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第十四章 手のひらを太陽に
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大きい姿の私の下着からドレスまで買ってもいいと
お許しが出てようやく満足したのか、シェラさんは
広げた私の荷物を片付けながらそこで薬花について
仕入れてきた話を教えてくれた。
「こちらに来るまでは知らなかったのですが、薬花は
別名『女神の涙』と呼ばれているそうです。」
「へえ、素敵な名前ですね。」
「ところが由来は素敵ではないもので。この国の
成り立ちがバロイ国の王家から始まっているのは
ご存知でしたよね?」
確か当時のバロイ国の王様の弟が、属国だったここを
任せられたんだっけ?
頷いた私に、ドレスをたたみながらシェラさんは
話を続ける。
「属国だったここを任せたと言えば聞こえがいいです
が、実は王座を奪われまいとした兄王に弟が体良く
追い出されたというのが本当のところだそうです。
ついでに王に反抗的だとみなされた者も島流しの如く
公国の開拓者としてバロイ国を出されたとか。」
権力者とはいつの時代も残酷なことをするもの
ですね。とシェラさんはため息をついた。
「当時の公国は緑の多さはそのまま未開の地が多い
事を意味し、木を切り倒して開墾し、農地を開拓する
所から始めなければならなかった上に今は供給が安定
している魔石鉱山も当時の技術では鉱山事故が多く、
公国が国として安定するまでにはかなりの困難を
極めたそうですよ。」
「バロイ国の王様の嫌がらせじゃないですか!」
まるで邪魔者は未開の地で早く死んでくれと言わん
ばかりだ。
「そうした様々な困難に襲われればさすがに国民も
大公閣下も疲弊します。未開拓地を拓く中で病に
倒れる者も増え、ついには初代モリー大公閣下その人
までもが病に臥した時、それを哀れに思った女神
イリューディアの流した慈悲の涙がそれまで公国に
あった何の変哲もない花の一つを薬花に変え大公閣下
と人々の命を救ったと言われているそうです。」
この国に昔から伝わる薬花の由来の一つだそうですよ
とシェラさんは話を結んだ。
「だから女神の涙って言うんですか。」
興味深い話だ。
「はい。そのため、恐れ多くも女神の花に名は
付けられないと薬花はいまだにただ薬花と呼ばれ、
その他は別名の『女神の涙』と呼ばれるのみで
大切にされていたそうですが・・・」
「栽培が出来ないとどんなに採取に制限をかけて
大切にしても、増えるのは自然任せですもんね。」
「ええ。先日、視察してユーリ様もご覧になった通り
根っこから掘り出すと植替えすら不可能ですから。」
そうなのだ。薬花は根が弱いのか植替えが出来ない。
だから元々生えている場所から採ってきて栽培しよう
にも、同じような乾燥した土壌に植えても数日で
枯れ果ててしまう。
出来るとすれば、薬花が咲いている岩山ごとその
一部をうまく切り出して岩や土ごと運ぶくらいだ。
それでもうまく増やせた試しはないらしいし、
恐ろしく手間がかかる。
うーん、と考えながら私は口を開いた。
「ロイス殿下は青鹿を追って薬花の群生地を見つけた
んでしたよね。青鹿が好んで舐める乾燥した土に多く
咲いたり群生地があるのなら、その土にしか含まれて
いない栄養素が薬花には大事なのかも知れません
ねぇ・・・」
確か元の世界でも野生の馬や鹿は塩分やミネラル補給
のために岩山を舐めるって聞いたことがあるような。
「言われてみれば確かに、薬花の咲いていた崖の
近くでも青鹿を見かけましたね。関係があるのかも
知れません。さすがユーリ様、着眼点が素晴らしい」
もしかしたら薬花そのものを増やすよりも、その根を
強くするとか土壌そのものを薬花の育ちやすいものに
変える加護にした方がいいのかも。
薬花にどんな加護を付けようかと迷っていたけど
フィー殿下の教えてくれた薬花の群生地に関する
情報は私にも良いヒントになった。
「うまくいけば栽培が出来るかも知れません!
エーリク様やミオ宰相さんにお願いして、薬花を
栽培するための場所を用意してもらってもいいと
思います!」
栽培が出来て安定供給が出来れば、病に苦しむ人や
流行り病にもすぐに対応できるようになるだろう。
フィー殿下のために薬花をたくさん持ってこれたらと
嘆いていた、今は亡きロイス殿下の願いを別の形で
叶えることにもなる。
「ではオレは暗くなる前に、これからすぐに場所の
下見に言って参ります。そうすれば明日は午前のうち
から出掛けられるでしょう。」
いつの間にか私の大人用の荷物を全てきちんと
しまい終えていたシェラさんは優雅なお辞儀を
すると部屋を後にした。
・・・そのシェラさんが戻って来たのは夕食の時間も
過ぎた頃で、少し遅いなと心配になり始めた頃
だった。
「遅くなりました、ですが朗報がありますよ。」
にこやかにシェラさんは手にした一枚の紙切れを私に
見せてくれた。
「リオン殿下が明日到着されます。」
「本当ですか⁉︎」
「ええ、バロイ国で予定よりだいぶ時間を取られて
しまいましたが間違いありません。」
紙切れには何の変哲もない今日の天気を書いた短い
文章があるだけだ。暗号だろうか。
何となくリオン様の字のような気もする。
「これは出国前に魔導士団から貰っておいた転移魔法
のついた便箋です。この用紙と、それを受け取るため
の魔道具の文箱をリオン殿下とこちらの騎士が互いに
持っていたんです。それで今までもやり取りをして
おりました。」
今までユーリ様にもお話し出来ずに申し訳ありません
でしたとシェラさんは頭を下げた。
「そんな便利な物があったんですか⁉︎」
通りでリオン様の到着が遅くてもシェラさんが心配
する様子もなかったはずだ。
「心配してたんですよ?そんな風にリオン様と連絡が
取れていたんなら、私にもちょっとくらい教えて
くれても良かったんじゃないですか?」
そりゃあシェラさん達はそれが仕事で色々秘密に
しなきゃいけないのも分かるけど。
「申し訳ありません。ユーリ様は素直なお方ですし
情報をお伝えしますと、お顔にそれが出てしまいます
のでまだ寝かせて置きたい情報などをお伝えすること
が出来ませんでした。」
「え、私がすぐ顔に出る単純な人間だって言って
ます?」
眉を顰めたら、
「素直で表情が豊かな方だと申しました。ほら、
今もそのように気難しい表情をされていますがその
お顔もとても愛らしいですよ。」
そう言われて慌てて自分の顔をぺたぺた触る。
そんなにすぐ顔に出てるとは思わなかった。
「リオン殿下にはこちらでのユーリ様のご様子も
伝えておりますのでご安心くださいね。」
ぺた・・・と顔を触っていた手を止める。
「それってまさか私がこっちで人間じゃない珍獣に
勘違いされてる事も?」
「・・・珍しい生き物として大切に扱われ、オレと
同室でも円形の囲いがついたベッドで眠っているので
同衾の心配もないとお伝えしてあります。」
そう言ったシェラさんの微笑みは初めてあのベッドを
見た時を思い出したのか、若干の思い出し笑いだ。
「それ絶対、ここに着いたリオン様に馬鹿にされる
やつじゃないですかぁ!」
「そんな事はないと思いますが・・・。殿下がこちら
へ到着する時間までは分かりませんが、早いうちに
薬花へ加護を付けて戻ってきましょうね。そこで
タイミングを見てエルと入れ替わればまた殿下の
お側へいられますよ。」
そう言ったシェラさんが、はあとため息をついた。
「ユーリ様とご一緒の部屋でその寝顔を見られるのも
今日で終わりとは寂しいものです。ユーリ様も寂しい
と思ってくださいますか?」
「また人の寝顔を見てたんですか⁉︎」
そういえば私が寝る時ってシェラさんはいつも他の
騎士さんの所へ打ち合わせに行ってたりミオ宰相さん
と滞在中の日程について話をしに行ってたりで深夜
まで部屋にいなかった。
夜も遅いし、部屋に鍵をかけて行ってくれてたので
その間に私は眠ってしまっていたのだ。
朝は朝で目を覚ますとシェラさんの方が先に起きて
いて朝の世話をしようと待ち構えていたし。
よく考えなくても、おはようからおやすみまで全部
シェラさんに見られていた。
「これだけ一緒にいて私を見てたんなら、もう
充分だと思いますよ・・・。」
「ユーリ様。ユーリ様は天上の星を見上げた時に
それを毎夜見たとして見飽きることはありますか?」
シェラさんが真面目な顔をしてそう聞いてくる。
「え?いいえ・・・そんな事はないかな?星を見る
のは好きですし・・・」
「そうでしょう?オレにとってユーリ様はそういう
存在ですから、決して見飽きるだとか充分だという
ことはありません。」
なんて大袈裟な。このままだとまだまだ私をほめ殺し
しそうな勢いだ。
この辺で止めておかないと癒し子原理主義者の暴走が
怖い。どうやってなだめようか。
「一緒の部屋で過ごすのは今日が最後ですけど明日は
二人でお出掛けみたいなものじゃないですか。だから
今日はもう休みましょう!明日に響きますよ。」
その言葉にシェラさんがハッとした。
「そうですね・・・。今日は下見のついでに騎士達も
使って先に必要なものも運ばせて置きました。明日は
ユーリ様との二人きりのお出掛け・・・貴重なデート
でした。早く休まなければいけませんね。」
・・・ん?最後、何て言った?
「え?シェラさん今」
「さあ、お休み下さいユーリ様。明日はいつもより
少し早く起きて身支度をしましょうね。」
誤魔化すようにさっさとあのサークルベッドに
入れられてしまった。
いや、絶対デートって言ったよね?遊びに行くんじゃ
ないんだけどなあ・・・。
お許しが出てようやく満足したのか、シェラさんは
広げた私の荷物を片付けながらそこで薬花について
仕入れてきた話を教えてくれた。
「こちらに来るまでは知らなかったのですが、薬花は
別名『女神の涙』と呼ばれているそうです。」
「へえ、素敵な名前ですね。」
「ところが由来は素敵ではないもので。この国の
成り立ちがバロイ国の王家から始まっているのは
ご存知でしたよね?」
確か当時のバロイ国の王様の弟が、属国だったここを
任せられたんだっけ?
頷いた私に、ドレスをたたみながらシェラさんは
話を続ける。
「属国だったここを任せたと言えば聞こえがいいです
が、実は王座を奪われまいとした兄王に弟が体良く
追い出されたというのが本当のところだそうです。
ついでに王に反抗的だとみなされた者も島流しの如く
公国の開拓者としてバロイ国を出されたとか。」
権力者とはいつの時代も残酷なことをするもの
ですね。とシェラさんはため息をついた。
「当時の公国は緑の多さはそのまま未開の地が多い
事を意味し、木を切り倒して開墾し、農地を開拓する
所から始めなければならなかった上に今は供給が安定
している魔石鉱山も当時の技術では鉱山事故が多く、
公国が国として安定するまでにはかなりの困難を
極めたそうですよ。」
「バロイ国の王様の嫌がらせじゃないですか!」
まるで邪魔者は未開の地で早く死んでくれと言わん
ばかりだ。
「そうした様々な困難に襲われればさすがに国民も
大公閣下も疲弊します。未開拓地を拓く中で病に
倒れる者も増え、ついには初代モリー大公閣下その人
までもが病に臥した時、それを哀れに思った女神
イリューディアの流した慈悲の涙がそれまで公国に
あった何の変哲もない花の一つを薬花に変え大公閣下
と人々の命を救ったと言われているそうです。」
この国に昔から伝わる薬花の由来の一つだそうですよ
とシェラさんは話を結んだ。
「だから女神の涙って言うんですか。」
興味深い話だ。
「はい。そのため、恐れ多くも女神の花に名は
付けられないと薬花はいまだにただ薬花と呼ばれ、
その他は別名の『女神の涙』と呼ばれるのみで
大切にされていたそうですが・・・」
「栽培が出来ないとどんなに採取に制限をかけて
大切にしても、増えるのは自然任せですもんね。」
「ええ。先日、視察してユーリ様もご覧になった通り
根っこから掘り出すと植替えすら不可能ですから。」
そうなのだ。薬花は根が弱いのか植替えが出来ない。
だから元々生えている場所から採ってきて栽培しよう
にも、同じような乾燥した土壌に植えても数日で
枯れ果ててしまう。
出来るとすれば、薬花が咲いている岩山ごとその
一部をうまく切り出して岩や土ごと運ぶくらいだ。
それでもうまく増やせた試しはないらしいし、
恐ろしく手間がかかる。
うーん、と考えながら私は口を開いた。
「ロイス殿下は青鹿を追って薬花の群生地を見つけた
んでしたよね。青鹿が好んで舐める乾燥した土に多く
咲いたり群生地があるのなら、その土にしか含まれて
いない栄養素が薬花には大事なのかも知れません
ねぇ・・・」
確か元の世界でも野生の馬や鹿は塩分やミネラル補給
のために岩山を舐めるって聞いたことがあるような。
「言われてみれば確かに、薬花の咲いていた崖の
近くでも青鹿を見かけましたね。関係があるのかも
知れません。さすがユーリ様、着眼点が素晴らしい」
もしかしたら薬花そのものを増やすよりも、その根を
強くするとか土壌そのものを薬花の育ちやすいものに
変える加護にした方がいいのかも。
薬花にどんな加護を付けようかと迷っていたけど
フィー殿下の教えてくれた薬花の群生地に関する
情報は私にも良いヒントになった。
「うまくいけば栽培が出来るかも知れません!
エーリク様やミオ宰相さんにお願いして、薬花を
栽培するための場所を用意してもらってもいいと
思います!」
栽培が出来て安定供給が出来れば、病に苦しむ人や
流行り病にもすぐに対応できるようになるだろう。
フィー殿下のために薬花をたくさん持ってこれたらと
嘆いていた、今は亡きロイス殿下の願いを別の形で
叶えることにもなる。
「ではオレは暗くなる前に、これからすぐに場所の
下見に言って参ります。そうすれば明日は午前のうち
から出掛けられるでしょう。」
いつの間にか私の大人用の荷物を全てきちんと
しまい終えていたシェラさんは優雅なお辞儀を
すると部屋を後にした。
・・・そのシェラさんが戻って来たのは夕食の時間も
過ぎた頃で、少し遅いなと心配になり始めた頃
だった。
「遅くなりました、ですが朗報がありますよ。」
にこやかにシェラさんは手にした一枚の紙切れを私に
見せてくれた。
「リオン殿下が明日到着されます。」
「本当ですか⁉︎」
「ええ、バロイ国で予定よりだいぶ時間を取られて
しまいましたが間違いありません。」
紙切れには何の変哲もない今日の天気を書いた短い
文章があるだけだ。暗号だろうか。
何となくリオン様の字のような気もする。
「これは出国前に魔導士団から貰っておいた転移魔法
のついた便箋です。この用紙と、それを受け取るため
の魔道具の文箱をリオン殿下とこちらの騎士が互いに
持っていたんです。それで今までもやり取りをして
おりました。」
今までユーリ様にもお話し出来ずに申し訳ありません
でしたとシェラさんは頭を下げた。
「そんな便利な物があったんですか⁉︎」
通りでリオン様の到着が遅くてもシェラさんが心配
する様子もなかったはずだ。
「心配してたんですよ?そんな風にリオン様と連絡が
取れていたんなら、私にもちょっとくらい教えて
くれても良かったんじゃないですか?」
そりゃあシェラさん達はそれが仕事で色々秘密に
しなきゃいけないのも分かるけど。
「申し訳ありません。ユーリ様は素直なお方ですし
情報をお伝えしますと、お顔にそれが出てしまいます
のでまだ寝かせて置きたい情報などをお伝えすること
が出来ませんでした。」
「え、私がすぐ顔に出る単純な人間だって言って
ます?」
眉を顰めたら、
「素直で表情が豊かな方だと申しました。ほら、
今もそのように気難しい表情をされていますがその
お顔もとても愛らしいですよ。」
そう言われて慌てて自分の顔をぺたぺた触る。
そんなにすぐ顔に出てるとは思わなかった。
「リオン殿下にはこちらでのユーリ様のご様子も
伝えておりますのでご安心くださいね。」
ぺた・・・と顔を触っていた手を止める。
「それってまさか私がこっちで人間じゃない珍獣に
勘違いされてる事も?」
「・・・珍しい生き物として大切に扱われ、オレと
同室でも円形の囲いがついたベッドで眠っているので
同衾の心配もないとお伝えしてあります。」
そう言ったシェラさんの微笑みは初めてあのベッドを
見た時を思い出したのか、若干の思い出し笑いだ。
「それ絶対、ここに着いたリオン様に馬鹿にされる
やつじゃないですかぁ!」
「そんな事はないと思いますが・・・。殿下がこちら
へ到着する時間までは分かりませんが、早いうちに
薬花へ加護を付けて戻ってきましょうね。そこで
タイミングを見てエルと入れ替わればまた殿下の
お側へいられますよ。」
そう言ったシェラさんが、はあとため息をついた。
「ユーリ様とご一緒の部屋でその寝顔を見られるのも
今日で終わりとは寂しいものです。ユーリ様も寂しい
と思ってくださいますか?」
「また人の寝顔を見てたんですか⁉︎」
そういえば私が寝る時ってシェラさんはいつも他の
騎士さんの所へ打ち合わせに行ってたりミオ宰相さん
と滞在中の日程について話をしに行ってたりで深夜
まで部屋にいなかった。
夜も遅いし、部屋に鍵をかけて行ってくれてたので
その間に私は眠ってしまっていたのだ。
朝は朝で目を覚ますとシェラさんの方が先に起きて
いて朝の世話をしようと待ち構えていたし。
よく考えなくても、おはようからおやすみまで全部
シェラさんに見られていた。
「これだけ一緒にいて私を見てたんなら、もう
充分だと思いますよ・・・。」
「ユーリ様。ユーリ様は天上の星を見上げた時に
それを毎夜見たとして見飽きることはありますか?」
シェラさんが真面目な顔をしてそう聞いてくる。
「え?いいえ・・・そんな事はないかな?星を見る
のは好きですし・・・」
「そうでしょう?オレにとってユーリ様はそういう
存在ですから、決して見飽きるだとか充分だという
ことはありません。」
なんて大袈裟な。このままだとまだまだ私をほめ殺し
しそうな勢いだ。
この辺で止めておかないと癒し子原理主義者の暴走が
怖い。どうやってなだめようか。
「一緒の部屋で過ごすのは今日が最後ですけど明日は
二人でお出掛けみたいなものじゃないですか。だから
今日はもう休みましょう!明日に響きますよ。」
その言葉にシェラさんがハッとした。
「そうですね・・・。今日は下見のついでに騎士達も
使って先に必要なものも運ばせて置きました。明日は
ユーリ様との二人きりのお出掛け・・・貴重なデート
でした。早く休まなければいけませんね。」
・・・ん?最後、何て言った?
「え?シェラさん今」
「さあ、お休み下さいユーリ様。明日はいつもより
少し早く起きて身支度をしましょうね。」
誤魔化すようにさっさとあのサークルベッドに
入れられてしまった。
いや、絶対デートって言ったよね?遊びに行くんじゃ
ないんだけどなあ・・・。
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