精霊王女になった僕はチートクラスに強い仲間と世界を旅します

開花17

「そうか、真実を知ったから私は」
　目が覚め、自身の能力が更なる成長を遂げたことを理解した
　分析や解析し、分解し再構築する力が、一目で理解し、正しく組みなおす力へと成長
　ただ見るだけで全てを理解できるこの力は、パリケルのアカシックレコードに迫る力である
　さらに理解したものを正しく組みなおす
　これによりより強化されたり、悪いものを正しいものに変えることができる
　それによりこの塔の本来の役割を見抜き、元に戻すことができた
「ここをこう組み替えて」
　目を覚ますや否や、塔の内部をいじくり始めるエーテに一同目を丸くする
「これはこっち、これはここ、で、あそこにこれを組み込めば」
　塔の中の石を拾ってははめ込み、引き抜いたと思えばそれをまた別の場所へとはめ込む
　そうしていくうちに塔の内部が光り始めた
　キューンという起動音のような音が聞こえ、空中にモニターが映し出された
「おお、始まるよぉ！　最後の試練さね！」
　塔ががたがたと振動し、やがてモニターに何かの映像が映し出された
「とうとうこの塔を起動させる英雄が現れたのですね。私は光の大神。かつて私たちでは倒せなかった大いなる獣を封印しています。この獣は本来獣たちの始祖となるべき存在でしたが、闇の根源に触れたため悪性変異を起こしました。私達では力及ばず、封印するにとどまりました。かつてあなた達のように世界の種によって開花した者達の力を借り、ようやくこの塔に封印したのです」
「驚いたねぇ。これ、過去の映像だよ。それも相当に昔だねぇ。この人、いや大神って言ったかねぇ。光の大神。神様のさらに上ってことだねぇ」
　モニターに映っているのは光の大神ルーチェ。光の女神イナミリアの母である
　遥か遥か昔、異放者リルカが世界を創ったのち、光をつかさどるために生まれたのが彼女だ
　そんな彼女が過去にこの映像をここに残し、封印された獣を倒せる者を待っていた
　ここに封印された獣
　それこそ、黙示録の獣と呼ばれる、世界を滅ぼす獣だった