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挿話 突撃・隣の夕ごはん
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ゲラルドさんの物言いたげな視線を気に留めることも
なく、私を縦抱きにしたままスタスタ歩き出した
ダリウスさんは廊下に飾られた槍や剣、武具の由来
などを説明してくれる。
バイラル家は代々騎士団長や軍の将軍を輩出して
いたり軍務大臣を務める人もいたくらいの根っからの
軍人家系だという。
「・・・それなのに、ゲラルドは殿下の側近になり
ユリウスは魔導士になってしまいました。武の道に
進んだのが俺だけとは、これでは歴々たる武功を誇る
バイラル家の先祖に申し訳がたちません。」
そう言って眉根を寄せて渋い顔をしたダリウスさんに
「兄上は大袈裟なんですよ。私はイリヤ殿下の側近
ですが護衛も兼ねております。それに剣も体術も
日々訓練をしていますからね。苦言を呈するなら
我が家の一員のくせに何かにつけ脳筋騎士家系などと
大きな声で罵ってくるユリウスだけにして下さい。」
あいつ、この間は体術訓練をサボったからか騎士団の
取調室にまで騎士達に連行されてましたからね!と
ゲラルドさんが周りをついて歩きながら文句を言って
いる。
どうにかして私をダリウスさんから奪い取りたい
らしいけど、その隙がないみたいだ。
さすがだ。話によればダリウスさんはルーシャ国の
将軍補佐を務めているらしい。
だからさっきからゲラルドさんはただ私達の周りを
うろうろしているだけだ。
そんなところへ、
「ユーリ様にそんな薄汚れた武器の説明なんか
したって楽しんでもらえるとでも思ってるんすか⁉︎
まったくこれだから脳筋野郎は‼︎」
ユリウスさんの大きな声がした。
そちらを見れば、少し離れたところに呆れたように
こちらを見ながらユリウスさんが立っていた。
いつもの魔導士団の団服じゃない完全な私服姿は
初めて見る。
「こんばんはユリウスさん!」
手を振りながら笑いかければ、ユリウスさんもこちら
にやって来た。
「うちの兄貴たちがすみませんね。何しろうちは
男所帯なもので、こんなきったない物を見せても
女の子が喜ぶと思ってるような奴ばっかりで申し訳
ないっす!」
そう言うとダリウスさんに向かって、
「まったく何やってんすか!準備をほっぽって急に
いなくなるから何かと思えばまさかユーリ様の出迎え
に行ってたなんて。しかもちゃっかりユーリ様のこと
抱き上げてるし、どこのレジナスっすかあんたは」
呆れたように文句を言う。
だけどダリウスさんはそんな文句もどこ吹く風で、
まるでユリウスさんに見せつけるようにこれ見よがし
に私を抱え直した。
「馬車の気配に気付かなかったのか?それでもお前は
バイラル家か、もう一度俺が鍛え直してやろう。
それに我が家の由緒正しい品々を見せることの何が
悪い、相変わらず物の価値が分からないやつだな。」
「あんな家の奥からそんな気配に気付くとかそんなの
もう人間じゃないっす、犬ですよ犬!」
とユリウスさんは自分のお兄さんの言葉に噛み付くと
私に向き直って笑顔を見せた。
「良く来たっすねユーリ様。エル君やマリーさん達
もようこそ。さ、こっちっすよ!」
ほらさっさと歩くっす!と私を抱くダリウスさんを
せかす。
なんて言うか、私に対する態度と自分の兄に対する
ぞんざいな態度との落差が大きい。兄弟ってこんな
ものなのかな。
そう思いながら、
「夕食会の準備の途中だったんですか?それなのに
わざわざ出迎えてもらってすみません。」
そう言えばダリウスさんに微笑まれる。
「ユーリ様を出迎える以上に大事なことなどない
でしょう。これで良いんですよ、見て下さいゲラルド
のあの顔を。実に愉快です。」
それまで羨ましそうにダリウスさんが私を手に
している様子を見ていたゲラルドさんが声を上げて
抗議する。
「ひどいですよ兄上!人の悔しがる様を見て楽しむ
など、実に性格が悪い‼︎兄上には良心がないの
ですか!」
「家族に遠慮はいらないだろう?」
それに隙を見せたのはお前の方だな、とダリウスさん
はゲラルドさんを見た。
その姿は弟をからかう兄の姿って感じで少しだけ
楽しそうだ。
その後も歩きながら私達の周りをうろうろする
ゲラルドさんにそんな兄二人の様子にみっともない
ところを見せるなと文句を言うユリウスさんという
賑やかなメンバーで廊下を歩く。
男兄弟ってもっと会話も少なくて静かなものかと
思っていたけど、バイラル家は随分と賑やかだ。
こんな人達の前でリリちゃん姿になったら一体
どんな反応をされるのかな?
ちょっと興味深く思っていたら、ダリウスさんの
足が止まった。
「さあユーリ様、着きましたよ。降ろしますので
お気を付けください。」
そう言ってそっと地面に降ろされる。
目の前には広々とした庭園と、そこにある生垣や
木々のところどころがぼんやりと淡い光で輝いて
いた。
優しい白い光は庭園全体を柔らかな光で照らして
いて、ランプなどがなくても暗いとは感じない。
「おお、来ましたな!我が家へようこそユーリ様!」
朗らかな団長さんの声がした。そちらを見れば
なぜかエプロン姿の団長さんがそこにはいた。
「こんばんは団長さん、今日はお招きありがとう
ございます!・・・その格好はどうしたんですか?」
「本日のメインディッシュのための準備ですな!
野営料理をお好きなユーリ様のためにダリウスにも
協力してもらい特別な趣向を凝らしましたぞ。」
わはは、と豪快な笑い声をあげた団長さんは
ダリウスさんを見やり、ダリウスさんはそれに
頷いている。
「野営料理が好きな私のために、ってまさか」
この香ばしい炭の香りとお肉の焼ける匂いは。
「ダリウスに頼んで演習先の国から焼くと美味い
魔獣を狩って持ち帰らせておりましたぞ。焼きたて
をぜひユーリ様に食べていただきたかったんです。」
やっぱり!まさかの異世界バーベキューだ。
「団長さん、ありがとうございます・・・!」
嬉しい。騎士団見学の時に昼食で食べたあの
血の滴るようなレアステーキを思い出す。
「ユーリ様、マジで食べ物のことになると文字通り
目の色が変わるっすね・・・しかも魔獣料理なんか
で・・・」
ユリウスさんは呆れてるけど構わない。なんて素敵
な夕食会なんだろう。
これは私もリリちゃん姿になったらお礼に団長さんを
喜ばせてあげなければ。こっそりと心の中でそう
私は張り切った。
なく、私を縦抱きにしたままスタスタ歩き出した
ダリウスさんは廊下に飾られた槍や剣、武具の由来
などを説明してくれる。
バイラル家は代々騎士団長や軍の将軍を輩出して
いたり軍務大臣を務める人もいたくらいの根っからの
軍人家系だという。
「・・・それなのに、ゲラルドは殿下の側近になり
ユリウスは魔導士になってしまいました。武の道に
進んだのが俺だけとは、これでは歴々たる武功を誇る
バイラル家の先祖に申し訳がたちません。」
そう言って眉根を寄せて渋い顔をしたダリウスさんに
「兄上は大袈裟なんですよ。私はイリヤ殿下の側近
ですが護衛も兼ねております。それに剣も体術も
日々訓練をしていますからね。苦言を呈するなら
我が家の一員のくせに何かにつけ脳筋騎士家系などと
大きな声で罵ってくるユリウスだけにして下さい。」
あいつ、この間は体術訓練をサボったからか騎士団の
取調室にまで騎士達に連行されてましたからね!と
ゲラルドさんが周りをついて歩きながら文句を言って
いる。
どうにかして私をダリウスさんから奪い取りたい
らしいけど、その隙がないみたいだ。
さすがだ。話によればダリウスさんはルーシャ国の
将軍補佐を務めているらしい。
だからさっきからゲラルドさんはただ私達の周りを
うろうろしているだけだ。
そんなところへ、
「ユーリ様にそんな薄汚れた武器の説明なんか
したって楽しんでもらえるとでも思ってるんすか⁉︎
まったくこれだから脳筋野郎は‼︎」
ユリウスさんの大きな声がした。
そちらを見れば、少し離れたところに呆れたように
こちらを見ながらユリウスさんが立っていた。
いつもの魔導士団の団服じゃない完全な私服姿は
初めて見る。
「こんばんはユリウスさん!」
手を振りながら笑いかければ、ユリウスさんもこちら
にやって来た。
「うちの兄貴たちがすみませんね。何しろうちは
男所帯なもので、こんなきったない物を見せても
女の子が喜ぶと思ってるような奴ばっかりで申し訳
ないっす!」
そう言うとダリウスさんに向かって、
「まったく何やってんすか!準備をほっぽって急に
いなくなるから何かと思えばまさかユーリ様の出迎え
に行ってたなんて。しかもちゃっかりユーリ様のこと
抱き上げてるし、どこのレジナスっすかあんたは」
呆れたように文句を言う。
だけどダリウスさんはそんな文句もどこ吹く風で、
まるでユリウスさんに見せつけるようにこれ見よがし
に私を抱え直した。
「馬車の気配に気付かなかったのか?それでもお前は
バイラル家か、もう一度俺が鍛え直してやろう。
それに我が家の由緒正しい品々を見せることの何が
悪い、相変わらず物の価値が分からないやつだな。」
「あんな家の奥からそんな気配に気付くとかそんなの
もう人間じゃないっす、犬ですよ犬!」
とユリウスさんは自分のお兄さんの言葉に噛み付くと
私に向き直って笑顔を見せた。
「良く来たっすねユーリ様。エル君やマリーさん達
もようこそ。さ、こっちっすよ!」
ほらさっさと歩くっす!と私を抱くダリウスさんを
せかす。
なんて言うか、私に対する態度と自分の兄に対する
ぞんざいな態度との落差が大きい。兄弟ってこんな
ものなのかな。
そう思いながら、
「夕食会の準備の途中だったんですか?それなのに
わざわざ出迎えてもらってすみません。」
そう言えばダリウスさんに微笑まれる。
「ユーリ様を出迎える以上に大事なことなどない
でしょう。これで良いんですよ、見て下さいゲラルド
のあの顔を。実に愉快です。」
それまで羨ましそうにダリウスさんが私を手に
している様子を見ていたゲラルドさんが声を上げて
抗議する。
「ひどいですよ兄上!人の悔しがる様を見て楽しむ
など、実に性格が悪い‼︎兄上には良心がないの
ですか!」
「家族に遠慮はいらないだろう?」
それに隙を見せたのはお前の方だな、とダリウスさん
はゲラルドさんを見た。
その姿は弟をからかう兄の姿って感じで少しだけ
楽しそうだ。
その後も歩きながら私達の周りをうろうろする
ゲラルドさんにそんな兄二人の様子にみっともない
ところを見せるなと文句を言うユリウスさんという
賑やかなメンバーで廊下を歩く。
男兄弟ってもっと会話も少なくて静かなものかと
思っていたけど、バイラル家は随分と賑やかだ。
こんな人達の前でリリちゃん姿になったら一体
どんな反応をされるのかな?
ちょっと興味深く思っていたら、ダリウスさんの
足が止まった。
「さあユーリ様、着きましたよ。降ろしますので
お気を付けください。」
そう言ってそっと地面に降ろされる。
目の前には広々とした庭園と、そこにある生垣や
木々のところどころがぼんやりと淡い光で輝いて
いた。
優しい白い光は庭園全体を柔らかな光で照らして
いて、ランプなどがなくても暗いとは感じない。
「おお、来ましたな!我が家へようこそユーリ様!」
朗らかな団長さんの声がした。そちらを見れば
なぜかエプロン姿の団長さんがそこにはいた。
「こんばんは団長さん、今日はお招きありがとう
ございます!・・・その格好はどうしたんですか?」
「本日のメインディッシュのための準備ですな!
野営料理をお好きなユーリ様のためにダリウスにも
協力してもらい特別な趣向を凝らしましたぞ。」
わはは、と豪快な笑い声をあげた団長さんは
ダリウスさんを見やり、ダリウスさんはそれに
頷いている。
「野営料理が好きな私のために、ってまさか」
この香ばしい炭の香りとお肉の焼ける匂いは。
「ダリウスに頼んで演習先の国から焼くと美味い
魔獣を狩って持ち帰らせておりましたぞ。焼きたて
をぜひユーリ様に食べていただきたかったんです。」
やっぱり!まさかの異世界バーベキューだ。
「団長さん、ありがとうございます・・・!」
嬉しい。騎士団見学の時に昼食で食べたあの
血の滴るようなレアステーキを思い出す。
「ユーリ様、マジで食べ物のことになると文字通り
目の色が変わるっすね・・・しかも魔獣料理なんか
で・・・」
ユリウスさんは呆れてるけど構わない。なんて素敵
な夕食会なんだろう。
これは私もリリちゃん姿になったらお礼に団長さんを
喜ばせてあげなければ。こっそりと心の中でそう
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