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番外編
なごり雪 4
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ヒルダ様自らの案内で城内へと誘われて、暖かいお茶でひと息つくと少し遠慮がちにカイゼル様が切り出した。
「今回は例の山もご覧になりたいとの事でしたがその・・・小神殿も訪問するんですよね?」
「はい、私が作った大穴の跡の泉もそこにあるんですよね?それなら一応、泉の湧出量に変化はないか確かめて、必要ならまた加護を付けようかと思っていました。」
私が雷を落とした山には現在、大穴の跡地に湧かせた泉を中心にした小神殿と呼ばれるグノーデルさんを祀っている小さな神殿が建っている。
この世界の人達にとっては戦神のような扱いのグノーデルさんのご利益にあやかりたい傭兵さんや騎士さんのような職業の人達は、あの山にお参りに来たついでにその小神殿でイリューディアさんの加護の付いた水で喉も潤して、怪我をしないようにと縁起担ぎの加護ももらっていくらしい。
つまり小神殿は一度のお参りでグノーデルさんのご利益もイリューディアさんの加護も授かれる、一粒で二度おいしい参拝場所として今や有名らしいのだ。
そんなことになっていたとは知らなかった私は、それを初めて聞いた時はちょっと慌てた。
そもそもあの泉は自分の落とした雷であいた大穴を誤魔化すために作ったものでそう大した加護は付けていない。
いいところで、飲めばあの山を登って来た人の疲れが取れたり小さな切り傷程度の傷や風邪のような軽い病が治る程度だ。
だからカイゼル様には泉の湧き具合が悪そうならまた加護を、なんて言ったけど実はみんなの期待に応えられるようなちゃんとした無病息災の加護を付ける気満々でいる。
なんならもう少し強めの癒しの加護を付けようか・・・とも考えていた私にカイゼル様が、
「小神殿にも立ち寄られるということは、あのエリスという女性にも会われていくので?」
とおずおずと聞いて来た。あ、そうかそれを気にしていたからさっきから何か聞きづらそうにしてたんだ・・・。
「直接話をするとかじゃなくても、今どうしているのか遠目に見るだけでもいいので少し様子が見れたらって思ってます。」
私の言葉にカイゼル様はほっとしたような様子を見せた。
「あ、遠目に・・・そうですね。それなら僕も安心です。いえ、彼女が何かできるとは思いませんがやはりユーリ様の事を考えますとどうにも心配で。」
「カイは心配が過ぎるのです。あの者からは魔力らしいものは一切感じられない上に、まるで七つか八つの童のような振る舞いしか出来ぬようになっているというのに。同じようにヨナス神の影響を受けた者としてカイは、自分も彼女と一緒にいればまた何か起こるのではないかと山に行ってもあの小神殿には滅多に立ち寄らないほどです。」
フッと笑ったヒルダ様にカイゼル様は「ちょっとヒルダ、ユーリ様の前で余計なことは言わないで!」とうっすらと頬を赤くした。
そんな二人にシェラさんはなるほどと頷く。
「カイゼル様のご心配ももっともです。しかし『滅多に立ち寄らない』とはいえ彼女にお会いしたことはあるのでしょう?でも特に何も起こらなかった、ということですか?」
「そう!そうなのだシェラザード殿。だから心配が過ぎると私は言っているのです。ですからユーリ様があのエリスという女に会っても何の心配もございません。もし何か変化が起ころうものならあの山についているグノーデル神様のご加護が黙っておりますまい。」
シェラさんから私に向き直ったヒルダ様はそう言って明るく笑った。
「グノーデルさんのあの雷の加護もまだちゃんと生きているんですか?」
それは良かったと聞けば、
「ごく稀に、あの山に本当にグノーデル神様のご加護がついているのか確かめようとして小型の魔物をこっそり持ち込む不届き者がいるのです。勿論そんな時はすぐさま魔物だけでなく持ち込んだ者にもあの神の雷が落ちて来ますが。彼女はそんな場所にある小神殿に住んでおりますし、そんな彼女に出くわしたカイにも彼女にも何も起こりませんでしたよ。」
「そ、そうなんですね・・・。」
グノーデルさんの雷って人にも落ちることがあるんだ、と思っていればレジナスさんも
「グノーデル神様の雷は人に影響を及ぼさないはずだが、さすがに神の力を試そうという愚か者はその範疇から外れるということか。バカな事をしようとする者もいるものだ。」
と、呆れたように言った。ヒルダ様は
「全くです。ついでにどうせならセビーリャ族にも天罰を与えていただきたい。」
と肩をすくめたのでハッとする。
「それってカイゼル様に影響を与えた物を持ち込んだ・・・?」
「そうです。普段から万年雪の山脈とそこをたまに徘徊する氷瀑竜、厳寒の寒さと凍り狼を始めとする氷雪系魔物のおかげで冬場は比較的おとなしい奴らですが、初夏から秋口にかけてはあいつらの越境略奪行為は魔物よりもタチが悪い。ユーリ様の立ち寄り先には警備も警戒も充分にしておりますがお気を付けください。」
さっきまでの朗らかな笑顔から一転、きりっと引き締まった顔付きでヒルダ様はそう頷いた。
シェラさんはふうん、と顎に手を当てて思案顔だ。
「念のためここ数年のセビーリャ族の被害箇所の資料をいただいてもよろしいですか?後でレジナスと目を通しておきます。」
そう言ってチラリとレジナスさんに目配せした。
今回私がダーヴィゼルド訪問中に希望した見物先はグノーデルさんのあの山や前回の滞在時に加護をつけた農園や牧草地程度だから、セビーリャ族がよく現れるっていう隣国との国境沿いに行く予定はないんだけどなあ。
「え?まさか私の行く先にセビーリャ族が出ると思ってるんですか?」
一応そうシェラさんに確かめれば、
「念のためですよ。まさか前回のように人を魔物に変えたりカイゼル様を操るほど強力なヨナス神の祭具や呪具が早々あるとは思いませんが、ダーヴィゼルドやルーシャ国の豊かな資源を奪ったり損害を与えるために彼らが何をするか分かりませんから」
と言われた。道中、地図を見ながら教えてもらった話ではセビーリャ族の人達が多い隣国は、ずっと昔に領土戦争で負けてルーシャ国と分割された国境にいまだに不満を持っているから一方的な小競り合いが絶えないらしいけど。
スキあらば領土を取りに来たりせっかく育てた家畜や食物を強奪しに来たりするので少しも気が抜けない。そしてその分ダーヴィゼルドの人達は騎士や傭兵の練度も士気も高いとシェラさんとレジナスさんから聞いている。
「もしセビーリャ族の人達との諍いで怪我をしている人達がいたら私が治しますけど・・・」
そう申し出たらヒルダ様にはそんな申し訳ない、と恐縮された。
「いえ、今は魔導士の治癒魔法が必要なほどの負傷者はおりませんので大丈夫です。そのお心だけありがたくいただきましょう。」
「あ、それなら怪我や病気をしにくくなる加護はどうですか?たくさんの人達に付ける加護だとそう長くは持たないかも知れませんけど」
一年とか二年とか?いまだに自分の加護の力の強弱の付け方やコントロールの仕方がいまいち分かっていないのが申し訳ないけど。その加減についてはまだまだシグウェルさんと研究中だ。
「そんな、ただでさえ前回加護を付けた土地を見ていただけるというのに恐れ多い・・・」
それすらヒルダ様がそう断ろうとしたその時だった。
それまでおとなしくお茶を飲んでいたフレイヤちゃんがパッと顔を輝かせて声を上げた。
「わたし、ユーリおねえさまの魔法が見たいです!それで自分の魔法のお勉強にするの‼︎お願いしますユーリおねえさま!」
「魔法の勉強?フレイヤ様はもう魔法を使えるんですか?」
さすがヒルダ様の娘だ。こんなに小さいのに。
突然声を上げたフレイヤちゃんにヒルダ様は失礼だと注意しているけど私は全然構わない。だけど一つ問題がある。
「でも私、ヒルダ様みたいなカッコイイ攻撃魔法は使えませんよ?治療するのと農作物の実りを良くするみたいな感じの力しか使えないから、フレイヤ様の参考にはならないんじゃ・・・」
「ああ、それが・・・」
私の言葉にヒルダ様は苦笑した。
「フレイヤは私に似ず、氷結魔法の威力は弱く攻撃魔法に至っては一切使えないのです。出来るのはユーリ様のような植物を成長させたり花を咲かせるような魔法でして。」
え?氷の女王とまで言われるほど氷雪系魔法に優れていて氷瀑竜まで倒せるようなヒルダ様の娘なのに?
それは意外だ、と思っていればフレイヤちゃんは自分の母親の言葉にぷうと頬を膨らませたのだった。
「今回は例の山もご覧になりたいとの事でしたがその・・・小神殿も訪問するんですよね?」
「はい、私が作った大穴の跡の泉もそこにあるんですよね?それなら一応、泉の湧出量に変化はないか確かめて、必要ならまた加護を付けようかと思っていました。」
私が雷を落とした山には現在、大穴の跡地に湧かせた泉を中心にした小神殿と呼ばれるグノーデルさんを祀っている小さな神殿が建っている。
この世界の人達にとっては戦神のような扱いのグノーデルさんのご利益にあやかりたい傭兵さんや騎士さんのような職業の人達は、あの山にお参りに来たついでにその小神殿でイリューディアさんの加護の付いた水で喉も潤して、怪我をしないようにと縁起担ぎの加護ももらっていくらしい。
つまり小神殿は一度のお参りでグノーデルさんのご利益もイリューディアさんの加護も授かれる、一粒で二度おいしい参拝場所として今や有名らしいのだ。
そんなことになっていたとは知らなかった私は、それを初めて聞いた時はちょっと慌てた。
そもそもあの泉は自分の落とした雷であいた大穴を誤魔化すために作ったものでそう大した加護は付けていない。
いいところで、飲めばあの山を登って来た人の疲れが取れたり小さな切り傷程度の傷や風邪のような軽い病が治る程度だ。
だからカイゼル様には泉の湧き具合が悪そうならまた加護を、なんて言ったけど実はみんなの期待に応えられるようなちゃんとした無病息災の加護を付ける気満々でいる。
なんならもう少し強めの癒しの加護を付けようか・・・とも考えていた私にカイゼル様が、
「小神殿にも立ち寄られるということは、あのエリスという女性にも会われていくので?」
とおずおずと聞いて来た。あ、そうかそれを気にしていたからさっきから何か聞きづらそうにしてたんだ・・・。
「直接話をするとかじゃなくても、今どうしているのか遠目に見るだけでもいいので少し様子が見れたらって思ってます。」
私の言葉にカイゼル様はほっとしたような様子を見せた。
「あ、遠目に・・・そうですね。それなら僕も安心です。いえ、彼女が何かできるとは思いませんがやはりユーリ様の事を考えますとどうにも心配で。」
「カイは心配が過ぎるのです。あの者からは魔力らしいものは一切感じられない上に、まるで七つか八つの童のような振る舞いしか出来ぬようになっているというのに。同じようにヨナス神の影響を受けた者としてカイは、自分も彼女と一緒にいればまた何か起こるのではないかと山に行ってもあの小神殿には滅多に立ち寄らないほどです。」
フッと笑ったヒルダ様にカイゼル様は「ちょっとヒルダ、ユーリ様の前で余計なことは言わないで!」とうっすらと頬を赤くした。
そんな二人にシェラさんはなるほどと頷く。
「カイゼル様のご心配ももっともです。しかし『滅多に立ち寄らない』とはいえ彼女にお会いしたことはあるのでしょう?でも特に何も起こらなかった、ということですか?」
「そう!そうなのだシェラザード殿。だから心配が過ぎると私は言っているのです。ですからユーリ様があのエリスという女に会っても何の心配もございません。もし何か変化が起ころうものならあの山についているグノーデル神様のご加護が黙っておりますまい。」
シェラさんから私に向き直ったヒルダ様はそう言って明るく笑った。
「グノーデルさんのあの雷の加護もまだちゃんと生きているんですか?」
それは良かったと聞けば、
「ごく稀に、あの山に本当にグノーデル神様のご加護がついているのか確かめようとして小型の魔物をこっそり持ち込む不届き者がいるのです。勿論そんな時はすぐさま魔物だけでなく持ち込んだ者にもあの神の雷が落ちて来ますが。彼女はそんな場所にある小神殿に住んでおりますし、そんな彼女に出くわしたカイにも彼女にも何も起こりませんでしたよ。」
「そ、そうなんですね・・・。」
グノーデルさんの雷って人にも落ちることがあるんだ、と思っていればレジナスさんも
「グノーデル神様の雷は人に影響を及ぼさないはずだが、さすがに神の力を試そうという愚か者はその範疇から外れるということか。バカな事をしようとする者もいるものだ。」
と、呆れたように言った。ヒルダ様は
「全くです。ついでにどうせならセビーリャ族にも天罰を与えていただきたい。」
と肩をすくめたのでハッとする。
「それってカイゼル様に影響を与えた物を持ち込んだ・・・?」
「そうです。普段から万年雪の山脈とそこをたまに徘徊する氷瀑竜、厳寒の寒さと凍り狼を始めとする氷雪系魔物のおかげで冬場は比較的おとなしい奴らですが、初夏から秋口にかけてはあいつらの越境略奪行為は魔物よりもタチが悪い。ユーリ様の立ち寄り先には警備も警戒も充分にしておりますがお気を付けください。」
さっきまでの朗らかな笑顔から一転、きりっと引き締まった顔付きでヒルダ様はそう頷いた。
シェラさんはふうん、と顎に手を当てて思案顔だ。
「念のためここ数年のセビーリャ族の被害箇所の資料をいただいてもよろしいですか?後でレジナスと目を通しておきます。」
そう言ってチラリとレジナスさんに目配せした。
今回私がダーヴィゼルド訪問中に希望した見物先はグノーデルさんのあの山や前回の滞在時に加護をつけた農園や牧草地程度だから、セビーリャ族がよく現れるっていう隣国との国境沿いに行く予定はないんだけどなあ。
「え?まさか私の行く先にセビーリャ族が出ると思ってるんですか?」
一応そうシェラさんに確かめれば、
「念のためですよ。まさか前回のように人を魔物に変えたりカイゼル様を操るほど強力なヨナス神の祭具や呪具が早々あるとは思いませんが、ダーヴィゼルドやルーシャ国の豊かな資源を奪ったり損害を与えるために彼らが何をするか分かりませんから」
と言われた。道中、地図を見ながら教えてもらった話ではセビーリャ族の人達が多い隣国は、ずっと昔に領土戦争で負けてルーシャ国と分割された国境にいまだに不満を持っているから一方的な小競り合いが絶えないらしいけど。
スキあらば領土を取りに来たりせっかく育てた家畜や食物を強奪しに来たりするので少しも気が抜けない。そしてその分ダーヴィゼルドの人達は騎士や傭兵の練度も士気も高いとシェラさんとレジナスさんから聞いている。
「もしセビーリャ族の人達との諍いで怪我をしている人達がいたら私が治しますけど・・・」
そう申し出たらヒルダ様にはそんな申し訳ない、と恐縮された。
「いえ、今は魔導士の治癒魔法が必要なほどの負傷者はおりませんので大丈夫です。そのお心だけありがたくいただきましょう。」
「あ、それなら怪我や病気をしにくくなる加護はどうですか?たくさんの人達に付ける加護だとそう長くは持たないかも知れませんけど」
一年とか二年とか?いまだに自分の加護の力の強弱の付け方やコントロールの仕方がいまいち分かっていないのが申し訳ないけど。その加減についてはまだまだシグウェルさんと研究中だ。
「そんな、ただでさえ前回加護を付けた土地を見ていただけるというのに恐れ多い・・・」
それすらヒルダ様がそう断ろうとしたその時だった。
それまでおとなしくお茶を飲んでいたフレイヤちゃんがパッと顔を輝かせて声を上げた。
「わたし、ユーリおねえさまの魔法が見たいです!それで自分の魔法のお勉強にするの‼︎お願いしますユーリおねえさま!」
「魔法の勉強?フレイヤ様はもう魔法を使えるんですか?」
さすがヒルダ様の娘だ。こんなに小さいのに。
突然声を上げたフレイヤちゃんにヒルダ様は失礼だと注意しているけど私は全然構わない。だけど一つ問題がある。
「でも私、ヒルダ様みたいなカッコイイ攻撃魔法は使えませんよ?治療するのと農作物の実りを良くするみたいな感じの力しか使えないから、フレイヤ様の参考にはならないんじゃ・・・」
「ああ、それが・・・」
私の言葉にヒルダ様は苦笑した。
「フレイヤは私に似ず、氷結魔法の威力は弱く攻撃魔法に至っては一切使えないのです。出来るのはユーリ様のような植物を成長させたり花を咲かせるような魔法でして。」
え?氷の女王とまで言われるほど氷雪系魔法に優れていて氷瀑竜まで倒せるようなヒルダ様の娘なのに?
それは意外だ、と思っていればフレイヤちゃんは自分の母親の言葉にぷうと頬を膨らませたのだった。
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