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番外編
秘湯にまつわるエトセトラ 1
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「ん・・・っ」
レジナスさんとの口付けの途中、息をつこうと僅かに距離をとった唇の間からため息のように漏れ出た自分の小さな声が、普段とは違って甘えたような口調で恥ずかしくなる。
慌てて口をつぐめば至近距離にある夕陽色の優しい色の瞳が甘い眼差しで細められた。
そのままあの無骨な指でぐに、と唇をなぞられ
「この一週間、この温泉は俺達だけの貸し切りになっている。誰にも聞かれることはないから大丈夫だ、気にするな。」
と笑われた。
「私が恥ずかしいんですってば・・・」
聞かれないからいいとか、そーゆー問題じゃない、と頬を膨らませて目を逸らす。
確かにここには私達以外、誰の姿も見えないけども。
耳を澄ませても聞こえてくるのは私達二人が浸かっている源泉掛け流しの温泉のお湯が露天風呂の縁から溢れて流れていくさあぁ、という水音だけだ。
加えて言えば、周りは見渡す限り深い緑の山肌と渓谷しかない。
今私たちは新婚休暇の旅の目的地である山あいの秘湯にいる。
途中、立ち寄った町のお祭りに参加することになったりしながらも1日遅れでなんとか目的地に着いたのだ。
ここは本当に深い山の中で、鬱蒼とした濃い緑の山肌にへばりつくようにいくつかの独立したコテージのようなものが点在して建っている。
そこに備え付けの露天風呂の中、レジナスさんの膝の上に寄り添うようにして座っている私はちらりと周囲に目をやった。
私達のいる場所から離れた山肌には同じようなコテージに露天風呂の灯りがぽつぽつと灯っているのが見える。
だけどこちらもあちらも、もうもうとした湯けむりが立っているのでもし仮に誰かいたとしても人影すら見えないだろう。
「露天だが空間自体にも防音魔法がかかっているからもっと大きな声を出しても他には聞こえないぞ?もっとも、ユーリのそんな声は俺以外の誰にも聞かせたくないからもし最初から魔法がかかっていなければシグウェルの奴になんとかするように頼んだかも知れないな。」
私の唇の柔らかさを確かめるように口元をゆっくりとなぞりながらそんな事を言われる。
「そ、そんな声って・・・!」
何を恥ずかしげもなく言っているんだろうか。抗議をしようとして口を開いたら、口元をなぞっていた指がくちゅっと口の中に差し込まれた。
そのまま舌の上をそっと撫でられくるりと回された指が舌裏をまさぐると背中にぞくぞくと電流が走るみたいだ。
「ふぁ・・・ん」
体から力が抜けてまた鼻にかかったような甘えた声が出てぼうっとしてしまう。
そんな私の舌をくにくにといじりながら
「舌・・・小さくて可愛いな。その声ももっと聞きたい。」
そう言ったレジナスさんが、好きだユーリ。と小さく呟くと私をぎゅっと抱きしめながらついさっきまでのようにまた深く口付けてきた。
ばしゃりとお湯が大きく波打ち、ざぶざぶと溢れていく。
ああ、温泉ってこんないやらしいことをするための場所じゃないのに。どうしてこうなってしまうのか。いや、新婚休暇だからこれでいいのかな?
よく分からない気持ち良さに呑み込まれて理性を失うのが怖くて頭の片隅でどうでもいいことを考える。
そうすれば
「ユーリ、何を考えている?」
勘の鋭いレジナスさんにすぐに気付かれた。
「もっと俺の方を見てくれないか?それともそんなに俺には魅力が足りないか?」
と顔や首筋に優しい口付けの雨を降らされる。
いやいや、もう充分魅力的ですから!私を抱きしめているこの広い胸板といい盛り上がった胸筋に、がっしりとしてカチコチな硬い筋肉に覆われている腕といい、これで魅力がないと言ったら世間一般の他の男の人達はどうなるのか。泣くよ?
まあ目の前のレジナスさんにだけ集中していなかったのは事実で悪いことをした。
そう思ったから、なだめるように
「わ、私もレジナスさんのこと大好きですよ?」
と口付けられることで、より感じる快感に耐えながら答えれば
「そうか」
と、甘やかな中にも色気を滲ませた笑顔を見せたレジナスさんは私の唇に覆い被さるような、がぶりと噛みつくような口付けをするとその肉厚な舌に上顎をすり、と擦られた。
それだけでもまた背中が粟立つのに、同時に片方の胸を下から持ち上げるように大きな手のひらに包みこみ、乳首も摘まれて優しく手加減をしながらきゅうっと外側に引っ張られる。
「んぅっ・・・⁉︎」
突然の刺激にレジナスさんにすがりつくようにしがみついて内腿をきゅっと引き締める。
それでも私に刺激を与えるのをレジナスさんは止めずにその指先は私の胸の先をくるくると円を描くように撫で、ぴんと弾き、指に挟んで擦り上げる。
その動きはどれも優しく丁寧で、私に僅かの痛みも感じさせまいとしているようだった。
その気遣いはありがたいけど、それが逆にぞわぞわと背中を這い上がるもどかしいような快感として幾重にも積み重なっていく。
なんていうか、焦らされているような感じだ。当の本人には全くその気はなくて、あくまでも私を気遣っているだけなんだろうけど。
優しく弱い刺激だけだと物足りない。
気持ち良さにフワフワしてぼんやりとする頭でついそう思ってしまい、口付けの合間に無意識に
「ん・・・レジナスさん、もっと強く・・・」
ねだるような言葉が口からこぼれ落ちてしまった。
それを聞いたレジナスさんの目元がサッと赤く染まる。
しかも対面で口付け密着して抱き合っていたのでさっきからずっと私のお腹の辺りに感じていたレジナスさんの、その硬くなっていたモノが更にぐっとその硬さと大きさを増したような気がする。
「煽らないでくれ、壊しそうで怖いからこれでも自制しているんだ」
なぜか苦行僧のように苦しげな顔で目元どころか頬まで赤くしたレジナスさんにそんなことを言われてしまった。
何それ、私のために我慢してるってこと?可愛い。
胸の内がきゅーんとして、どうしようもなく愛しくなる。
こんなに優しく気遣ってくれるレジナスさんに私も何かしてあげたい。そう思った。
・・・ああ、そういえばいつぞやシェラさんにお風呂の中でとんでもないことをさせられたっけ。
あれは確かまだ結婚式も挙げていない時で、シェラさんはその後にリオン様に正座させられて怒られてたなあ。
でもあれ、「こうすれば男性は気持ちいいですので」みたいなことをシェラさんは言ってなかったかな。だったらレジナスさんもそうなんだろうか。
・・・この時私は、実は温泉に入る前にお酒を少し飲んでいた。
なぜなら普段よりも格段に薄い、それこそお湯に浸かったら透けてしまうような
「それ、着る意味ある?」
っていう湯浴み着をシンシアさん達に持たされていて、それを着てレジナスさんと温泉に入る恥ずかしさにシラフでは耐えられなかったのだ。
後から考えると、そのせいで多少大胆になっていたのかも知れない。
レジナスさん、可愛い!そんなレジナスさんを喜ばせてあげたい‼︎
そう思った私はシェラさんの手に導かれた時のことを思い出しながら、そっと自分のお腹の前に当たっているレジナスさんのモノにおずおずと片手を伸ばした。
すると思いがけない私の動きに身を固くして動きを止めたレジナスさんが
「おいユーリ、何をしている⁉︎」
と一瞬身じろいで体を離そうとした。
だから逃げられると大変だ、ときゅっと少しだけ手に力を込めてそれを握る。
その刺激にレジナスさんは小さくうっ、と声を漏らすと私の手の中のモノがビクッと震えた。
ここの温泉は様々な種類があるけど、私達のいるこの露天風呂はとろりと白濁したにごり湯だ。
だからお湯の中がどうなっているのか見えないので、自分の手の感触だけが頼りなんだけどレジナスさんに身を寄せたまま握ったそれはお湯とはまた違う熱を持っていて硬い。
しかも・・・え?これ多分、片手でしっかり握りしめられないくらい大きいよ・・・?
レジナスさんのモノを握っている私の手の親指と人差し指が回りきっていない。
さすが体に見合った大きさのものというか、大丈夫かな、これを私の中に入れるんだよね・・・?と若干不安になった。
私のもう片方の手はレジナスさんの腕を掴んでいるけど、これじゃ片手だけじゃなくて両手が必要かも、と内心焦る。
だからレジナスさんがまた苦しそうに、
「いいから、ユーリ・・・っ!そんな事しなくても・・・っ」
手を離せと言うのを聞かずにもう片方の手も添えて両手できゅっと握り込んだ。
「うぁ・・・っ!」
私を離そうとして両肩に手を置いたレジナスさんが刺激に耐えるようにまた一つ小さな声を漏らして困ったようにぎゅっと眉根を寄せている。
見たことのないその表情がなんだか可愛くて愛しく見えて、やっぱり喜んで欲しいと思ってしまう。
だから自分の手の中で脈打つそれを、さっきレジナスさんが私にしてくれたようにゆっくりと優しく上下に擦りあげれば私の両肩を掴むレジナスさんの手に少しだけ力がこもった。
それでもやっぱり私を傷つけないように必要以上の力は加えないで自制してくれているあたりが優しい。
それが嬉しくて、私ももっと喜んでもらおう!と一生懸命レジナスさんのモノを擦りあげた。
途中、指に引っかかりのように感じる筋のような感触がするのに気が付いてこれ、シェラさんが言っていた触れてもらうと気持ちのいいところ?とそこをつっとなぞったら、
「くっ・・・、ユーリ、なんでそんな事・・・!リオン様はそんなことまでお前に教えたのか⁉︎」
と呻くように言われたので
「あ・・・違いますよ、これはシェラさんが・・・」
思わずぽろりとこぼしたら、それまで苦しげに細めていた目をカッと見開いて
「シェラが⁉︎あいつ、ユーリに何てことを・・・っ‼︎」
と顔を怒りで染めかけた。しまった、余計なことを言ってしまった。
慌ててまたきゅうっとレジナスさんのモノを握り、擦り上げ、ちょっと恥ずかしかったけどその先端の真ん中の小さな窪みにも前にシェラさんが言っていたように爪の先で刺激を与える。
「くっ・・・、こんな事までユーリに教えたのか・・・⁉︎あいつ、帰ったら絶対に殺す・・・‼︎」
刺激に耐えているからなのかシェラさんへの怒りなのか、顔を赤くしたレジナスさんが新婚休暇にふさわしくない物騒なセリフを吐いた。あ、あれ?逆効果だった?
「レジナスさん・・・やっぱり私のすることじゃ気持ち良くないですか?」
なんか私のしてることよりもシェラさんへの怒りの方が勝っているような・・・。
まだ未熟だっただろうか。そう思いながらなおも刺激を与える私に
「そ、そんなことはない・・・!」
私を離すように肩に手を置いていたレジナスさんが突然ぎゅっと抱きしめてきた。
密着することで私の手の中のモノも身じろぐようにぶるりと震えてその熱を伝えてくる。
「ただ俺だけが気持ち良くなるのが申し訳ない」
だから、と言ったレジナスさんに口付けられながら手を取られる。
そのままレジナスさんのモノから手を離されると首に手を回すように促された。
そうすれば二人の体はさらにぴったりと重なる。そして私の手の刺激でぱんぱんに張り詰めた熱い塊が内腿の間に挟まれ、股の間を通り抜けるとお尻の方にその先が届いた。
そのままゆっくりと前後に擦られると先の方のくびれた部分が股の間を刺激する。
「あっ・・・!」
今度は私がその刺激に耐える番だった。
レジナスさんとの口付けの途中、息をつこうと僅かに距離をとった唇の間からため息のように漏れ出た自分の小さな声が、普段とは違って甘えたような口調で恥ずかしくなる。
慌てて口をつぐめば至近距離にある夕陽色の優しい色の瞳が甘い眼差しで細められた。
そのままあの無骨な指でぐに、と唇をなぞられ
「この一週間、この温泉は俺達だけの貸し切りになっている。誰にも聞かれることはないから大丈夫だ、気にするな。」
と笑われた。
「私が恥ずかしいんですってば・・・」
聞かれないからいいとか、そーゆー問題じゃない、と頬を膨らませて目を逸らす。
確かにここには私達以外、誰の姿も見えないけども。
耳を澄ませても聞こえてくるのは私達二人が浸かっている源泉掛け流しの温泉のお湯が露天風呂の縁から溢れて流れていくさあぁ、という水音だけだ。
加えて言えば、周りは見渡す限り深い緑の山肌と渓谷しかない。
今私たちは新婚休暇の旅の目的地である山あいの秘湯にいる。
途中、立ち寄った町のお祭りに参加することになったりしながらも1日遅れでなんとか目的地に着いたのだ。
ここは本当に深い山の中で、鬱蒼とした濃い緑の山肌にへばりつくようにいくつかの独立したコテージのようなものが点在して建っている。
そこに備え付けの露天風呂の中、レジナスさんの膝の上に寄り添うようにして座っている私はちらりと周囲に目をやった。
私達のいる場所から離れた山肌には同じようなコテージに露天風呂の灯りがぽつぽつと灯っているのが見える。
だけどこちらもあちらも、もうもうとした湯けむりが立っているのでもし仮に誰かいたとしても人影すら見えないだろう。
「露天だが空間自体にも防音魔法がかかっているからもっと大きな声を出しても他には聞こえないぞ?もっとも、ユーリのそんな声は俺以外の誰にも聞かせたくないからもし最初から魔法がかかっていなければシグウェルの奴になんとかするように頼んだかも知れないな。」
私の唇の柔らかさを確かめるように口元をゆっくりとなぞりながらそんな事を言われる。
「そ、そんな声って・・・!」
何を恥ずかしげもなく言っているんだろうか。抗議をしようとして口を開いたら、口元をなぞっていた指がくちゅっと口の中に差し込まれた。
そのまま舌の上をそっと撫でられくるりと回された指が舌裏をまさぐると背中にぞくぞくと電流が走るみたいだ。
「ふぁ・・・ん」
体から力が抜けてまた鼻にかかったような甘えた声が出てぼうっとしてしまう。
そんな私の舌をくにくにといじりながら
「舌・・・小さくて可愛いな。その声ももっと聞きたい。」
そう言ったレジナスさんが、好きだユーリ。と小さく呟くと私をぎゅっと抱きしめながらついさっきまでのようにまた深く口付けてきた。
ばしゃりとお湯が大きく波打ち、ざぶざぶと溢れていく。
ああ、温泉ってこんないやらしいことをするための場所じゃないのに。どうしてこうなってしまうのか。いや、新婚休暇だからこれでいいのかな?
よく分からない気持ち良さに呑み込まれて理性を失うのが怖くて頭の片隅でどうでもいいことを考える。
そうすれば
「ユーリ、何を考えている?」
勘の鋭いレジナスさんにすぐに気付かれた。
「もっと俺の方を見てくれないか?それともそんなに俺には魅力が足りないか?」
と顔や首筋に優しい口付けの雨を降らされる。
いやいや、もう充分魅力的ですから!私を抱きしめているこの広い胸板といい盛り上がった胸筋に、がっしりとしてカチコチな硬い筋肉に覆われている腕といい、これで魅力がないと言ったら世間一般の他の男の人達はどうなるのか。泣くよ?
まあ目の前のレジナスさんにだけ集中していなかったのは事実で悪いことをした。
そう思ったから、なだめるように
「わ、私もレジナスさんのこと大好きですよ?」
と口付けられることで、より感じる快感に耐えながら答えれば
「そうか」
と、甘やかな中にも色気を滲ませた笑顔を見せたレジナスさんは私の唇に覆い被さるような、がぶりと噛みつくような口付けをするとその肉厚な舌に上顎をすり、と擦られた。
それだけでもまた背中が粟立つのに、同時に片方の胸を下から持ち上げるように大きな手のひらに包みこみ、乳首も摘まれて優しく手加減をしながらきゅうっと外側に引っ張られる。
「んぅっ・・・⁉︎」
突然の刺激にレジナスさんにすがりつくようにしがみついて内腿をきゅっと引き締める。
それでも私に刺激を与えるのをレジナスさんは止めずにその指先は私の胸の先をくるくると円を描くように撫で、ぴんと弾き、指に挟んで擦り上げる。
その動きはどれも優しく丁寧で、私に僅かの痛みも感じさせまいとしているようだった。
その気遣いはありがたいけど、それが逆にぞわぞわと背中を這い上がるもどかしいような快感として幾重にも積み重なっていく。
なんていうか、焦らされているような感じだ。当の本人には全くその気はなくて、あくまでも私を気遣っているだけなんだろうけど。
優しく弱い刺激だけだと物足りない。
気持ち良さにフワフワしてぼんやりとする頭でついそう思ってしまい、口付けの合間に無意識に
「ん・・・レジナスさん、もっと強く・・・」
ねだるような言葉が口からこぼれ落ちてしまった。
それを聞いたレジナスさんの目元がサッと赤く染まる。
しかも対面で口付け密着して抱き合っていたのでさっきからずっと私のお腹の辺りに感じていたレジナスさんの、その硬くなっていたモノが更にぐっとその硬さと大きさを増したような気がする。
「煽らないでくれ、壊しそうで怖いからこれでも自制しているんだ」
なぜか苦行僧のように苦しげな顔で目元どころか頬まで赤くしたレジナスさんにそんなことを言われてしまった。
何それ、私のために我慢してるってこと?可愛い。
胸の内がきゅーんとして、どうしようもなく愛しくなる。
こんなに優しく気遣ってくれるレジナスさんに私も何かしてあげたい。そう思った。
・・・ああ、そういえばいつぞやシェラさんにお風呂の中でとんでもないことをさせられたっけ。
あれは確かまだ結婚式も挙げていない時で、シェラさんはその後にリオン様に正座させられて怒られてたなあ。
でもあれ、「こうすれば男性は気持ちいいですので」みたいなことをシェラさんは言ってなかったかな。だったらレジナスさんもそうなんだろうか。
・・・この時私は、実は温泉に入る前にお酒を少し飲んでいた。
なぜなら普段よりも格段に薄い、それこそお湯に浸かったら透けてしまうような
「それ、着る意味ある?」
っていう湯浴み着をシンシアさん達に持たされていて、それを着てレジナスさんと温泉に入る恥ずかしさにシラフでは耐えられなかったのだ。
後から考えると、そのせいで多少大胆になっていたのかも知れない。
レジナスさん、可愛い!そんなレジナスさんを喜ばせてあげたい‼︎
そう思った私はシェラさんの手に導かれた時のことを思い出しながら、そっと自分のお腹の前に当たっているレジナスさんのモノにおずおずと片手を伸ばした。
すると思いがけない私の動きに身を固くして動きを止めたレジナスさんが
「おいユーリ、何をしている⁉︎」
と一瞬身じろいで体を離そうとした。
だから逃げられると大変だ、ときゅっと少しだけ手に力を込めてそれを握る。
その刺激にレジナスさんは小さくうっ、と声を漏らすと私の手の中のモノがビクッと震えた。
ここの温泉は様々な種類があるけど、私達のいるこの露天風呂はとろりと白濁したにごり湯だ。
だからお湯の中がどうなっているのか見えないので、自分の手の感触だけが頼りなんだけどレジナスさんに身を寄せたまま握ったそれはお湯とはまた違う熱を持っていて硬い。
しかも・・・え?これ多分、片手でしっかり握りしめられないくらい大きいよ・・・?
レジナスさんのモノを握っている私の手の親指と人差し指が回りきっていない。
さすが体に見合った大きさのものというか、大丈夫かな、これを私の中に入れるんだよね・・・?と若干不安になった。
私のもう片方の手はレジナスさんの腕を掴んでいるけど、これじゃ片手だけじゃなくて両手が必要かも、と内心焦る。
だからレジナスさんがまた苦しそうに、
「いいから、ユーリ・・・っ!そんな事しなくても・・・っ」
手を離せと言うのを聞かずにもう片方の手も添えて両手できゅっと握り込んだ。
「うぁ・・・っ!」
私を離そうとして両肩に手を置いたレジナスさんが刺激に耐えるようにまた一つ小さな声を漏らして困ったようにぎゅっと眉根を寄せている。
見たことのないその表情がなんだか可愛くて愛しく見えて、やっぱり喜んで欲しいと思ってしまう。
だから自分の手の中で脈打つそれを、さっきレジナスさんが私にしてくれたようにゆっくりと優しく上下に擦りあげれば私の両肩を掴むレジナスさんの手に少しだけ力がこもった。
それでもやっぱり私を傷つけないように必要以上の力は加えないで自制してくれているあたりが優しい。
それが嬉しくて、私ももっと喜んでもらおう!と一生懸命レジナスさんのモノを擦りあげた。
途中、指に引っかかりのように感じる筋のような感触がするのに気が付いてこれ、シェラさんが言っていた触れてもらうと気持ちのいいところ?とそこをつっとなぞったら、
「くっ・・・、ユーリ、なんでそんな事・・・!リオン様はそんなことまでお前に教えたのか⁉︎」
と呻くように言われたので
「あ・・・違いますよ、これはシェラさんが・・・」
思わずぽろりとこぼしたら、それまで苦しげに細めていた目をカッと見開いて
「シェラが⁉︎あいつ、ユーリに何てことを・・・っ‼︎」
と顔を怒りで染めかけた。しまった、余計なことを言ってしまった。
慌ててまたきゅうっとレジナスさんのモノを握り、擦り上げ、ちょっと恥ずかしかったけどその先端の真ん中の小さな窪みにも前にシェラさんが言っていたように爪の先で刺激を与える。
「くっ・・・、こんな事までユーリに教えたのか・・・⁉︎あいつ、帰ったら絶対に殺す・・・‼︎」
刺激に耐えているからなのかシェラさんへの怒りなのか、顔を赤くしたレジナスさんが新婚休暇にふさわしくない物騒なセリフを吐いた。あ、あれ?逆効果だった?
「レジナスさん・・・やっぱり私のすることじゃ気持ち良くないですか?」
なんか私のしてることよりもシェラさんへの怒りの方が勝っているような・・・。
まだ未熟だっただろうか。そう思いながらなおも刺激を与える私に
「そ、そんなことはない・・・!」
私を離すように肩に手を置いていたレジナスさんが突然ぎゅっと抱きしめてきた。
密着することで私の手の中のモノも身じろぐようにぶるりと震えてその熱を伝えてくる。
「ただ俺だけが気持ち良くなるのが申し訳ない」
だから、と言ったレジナスさんに口付けられながら手を取られる。
そのままレジナスさんのモノから手を離されると首に手を回すように促された。
そうすれば二人の体はさらにぴったりと重なる。そして私の手の刺激でぱんぱんに張り詰めた熱い塊が内腿の間に挟まれ、股の間を通り抜けるとお尻の方にその先が届いた。
そのままゆっくりと前後に擦られると先の方のくびれた部分が股の間を刺激する。
「あっ・・・!」
今度は私がその刺激に耐える番だった。
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