精霊王女になった僕はチートクラスに強い仲間と世界を旅します

芽吹き17

「ちょっと待ってねぇりえ、今解析してるとこだから」
　りえの体を正確に理解するため数時間にわたっての解析を行うエーテ
　かなり体に負担があるはずだが、それでもりえが危険な目に合うよりはましだと解析し続ける
　その結果倒れかけたが、りえの能力について理解できた
「これはすごいね。リザレクション、死からの再生だよ。世界そのものが塗り替わる力だね。それにバフの付与、任意の強化を味方全体に与えるようだねぇ。おそらくだけどりえが味方と認識した全員だねぇこれ」
　それはとんでもない力だった
　味方全体を大幅に強化できるうえに、死した者を元の状態で呼び戻せる力
　一日に使えるのは数回のみで、死してから一年が経過していると蘇らせることはできない
　魂が輪廻の輪に乗ってしまうからだ
　それでもかなり強力なのには変わりない
「私が、皆の役に、立てるんですか？」
「もちろんだとも、りえのおかげで私の大切な人が戻って来たんだ。感謝しかないよ」
　エーテはそう言うとりえをひしと抱きしめて最上の感謝を告げた
「皆さん、ありがとうございました。犠牲は、出ましたが・・・」
　数人死んでしまった天女
　エンナは悲しそうな顔をし、涙を流す
「それなら」
　りえは自分の力を使った
　すでに使いこなせるのか、死んでしまった天女たちがゆっくりと目を覚まし、蘇って行く
「な、なんと、ああ、これは神の如き力、あなた方は、神、なのですね？」
「違うさねぇ」
「違います」
「違うよ」
　全員が否定したところでエンナの感謝は収まらず
　結局天女たちのもてなしによって一週間ほど続く宴に突入してしまった
　そして夜は更けていき、宴に疲れた全員、ゆっくり眠りについた

「ふむ、あれか。確かに俺らと対を成しそうな力を持っているな。まぁ俺の敵じゃぁない」
　一人の少年がりえたちを見つめる
「さて殺そう。興味のない人間を解体するのは気が引けるが、アモンの脳を見せてもらえるんだ。彼らには悪いが、ついでに人間というものがどこまで痛みに耐えれるのか調べさせてもらうか」
　悪意に気づかず眠り呆けている一向
　その悪意はゆっくりと忍び寄っていた