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第十三章 好きこそものの上手なれ
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もうこれ以上はないという位、間近でシグウェルさん
のイケメンなご尊顔を拝して更に一生分の褒め言葉を
畳み掛けるように言われた気がする。
それなのにまだ何か言うつもりとは。
顔の赤みが全然ひかないまま呆然としていたら、
そこでエル君からストップがかかった。
「そこまでです。」
ちゃきっ、と私とシグウェルさんの間に剣が
差し込まれた。
あれ?エル君、剣なんてどこに持ってたんだろう。
ていうかシェラさんの時はケーキ用ナイフだったけど
いちいち私と相手の間に刃物を差し込むあたりが
物騒だ。
「マリーさんが戻って来ます。これ以上続けると、
侍女の情報網という名の噂話に乗って2人のことが
遠くダーヴィゼルドはおろかノイエ領や魔導士団長の
ご実家、ユールヴァルト領まで届いてしまいます。
それでもいいですか?」
いつもの無表情な赤い瞳でエル君はそう告げる。
それにシグウェルさんはちっ、と小さく舌打ちを
してすいと立ち上がった。
「俺を脅すとはいい度胸だ。さすがイリヤ殿下の
育てた剣だな。だがうちの実家の連中に今この事を
知られると暴走して面倒なのも事実だ。今日はこれ位
にしておこう。」
今日は⁉︎まさかこれから会う度にこんな至近距離で
迫るつもりなのかな⁉︎
シグウェルさんの言葉にびっくりしていると、それを
面白そうに眺められて
「とりあえず俺と君の間にあった認識の差は埋まった
と考えていいだろうな?後は君、早いところ俺を
伴侶にするかどうか決めた方がいいぞ。でなければ
これから先も覚悟しておけ。」
そんな事を言われた。
「ユーリ様・・・なんか開き直った団長に魔法を
極めようとするのと同等の熱意と執着を持たれてる
ような気がするんすけど、もしそうだったらかなり
面倒っすよ?早いとこ降参して団長を伴侶に選んだ方
がいい気がするっす。」
ユリウスさんが気の毒そうな目で私を見る。
「え⁉︎断るって選択肢はないんですか⁉︎」
「まだ迷ってるくせに・・・。断ってもいいとは
思いますけどそしたら多分、団長が納得する理由を
説明出来るまで付き纏われるっすね。」
だから受け入れる方が楽だと思うっす。と全然
頼りにならないアドバイスと共に、
「三人かぁ・・・。しかもみんなそれぞれクセが
つよ・・じゃなくて個性的だから大変そうっすね。
もうこうなったら開き直って勇者様越えを目指したら
いいんじゃないスか?目指せ七人越え。」
「ひとごとだと思って適当な事を言わないで
下さい!」
恐ろしいことを言うユリウスさんについ手が出て
ぽかりと殴ったけど、
「うわぁかわいい。全然痛くないっすよ、やっぱり
ユーリ様って非力っすねぇ。」
そんな言葉を返されて、更にはシグウェルさんにまで
「それはさすがに多過ぎるだろう。伴侶は数が
多ければ良いというものでもない。ユーリ、君、
悪い事は言わないから俺で打ち止めにしておけ。
君が物足りないなどと思わないよう、心身共に
ちゃんと満足させてやる。」
また豪速球を投げ込まれた。
心身共に満足⁉︎何が⁉︎シグウェルさんの雰囲気と
言い回しにそこはかとなくいやらしさを感じる。
なぜかそう思って赤くなれば、
「ヒィッ!団長何言ってんすか⁉︎本当に今この場に
リオン殿下がいなくて良かったっす‼︎」
またユリウスさんも赤くなった。
・・・さっきから何故か私よりもユリウスさんの方が
シグウェルさんの口説き文句にやられているような
気がするのは気のせいかな?
そう思って小首を傾げていたら、軽いノック音と
共にちょうどマリーさんが戻って来た。
「マリーさん!お帰りなさい‼︎」
シグウェルさんとは物理的にちょっと距離を取って
落ち着こう。そう思ってソファを降りてマリーさんに
抱きつく。
いきさつを知らないマリーさんは
「あら、どうしたんですかユーリ様。随分と甘えて
来ますね?」
とただ嬉しそうだ。
その後はマリーさんに新しくお茶を淹れてもらって、
改めてアドニスの町でグノーデルさんに言われたこと
を伝える。
「この魔石はグノーデルさんがずっと持っていた
そうですよ。だからもしかすると自分の力が少し
染み付いてしまっているかも知れないけど、悪い物
ではないから大丈夫だって言ってました。」
その言葉にシグウェルさんとユリウスさんの二人は
魔石を見つめた。
「・・・なるほど、これから感じる恐ろしいほど
強力な魔力は元々『強欲の目』が持っている魔力だけ
ではなくグノーデル神様の神威も加わったものか。」
「これ、見てるだけでもちょっと嫌な感じがして
触りたくないのに、グノーデル神様の恐ろしい力も
加わってるとかますます近付きたくないっすねぇ。」
恐々とユリウスさんは言った。
そういえばシグウェルさんも指先で触れたりちょっと
撫でたりはしてるけど、直接手に取ったりはして
いない。
「この魔石、そんなに触りたくない物ですか?」
私が白い布ごと自分の目の高さまで持ち上げて
見てみるけど、特に嫌な感じがするとかはない。
そもそもそんな物であればポシェットに入れてずっと
持ち歩いたりはしないし。
「え?ユーリ様、鈍い・・・」
ユリウスさん、失礼だな!
「私が鈍いかどうかはともかく、これを触ってても
怖いとか気持ち悪いとか思わないのは事実ですね。
アドニスから帰って来てからも、今日ここに来る
までは毎晩綺麗に磨いてましたし。」
おかげで魔石はピカピカで、綺麗な濃い蜂蜜色に
輝いている。
「シグウェルさんの実家にある錫杖?って言う
んですかね?
それについている偽物と交換しなきゃいけない
んですよね。これ、今日ここに預けていってもいい
ですか?」
そう聞けばシグウェルさんはいや、と頭を振った。
「これはまだ君が預かっていてくれるか。実家に
連絡を取り、偽物のついている杖を持って来て貰う。
杖には『強欲の目』に宿る竜の魔力を安定させる魔法
もかけてあるからな。さすがに俺もこの魔石単体を
長時間ただ身近に置いておくのは落ち着かない。」
他の人よりもずっと魔力量の多いシグウェルさんでも
そうなんだ。私にはただの綺麗な石にしか見えない
んだけどな。そう思っていると
「君がそれに触れていてなんともないのは君が加護を
受けているイリューディア神様の力の方がそれに
宿る竜の魔力を上回っているからだろう。加えて、
君はグノーデル神様の加護も持っている。それは
魔石に染み付いたグノーデル神様の力とも親和性が
高いおかげで魔石を完全に管理下に置いている状態
なんだろうな。」
シグウェルさんに分析された。なるほど、魔石に
とって私は剣を納める鞘みたいなものなのかな?
「じゃあとりあえずこれはまた持ち帰って私が保管
してますね。準備が出来たら連絡をくれますか?
その時はまた魔導士院に来ます!」
そんな話をして魔導士院を後にした数日後、準備が
出来たので来て欲しいと言われたその場所は魔導士院
ではなかった。
なんと王都の貴族街の中にあるユールヴァルト家の、
いわゆるタウンハウスに招待されたのだった。
のイケメンなご尊顔を拝して更に一生分の褒め言葉を
畳み掛けるように言われた気がする。
それなのにまだ何か言うつもりとは。
顔の赤みが全然ひかないまま呆然としていたら、
そこでエル君からストップがかかった。
「そこまでです。」
ちゃきっ、と私とシグウェルさんの間に剣が
差し込まれた。
あれ?エル君、剣なんてどこに持ってたんだろう。
ていうかシェラさんの時はケーキ用ナイフだったけど
いちいち私と相手の間に刃物を差し込むあたりが
物騒だ。
「マリーさんが戻って来ます。これ以上続けると、
侍女の情報網という名の噂話に乗って2人のことが
遠くダーヴィゼルドはおろかノイエ領や魔導士団長の
ご実家、ユールヴァルト領まで届いてしまいます。
それでもいいですか?」
いつもの無表情な赤い瞳でエル君はそう告げる。
それにシグウェルさんはちっ、と小さく舌打ちを
してすいと立ち上がった。
「俺を脅すとはいい度胸だ。さすがイリヤ殿下の
育てた剣だな。だがうちの実家の連中に今この事を
知られると暴走して面倒なのも事実だ。今日はこれ位
にしておこう。」
今日は⁉︎まさかこれから会う度にこんな至近距離で
迫るつもりなのかな⁉︎
シグウェルさんの言葉にびっくりしていると、それを
面白そうに眺められて
「とりあえず俺と君の間にあった認識の差は埋まった
と考えていいだろうな?後は君、早いところ俺を
伴侶にするかどうか決めた方がいいぞ。でなければ
これから先も覚悟しておけ。」
そんな事を言われた。
「ユーリ様・・・なんか開き直った団長に魔法を
極めようとするのと同等の熱意と執着を持たれてる
ような気がするんすけど、もしそうだったらかなり
面倒っすよ?早いとこ降参して団長を伴侶に選んだ方
がいい気がするっす。」
ユリウスさんが気の毒そうな目で私を見る。
「え⁉︎断るって選択肢はないんですか⁉︎」
「まだ迷ってるくせに・・・。断ってもいいとは
思いますけどそしたら多分、団長が納得する理由を
説明出来るまで付き纏われるっすね。」
だから受け入れる方が楽だと思うっす。と全然
頼りにならないアドバイスと共に、
「三人かぁ・・・。しかもみんなそれぞれクセが
つよ・・じゃなくて個性的だから大変そうっすね。
もうこうなったら開き直って勇者様越えを目指したら
いいんじゃないスか?目指せ七人越え。」
「ひとごとだと思って適当な事を言わないで
下さい!」
恐ろしいことを言うユリウスさんについ手が出て
ぽかりと殴ったけど、
「うわぁかわいい。全然痛くないっすよ、やっぱり
ユーリ様って非力っすねぇ。」
そんな言葉を返されて、更にはシグウェルさんにまで
「それはさすがに多過ぎるだろう。伴侶は数が
多ければ良いというものでもない。ユーリ、君、
悪い事は言わないから俺で打ち止めにしておけ。
君が物足りないなどと思わないよう、心身共に
ちゃんと満足させてやる。」
また豪速球を投げ込まれた。
心身共に満足⁉︎何が⁉︎シグウェルさんの雰囲気と
言い回しにそこはかとなくいやらしさを感じる。
なぜかそう思って赤くなれば、
「ヒィッ!団長何言ってんすか⁉︎本当に今この場に
リオン殿下がいなくて良かったっす‼︎」
またユリウスさんも赤くなった。
・・・さっきから何故か私よりもユリウスさんの方が
シグウェルさんの口説き文句にやられているような
気がするのは気のせいかな?
そう思って小首を傾げていたら、軽いノック音と
共にちょうどマリーさんが戻って来た。
「マリーさん!お帰りなさい‼︎」
シグウェルさんとは物理的にちょっと距離を取って
落ち着こう。そう思ってソファを降りてマリーさんに
抱きつく。
いきさつを知らないマリーさんは
「あら、どうしたんですかユーリ様。随分と甘えて
来ますね?」
とただ嬉しそうだ。
その後はマリーさんに新しくお茶を淹れてもらって、
改めてアドニスの町でグノーデルさんに言われたこと
を伝える。
「この魔石はグノーデルさんがずっと持っていた
そうですよ。だからもしかすると自分の力が少し
染み付いてしまっているかも知れないけど、悪い物
ではないから大丈夫だって言ってました。」
その言葉にシグウェルさんとユリウスさんの二人は
魔石を見つめた。
「・・・なるほど、これから感じる恐ろしいほど
強力な魔力は元々『強欲の目』が持っている魔力だけ
ではなくグノーデル神様の神威も加わったものか。」
「これ、見てるだけでもちょっと嫌な感じがして
触りたくないのに、グノーデル神様の恐ろしい力も
加わってるとかますます近付きたくないっすねぇ。」
恐々とユリウスさんは言った。
そういえばシグウェルさんも指先で触れたりちょっと
撫でたりはしてるけど、直接手に取ったりはして
いない。
「この魔石、そんなに触りたくない物ですか?」
私が白い布ごと自分の目の高さまで持ち上げて
見てみるけど、特に嫌な感じがするとかはない。
そもそもそんな物であればポシェットに入れてずっと
持ち歩いたりはしないし。
「え?ユーリ様、鈍い・・・」
ユリウスさん、失礼だな!
「私が鈍いかどうかはともかく、これを触ってても
怖いとか気持ち悪いとか思わないのは事実ですね。
アドニスから帰って来てからも、今日ここに来る
までは毎晩綺麗に磨いてましたし。」
おかげで魔石はピカピカで、綺麗な濃い蜂蜜色に
輝いている。
「シグウェルさんの実家にある錫杖?って言う
んですかね?
それについている偽物と交換しなきゃいけない
んですよね。これ、今日ここに預けていってもいい
ですか?」
そう聞けばシグウェルさんはいや、と頭を振った。
「これはまだ君が預かっていてくれるか。実家に
連絡を取り、偽物のついている杖を持って来て貰う。
杖には『強欲の目』に宿る竜の魔力を安定させる魔法
もかけてあるからな。さすがに俺もこの魔石単体を
長時間ただ身近に置いておくのは落ち着かない。」
他の人よりもずっと魔力量の多いシグウェルさんでも
そうなんだ。私にはただの綺麗な石にしか見えない
んだけどな。そう思っていると
「君がそれに触れていてなんともないのは君が加護を
受けているイリューディア神様の力の方がそれに
宿る竜の魔力を上回っているからだろう。加えて、
君はグノーデル神様の加護も持っている。それは
魔石に染み付いたグノーデル神様の力とも親和性が
高いおかげで魔石を完全に管理下に置いている状態
なんだろうな。」
シグウェルさんに分析された。なるほど、魔石に
とって私は剣を納める鞘みたいなものなのかな?
「じゃあとりあえずこれはまた持ち帰って私が保管
してますね。準備が出来たら連絡をくれますか?
その時はまた魔導士院に来ます!」
そんな話をして魔導士院を後にした数日後、準備が
出来たので来て欲しいと言われたその場所は魔導士院
ではなかった。
なんと王都の貴族街の中にあるユールヴァルト家の、
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