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第七章 ユーリと氷の女王
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なんだか意味深なことを言われてしまったので、
シンシアさんのその言葉を心の中で反芻する。
なんだっけ。
私の理想の男性像は誰かと誰かを足して
割ったようだって?
好ましいと思ってるお方『達』と言った。
近くにいすぎて意識してなかったのが
離れて意識されたのかも、とも言ってたし。
ヒルダ様に促されて考えた私の理想。
『いつも優しくニコニコしてて、
私が何かやらかしても見守っててくれる人。
気付けばそこにいて穏やかに微笑んで
私を見ていてくれている。』
・・・あれ。これはまるで誰かのようだ。
既視感に思わずクッキーを食べる手が止まる。
それに、フレイヤちゃんに触発されて追加した
『何かあった時にはすぐに駆けつけてくれて
いつでも私の味方をしてくれる人』
さらにシンシアさんの言った、
あまりにも近くにいすぎて、普段は
意識することもない男の人・・・達。
ちょっと待って欲しい。まさか。
私の身近でそんな条件を満たしていて
すぐに思い浮かぶのは2人しかいない。
リオン様とレジナスさんだ。
シンシアさんの言葉にもピッタリ当てはまる。
・・・いや、待って待って!
お付き合い前提に無意識のうちに
頭に思い浮かんだ理想の相手が・・・
2人⁉︎えっ?
いつから私はそんなに気が多くなったの⁉︎
あ、でも旦那様が2人いるヒルダ様のことを
気が多いなとは思わなかった。
3人一緒のあの姿は見ていても
ただただ微笑ましいと思うだけだった。
そういえばリオン様は私がダーヴィゼルドに
行く前に、この世界では複数の配偶者がいても
それは自然な事だからそんな考え方にも
慣れて欲しいって言ってたような。
あれ?てことは、もし私が2人のことを
意識しててもおかしくないの?
私、いつの間にかこの世界の考え方に
馴染んで来てた?
衝撃的過ぎて自分のことが自分で分からない。
混乱してきた。
それでもヒルダ様の言うように、
ふと隣を見ればいつでも当たり前のように
私に向かって微笑んでくれるリオン様を
見ると安心するし落ち着く。
カイゼル様の件をあんなにも悲しく頭に来たのも、
心を寄せる人が私に何にも話してくれなかったのが
裏切られたような気分になったからだろうか。
レジナスさんは、私がこの世界に来た時から
ずっと何かにつけて親切で面倒を見てくれる。
リオン様のように、普段は私を見守ってくれてて
いざという時は何にも動じずしっかりと
守ってくれる。縦抱きでその腕の中にいると
安心するし、迷子になった時も、窃盗団に
襲われた時も飛んで来てくれた。
グルグル考え出して固まってしまったそんな私を
不審に思って、ヒルダ様が声を掛けてくれる。
「ユーリ様、どうかなさいましたか?」
「ヒルダ様・・・ヒルダ様はどうやって旦那様
お二人のことが好きだって気付きましたか?」
強制終了した恋バナを自ら再起動させた。
シンシアさんがあら、と目を丸くしている。
まさか私がその話を続けるとは
思わなかったのだろう。
ヒルダ様は私のその様子にああ、と納得している。
「そういえばユーリ様は何かと聡いお方でしたね。
もしかしてもう何か思い当たりましたか?
それならば話は簡単です。
心に思い浮かんだその方が、自分のそばから
居なくなった時のことを考えてみて下さい。
自分以外の誰か別の女性に笑いかけ、
その者だけを見つめている姿を想像するのです。
私はそれを思った時カイとバルドル、
そのどちらも失いたくないと思いました。
傲慢でしょうか?しかしそれが正直な
気持ちでしたよ。
どちらともこの先ずっと、嬉しい事も悲しい事も
一緒に分かち合っていきたいと思ったのです。」
ユーリ様はどうですか?
そう水を向けられて考える。そっか、今は
2人とも私の側にいてくれるけどいつかは
2人それぞれ、誰か良い人を見つけて
結婚して、家庭を持つんだ。
そうしたら私とはずっと一緒にいられない。
それはなんだかイヤだな。
自然とそう思った。
そして、そう思った自分にビックリする。
あれ?てことはやっぱり私、そうなの?
リオン様の事も、レジナスさんの事も、
どっちも好きなの⁉︎
心臓が大きく跳ねて、ドキドキする。
顔もなんだか熱を持っているようだ。
それは恋と言うには淡すぎる想いのような。
ヒルダ様のようにはっきり愛してるとも言えない。
・・・それでもそうか、私はあの二人の事が
気になっているんだ。
初めて自分の気持ちに気付かされて
衝撃を受けたのに呼応するように、
遠くで大きな雷の音が聞こえた。
それはまるで私にも雷が落ちたような
気分になって、自分の中に大きく響いた。
私が思いもよらない自分の気持ちに
気付いた後も、ヒルダ様にはまだ
聞きたいことがあった。
この先私はどうすればいいのかが分からない。
そう言ったら、ヒルダ様に笑われた。
「ユーリ様は聡い分、なんでも頭で
考え過ぎるんですね。
今はそのまま、自然体でいるのが
よろしいでしょう。
きっと、時が来ればうまくいきますよ。
何しろユーリ様には愛と豊穣、癒しの女神、
偉大なるイリューディア神様のご加護が
ついているのですから。
その時は考えずに、感じるまま動けば
いいと思います。そうですね、ありのままに。」
最後の最後にブルース・リーと某ディズニー映画を
足して2で割ったみたいな事を言われてしまった。
それでも、恋愛経験値が限りなくゼロに近い
私にはありがたいお言葉として受け取っておこう。
ドントシンク、フィールに
レットイットゴーの精神ということだ。
ちなみにその後、ヒルダ様がポツリと
「好きかどうかは抱けば分かると
言いたいところですが、
ユーリ様にはいささか早過ぎますしね・・・」
と言ったのを聞き逃さなかった。
聞こえないフリしたけど。ホント早過ぎるから!
抱かれれば、ではなく抱けば、と言うあたり
さすが通り名が女王様なだけある。
何その男前な言葉、凄すぎるでしょヒルダ様。
妙なところで感心していたら、ドヤドヤと
賑やかな音と人のざわめく声がした。
「あぁ~もう、ヒドイ目にあったっす‼︎」
ユリウスさんだ。シェラさんも一緒だけど、
ユリウスさんの服だけちょっと汚れている。
「ヒルダ様にはお寛ぎのところ申し訳ありません!
例の山について結論だけ取り急ぎご報告
させていただきたいので。」
そう言って改まったお辞儀をしたユリウスさんは
顔を上げると私を見てあの人好きのする
笑顔をそばかす顔いっぱいに浮かべた。
「おめでとうございますユーリ様。
やっぱりあの山にはグノーデル神のご加護が
ついてましたよ!聖地・・・いや、
聖域決定です‼︎」
「えっ、戻ってくるのがやけに早いんですけど
本当ですか?ちゃんと調べました⁉︎」
「当たり前ですよ!もうね、山裾に立っただけでも
雰囲気が違いましたから。なんていうか、
魔物や悪意ある者の侵入を拒むような
厳格な雰囲気と魔力が立ち込めてたっす。
それに、例の大穴の辺りに勇者様の遺物を置いて
反応を見ようと思ったんすけど、俺がそれを
取り出した瞬間それに雷が落ちたんすよ!
実害がなかったからいいけど驚いたのなんの。」
あ、さっき雷の音が聞こえたのはそれか。
ユリウスさんが何だか汚れてるのもそのせい?
シェラさんも頷く。
「ユーリ様が魔物に雷を落とされた時も
私やヒルダ様に被害はありませんでしたが、
同じような感じですね。ただ、勇者様の
遺物があったせいかあの時よりも
威力があったように思えましたが。」
まさかまだ短剣を持った状態の俺に雷が
落ちるとは思わなかったっす、と
ユリウスさんは肩をすくめた。
それから
「そういえばユーリ様、これから
あの大穴に泉を作るんすよね?」
思い出したように確かめられたので返事をする。
「はい。元々休憩所を作る予定らしいですし、
どうせならイリューディアさんの加護をつけた
泉を湧いて出せれば、山登りをする人達の
疲れが取れる飲料水になってくれて
いいんじゃないかなって思ってます。」
「いいっすね!最高じゃないすかそれ‼︎
グノーデル神の加護がついた山に、
イリューディア神の加護の泉!
ダーヴィゼルドに新しい名所が誕生っす‼︎
いやあ、団長は来れなくてつくづく残念っすよ。」
報告したら見に行きたいって言って
羨ましがるだろうなあ、と
ユリウスさんはにこにこしている。
普段シグウェルさんに何かと苦労を
かけられている分、優越感で嬉しそうだ。
・・・だけど、なんとなくこの先の予想はつく。
多分詳しい報告を聞いたシグウェルさんは
そのうちふらっと無断で魔導士院を外出して、
ここに調査に来ちゃうんじゃないだろうか。
そうなったらその間の仕事の尻拭いは
ユリウスさんだ。
今は浮かれてて全然その可能性に
気付いてなさそうだけど。
「ユリウスさん、今だけはたくさん喜んでいて
下さいね。きっとこの先大変な苦労をすることに
なるのはユリウスさんだと思うので・・・」
「えっ、何すかユーリ様!まるで予言者みたいな
事言っちゃって。加護の力だけじゃなく予言まで
出来るようになったんすか?」
すごいっすね、とユリウスさんは目を
丸くしている。
「いえ、予言じゃないです。ただ、あの山が
聖地・・・聖域?認定されちゃったら
整備するのとかは魔導士院の人達も
関わるんですよね?だから大変そうだなあって
思っただけですから。お疲れ様です。」
とりあえずシグウェルさんのことには
触れないでおいた。今から余計な気苦労を
するのはかわいそうだからね。
お疲れ様です、とぺこりと頭を下げれば
ユリウスさんは意味も分からずに、
ありがとうございます?と返してくれた。
うん、今はそれでいいと思うよ・・・。
シンシアさんのその言葉を心の中で反芻する。
なんだっけ。
私の理想の男性像は誰かと誰かを足して
割ったようだって?
好ましいと思ってるお方『達』と言った。
近くにいすぎて意識してなかったのが
離れて意識されたのかも、とも言ってたし。
ヒルダ様に促されて考えた私の理想。
『いつも優しくニコニコしてて、
私が何かやらかしても見守っててくれる人。
気付けばそこにいて穏やかに微笑んで
私を見ていてくれている。』
・・・あれ。これはまるで誰かのようだ。
既視感に思わずクッキーを食べる手が止まる。
それに、フレイヤちゃんに触発されて追加した
『何かあった時にはすぐに駆けつけてくれて
いつでも私の味方をしてくれる人』
さらにシンシアさんの言った、
あまりにも近くにいすぎて、普段は
意識することもない男の人・・・達。
ちょっと待って欲しい。まさか。
私の身近でそんな条件を満たしていて
すぐに思い浮かぶのは2人しかいない。
リオン様とレジナスさんだ。
シンシアさんの言葉にもピッタリ当てはまる。
・・・いや、待って待って!
お付き合い前提に無意識のうちに
頭に思い浮かんだ理想の相手が・・・
2人⁉︎えっ?
いつから私はそんなに気が多くなったの⁉︎
あ、でも旦那様が2人いるヒルダ様のことを
気が多いなとは思わなかった。
3人一緒のあの姿は見ていても
ただただ微笑ましいと思うだけだった。
そういえばリオン様は私がダーヴィゼルドに
行く前に、この世界では複数の配偶者がいても
それは自然な事だからそんな考え方にも
慣れて欲しいって言ってたような。
あれ?てことは、もし私が2人のことを
意識しててもおかしくないの?
私、いつの間にかこの世界の考え方に
馴染んで来てた?
衝撃的過ぎて自分のことが自分で分からない。
混乱してきた。
それでもヒルダ様の言うように、
ふと隣を見ればいつでも当たり前のように
私に向かって微笑んでくれるリオン様を
見ると安心するし落ち着く。
カイゼル様の件をあんなにも悲しく頭に来たのも、
心を寄せる人が私に何にも話してくれなかったのが
裏切られたような気分になったからだろうか。
レジナスさんは、私がこの世界に来た時から
ずっと何かにつけて親切で面倒を見てくれる。
リオン様のように、普段は私を見守ってくれてて
いざという時は何にも動じずしっかりと
守ってくれる。縦抱きでその腕の中にいると
安心するし、迷子になった時も、窃盗団に
襲われた時も飛んで来てくれた。
グルグル考え出して固まってしまったそんな私を
不審に思って、ヒルダ様が声を掛けてくれる。
「ユーリ様、どうかなさいましたか?」
「ヒルダ様・・・ヒルダ様はどうやって旦那様
お二人のことが好きだって気付きましたか?」
強制終了した恋バナを自ら再起動させた。
シンシアさんがあら、と目を丸くしている。
まさか私がその話を続けるとは
思わなかったのだろう。
ヒルダ様は私のその様子にああ、と納得している。
「そういえばユーリ様は何かと聡いお方でしたね。
もしかしてもう何か思い当たりましたか?
それならば話は簡単です。
心に思い浮かんだその方が、自分のそばから
居なくなった時のことを考えてみて下さい。
自分以外の誰か別の女性に笑いかけ、
その者だけを見つめている姿を想像するのです。
私はそれを思った時カイとバルドル、
そのどちらも失いたくないと思いました。
傲慢でしょうか?しかしそれが正直な
気持ちでしたよ。
どちらともこの先ずっと、嬉しい事も悲しい事も
一緒に分かち合っていきたいと思ったのです。」
ユーリ様はどうですか?
そう水を向けられて考える。そっか、今は
2人とも私の側にいてくれるけどいつかは
2人それぞれ、誰か良い人を見つけて
結婚して、家庭を持つんだ。
そうしたら私とはずっと一緒にいられない。
それはなんだかイヤだな。
自然とそう思った。
そして、そう思った自分にビックリする。
あれ?てことはやっぱり私、そうなの?
リオン様の事も、レジナスさんの事も、
どっちも好きなの⁉︎
心臓が大きく跳ねて、ドキドキする。
顔もなんだか熱を持っているようだ。
それは恋と言うには淡すぎる想いのような。
ヒルダ様のようにはっきり愛してるとも言えない。
・・・それでもそうか、私はあの二人の事が
気になっているんだ。
初めて自分の気持ちに気付かされて
衝撃を受けたのに呼応するように、
遠くで大きな雷の音が聞こえた。
それはまるで私にも雷が落ちたような
気分になって、自分の中に大きく響いた。
私が思いもよらない自分の気持ちに
気付いた後も、ヒルダ様にはまだ
聞きたいことがあった。
この先私はどうすればいいのかが分からない。
そう言ったら、ヒルダ様に笑われた。
「ユーリ様は聡い分、なんでも頭で
考え過ぎるんですね。
今はそのまま、自然体でいるのが
よろしいでしょう。
きっと、時が来ればうまくいきますよ。
何しろユーリ様には愛と豊穣、癒しの女神、
偉大なるイリューディア神様のご加護が
ついているのですから。
その時は考えずに、感じるまま動けば
いいと思います。そうですね、ありのままに。」
最後の最後にブルース・リーと某ディズニー映画を
足して2で割ったみたいな事を言われてしまった。
それでも、恋愛経験値が限りなくゼロに近い
私にはありがたいお言葉として受け取っておこう。
ドントシンク、フィールに
レットイットゴーの精神ということだ。
ちなみにその後、ヒルダ様がポツリと
「好きかどうかは抱けば分かると
言いたいところですが、
ユーリ様にはいささか早過ぎますしね・・・」
と言ったのを聞き逃さなかった。
聞こえないフリしたけど。ホント早過ぎるから!
抱かれれば、ではなく抱けば、と言うあたり
さすが通り名が女王様なだけある。
何その男前な言葉、凄すぎるでしょヒルダ様。
妙なところで感心していたら、ドヤドヤと
賑やかな音と人のざわめく声がした。
「あぁ~もう、ヒドイ目にあったっす‼︎」
ユリウスさんだ。シェラさんも一緒だけど、
ユリウスさんの服だけちょっと汚れている。
「ヒルダ様にはお寛ぎのところ申し訳ありません!
例の山について結論だけ取り急ぎご報告
させていただきたいので。」
そう言って改まったお辞儀をしたユリウスさんは
顔を上げると私を見てあの人好きのする
笑顔をそばかす顔いっぱいに浮かべた。
「おめでとうございますユーリ様。
やっぱりあの山にはグノーデル神のご加護が
ついてましたよ!聖地・・・いや、
聖域決定です‼︎」
「えっ、戻ってくるのがやけに早いんですけど
本当ですか?ちゃんと調べました⁉︎」
「当たり前ですよ!もうね、山裾に立っただけでも
雰囲気が違いましたから。なんていうか、
魔物や悪意ある者の侵入を拒むような
厳格な雰囲気と魔力が立ち込めてたっす。
それに、例の大穴の辺りに勇者様の遺物を置いて
反応を見ようと思ったんすけど、俺がそれを
取り出した瞬間それに雷が落ちたんすよ!
実害がなかったからいいけど驚いたのなんの。」
あ、さっき雷の音が聞こえたのはそれか。
ユリウスさんが何だか汚れてるのもそのせい?
シェラさんも頷く。
「ユーリ様が魔物に雷を落とされた時も
私やヒルダ様に被害はありませんでしたが、
同じような感じですね。ただ、勇者様の
遺物があったせいかあの時よりも
威力があったように思えましたが。」
まさかまだ短剣を持った状態の俺に雷が
落ちるとは思わなかったっす、と
ユリウスさんは肩をすくめた。
それから
「そういえばユーリ様、これから
あの大穴に泉を作るんすよね?」
思い出したように確かめられたので返事をする。
「はい。元々休憩所を作る予定らしいですし、
どうせならイリューディアさんの加護をつけた
泉を湧いて出せれば、山登りをする人達の
疲れが取れる飲料水になってくれて
いいんじゃないかなって思ってます。」
「いいっすね!最高じゃないすかそれ‼︎
グノーデル神の加護がついた山に、
イリューディア神の加護の泉!
ダーヴィゼルドに新しい名所が誕生っす‼︎
いやあ、団長は来れなくてつくづく残念っすよ。」
報告したら見に行きたいって言って
羨ましがるだろうなあ、と
ユリウスさんはにこにこしている。
普段シグウェルさんに何かと苦労を
かけられている分、優越感で嬉しそうだ。
・・・だけど、なんとなくこの先の予想はつく。
多分詳しい報告を聞いたシグウェルさんは
そのうちふらっと無断で魔導士院を外出して、
ここに調査に来ちゃうんじゃないだろうか。
そうなったらその間の仕事の尻拭いは
ユリウスさんだ。
今は浮かれてて全然その可能性に
気付いてなさそうだけど。
「ユリウスさん、今だけはたくさん喜んでいて
下さいね。きっとこの先大変な苦労をすることに
なるのはユリウスさんだと思うので・・・」
「えっ、何すかユーリ様!まるで予言者みたいな
事言っちゃって。加護の力だけじゃなく予言まで
出来るようになったんすか?」
すごいっすね、とユリウスさんは目を
丸くしている。
「いえ、予言じゃないです。ただ、あの山が
聖地・・・聖域?認定されちゃったら
整備するのとかは魔導士院の人達も
関わるんですよね?だから大変そうだなあって
思っただけですから。お疲れ様です。」
とりあえずシグウェルさんのことには
触れないでおいた。今から余計な気苦労を
するのはかわいそうだからね。
お疲れ様です、とぺこりと頭を下げれば
ユリウスさんは意味も分からずに、
ありがとうございます?と返してくれた。
うん、今はそれでいいと思うよ・・・。
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