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復活のイレギュラー7

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 住民たちの避難が終えたころ
 私達の前に突然銀色のローブを着たおじいさんが立った
 危険そうだから子供達はラエトリア君に避難させてもらったわ
「ひゃっひゃっひゃ、爆ぜろ爆ぜろ」
 そいつは指をこっちに伸ばしてきて、私に触ろうとした
 でも手を伸ばす動きはすごく遅い
 だから右に避けようとしたらいきなり視界からおじいさんが消えて、アスティラちゃんの真横に現れた
「え?」
「ひゃーーっひゃっひゃっひゃっひゃ」
 ぐいと伸ばされた腕、指先が倒れて避けようとしたアスティラちゃんの翼の一部に触れる
 そのとたん、ボコボコと翼が膨れ上がって、パーンと弾けて肉片と血液が飛び散った
「あひゃひゃひゃ、いい音いい音、爆ぜろ爆ぜろ」
 ブシューと血が吹き出て、片翼を失ったアスティラちゃんは痛みで転げる
「あぐ、ウウウアアアア!! く、ぐ」
「アスティラ!」
 すぐにリィリアちゃんが助け起こして距離を取った
「ひゃひゃ? ひゃひゃひゃ、にがさんえぇえ」
 ゆらりと揺らめいて今度は二人になった
 何なのコイツ
「わしはぁ、劇物のダリョン。もうお前らわぁ、わしの殺害範囲だでぇ」
 にゅっと腕を伸ばすと今度は急に眼が痛くなってきた
 痛すぎて開けていられない
 でも私は目をつむったまま周囲を探知し、相手の居場所は手に取るようにわかってる
「そこ!」
 シュッと魔力の塊を圧縮したものをその方向へ撃った
 バチュンという音がして何かが倒れる音
 二体に増えようとも本体は探知で認識できてる
 全部無駄よ
「ひゃひゃ、おかしいねぇおかしいねぇ、今倒れたのは誰かねぇ?」
「なっ」
 私は慌てて探知を倒れた誰かの方向へ向ける
「うう、ぐううう、あ、ああ、私、の、足が、足が・・・」
 倒れていたのはアスティラちゃんだった
 しかも、私は、あの子の足を、吹き飛ばして
「ひゃひゃひゃ、悪いこだねぇ、悪いこだ。お友たちの足をなくしちゃうなんてねぇ」
「わ、私は大丈夫ですルニア様、リィリアに治してもらっていますの、で」
 翼と足の出血、かなり危ないかもしれない
 私は目を見開いた
 もう惑わされない
 ガシっと男の胸ぐらをつかむ
「ひゃひゃ、おお、怖い怖いよぉ」
 でも男はずるっとローブから抜け出し私の手をがっしり掴んだ
「捕まえたつもりかい? 捕まったのはお前さんじゃぁよ」
 掴まれた腕が、腐り落ちる
「く、なんなの!」
 すぐに切り離して再生したけど、こいつ、かなりヤバイ
 本来私には効かないはずの腐食攻撃が、あっさりと効いてる
「不思議かえ? 不思議不思議、最初に言ったよぉわしは。劇物だと」
 驚いた
 こいつ、瞬時に激毒を体内で合成して、それを打ち込んでるんだわ
 指先から毒針を出して指してるってことね
 でもそれならそれでやりようもあるわ
 見たところ近づかないと打ち込めないんでしょう
 それなら近づかせないまで
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