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第十一章 働かざる者食うべからず
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マルク・ジーンの服飾工房。
看板を確かめて、もう一度ショーウィンドウを覗く。
かわいい黒猫や小鳥、お花など色々なモチーフが
ワンポイントで刺繍された色とりどりのハンカチ。
パン籠にかぶせる布にはおいしそうなパンの刺繍だ。
テーブルクロスにもどこかのおうちの家紋らしい
意匠が丁寧に刺繍されている。
どれもとてもこまやかで色使いも素敵だった。
・・・そうだ、奥の院のみんなにハンカチを
プレゼントするのはどうだろう。
悲しいことに、私に刺繍のセンスは全くないけど
奥の院で働くみんなでお揃いの物を持てたら素敵
だなといつも思っていた。
それに侍女さんごっこの時にシンシアさんに、
リオン様の侍女の印ですよと青い石のブローチを
付けてもらってから思っていたけど本当は私も
私の侍女さんの印にブローチでもプレゼントしたい。
だけどいいお店を知らないのだ。あげる時は
サプライズプレゼントにしたかったので、実は
マリーさんにも相談出来ないでいた。
ここで聞けば、そういうブローチを買えるどこか
おすすめの店も教えてくれるかな?
ハンカチとブローチ。お菓子の他に、奥の院の
みんなにこの2つもあげられたら素敵だ。
「レジナスさん、このお店を見て行ってもいい
ですか?」
頷いたレジナスさんが、
「マルクの店か。騎士団でもシャツの仕立てを
頼む奴らが多い、仕事の丁寧ないい店だ。
最近はハンカチの刺繍もやっているのか。」
そう言いながら店の扉を開けてくれた。
チリン、と鈴が軽やかな音を立てて中に入ると
そこにはショーウィンドウに飾っているよりも
たくさんの刺繍入りハンカチが並んでいた。
「かわいい‼︎」
ハンカチ自体も、レースの縁取りのものや丸型のもの
など色々ある。どんなハンカチを贈ろうか。
いらっしゃい、と針仕事の手を止めてにっこりと
微笑んでくれた男の人はその茶色い髪の色も相まって
話しやすそうな明るい雰囲気を醸し出している。
この人が店主のマルクさんかな?
「あの、希望すれば自分の好きな柄の刺繍を入れた
ハンカチも注文することはできますか?」
ちょっと高さのある作業台は、背伸びをしないと
店主らしきその人が見えない。
頑張って顔を半分覗かせてそう聞けば、目を丸くして
一呼吸おいたその人は明るく笑った。
「もちろんお嬢さんのお好きな柄をお入れしますよ!
ほら、見えますか?今は癒し子様の意匠の黒猫や
金のリンゴの刺繍が人気でそればっかり頼まれて
いるんです。」
「えっ⁉︎」
私モチーフの刺繍⁉︎そんなのが流行ってるんだ。
全然知らなかった。
レジナスさんが私を持ち上げて見やすくしてくれる。
本当だ。たった今針仕事をしていたグレーのその
ハンカチには、赤いリボンをした黒猫の刺繍が
入っている。
かわいい刺繍だけど何だか複雑な気分だ・・・。
そう思って眺めていると、その刺繍を気に入って
熱心に見ていると勘違いされたらしく、黒猫の
刺繍入りハンカチなら向こうにいろんな種類が
あるよと教えてくれた。
レジナスさんと一緒にせまい店内をそちらに移動して
コソコソ話す。
「え?こんなのが流行ってるなんてレジナスさん
知ってました?」
「いや、初耳だ。リオン様にも一つ買って帰るか?」
「それだったら私とリオン様のモチーフを何か
刺繍したハンカチをお土産にしたいです!
リオン様を表すものって何かありますか?」
「賢者を意味する白フクロウや勇敢さを表す
白い虎だな。」
おお、カッコいい。
白い虎なんてまるでグノーデルさんみたいだ。
「じゃあ白い虎と黒猫を組み合わせた刺繍にします!
・・・すみません、あの‼︎」
店主さんに呼びかける。ついでに奥の院のみんなに
プレゼントするための刺繍の柄についても相談して
みた。金のリンゴに、先日の金の矢と私の名前の
イニシャル、Yの字を組み合わせたものだ。
店主のマルクさんはその場でさらさらとその3つを
組み合わせた刺繍の柄を考えてくれて何種類か
デザイン画におこしてくれた。
その中から一つ選んで、リオン様へのお土産の分と
併せて後日騎士団へ届けてもらうようにした。
直接奥の院に届けるように頼むと何者かと怪しまれる
からね。現に、届け先を騎士団へ。と言ったら
不思議そうに聞かれてしまった。
「お嬢さんはそんなに小さいのに、騎士団に
いるのかい?侍女か何かかい?」
「騎士団の団長さんはご存知ですか?私はその人の
姪で、今は田舎から遊びに来てるんです!
なのでもし私が田舎に帰った後に完成した場合
の事も考えて、品物は騎士団へお願いしますね!
団長さんが受け取ってくれるはずなので。」
「ああ、なるほど。それで騎士の人が護衛について
いたのか。」
そう言って背後のレジナスさんにぺこりとお辞儀を
してくれた。今日のレジナスさんは私服だけど、
腰の両側に帯剣しているし雰囲気も護衛らしい
きりっとしたところは崩していないからすぐに
騎士だと分かったらしい。
「俺の友人も騎士団にいるんだよ。騎士の人達には
王都や王族をいつも守ってもらって、ありがたい
ばかりだ。」
そう言ってまた頭を下げた。強面のレジナスさんは
初見の人に怖がられることも多いのに、この人は
あんまり怖がらないな。
「店主さんはレジナスさんを怖がらないですね?
ありがとうございます!」
「いや、顔は怖くても騎士はみんないい人達だって
分かってるから・・・ってレジナスさん⁉︎まさか
殿下の護衛騎士で癒し子様の護衛もする、あの
有名なレジナス様⁉︎」
マルクさんがギョッとしている。
あれ、レジナスさんてそんなに驚かれるほど
有名な人なんだ?
マルクさんは作業台の向こうから慌てて飛び出して
くると、レジナスさんに握手を求めている。
「いやぁ、騎士をやっている俺の友人があなたの
大ファンで昔からそのお噂だけは伺っておりました!
まさか実際お目にかかれるとは・・・!その、
癒し子様はお元気で?」
はい、元気に目の前にいますよ。
口には出せないけどそう思いながらそのやりとりを
見守る。マルクさんは握手した手をまだ繋いだまま
レジナスさんに話しかけている。
「あの王都の夜は俺も体の悪いところを治してもらい
癒し子様には感謝しかありません!いつかお目に
かかり、直接お礼が言えればといつも神殿には
お祈りをしに行っているんです。それでその、
一つお聞きしたいんですが・・・」
マルクさんが言葉を濁した。
「俺が答えられる範囲のことなら何でも答えるが。
何が聞きたい?」
レジナスさんの言葉に、マルクさんは店内に私達
しかいないというのに辺りをきょろきょろすると
声をひそめて聞いてきた。
「失礼を承知でお聞きします。癒し子様は侍女服が
お好きで着られることが・・・?」
ええ⁉︎何それ!街ではそんな噂にでもなって
いるんだろうか。
驚いたのは私だけでなくレジナスさんもだ。
せっかく忘れかけていたのに、またあの時の膝枕の
やり取りとかリオン様の所で侍女姿の私にお茶を
出してもらったのを思い出したらしい。
顔はかろうじて赤くならなかったけど、挙動不審に
なった。一拍間を置いて
「・・・なぜそんな話が?」
動揺したように答えたレジナスさんの態度に
やっぱり、とマルクさんは頷いた。
「大丈夫です。癒し子様が侍女服がよくお似合いで、
騎士達がその姿をものすごく見たがっているのは
まだ街では俺しか知りませんから。名誉ある騎士が
侍女服を俺に作らせると言い出した時は何をバカなと
思いましたが、そうか。レジナス様が動揺される
なんて、もしかして癒し子様の侍女服姿をご覧に
なったことがあるんですか?侍女服がお似合いに
なるのは本当ですか?」
矢継ぎ早やに質問が飛んできた。あ、もうその
辺で。これ以上レジナスさんに余計なことを
思い出させないで欲しい。
あと騎士さん達が私に着て欲しくて侍女服を
作ろうとしてたのは初耳だ。なんでまた・・・。
マルクさんの質問に、どう答えたものかと困惑する
レジナスさんがかわいそうになって口を挟んだ。
「ごめんなさい。癒し子様のことはあんまり
話しちゃいけないって言われているんです。
それ以外のことなら答えてもいいと思うんです
けど。ね、レジナスさん。」
ちょいちょいとその袖を引く。そんな私にハッと
してそうだな、とレジナスさんも話を合わせて
頷いてくれた。
「申し訳ないが、癒し子様についてはあまり下手な
話はできない。根も葉もない、いい加減な噂話が
横行しても困るのでな。」
「そうですか・・・残念ですが仕方ありませんね。
本当はもっと、別の噂についても確かめたかった
んですが。」
「別の噂話?」
「ええ。イリューディア神様のご加護がついている
癒し子様は、その歩いた後には緑が茂り、笑えば
ピンク色の花が降り注ぐとか。それにパン籠を
見つめるだけで籠の中にはパンがいくつも湧き
上がって来たり、不妊に悩む人のお腹を撫でる
だけで子供に恵まれるとか・・・」
な、なにそれ。私の使う加護の力があちこち曲解と
誇張をされて伝わっている⁉︎
すでに根も葉もない噂話が横行していた。
看板を確かめて、もう一度ショーウィンドウを覗く。
かわいい黒猫や小鳥、お花など色々なモチーフが
ワンポイントで刺繍された色とりどりのハンカチ。
パン籠にかぶせる布にはおいしそうなパンの刺繍だ。
テーブルクロスにもどこかのおうちの家紋らしい
意匠が丁寧に刺繍されている。
どれもとてもこまやかで色使いも素敵だった。
・・・そうだ、奥の院のみんなにハンカチを
プレゼントするのはどうだろう。
悲しいことに、私に刺繍のセンスは全くないけど
奥の院で働くみんなでお揃いの物を持てたら素敵
だなといつも思っていた。
それに侍女さんごっこの時にシンシアさんに、
リオン様の侍女の印ですよと青い石のブローチを
付けてもらってから思っていたけど本当は私も
私の侍女さんの印にブローチでもプレゼントしたい。
だけどいいお店を知らないのだ。あげる時は
サプライズプレゼントにしたかったので、実は
マリーさんにも相談出来ないでいた。
ここで聞けば、そういうブローチを買えるどこか
おすすめの店も教えてくれるかな?
ハンカチとブローチ。お菓子の他に、奥の院の
みんなにこの2つもあげられたら素敵だ。
「レジナスさん、このお店を見て行ってもいい
ですか?」
頷いたレジナスさんが、
「マルクの店か。騎士団でもシャツの仕立てを
頼む奴らが多い、仕事の丁寧ないい店だ。
最近はハンカチの刺繍もやっているのか。」
そう言いながら店の扉を開けてくれた。
チリン、と鈴が軽やかな音を立てて中に入ると
そこにはショーウィンドウに飾っているよりも
たくさんの刺繍入りハンカチが並んでいた。
「かわいい‼︎」
ハンカチ自体も、レースの縁取りのものや丸型のもの
など色々ある。どんなハンカチを贈ろうか。
いらっしゃい、と針仕事の手を止めてにっこりと
微笑んでくれた男の人はその茶色い髪の色も相まって
話しやすそうな明るい雰囲気を醸し出している。
この人が店主のマルクさんかな?
「あの、希望すれば自分の好きな柄の刺繍を入れた
ハンカチも注文することはできますか?」
ちょっと高さのある作業台は、背伸びをしないと
店主らしきその人が見えない。
頑張って顔を半分覗かせてそう聞けば、目を丸くして
一呼吸おいたその人は明るく笑った。
「もちろんお嬢さんのお好きな柄をお入れしますよ!
ほら、見えますか?今は癒し子様の意匠の黒猫や
金のリンゴの刺繍が人気でそればっかり頼まれて
いるんです。」
「えっ⁉︎」
私モチーフの刺繍⁉︎そんなのが流行ってるんだ。
全然知らなかった。
レジナスさんが私を持ち上げて見やすくしてくれる。
本当だ。たった今針仕事をしていたグレーのその
ハンカチには、赤いリボンをした黒猫の刺繍が
入っている。
かわいい刺繍だけど何だか複雑な気分だ・・・。
そう思って眺めていると、その刺繍を気に入って
熱心に見ていると勘違いされたらしく、黒猫の
刺繍入りハンカチなら向こうにいろんな種類が
あるよと教えてくれた。
レジナスさんと一緒にせまい店内をそちらに移動して
コソコソ話す。
「え?こんなのが流行ってるなんてレジナスさん
知ってました?」
「いや、初耳だ。リオン様にも一つ買って帰るか?」
「それだったら私とリオン様のモチーフを何か
刺繍したハンカチをお土産にしたいです!
リオン様を表すものって何かありますか?」
「賢者を意味する白フクロウや勇敢さを表す
白い虎だな。」
おお、カッコいい。
白い虎なんてまるでグノーデルさんみたいだ。
「じゃあ白い虎と黒猫を組み合わせた刺繍にします!
・・・すみません、あの‼︎」
店主さんに呼びかける。ついでに奥の院のみんなに
プレゼントするための刺繍の柄についても相談して
みた。金のリンゴに、先日の金の矢と私の名前の
イニシャル、Yの字を組み合わせたものだ。
店主のマルクさんはその場でさらさらとその3つを
組み合わせた刺繍の柄を考えてくれて何種類か
デザイン画におこしてくれた。
その中から一つ選んで、リオン様へのお土産の分と
併せて後日騎士団へ届けてもらうようにした。
直接奥の院に届けるように頼むと何者かと怪しまれる
からね。現に、届け先を騎士団へ。と言ったら
不思議そうに聞かれてしまった。
「お嬢さんはそんなに小さいのに、騎士団に
いるのかい?侍女か何かかい?」
「騎士団の団長さんはご存知ですか?私はその人の
姪で、今は田舎から遊びに来てるんです!
なのでもし私が田舎に帰った後に完成した場合
の事も考えて、品物は騎士団へお願いしますね!
団長さんが受け取ってくれるはずなので。」
「ああ、なるほど。それで騎士の人が護衛について
いたのか。」
そう言って背後のレジナスさんにぺこりとお辞儀を
してくれた。今日のレジナスさんは私服だけど、
腰の両側に帯剣しているし雰囲気も護衛らしい
きりっとしたところは崩していないからすぐに
騎士だと分かったらしい。
「俺の友人も騎士団にいるんだよ。騎士の人達には
王都や王族をいつも守ってもらって、ありがたい
ばかりだ。」
そう言ってまた頭を下げた。強面のレジナスさんは
初見の人に怖がられることも多いのに、この人は
あんまり怖がらないな。
「店主さんはレジナスさんを怖がらないですね?
ありがとうございます!」
「いや、顔は怖くても騎士はみんないい人達だって
分かってるから・・・ってレジナスさん⁉︎まさか
殿下の護衛騎士で癒し子様の護衛もする、あの
有名なレジナス様⁉︎」
マルクさんがギョッとしている。
あれ、レジナスさんてそんなに驚かれるほど
有名な人なんだ?
マルクさんは作業台の向こうから慌てて飛び出して
くると、レジナスさんに握手を求めている。
「いやぁ、騎士をやっている俺の友人があなたの
大ファンで昔からそのお噂だけは伺っておりました!
まさか実際お目にかかれるとは・・・!その、
癒し子様はお元気で?」
はい、元気に目の前にいますよ。
口には出せないけどそう思いながらそのやりとりを
見守る。マルクさんは握手した手をまだ繋いだまま
レジナスさんに話しかけている。
「あの王都の夜は俺も体の悪いところを治してもらい
癒し子様には感謝しかありません!いつかお目に
かかり、直接お礼が言えればといつも神殿には
お祈りをしに行っているんです。それでその、
一つお聞きしたいんですが・・・」
マルクさんが言葉を濁した。
「俺が答えられる範囲のことなら何でも答えるが。
何が聞きたい?」
レジナスさんの言葉に、マルクさんは店内に私達
しかいないというのに辺りをきょろきょろすると
声をひそめて聞いてきた。
「失礼を承知でお聞きします。癒し子様は侍女服が
お好きで着られることが・・・?」
ええ⁉︎何それ!街ではそんな噂にでもなって
いるんだろうか。
驚いたのは私だけでなくレジナスさんもだ。
せっかく忘れかけていたのに、またあの時の膝枕の
やり取りとかリオン様の所で侍女姿の私にお茶を
出してもらったのを思い出したらしい。
顔はかろうじて赤くならなかったけど、挙動不審に
なった。一拍間を置いて
「・・・なぜそんな話が?」
動揺したように答えたレジナスさんの態度に
やっぱり、とマルクさんは頷いた。
「大丈夫です。癒し子様が侍女服がよくお似合いで、
騎士達がその姿をものすごく見たがっているのは
まだ街では俺しか知りませんから。名誉ある騎士が
侍女服を俺に作らせると言い出した時は何をバカなと
思いましたが、そうか。レジナス様が動揺される
なんて、もしかして癒し子様の侍女服姿をご覧に
なったことがあるんですか?侍女服がお似合いに
なるのは本当ですか?」
矢継ぎ早やに質問が飛んできた。あ、もうその
辺で。これ以上レジナスさんに余計なことを
思い出させないで欲しい。
あと騎士さん達が私に着て欲しくて侍女服を
作ろうとしてたのは初耳だ。なんでまた・・・。
マルクさんの質問に、どう答えたものかと困惑する
レジナスさんがかわいそうになって口を挟んだ。
「ごめんなさい。癒し子様のことはあんまり
話しちゃいけないって言われているんです。
それ以外のことなら答えてもいいと思うんです
けど。ね、レジナスさん。」
ちょいちょいとその袖を引く。そんな私にハッと
してそうだな、とレジナスさんも話を合わせて
頷いてくれた。
「申し訳ないが、癒し子様についてはあまり下手な
話はできない。根も葉もない、いい加減な噂話が
横行しても困るのでな。」
「そうですか・・・残念ですが仕方ありませんね。
本当はもっと、別の噂についても確かめたかった
んですが。」
「別の噂話?」
「ええ。イリューディア神様のご加護がついている
癒し子様は、その歩いた後には緑が茂り、笑えば
ピンク色の花が降り注ぐとか。それにパン籠を
見つめるだけで籠の中にはパンがいくつも湧き
上がって来たり、不妊に悩む人のお腹を撫でる
だけで子供に恵まれるとか・・・」
な、なにそれ。私の使う加護の力があちこち曲解と
誇張をされて伝わっている⁉︎
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