上 下
903 / 1,022

リルカと守り人5

しおりを挟む
 モニターに映るのはCGのような男の顔
「さぁそれらを捕まえなさい。よい研究材料となるでしょう」
 機械生命体と言っていいほどの機動力、そして操られているだけではない独自性
 それら一つ一つに意思があるようで、ちゃんと考えて動いていた
 さらには機械生命体たちの埋まっていた場所は廃墟だったようで、かなりの数の人骨のようなものも出てきた
「どうやらこの世界で他世界から来た人々を狩っていたようですね。ミルカ、倒しますよ」
「はい!」
 ミルカがまずは結界を展開する
 それによって機械生命体の攻撃一切通らなくなった
「なんだなんだこれは! 非常に興味深い! 今までこんなに高度な結界を張る者はいなかった! いいぞいいぞ」
 モニターの男は興奮した様子で更なる指令を出す
「最大戦力で行きなさい」
 機械生命体は集合し、まるでアメーバのようにうねうねと融合していき、一つになった
 その姿は二足歩行する竜のようだ
 そしてそれはぐっと拳を振り上げると結界にたたきつける
 バキーンという激しい音がして結界が震える
「なんと! これでも砕けないとは! もしや君たちはあの・・・。かつて文献にあった世界を創りし一族。異放の民! そうだ、それしか考えられない。私の兵器は大神ですら殺せるほどの出力があるはずだ。それで砕けないのであれば間違いない!」
「文献? 私達のことが書かれた文献などこの世にないはず・・・。一体だれが」
「興味あるかね? どうせ私達に君は倒せないのだ。すっぱり諦めたいがその体を少し調べさせてほしい」
「それはできませんね。私のクローンを再び作られては困りますから」
「ハハハ、やはりだめか。ならいい、教えよう。君らに会えてその戦闘データが少しでもとれた。数万年も誰も来ず退屈していた。そのお礼とでも思ってくれ」
 機械生命体はおとなしくなり、犬のお座りのように座って尻尾を振り始める
「いい子だD-1581。あの書籍を出してくれ」
「グルルル」
 嬉しそうな声を出すD-1581
 その胸元ががぱっと開いて一冊の本が出てきた
「これは!」
 思わずイツキが叫ぶ
「何か知っているのですかイツキ」
「あ、あいえ、なんかすごく汚れてるなぁって。あははは」
「確かにすごい汚れですね。解読が難しそうです」
 文字も薄れていて読みにくいが、紙とは違った材質で出来ている
「テラウェルト。黄金の羊から作られる羊皮紙ですね。これに書かれた文字は数万年経っても劣化しにくいのですが、ここまで劣化しているということは数億年単位で時間が経過していると見ました」
「ああ、それは私がとある世界から来た男から手に入れたものだ。アウルとかいったか。そいつも君たちと同じようにこちらの攻撃が効かなかったのだよ」
 ここにはアウルが来ていた
 それが分かっただけでも儲けもの
 そして一つの疑問が残った
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

プラス的 異世界の過ごし方

seo
ファンタジー
 日本で普通に働いていたわたしは、気がつくと異世界のもうすぐ5歳の幼女だった。田舎の山小屋みたいなところに引っ越してきた。そこがおさめる領地らしい。伯爵令嬢らしいのだが、わたしの多少の知識で知る貴族とはかなり違う。あれ、ひょっとして、うちって貧乏なの? まあ、家族が仲良しみたいだし、楽しければいっか。  呑気で細かいことは気にしない、めんどくさがりズボラ女子が、神様から授けられるギフト「+」に助けられながら、楽しんで生活していきます。  乙女ゲーの脇役家族ということには気づかずに……。 #不定期更新 #物語の進み具合のんびり #カクヨムさんでも掲載しています

特に呼ばれた記憶は無いが、異世界に来てサーセン。

黄玉八重
ファンタジー
水無月宗八は意識を取り戻した。 そこは誰もいない大きい部屋で、どうやら異世界召喚に遭ったようだ。 しかし姫様が「ようこそ!」って出迎えてくれないわ、不審者扱いされるわ、勇者は1ヶ月前に旅立ってらしいし、じゃあ俺は何で召喚されたの? 優しい水の国アスペラルダの方々に触れながら、 冒険者家業で地力を付けながら、 訪れた異世界に潜む問題に自分で飛び込んでいく。 勇者ではありません。 召喚されたのかも迷い込んだのかもわかりません。 でも、優しい異世界への恩返しになれば・・・。

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた

佐藤醤油
ファンタジー
 貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。  僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。  魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。  言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。  この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。  小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。 ------------------------------------------------------------------  お知らせ   「転生者はめぐりあう」 始めました。 ------------------------------------------------------------------ 注意  作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。  感想は受け付けていません。  誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。

チート転生~チートって本当にあるものですね~

水魔沙希
ファンタジー
死んでしまった片瀬彼方は、突然異世界に転生してしまう。しかも、赤ちゃん時代からやり直せと!?何げにステータスを見ていたら、何やら面白そうなユニークスキルがあった!! そのスキルが、随分チートな事に気付くのは神の加護を得てからだった。 亀更新で気が向いたら、随時更新しようと思います。ご了承お願いいたします。

積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!

ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。 悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。

5歳で前世の記憶が混入してきた  --スキルや知識を手に入れましたが、なんで中身入ってるんですか?--

ばふぉりん
ファンタジー
 「啞"?!@#&〆々☆¥$€%????」   〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜  五歳の誕生日を迎えた男の子は家族から捨てられた。理由は 「お前は我が家の恥だ!占星の儀で訳の分からないスキルを貰って、しかも使い方がわからない?これ以上お前を育てる義務も義理もないわ!」    この世界では五歳の誕生日に教会で『占星の儀』というスキルを授かることができ、そのスキルによってその後の人生が決まるといっても過言では無い。  剣聖 聖女 影朧といった上位スキルから、剣士 闘士 弓手といった一般的なスキル、そして家事 農耕 牧畜といったもうそれスキルじゃないよね?といったものまで。  そんな中、この五歳児が得たスキルは  □□□□  もはや文字ですら無かった ~~~~~~~~~~~~~~~~~  本文中に顔文字を使用しますので、できれば横読み推奨します。  本作中のいかなる個人・団体名は実在するものとは一切関係ありません。  

転生してチートを手に入れました!!生まれた時から精霊王に囲まれてます…やだ

如月花恋
ファンタジー
…目の前がめっちゃ明るくなったと思ったら今度は…真っ白? 「え~…大丈夫?」 …大丈夫じゃないです というかあなた誰? 「神。ごめんね~?合コンしてたら死んじゃってた~」 …合…コン 私の死因…神様の合コン… …かない 「てことで…好きな所に転生していいよ!!」 好きな所…転生 じゃ異世界で 「異世界ってそんな子供みたいな…」 子供だし 小2 「まっいっか。分かった。知り合いのところ送るね」 よろです 魔法使えるところがいいな 「更に注文!?」 …神様のせいで死んだのに… 「あぁ!!分かりました!!」 やたね 「君…結構策士だな」 そう? 作戦とかは楽しいけど… 「う~ん…だったらあそこでも大丈夫かな。ちょうど人が足りないって言ってたし」 …あそこ? 「…うん。君ならやれるよ。頑張って」 …んな他人事みたいな… 「あ。爵位は結構高めだからね」 しゃくい…? 「じゃ!!」 え? ちょ…しゃくいの説明ぃぃぃぃ!!

暇つぶし転生~お使いしながらぶらり旅~

暇人太一
ファンタジー
 仲良し3人組の高校生とともに勇者召喚に巻き込まれた、30歳の病人。  ラノベの召喚もののテンプレのごとく、おっさんで病人はお呼びでない。  結局雑魚スキルを渡され、3人組のパシリとして扱われ、最後は儀式の生贄として3人組に殺されることに……。  そんなおっさんの前に厳ついおっさんが登場。果たして病人のおっさんはどうなる!?  この作品は「小説家になろう」にも掲載しています。

処理中です...