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第十章 酒とナミダと男と女
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「久しぶりにアントン様に会えるのは嬉しいけど、
シグウェルさんのお父様も一緒なんですよね?
初めて会うからなんだか緊張します。」
王宮の謁見用の部屋で私はそわそわする。
私の壊れた結界石の代わりをアントン様が選び、
自らこの王都まで持って来たという。
そしてちょうどダーヴィゼルドへ行く前に王都へ
立ち寄っていたシグウェルさんのお父様で
アントン様のお兄様にあたる人も、せっかくだから
私に挨拶するために顔を見せるそうだ。
私が寝込んでいる時にたくさんお見舞い品を
いただいていたのでそのお礼を言えるのは嬉しい。
シグウェルさんも同席するのかな?と思ったら、
なんだか外せない用があるとかで来ないと言う。
「シグウェルの父はユールヴァルト家の当主だから
多少の威厳はあるかも知れないけど、シグウェルより
常識人だからそんなに緊張しなくても大丈夫。
ユーリにも親切にしてくれると思うよ。」
何気にシグウェルさんに対する物言いがひどくない?
私に向かって微笑みながらそう説明してくれる
リオン様を見上げる。
・・・そう、見上げている。なぜならこれから
二人に会うというのに私はリオン様の膝の上に
座らせられているからだ。
・・・膝の間に座らされるよりはましなんだろうか?
こうやって私達の仲が良いことを初対面から
印象付けて、これから先も私がユールヴァルト家に
入ることはないのだ、奥の院が私のお世話になる
場所なんだよという牽制をするのだとリオン様は
言った。
でも単に私を膝の上に乗せて置きたいだけの言い訳な
気がしないでもない。本当は私を真ん中に置いて
リオン様はレジナスさんと二人でその両脇に
座りたいと言ったけど、護衛中ですから!と
真っ赤になったレジナスさんに固辞されていた。
うん、私もそんなホストクラブで男の人を
侍らせているような姿は初対面の人に見せたくない。
恥ずかし過ぎる。アントン様にもどう思われるか。
「あれ?エル君はどうしてそんな、いつもにも
増して離れてるんですか?」
ふと気付けば私の護衛なはずのエル君は、私と
リオン様の長椅子の背後にレジナスさんが
立っているのとは対照的に、ルルーさんや
シンシアさん達と一緒に部屋の扉近くに立っている。
「僕はユーリ様の剣ですから。そこにいると
なんだか剣じゃなくて別の役目の人と勘違い
されそうなので、今日はここにいます。レジナス様も
ユーリ様のお側にいるから僕が離れてても
大丈夫です。」
それは・・・暗に私の近くにいるとこの状況では
伴侶の一人と勘違いされるかも知れないって
思ってるの?いやいやまさか。そう思って
リオン様とレジナスさんを見上げれば、なるほどね。
見ようによってはそう見えてしまうかな?と
リオン様は納得したように頷いているし、
レジナスさんはまた顔がうっすら赤くなっている。
え?側から見るとそんな風に見えるの?
なんかそんなんじゃ、私の周りにいる男の人はみんな
私の伴侶かその候補に見えていそうですごく不安だ。
癒し子は7人の妻を持った勇者様以上に男の人を
侍らせていました、なんて後々文書の類いに
書き記されなければいいんだけど。
一抹の不安を抱えながらリオン様に頭を撫でられて
いると、そこへ侍従さんがアントン様達の来訪を
告げた。はっとして身じろいだら
「ユーリはそのままで。彼らが入って来ても
立って挨拶とかしなくてもいいからね。」
そうリオン様に言われた。失礼じゃないかな?と
思ったんだけど身分的には私の方が高いから
問題ないそうだ。そういえば召喚者の地位は
国王陛下にも並ぶって前に教えてもらったなあ。
「でも多分、アントン様は私を抱っこしたがると
思いますが、その時はどうしましょう?」
ひそひそと聞けば、
「うーん・・・仕方ないね。久しぶりだから彼の
好きなようにさせてあげて。」
リオン様は頷いた。その時だ。侍従さんの案内で
二人の男の人が部屋に入って来た。
二人とも銀髪に紫色の瞳で、一人はアントン様だから
もう一人の長髪の人がシグウェルさんのお父様
なんだろう。すらりと背が高く、思っていたよりも
随分と若々しい。口髭がある分、アントン様の方が
ひょっとすると歳上に見えてしまうかもしれない。
アントン様を後ろに従えて入って来たその人は、
当たり前だけど父親だけあってシグウェルさんに
そっくりだ。
その涼やかな紫色の瞳が真っ直ぐに私を射るように
見つめている。まるで値踏みされているようで、
緊張から思わずリオン様の服の袖をぎゅっと握ると
その人は私からふいと視線を外した。
そのままリオン様へその視線を移し挨拶をする。
「お久しぶりでございます。遅ればせながら、
殿下のご快復をお慶び申し上げます。」
その言葉にリオン様は鷹揚に頷く。
「ありがとう。忙しいだろうに、わざわざ会いに
来てくれた事に感謝するよ。僕が今こうして
いられるのは全てユーリのおかげだ。」
そう言って私の手を取り、その手の甲にリオン様は
口付けた。ここでも仲良しアピールだ。
こんなことするなんて聞いていなかったけど。
思わず赤くなった私を見てリオン様が微笑む。
「・・・癒し子ユーリ様におきましてもお目に
かかることが出来たのはこのドラグウェル・
ユールヴァルトにとってこの上ない喜びで
ございます。また、普段より我が不肖の息子
シグウェルにも目をかけていただきありがたく
存じます。どうかこの先も変わらず、何卒よろしく
お願い申し上げます。」
微笑むリオン様と見つめ合った私に、ピクリと
僅かに眉を動かしたシグウェルさんのお父様・・・
ドラグウェル様はそう言った。気のせいか何卒、と
言ったその言葉に力がこもっていたような気がする。
どれだけ自分の息子に友達がいないことを
気にしているんだろうか。そんなに心配しなくても
シグウェルさんとはもう友達だ。ズッ友にはまだ
遠いと思うけど。
「こちらこそよろしくお願いします。
シグウェルさんには私の方こそいつもお世話になって
います!あと、私のお見舞いにたくさんの品物を
ありがとうございました!アントン様もアップルパイ
ありがとうございます、美味しかったです‼︎」
慌てて挨拶を返せば、アントン様はニコニコと
頷いてくれた。ドラグウェル様は・・・僅かに
頬を緩ませて笑んでくれた。鋭かった目元も
気持ち優しく緩んだような気がする。
良かった、思ったより気難しくない人なのかな。
するとそこでアントン様は腰を落とし、両手を
広げて言った。
「ユーリ様はあの王都での騒ぎの後に少しだけ
成長されたと聞いておりましたが、なるほど
大きくなられましたな。ぜひ私の手でそれを
確かめさせていただけますか?」
ああ、これは抱っこ待ちの姿勢だ。
そう悟ってリオン様を見れば少し困ったように
眉を寄せながらも笑って頷いてくれた。
お許しが出たので、長椅子のリオン様の膝の上から
とんと降り立ち、アントン様の元へと行く。
そのままひょいと抱き上げられれば、ノイエ領の
時のようにまたあのロマンスグレーが家出していた。
黙っていれば渋くてカッコいいおじさんなのに
その渋さが台無しになるほどニコニコしながら
私に話しかけてくれる。
「身長が伸びて手足もしっかりされましたな。
その美しい御髪も更に輝いておられる。しかし、
大きさのわりに少し軽すぎませんか?魔法を
使うのは体力勝負です、もっとたくさん食べた方が
よろしいでしょう。」
「これでもたくさん食べてるんですよ?そういえば
先日は騎士団の野営訓練にお邪魔してきのこ狩りも
しました!・・・成果はありませんでしたけど。
今度ノイエ領に行く時はきのこ狩りもしてみたいと
思いますが、ノイエ領にもそういった場所は
ありますか?」
なんとなく目の端でエル君の顔が呆れているような
気はしたけど、毒キノコ狩り名人から脱するためには
練習あるのみだ。
「たくさんありますとも。ユーリ様もご存じの通り
ノイエ領は豊かな土壌に恵まれておりますからね。
ぜひともまた訪れて下さい、妻と一緒にお待ちして
おりますよ。」
「楽しみです‼︎」
アントン様に縦抱きにされたまま、二人で
盛り上がっていると隣から咳払いが聞こえた。
しまった。初対面なのにすっかりシグウェルさんの
お父様を一人にしてしまっていた。
「申し訳ありません兄上‼︎」
そう言ったアントン様が慌てて私をドラグウェル様に
手渡した。・・・手渡した??
シグウェルさんのお父様も一緒なんですよね?
初めて会うからなんだか緊張します。」
王宮の謁見用の部屋で私はそわそわする。
私の壊れた結界石の代わりをアントン様が選び、
自らこの王都まで持って来たという。
そしてちょうどダーヴィゼルドへ行く前に王都へ
立ち寄っていたシグウェルさんのお父様で
アントン様のお兄様にあたる人も、せっかくだから
私に挨拶するために顔を見せるそうだ。
私が寝込んでいる時にたくさんお見舞い品を
いただいていたのでそのお礼を言えるのは嬉しい。
シグウェルさんも同席するのかな?と思ったら、
なんだか外せない用があるとかで来ないと言う。
「シグウェルの父はユールヴァルト家の当主だから
多少の威厳はあるかも知れないけど、シグウェルより
常識人だからそんなに緊張しなくても大丈夫。
ユーリにも親切にしてくれると思うよ。」
何気にシグウェルさんに対する物言いがひどくない?
私に向かって微笑みながらそう説明してくれる
リオン様を見上げる。
・・・そう、見上げている。なぜならこれから
二人に会うというのに私はリオン様の膝の上に
座らせられているからだ。
・・・膝の間に座らされるよりはましなんだろうか?
こうやって私達の仲が良いことを初対面から
印象付けて、これから先も私がユールヴァルト家に
入ることはないのだ、奥の院が私のお世話になる
場所なんだよという牽制をするのだとリオン様は
言った。
でも単に私を膝の上に乗せて置きたいだけの言い訳な
気がしないでもない。本当は私を真ん中に置いて
リオン様はレジナスさんと二人でその両脇に
座りたいと言ったけど、護衛中ですから!と
真っ赤になったレジナスさんに固辞されていた。
うん、私もそんなホストクラブで男の人を
侍らせているような姿は初対面の人に見せたくない。
恥ずかし過ぎる。アントン様にもどう思われるか。
「あれ?エル君はどうしてそんな、いつもにも
増して離れてるんですか?」
ふと気付けば私の護衛なはずのエル君は、私と
リオン様の長椅子の背後にレジナスさんが
立っているのとは対照的に、ルルーさんや
シンシアさん達と一緒に部屋の扉近くに立っている。
「僕はユーリ様の剣ですから。そこにいると
なんだか剣じゃなくて別の役目の人と勘違い
されそうなので、今日はここにいます。レジナス様も
ユーリ様のお側にいるから僕が離れてても
大丈夫です。」
それは・・・暗に私の近くにいるとこの状況では
伴侶の一人と勘違いされるかも知れないって
思ってるの?いやいやまさか。そう思って
リオン様とレジナスさんを見上げれば、なるほどね。
見ようによってはそう見えてしまうかな?と
リオン様は納得したように頷いているし、
レジナスさんはまた顔がうっすら赤くなっている。
え?側から見るとそんな風に見えるの?
なんかそんなんじゃ、私の周りにいる男の人はみんな
私の伴侶かその候補に見えていそうですごく不安だ。
癒し子は7人の妻を持った勇者様以上に男の人を
侍らせていました、なんて後々文書の類いに
書き記されなければいいんだけど。
一抹の不安を抱えながらリオン様に頭を撫でられて
いると、そこへ侍従さんがアントン様達の来訪を
告げた。はっとして身じろいだら
「ユーリはそのままで。彼らが入って来ても
立って挨拶とかしなくてもいいからね。」
そうリオン様に言われた。失礼じゃないかな?と
思ったんだけど身分的には私の方が高いから
問題ないそうだ。そういえば召喚者の地位は
国王陛下にも並ぶって前に教えてもらったなあ。
「でも多分、アントン様は私を抱っこしたがると
思いますが、その時はどうしましょう?」
ひそひそと聞けば、
「うーん・・・仕方ないね。久しぶりだから彼の
好きなようにさせてあげて。」
リオン様は頷いた。その時だ。侍従さんの案内で
二人の男の人が部屋に入って来た。
二人とも銀髪に紫色の瞳で、一人はアントン様だから
もう一人の長髪の人がシグウェルさんのお父様
なんだろう。すらりと背が高く、思っていたよりも
随分と若々しい。口髭がある分、アントン様の方が
ひょっとすると歳上に見えてしまうかもしれない。
アントン様を後ろに従えて入って来たその人は、
当たり前だけど父親だけあってシグウェルさんに
そっくりだ。
その涼やかな紫色の瞳が真っ直ぐに私を射るように
見つめている。まるで値踏みされているようで、
緊張から思わずリオン様の服の袖をぎゅっと握ると
その人は私からふいと視線を外した。
そのままリオン様へその視線を移し挨拶をする。
「お久しぶりでございます。遅ればせながら、
殿下のご快復をお慶び申し上げます。」
その言葉にリオン様は鷹揚に頷く。
「ありがとう。忙しいだろうに、わざわざ会いに
来てくれた事に感謝するよ。僕が今こうして
いられるのは全てユーリのおかげだ。」
そう言って私の手を取り、その手の甲にリオン様は
口付けた。ここでも仲良しアピールだ。
こんなことするなんて聞いていなかったけど。
思わず赤くなった私を見てリオン様が微笑む。
「・・・癒し子ユーリ様におきましてもお目に
かかることが出来たのはこのドラグウェル・
ユールヴァルトにとってこの上ない喜びで
ございます。また、普段より我が不肖の息子
シグウェルにも目をかけていただきありがたく
存じます。どうかこの先も変わらず、何卒よろしく
お願い申し上げます。」
微笑むリオン様と見つめ合った私に、ピクリと
僅かに眉を動かしたシグウェルさんのお父様・・・
ドラグウェル様はそう言った。気のせいか何卒、と
言ったその言葉に力がこもっていたような気がする。
どれだけ自分の息子に友達がいないことを
気にしているんだろうか。そんなに心配しなくても
シグウェルさんとはもう友達だ。ズッ友にはまだ
遠いと思うけど。
「こちらこそよろしくお願いします。
シグウェルさんには私の方こそいつもお世話になって
います!あと、私のお見舞いにたくさんの品物を
ありがとうございました!アントン様もアップルパイ
ありがとうございます、美味しかったです‼︎」
慌てて挨拶を返せば、アントン様はニコニコと
頷いてくれた。ドラグウェル様は・・・僅かに
頬を緩ませて笑んでくれた。鋭かった目元も
気持ち優しく緩んだような気がする。
良かった、思ったより気難しくない人なのかな。
するとそこでアントン様は腰を落とし、両手を
広げて言った。
「ユーリ様はあの王都での騒ぎの後に少しだけ
成長されたと聞いておりましたが、なるほど
大きくなられましたな。ぜひ私の手でそれを
確かめさせていただけますか?」
ああ、これは抱っこ待ちの姿勢だ。
そう悟ってリオン様を見れば少し困ったように
眉を寄せながらも笑って頷いてくれた。
お許しが出たので、長椅子のリオン様の膝の上から
とんと降り立ち、アントン様の元へと行く。
そのままひょいと抱き上げられれば、ノイエ領の
時のようにまたあのロマンスグレーが家出していた。
黙っていれば渋くてカッコいいおじさんなのに
その渋さが台無しになるほどニコニコしながら
私に話しかけてくれる。
「身長が伸びて手足もしっかりされましたな。
その美しい御髪も更に輝いておられる。しかし、
大きさのわりに少し軽すぎませんか?魔法を
使うのは体力勝負です、もっとたくさん食べた方が
よろしいでしょう。」
「これでもたくさん食べてるんですよ?そういえば
先日は騎士団の野営訓練にお邪魔してきのこ狩りも
しました!・・・成果はありませんでしたけど。
今度ノイエ領に行く時はきのこ狩りもしてみたいと
思いますが、ノイエ領にもそういった場所は
ありますか?」
なんとなく目の端でエル君の顔が呆れているような
気はしたけど、毒キノコ狩り名人から脱するためには
練習あるのみだ。
「たくさんありますとも。ユーリ様もご存じの通り
ノイエ領は豊かな土壌に恵まれておりますからね。
ぜひともまた訪れて下さい、妻と一緒にお待ちして
おりますよ。」
「楽しみです‼︎」
アントン様に縦抱きにされたまま、二人で
盛り上がっていると隣から咳払いが聞こえた。
しまった。初対面なのにすっかりシグウェルさんの
お父様を一人にしてしまっていた。
「申し訳ありません兄上‼︎」
そう言ったアントン様が慌てて私をドラグウェル様に
手渡した。・・・手渡した??
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