんは「エリス、失礼ですよ!」と慌てているだけだ。
私も思わず緊張したけど、私を真っ直ぐ見つめながら近付いて来るエリス様をよくよく見ても何の邪心も感じられない。勿論ヨナスの力もだ。
これは大丈夫だ、となぜか直感して警戒するレジナスさん達の前に踏み出した。
「ユーリ様?」
エル君にも訝しげな声をかけられたけど、
「大丈夫です。手を出さずにそのまま見守っていてください!」
エル君だけでなくレジナスさんとシェラさんにもそうお願いしてエリス様を見守る。
すると私に近づいてきたエリス様は、土だらけのその手ですいと私の両手を取った。そして
「ああ、やっと会えた。これでようやくお返しできます。」
そう目を見つめて微笑んできた。その笑顔はついさっきまでの子供のように無邪気な笑顔ではなく、前のあの聖女と呼ばれていた頃のエリス様の気高く、それでいてちょっぴり高慢さも感じるようなそれだった。
「え?」
元のエリス様だ、とハッとしていると両手をぎゅっと握ったエリス様が祈るように目を閉じる。
途端にその手を通じてふわっと何かが私に流れ込んで来た。・・・それは私もよく知る暖かな、イリューディアさんの力そのものだった。
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