283 / 709
第十四章 手のひらを太陽に
31
しおりを挟む
「あいつ・・・!申し訳ありません、姉の非礼を
心より詫びます!」
第二殿下には違う意味で世話になったって、それは
もしかしてエル君に対する嫌がらせやリオン様本人
へのアプローチのことかな?
ミリアム殿下はリオン様の言い方から何かを察した
らしく、王子様らしからぬ勢いで頭を下げた。
「僕はルーシャ国の第二王子だから君達の国の後継
争いには介入出来ないし、介入するほどの権限も
持っていないからね。それを期待されても困るよ。
皇太子殿下はそれをよく分かってくれていて、僕が
少しでも早くモリー公国へ行けるようにと随分心を
砕いてくれたけど。」
・・・暗に権力争いでルーシャ国を味方につけようと
した第二殿下に足止めされていて迷惑だったと言って
いる。
「君達はもうユーリが癒し子だと分かっているみたい
だけど、僕達が帰った後もユーリがフィリオサ殿下を
治して薬花にも加護を付けた事はバロイ国には秘密に
していてくれると助かるな。」
ひたすら頭を下げているミリアム殿下や私と手を
繋いで立っているフィー殿下にリオン様は言った。
「それは、勿論・・・!俺の弟にも等しいフィーを
助けてもらったんです、癒し子にもルーシャ国にも
恩義しかありません‼︎」
ミリアム殿下はまた頭を下げてそう言って、フィー
殿下も頷いた。そしてフィー殿下は
薬花の栽培予定地の薬草園にも、たくさんその花芽が
出てるんですよ、お姉様が何かしてくれたんでしょ?
と教えてくれた。どうやらそれを早く教えたくて
ここまで来たらしい。
「ありがとう。予定外にバロイ国に足止めをされて
ユーリに会えるのが遅くなった時はどうしたものかと
思ったけど、何とかなって良かったよ。お礼に君の
兄上にはいくつか助言をして来たから、君もバロイ国
に戻ったらよくよくその手助けをしてあげてね。」
「え?」
リオン様の言葉にミリアム殿下は顔を上げた。
「この先バロイ国が平和で良い国になるようにとね。
僕の助言には君の手助けが必要な案もいくつか
入っているんだ。頼んだよ。来年のルーシャ国の
僕の兄上の戴冠式にはバロイ国から君の兄上か、
名代として君が来ることになるだろう。その時に
また会えるのを楽しみにしているよ。」
えーとリオン様、それってもしかして皇太子殿下が
第二殿下との権力争いに勝てるようなアドバイスを
して来たってことかな?
それも、来年の大声殿下の式典には今の国王じゃ
なくてミリアム殿下のお兄さんが来るだろうって
ことは、遅くても来年のその頃までにはバロイ国の
国王が変わるような策を授けたという事だよね
・・・?
『いくつかの助言』という辺りに、それは一つだけ
ではなく様々なパターンに備えた策を講じてきたって
いうのも察することが出来るし。
え?思ったより本気で介入しているっぼいのが
ちょっと怖いんですけど・・・。
シェラさんやエル君の方を見れば、エル君は
「第二殿下はかなりしつこかった上、バロイ国王も
それを容認なさるようなところもあったためユーリ様
に会えるまで日にちがかかった分、殿下には色々な
策を考える時間がありましたので。」
とかぶりを振った。シェラさんは
「発覚しない出来事は起こっていないと同義だと
言いましたでしょう?リオン殿下がバロイ国の後継者
選びに介入した証拠などどこにもありません。
ユーリ様にお会い出来ない苛立ちや悩みをバロイ国の
皇太子殿下へ愚痴られただけですよ。」
そう言って微笑んだ。シェラさんのその言葉を受けて
「まあユーリに会えない時間が長かった分、バロイの
皇太子殿下と色々話す時間はあったよね。おかげで
随分と気が紛れたよ。」
そんな風に言ってリオン様は私の肩を抱いた。
それを見て、
「話に聞いていた以上の溺愛ぶりで怖い・・・。
絶対敵に回したくないタイプの人だ。終わったな、
姉上・・・父上も・・・」
ミリアム殿下が呆然として呟いたのが聞こえた。
あいつら二人ともロクなもんじゃねえけど、少しだけ
同情する・・・とも言っている。
いや、ちょっと待って欲しい。
それだと私に会えなくて苛ついたリオン様がその原因
の一国の王様まで変えてしまうってことだ。
え?何そのスケールの大きい話。私のせいでどこかの
国の王様が変わっちゃうの?
青くなった私をフォローするようにシェラさんが、
「今回第二殿下の嫌がらせの標的になったのは幸い
にも身代わりのエルでしたが、もしそれがユーリ様
本人だったらと思えばリオン殿下のお気持ちも理解
出来ます。これは決して大袈裟な意趣返しなどでは
ありませんから気にしなくてよろしいかと。オレも
ユーリ様がそのような目に遭えばすぐにでもその相手
の首を取ってきますし。」
なんの慰めにもフォローにもならない事を言う。
青くなっている私を見たリオン様は少し困ったような
笑顔を見せた。
「そんなに心配しないで。ユーリのことだけでなく、
実際バロイ国の内情を目にしたらこのまま今の国王で
いるよりも皇太子殿下が国の舵取りをした方が僕達
ルーシャ国ももっと友好的に付き合えると思っただけ
なんだ。それに僕は皇太子殿下の相談に乗っただけ
だから、それをどうするかは殿下の判断次第だよ。」
「そ、そうですか・・・」
これ以上私が言えることは何もない。バロイ国の王様
が皇太子殿下へなるべく穏便に変わることを祈るのみ
だ。
心臓に悪い話を聞いてしまって、ふうとため息を
ついた私を見ながらリオン様は聞いてきた。
「しかし困ったね。せっかくユーリに会えたしその姿
でいるところを見られるのは嬉しいけど、このまま
だと今夜の宴席に一緒には出られないなあ。いつまで
その大きさなの?」
「どうなんでしょう。前みたいに力をたくさん使えば
戻れるのか・・・。離宮の時は今よりも酔っていて
制御できないままその力を使い尽くしてから戻った
んでしたっけ?今回はまだそこまで力を使った感じは
しないんですよね。」
オレはまだ全力を出していない。
まるでニートのようなセリフが頭に浮かんだけど
気分的にはそんな感じだ。
「あと私に出来ることと言えば、フィー殿下の庭園に
作られた噴水に毒消しの効能がある加護をつける位
しか思いつきませんけど、それだけでいつもの姿に
戻るかなあ・・・」
「お姉様、毒消しの効果のある水も作れるんですか?」
フィー殿下が目を丸くして聞いてくる。かわいい。
「はい、そうですよ。この先の事も考えて加護を
つけておきますね。フィー殿下もエーリク様も、ぜひ
水差しに取っていつも枕元に置いて下さい!」
「お姉様がルーシャ国に帰っても、あの果物の木や
噴水を見る度にお姉様のことを思い出しますね。
頑張って体力をつけて今度は僕がルーシャ国に遊びに
行きます!その時は薬花もたくさん持って行きます
から。」
さらさらの薬花みたいな色の髪の毛を揺らして私を
見上げてそう言ってくれる殿下はすごくかわいい。
いつかあの夢の中のように両手いっぱいに抱えた薬花
を携えたフィー殿下とルーシャ国で会えるだろうか。
「あーもう、すっごくかわいいです!」
思わずぎゅっと抱き締めると胸の下にフィー殿下の
顔が埋もれて、苦しいですと背中をぽんぽんタップ
された。
非力な私の腕から抜け出せないあたり、フィー殿下
もまだまだひ弱だ。早くもっと丈夫になって欲しい。
そう思って抱きしめながらその頭を撫でてさらさらの
髪の毛の手触りを堪能していたら、
「ユーリ、それはないよ!その薄いドレス姿で
そんなにきつく抱き締めるのはどうかと思う。」
リオン様に引き剥がされてしまった。ミリアム殿下も
「フィー!お前も離れろ、大丈夫か、窒息しなかった
か⁉︎」
真っ赤になって私からフィー殿下を離すと、当の殿下
に柔らかかったので痛くなかったし大丈夫ですよと
言われてまた赤くなった。
心より詫びます!」
第二殿下には違う意味で世話になったって、それは
もしかしてエル君に対する嫌がらせやリオン様本人
へのアプローチのことかな?
ミリアム殿下はリオン様の言い方から何かを察した
らしく、王子様らしからぬ勢いで頭を下げた。
「僕はルーシャ国の第二王子だから君達の国の後継
争いには介入出来ないし、介入するほどの権限も
持っていないからね。それを期待されても困るよ。
皇太子殿下はそれをよく分かってくれていて、僕が
少しでも早くモリー公国へ行けるようにと随分心を
砕いてくれたけど。」
・・・暗に権力争いでルーシャ国を味方につけようと
した第二殿下に足止めされていて迷惑だったと言って
いる。
「君達はもうユーリが癒し子だと分かっているみたい
だけど、僕達が帰った後もユーリがフィリオサ殿下を
治して薬花にも加護を付けた事はバロイ国には秘密に
していてくれると助かるな。」
ひたすら頭を下げているミリアム殿下や私と手を
繋いで立っているフィー殿下にリオン様は言った。
「それは、勿論・・・!俺の弟にも等しいフィーを
助けてもらったんです、癒し子にもルーシャ国にも
恩義しかありません‼︎」
ミリアム殿下はまた頭を下げてそう言って、フィー
殿下も頷いた。そしてフィー殿下は
薬花の栽培予定地の薬草園にも、たくさんその花芽が
出てるんですよ、お姉様が何かしてくれたんでしょ?
と教えてくれた。どうやらそれを早く教えたくて
ここまで来たらしい。
「ありがとう。予定外にバロイ国に足止めをされて
ユーリに会えるのが遅くなった時はどうしたものかと
思ったけど、何とかなって良かったよ。お礼に君の
兄上にはいくつか助言をして来たから、君もバロイ国
に戻ったらよくよくその手助けをしてあげてね。」
「え?」
リオン様の言葉にミリアム殿下は顔を上げた。
「この先バロイ国が平和で良い国になるようにとね。
僕の助言には君の手助けが必要な案もいくつか
入っているんだ。頼んだよ。来年のルーシャ国の
僕の兄上の戴冠式にはバロイ国から君の兄上か、
名代として君が来ることになるだろう。その時に
また会えるのを楽しみにしているよ。」
えーとリオン様、それってもしかして皇太子殿下が
第二殿下との権力争いに勝てるようなアドバイスを
して来たってことかな?
それも、来年の大声殿下の式典には今の国王じゃ
なくてミリアム殿下のお兄さんが来るだろうって
ことは、遅くても来年のその頃までにはバロイ国の
国王が変わるような策を授けたという事だよね
・・・?
『いくつかの助言』という辺りに、それは一つだけ
ではなく様々なパターンに備えた策を講じてきたって
いうのも察することが出来るし。
え?思ったより本気で介入しているっぼいのが
ちょっと怖いんですけど・・・。
シェラさんやエル君の方を見れば、エル君は
「第二殿下はかなりしつこかった上、バロイ国王も
それを容認なさるようなところもあったためユーリ様
に会えるまで日にちがかかった分、殿下には色々な
策を考える時間がありましたので。」
とかぶりを振った。シェラさんは
「発覚しない出来事は起こっていないと同義だと
言いましたでしょう?リオン殿下がバロイ国の後継者
選びに介入した証拠などどこにもありません。
ユーリ様にお会い出来ない苛立ちや悩みをバロイ国の
皇太子殿下へ愚痴られただけですよ。」
そう言って微笑んだ。シェラさんのその言葉を受けて
「まあユーリに会えない時間が長かった分、バロイの
皇太子殿下と色々話す時間はあったよね。おかげで
随分と気が紛れたよ。」
そんな風に言ってリオン様は私の肩を抱いた。
それを見て、
「話に聞いていた以上の溺愛ぶりで怖い・・・。
絶対敵に回したくないタイプの人だ。終わったな、
姉上・・・父上も・・・」
ミリアム殿下が呆然として呟いたのが聞こえた。
あいつら二人ともロクなもんじゃねえけど、少しだけ
同情する・・・とも言っている。
いや、ちょっと待って欲しい。
それだと私に会えなくて苛ついたリオン様がその原因
の一国の王様まで変えてしまうってことだ。
え?何そのスケールの大きい話。私のせいでどこかの
国の王様が変わっちゃうの?
青くなった私をフォローするようにシェラさんが、
「今回第二殿下の嫌がらせの標的になったのは幸い
にも身代わりのエルでしたが、もしそれがユーリ様
本人だったらと思えばリオン殿下のお気持ちも理解
出来ます。これは決して大袈裟な意趣返しなどでは
ありませんから気にしなくてよろしいかと。オレも
ユーリ様がそのような目に遭えばすぐにでもその相手
の首を取ってきますし。」
なんの慰めにもフォローにもならない事を言う。
青くなっている私を見たリオン様は少し困ったような
笑顔を見せた。
「そんなに心配しないで。ユーリのことだけでなく、
実際バロイ国の内情を目にしたらこのまま今の国王で
いるよりも皇太子殿下が国の舵取りをした方が僕達
ルーシャ国ももっと友好的に付き合えると思っただけ
なんだ。それに僕は皇太子殿下の相談に乗っただけ
だから、それをどうするかは殿下の判断次第だよ。」
「そ、そうですか・・・」
これ以上私が言えることは何もない。バロイ国の王様
が皇太子殿下へなるべく穏便に変わることを祈るのみ
だ。
心臓に悪い話を聞いてしまって、ふうとため息を
ついた私を見ながらリオン様は聞いてきた。
「しかし困ったね。せっかくユーリに会えたしその姿
でいるところを見られるのは嬉しいけど、このまま
だと今夜の宴席に一緒には出られないなあ。いつまで
その大きさなの?」
「どうなんでしょう。前みたいに力をたくさん使えば
戻れるのか・・・。離宮の時は今よりも酔っていて
制御できないままその力を使い尽くしてから戻った
んでしたっけ?今回はまだそこまで力を使った感じは
しないんですよね。」
オレはまだ全力を出していない。
まるでニートのようなセリフが頭に浮かんだけど
気分的にはそんな感じだ。
「あと私に出来ることと言えば、フィー殿下の庭園に
作られた噴水に毒消しの効能がある加護をつける位
しか思いつきませんけど、それだけでいつもの姿に
戻るかなあ・・・」
「お姉様、毒消しの効果のある水も作れるんですか?」
フィー殿下が目を丸くして聞いてくる。かわいい。
「はい、そうですよ。この先の事も考えて加護を
つけておきますね。フィー殿下もエーリク様も、ぜひ
水差しに取っていつも枕元に置いて下さい!」
「お姉様がルーシャ国に帰っても、あの果物の木や
噴水を見る度にお姉様のことを思い出しますね。
頑張って体力をつけて今度は僕がルーシャ国に遊びに
行きます!その時は薬花もたくさん持って行きます
から。」
さらさらの薬花みたいな色の髪の毛を揺らして私を
見上げてそう言ってくれる殿下はすごくかわいい。
いつかあの夢の中のように両手いっぱいに抱えた薬花
を携えたフィー殿下とルーシャ国で会えるだろうか。
「あーもう、すっごくかわいいです!」
思わずぎゅっと抱き締めると胸の下にフィー殿下の
顔が埋もれて、苦しいですと背中をぽんぽんタップ
された。
非力な私の腕から抜け出せないあたり、フィー殿下
もまだまだひ弱だ。早くもっと丈夫になって欲しい。
そう思って抱きしめながらその頭を撫でてさらさらの
髪の毛の手触りを堪能していたら、
「ユーリ、それはないよ!その薄いドレス姿で
そんなにきつく抱き締めるのはどうかと思う。」
リオン様に引き剥がされてしまった。ミリアム殿下も
「フィー!お前も離れろ、大丈夫か、窒息しなかった
か⁉︎」
真っ赤になって私からフィー殿下を離すと、当の殿下
に柔らかかったので痛くなかったし大丈夫ですよと
言われてまた赤くなった。
26
お気に入りに追加
1,916
あなたにおすすめの小説
騎士団寮のシングルマザー
古森きり
恋愛
夫と離婚し、実家へ帰る駅への道。
突然突っ込んできた車に死を覚悟した歩美。
しかし、目を覚ますとそこは森の中。
異世界に聖女として召喚された幼い娘、真美の為に、歩美の奮闘が今、始まる!
……と、意気込んだものの全く家事が出来ない歩美の明日はどっちだ!?
※ノベルアップ+様(読み直し改稿ナッシング先行公開)にも掲載しましたが、カクヨムさん(は改稿・完結済みです)、小説家になろうさん、アルファポリスさんは改稿したものを掲載しています。
※割と鬱展開多いのでご注意ください。作者はあんまり鬱展開だと思ってませんけども。
いつか彼女を手に入れる日まで
月山 歩
恋愛
伯爵令嬢の私は、婚約者の邸に馬車で向かっている途中で、馬車が転倒する事故に遭い、治療院に運ばれる。医師に良くなったとしても、足を引きずるようになると言われてしまい、傷物になったからと、格下の私は一方的に婚約破棄される。私はこの先誰かと結婚できるのだろうか?
女性の少ない異世界に生まれ変わったら
Azuki
恋愛
高校に登校している途中、道路に飛び出した子供を助ける形でトラックに轢かれてそのまま意識を失った私。
目を覚ますと、私はベッドに寝ていて、目の前にも周りにもイケメン、イケメン、イケメンだらけーーー!?
なんと私は幼女に生まれ変わっており、しかもお嬢様だった!!
ーーやった〜!勝ち組人生来た〜〜〜!!!
そう、心の中で思いっきり歓喜していた私だけど、この世界はとんでもない世界で・・・!?
これは、女性が圧倒的に少ない異世界に転生した私が、家族や周りから溺愛されながら様々な問題を解決して、更に溺愛されていく物語。
暗闇に輝く星は自分で幸せをつかむ
Rj
恋愛
許婚のせいで見知らぬ女の子からいきなり頬をたたかれたステラ・デュボワは、誰にでもやさしい許婚と高等学校卒業後にこのまま結婚してよいのかと考えはじめる。特待生として通うスペンサー学園で最終学年となり最後の学園生活を送る中、許婚との関係がこじれたり、思わぬ申し出をうけたりとこれまで考えていた将来とはまったく違う方向へとすすんでいく。幸せは自分でつかみます!
ステラの恋と成長の物語です。
*女性蔑視の台詞や場面があります。
交換された花嫁
秘密 (秘翠ミツキ)
恋愛
「お姉さんなんだから我慢なさい」
お姉さんなんだから…お姉さんなんだから…
我儘で自由奔放な妹の所為で昔からそればかり言われ続けてきた。ずっと我慢してきたが。公爵令嬢のヒロインは16歳になり婚約者が妹と共に出来きたが…まさかの展開が。
「お姉様の婚約者頂戴」
妹がヒロインの婚約者を寝取ってしまい、終いには頂戴と言う始末。両親に話すが…。
「お姉さんなのだから、交換して上げなさい」
流石に婚約者を交換するのは…不味いのでは…。
結局ヒロインは妹の要求通りに婚約者を交換した。
そしてヒロインは仕方無しに嫁いで行くが、夫である第2王子にはどうやら想い人がいるらしく…。
竜帝は番に愛を乞う
浅海 景
恋愛
祖母譲りの容姿で両親から疎まれている男爵令嬢のルー。自分とは対照的に溺愛される妹のメリナは周囲からも可愛がられ、狼族の番として見初められたことからますます我儘に振舞うようになった。そんなメリナの我儘を受け止めつつ使用人のように働き、学校では妹を虐げる意地悪な姉として周囲から虐げられる。無力感と諦めを抱きながら淡々と日々を過ごしていたルーは、ある晩突然現れた男性から番であることを告げられる。しかも彼は獣族のみならず世界の王と呼ばれる竜帝アレクシスだった。誰かに愛されるはずがないと信じ込む男爵令嬢と番と出会い愛を知った竜帝の物語。
愛しの婚約者に「学園では距離を置こう」と言われたので、婚約破棄を画策してみた
迦陵 れん
恋愛
「学園にいる間は、君と距離をおこうと思う」
待ちに待った定例茶会のその席で、私の大好きな婚約者は唐突にその言葉を口にした。
「え……あの、どうし……て?」
あまりの衝撃に、上手く言葉が紡げない。
彼にそんなことを言われるなんて、夢にも思っていなかったから。
ーーーーーーーーーーーーー
侯爵令嬢ユリアの婚約は、仲の良い親同士によって、幼い頃に結ばれたものだった。
吊り目でキツい雰囲気を持つユリアと、女性からの憧れの的である婚約者。
自分たちが不似合いであることなど、とうに分かっていることだった。
だから──学園にいる間と言わず、彼を自分から解放してあげようと思ったのだ。
婚約者への淡い恋心は、心の奥底へとしまいこんで……。
※基本的にゆるふわ設定です。
※プロット苦手派なので、話が右往左往するかもしれません。→故に、タグは徐々に追加していきます
※感想に返信してると執筆が進まないという鈍足仕様のため、返事は期待しないで貰えるとありがたいです。
※仕事が休みの日のみの執筆になるため、毎日は更新できません……(書きだめできた時だけします)ご了承くださいませ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる