268 / 706
第十四章 手のひらを太陽に
16
しおりを挟む
フィリオサ殿下のお兄さんが殺されたと言うその
発言は、いくらルーシャ国の王子の同行者とはいえ
一商人であるシェラさんに話して良いことなのか。
シェラさんも興味深げに目を細めた。
「そんな不穏な事をおっしゃってよろしいので?
オレには何の力もありませんが、聞いた事はルーシャ
やリオン殿下へ伝えるかも知れませんよ。そんな事
になれば殿下やバロイ国の不利益では?」
「どうせこの国に滞在していればそのうち嫌でも
噂で聞くさ。そこにバロイが関わっているかも
知れないってこともな。そしてそれは事実だ。」
今度こそはっきりとミリアム殿下はそう言った。
「ちょっと殿下⁉︎」
そんな重要なことをあっさりと。びっくりして声を
あげれば
「何だよ猫娘。・・・いや、猫娘じゃないのか。
フィーの兄貴2人は父上の間者にやられた。それは
間違いない。ただ、エーリク様始めモリーの者達は
それを知らない。もしかしたらと疑う気持ちはある
かもしれないが、この国ではあくまで噂にとどまって
いる。気の毒過ぎて本当の事なんか言えるもんか。」
口元を歪めるようにして微かに殿下は自嘲するような
笑みを浮かべた。
「証拠はもう残っていない。だけどバロイの王族に
しか伝わっていない毒薬を使った時の特徴が、あの
2人を見舞った時に出ていた。その毒薬に薬花は
効き目が薄いんだ。それに気付いてすぐに解毒薬を
俺の兄上から分けて貰った時にはもう手遅れだった」
だからフィーだけはそんな目に合わせない、と
続ける。
そういえばミリアム殿下とこの国の二番目の王子様は
親友のような間柄だったんだっけ。
「またバロイの毒薬を使われても、俺が先に毒味を
していればすぐに気付ける。少しはそれに耐性もある
からな。だけど薬花も効き目がないような、俺も
知らない毒草や呪いの魔法をもし今も使われてたら
フィーは救えない。だからそれに備えておきたかった
ところに現れたのがお前達だった。」
そう言ってミリアム殿下は自分を見つめるシェラさん
にまっすぐ強い視線を向けた。
「俺がここまで話したのは、お前が持ち込んだあの
リンゴの干乾しがフィーに効いたからだ。何を
しても良くならなかったフィーが、あれを少し口に
しただけで目に見えて回復した。それならあれを
もっと食べれば完全に回復して、もしバロイの者が
何かしようとしても防げるんじゃないか?」
「自国の秘密を明かしてまでフィリオサ殿下を案じて
おりますか。その気持ちに真実ウソ偽りはござい
ませんね?」
「くどいなお前も。エーリク様にすら話していない
俺の国のやらかした事まで打ち明けたのに、まだ
疑ってんのか。回復したフィーがこの国をきちんと
継いで、いずれ俺の兄上が継承するバロイとも平和で
自由に往来が出来るようになればいい。そう思って
るんだよ俺は。」
しつこく念押しをしてくるシェラさんにミリアム殿下
は呆れたようにそう言った。
シェラさんはどうします?正体を告げますか?と
言いたそうに私を見る。
お互いに顔を見合わせた私達にミリアム殿下は焦れた
ように話しかけて来た。
「なあ、早いとこあのリンゴをもっと分けてくれよ。
あれがお前達がルーシャ国から持ち込んだって言う
『よく効く薬』なんだろ。それからえーと猫娘、名前
を知らないからまだそう呼ぶけどお前の使う力が珍妙
な魔物の力じゃないなら何だ?お前は魔導士か巫女
なのか?まさか噂に聞くルーシャ国の大神殿の姫巫女
ってやつか?」
「『よく効く薬』っていうのはあのリンゴのことじゃ
ないです。それ、私のことです。あの時はまだ殿下が
どういうつもりでいたのかよく分からなかったから
そう言ったんです、ごめんなさい。」
ぺこっと頭を下げると、ミリアム殿下は目を見開いて
驚いた。
「はっ?お前が薬⁉︎どういう意味だ?まさかお前の
血肉に栄養があるってんじゃないよな⁉︎この商人が
やけにお前を崇め奉ってたり黄金や宝石よりも価値が
あるっていうのはまさかそういうことか?」
でもさすがにお前の血肉を分けてくれって言うのも
それをフィーの口にさせるのも・・・なんて言って
戸惑っている。
「まさかお前、エーリク様にもお前の血か何かを
飲ませたのか⁉︎」
「違いますよ!そんなわけないじゃないですか‼︎」
なんて恐ろしいことを言い出すんだろう。
「ユーリ様、この者には暗喩が通じないようですので
はっきり伝えませんと。」
シェラさんが私の名前を口に出した。正体を明かして
大丈夫という意味だろう。
ベールも取っていいですか?と一応聞けば、
「その美しい瞳であまり殿下を見つめないように
お気をつけ下さい。ユーリ様の美しさと愛らしさに
慣れ親しんでいるルーシャの者と違い、女神を目に
したことのない人々には刺激が強過ぎて皆その虜に
なってしまいますから。」
意味の分からないことを言われた。
「相変わらず褒め言葉が過ぎますね・・・」
「事実です、オレの女神。」
そう言ってシェラさんは私の髪の毛を乱さないように
そっとベールを取ってくれた。
「おい商人、猫娘を褒めるにしても大袈裟過ぎる
だろう。何を訳の分からないことを言ってんだよ。」
ほんと何言ってるんだろうねシェラさんは。
ベールを取ってもらって明るく開けた視界で目の前の
ミリアム殿下をしっかり見る。
間にベールを挟んで見ていた時は分からなかったけど
薬花の色よりは少し明るい髪色だ。瞳の色も、青紫と
いうよりは青に近い。その色にふとリオン様を連想
して、今頃どうしているのかなと思った。
「私は別の世界からルーシャ国に召喚された召喚者で
ユーリっていいます。イリューディアさんのおかげで
癒しや治癒の力を使えるので、ミオ宰相さんにお願い
されて今回モリー公国に来ました。まあ、着いて
早々人間じゃないって誤解されちゃいましたけど。」
説明している私の顔をミリアム殿下は見ているけど、
驚いているのか目を見開いたまま動かない。
瞬きもしないで私を見てるけど目が乾かないのかな。
「えーと殿下、人の話聞いてます?」
あまりにも微動だにしないので心配になる。
その様子を見たシェラさんがため息をついた。
「やはり女神の美しさに免疫のないものには刺激が
強過ぎたようです。このままではユーリ様に見惚れて
埒があきませんのでもう一度お顔を隠していただき
ましょうか。」
失礼します、と断りを入れたシェラさんがまた私に
ベールを被せた。
「ええー・・・」
せっかく視界が開けて周りが見やすかったのに。
あとそれを被ると薄くても熱がこもって少し暑い。
私と会った時のカティヤ様が、ベールを被ってると
暑いんですのよー。と言って両手でパタパタ煽いで
いた意味がよく分かる。
だけど私がベールを被って視界が塞がると、まるで
石化でも解けたかのようにミリアム殿下はハッとして
目を瞬いた。
「いや、悪い。ちゃんと聞いてなかった。ていうか
俺は何か聞き間違いをしたらしい。お前がルーシャ国
のあの有名な召喚者だとか癒し子だとか・・・」
「あってますよ」
こくんと頷いて見せればまた固まった。
発言は、いくらルーシャ国の王子の同行者とはいえ
一商人であるシェラさんに話して良いことなのか。
シェラさんも興味深げに目を細めた。
「そんな不穏な事をおっしゃってよろしいので?
オレには何の力もありませんが、聞いた事はルーシャ
やリオン殿下へ伝えるかも知れませんよ。そんな事
になれば殿下やバロイ国の不利益では?」
「どうせこの国に滞在していればそのうち嫌でも
噂で聞くさ。そこにバロイが関わっているかも
知れないってこともな。そしてそれは事実だ。」
今度こそはっきりとミリアム殿下はそう言った。
「ちょっと殿下⁉︎」
そんな重要なことをあっさりと。びっくりして声を
あげれば
「何だよ猫娘。・・・いや、猫娘じゃないのか。
フィーの兄貴2人は父上の間者にやられた。それは
間違いない。ただ、エーリク様始めモリーの者達は
それを知らない。もしかしたらと疑う気持ちはある
かもしれないが、この国ではあくまで噂にとどまって
いる。気の毒過ぎて本当の事なんか言えるもんか。」
口元を歪めるようにして微かに殿下は自嘲するような
笑みを浮かべた。
「証拠はもう残っていない。だけどバロイの王族に
しか伝わっていない毒薬を使った時の特徴が、あの
2人を見舞った時に出ていた。その毒薬に薬花は
効き目が薄いんだ。それに気付いてすぐに解毒薬を
俺の兄上から分けて貰った時にはもう手遅れだった」
だからフィーだけはそんな目に合わせない、と
続ける。
そういえばミリアム殿下とこの国の二番目の王子様は
親友のような間柄だったんだっけ。
「またバロイの毒薬を使われても、俺が先に毒味を
していればすぐに気付ける。少しはそれに耐性もある
からな。だけど薬花も効き目がないような、俺も
知らない毒草や呪いの魔法をもし今も使われてたら
フィーは救えない。だからそれに備えておきたかった
ところに現れたのがお前達だった。」
そう言ってミリアム殿下は自分を見つめるシェラさん
にまっすぐ強い視線を向けた。
「俺がここまで話したのは、お前が持ち込んだあの
リンゴの干乾しがフィーに効いたからだ。何を
しても良くならなかったフィーが、あれを少し口に
しただけで目に見えて回復した。それならあれを
もっと食べれば完全に回復して、もしバロイの者が
何かしようとしても防げるんじゃないか?」
「自国の秘密を明かしてまでフィリオサ殿下を案じて
おりますか。その気持ちに真実ウソ偽りはござい
ませんね?」
「くどいなお前も。エーリク様にすら話していない
俺の国のやらかした事まで打ち明けたのに、まだ
疑ってんのか。回復したフィーがこの国をきちんと
継いで、いずれ俺の兄上が継承するバロイとも平和で
自由に往来が出来るようになればいい。そう思って
るんだよ俺は。」
しつこく念押しをしてくるシェラさんにミリアム殿下
は呆れたようにそう言った。
シェラさんはどうします?正体を告げますか?と
言いたそうに私を見る。
お互いに顔を見合わせた私達にミリアム殿下は焦れた
ように話しかけて来た。
「なあ、早いとこあのリンゴをもっと分けてくれよ。
あれがお前達がルーシャ国から持ち込んだって言う
『よく効く薬』なんだろ。それからえーと猫娘、名前
を知らないからまだそう呼ぶけどお前の使う力が珍妙
な魔物の力じゃないなら何だ?お前は魔導士か巫女
なのか?まさか噂に聞くルーシャ国の大神殿の姫巫女
ってやつか?」
「『よく効く薬』っていうのはあのリンゴのことじゃ
ないです。それ、私のことです。あの時はまだ殿下が
どういうつもりでいたのかよく分からなかったから
そう言ったんです、ごめんなさい。」
ぺこっと頭を下げると、ミリアム殿下は目を見開いて
驚いた。
「はっ?お前が薬⁉︎どういう意味だ?まさかお前の
血肉に栄養があるってんじゃないよな⁉︎この商人が
やけにお前を崇め奉ってたり黄金や宝石よりも価値が
あるっていうのはまさかそういうことか?」
でもさすがにお前の血肉を分けてくれって言うのも
それをフィーの口にさせるのも・・・なんて言って
戸惑っている。
「まさかお前、エーリク様にもお前の血か何かを
飲ませたのか⁉︎」
「違いますよ!そんなわけないじゃないですか‼︎」
なんて恐ろしいことを言い出すんだろう。
「ユーリ様、この者には暗喩が通じないようですので
はっきり伝えませんと。」
シェラさんが私の名前を口に出した。正体を明かして
大丈夫という意味だろう。
ベールも取っていいですか?と一応聞けば、
「その美しい瞳であまり殿下を見つめないように
お気をつけ下さい。ユーリ様の美しさと愛らしさに
慣れ親しんでいるルーシャの者と違い、女神を目に
したことのない人々には刺激が強過ぎて皆その虜に
なってしまいますから。」
意味の分からないことを言われた。
「相変わらず褒め言葉が過ぎますね・・・」
「事実です、オレの女神。」
そう言ってシェラさんは私の髪の毛を乱さないように
そっとベールを取ってくれた。
「おい商人、猫娘を褒めるにしても大袈裟過ぎる
だろう。何を訳の分からないことを言ってんだよ。」
ほんと何言ってるんだろうねシェラさんは。
ベールを取ってもらって明るく開けた視界で目の前の
ミリアム殿下をしっかり見る。
間にベールを挟んで見ていた時は分からなかったけど
薬花の色よりは少し明るい髪色だ。瞳の色も、青紫と
いうよりは青に近い。その色にふとリオン様を連想
して、今頃どうしているのかなと思った。
「私は別の世界からルーシャ国に召喚された召喚者で
ユーリっていいます。イリューディアさんのおかげで
癒しや治癒の力を使えるので、ミオ宰相さんにお願い
されて今回モリー公国に来ました。まあ、着いて
早々人間じゃないって誤解されちゃいましたけど。」
説明している私の顔をミリアム殿下は見ているけど、
驚いているのか目を見開いたまま動かない。
瞬きもしないで私を見てるけど目が乾かないのかな。
「えーと殿下、人の話聞いてます?」
あまりにも微動だにしないので心配になる。
その様子を見たシェラさんがため息をついた。
「やはり女神の美しさに免疫のないものには刺激が
強過ぎたようです。このままではユーリ様に見惚れて
埒があきませんのでもう一度お顔を隠していただき
ましょうか。」
失礼します、と断りを入れたシェラさんがまた私に
ベールを被せた。
「ええー・・・」
せっかく視界が開けて周りが見やすかったのに。
あとそれを被ると薄くても熱がこもって少し暑い。
私と会った時のカティヤ様が、ベールを被ってると
暑いんですのよー。と言って両手でパタパタ煽いで
いた意味がよく分かる。
だけど私がベールを被って視界が塞がると、まるで
石化でも解けたかのようにミリアム殿下はハッとして
目を瞬いた。
「いや、悪い。ちゃんと聞いてなかった。ていうか
俺は何か聞き間違いをしたらしい。お前がルーシャ国
のあの有名な召喚者だとか癒し子だとか・・・」
「あってますよ」
こくんと頷いて見せればまた固まった。
26
お気に入りに追加
1,904
あなたにおすすめの小説
酒の席での戯言ですのよ。
ぽんぽこ狸
恋愛
成人前の令嬢であるリディアは、婚約者であるオーウェンの部屋から聞こえてくる自分の悪口にただ耳を澄ませていた。
何度もやめてほしいと言っていて、両親にも訴えているのに彼らは総じて酒の席での戯言だから流せばいいと口にする。
そんな彼らに、リディアは成人を迎えた日の晩餐会で、仕返しをするのだった。
世界を救いし聖女は、聖女を止め、普通の村娘になり、普通の生活をし、普通の恋愛をし、普通に生きていく事を望みます!
光子
恋愛
私の名前は、リーシャ=ルド=マルリレーナ。
前職 聖女。
国を救った聖女として、王子様と結婚し、優雅なお城で暮らすはずでしたーーーが、
聖女としての役割を果たし終えた今、私は、私自身で生活を送る、普通の生活がしたいと、心より思いました!
だから私はーーー聖女から村娘に転職して、自分の事は自分で出来て、常に傍に付きっ切りでお世話をする人達のいない生活をして、普通に恋愛をして、好きな人と結婚するのを夢見る、普通の女の子に、今日からなります!!!
聖女として身の回りの事を一切せず生きてきた生活能力皆無のリーシャが、器用で優しい生活能力抜群の少年イマルに一途に恋しつつ、優しい村人達に囲まれ、成長していく物語ーー。
女性の少ない異世界に生まれ変わったら
Azuki
恋愛
高校に登校している途中、道路に飛び出した子供を助ける形でトラックに轢かれてそのまま意識を失った私。
目を覚ますと、私はベッドに寝ていて、目の前にも周りにもイケメン、イケメン、イケメンだらけーーー!?
なんと私は幼女に生まれ変わっており、しかもお嬢様だった!!
ーーやった〜!勝ち組人生来た〜〜〜!!!
そう、心の中で思いっきり歓喜していた私だけど、この世界はとんでもない世界で・・・!?
これは、女性が圧倒的に少ない異世界に転生した私が、家族や周りから溺愛されながら様々な問題を解決して、更に溺愛されていく物語。
皆で異世界転移したら、私だけがハブかれてイケメンに囲まれた
愛丸 リナ
恋愛
少女は綺麗過ぎた。
整った顔、透き通るような金髪ロングと薄茶と灰色のオッドアイ……彼女はハーフだった。
最初は「可愛い」「綺麗」って言われてたよ?
でも、それは大きくなるにつれ、言われなくなってきて……いじめの対象になっちゃった。
クラス一斉に異世界へ転移した時、彼女だけは「醜女(しこめ)だから」と国外追放を言い渡されて……
たった一人で途方に暮れていた時、“彼ら”は現れた
それが後々あんな事になるなんて、その時の彼女は何も知らない
______________________________
ATTENTION
自己満小説満載
一話ずつ、出来上がり次第投稿
急亀更新急チーター更新だったり、不定期更新だったりする
文章が変な時があります
恋愛に発展するのはいつになるのかは、まだ未定
以上の事が大丈夫な方のみ、ゆっくりしていってください
職業『お飾りの妻』は自由に過ごしたい
LinK.
恋愛
勝手に決められた婚約者との初めての顔合わせ。
相手に契約だと言われ、もう後がないサマンサは愛のない形だけの契約結婚に同意した。
何事にも従順に従って生きてきたサマンサ。
相手の求める通りに動く彼女は、都合のいいお飾りの妻だった。
契約中は立派な妻を演じましょう。必要ない時は自由に過ごしても良いですよね?
転生したら、6人の最強旦那様に溺愛されてます!?~6人の愛が重すぎて困ってます!~
月
恋愛
ある日、女子高生だった白川凛(しらかわりん)
は学校の帰り道、バイトに遅刻しそうになったのでスピードを上げすぎ、そのまま階段から落ちて死亡した。
しかし、目が覚めるとそこは異世界だった!?
(もしかして、私、転生してる!!?)
そして、なんと凛が転生した世界は女性が少なく、一妻多夫制だった!!!
そんな世界に転生した凛と、将来の旦那様は一体誰!?
愛など初めからありませんが。
ましろ
恋愛
お金で売られるように嫁がされた。
お相手はバツイチ子持ちの伯爵32歳。
「君は子供の面倒だけ見てくれればいい」
「要するに貴方様は幸せ家族の演技をしろと仰るのですよね?ですが、子供達にその様な演技力はありますでしょうか?」
「……何を言っている?」
仕事一筋の鈍感不器用夫に嫁いだミッシェルの未来はいかに?
✻基本ゆるふわ設定。箸休め程度に楽しんでいただけると幸いです。
愛なんてどこにもないと知っている
紫楼
恋愛
私は親の選んだ相手と政略結婚をさせられた。
相手には長年の恋人がいて婚約時から全てを諦め、貴族の娘として割り切った。
白い結婚でも社交界でどんなに噂されてもどうでも良い。
結局は追い出されて、家に帰された。
両親には叱られ、兄にはため息を吐かれる。
一年もしないうちに再婚を命じられた。
彼は兄の親友で、兄が私の初恋だと勘違いした人。
私は何も期待できないことを知っている。
彼は私を愛さない。
主人公以外が愛や恋に迷走して暴走しているので、主人公は最後の方しか、トキメキがないです。
作者の脳内の世界観なので現実世界の法律や常識とは重ねないでお読むください。
誤字脱字は多いと思われますので、先にごめんなさい。
他サイトにも載せています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる