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神と白黒鬼神30

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 竜の世界から別の世界へ移動したんだけど、どういうわけか狭間の世界で引っかかってしまった
 この世界は世界と世界の狭間に存在している世界で、普段のサニアさんや僕ならこの世界をそのまま通過して別世界へといける
 それが今回は狭間で扉が開いたんだ
「どうして失敗したのかしら、今までここを目的地にしないと狭間の扉は開かなかったのに」
 サニアさんが今出てきた扉を調べているんだけど、その扉は普段と変わらないらしく、神力も正常に作用してる
 そもそもこの扉は大神たちが作り出したもので、今の神々はその力を流用しているだけみたい
 そのため原理があまり分かっていないらしい
「ここからじゃ次の世界にはいけないみたいです。この世界に住む友人を頼ってみようと思います」
「分かったサニアさん。その人のところに行ってみよう」
 前に聞いたことがある
 叔母のサニアさんがかつて世界中を旅していたとき、一緒に旅をしていた女性
 その人は世界の根幹に触れ、アカシックレコードと繋がった特異点と呼ばれる人で、今はアカシックレコード自身として世界の管理をしているんだとか
 アカシックレコードに繋がった時点で寿命は無くなり、ほとんど精神生命体のようになった
 旅をしていたころはまだ肉体があったみたいだけど、今は完全に精神生命体になったみたいだね
 その人の名前はパリケルさん

 狭間の世界を案内しながらパリケルさんの話をしてくれるサニアさん
 凄く楽しそうだ
「それでね、パリケルはいつもホットドッグを片手にコーラを飲んでたの。元々自分が住んでた世界にはそんな食べ物も飲み物もなかったから、一度別世界で食べてはまっちゃってね」
 次から次へとパリケルさんとの思い出を語ってくれる
「で、それをリゼラスがよく注意してたっけ」
「リゼラス?」
「ああ、もう一人の仲間よ。元々はダークエルフと人間のハーフの女性だったんだけど、今は神聖騎士兼天使として神界にいるわ。その他にも大勇者桃ちゃんと、そして、妹のルニア。桃ちゃんは引退して今は余生を過ごしているはずよ」
 もっといろいろ聞きたかったけど、パリケルさんのところについてしまった
 まあ続きはまたこんどだね
 そんなパリケルさんがいるという場所にはすごく発展した街があった
 そしてそこで再会する見知った顔の人達
「ようこそいらっしゃいましたサニア様! 主が呼んでおります。そして、リディエラ様・・・。私達のことを許していただきありがとうございます」
 彼らは闇人という種族で、かつて僕の故郷を襲ってきた人たちだ
 幸いにもルニアさんたちがいてくれたおかげで何とかなったけど、すごく強い人たちだった
 彼らはずっと嘘を教えられて育ったため、世界を恨んでいたんだけど、黒族達が誤解を解いてくれたおかげで改心してくれたんだ
 それ以来サニアさんの友達の元で暮らしてるって聞いてたけど、それがまさかこの世界だったなんてね
「どう?調子は」
 う、緊張して会社の上司みたいな質問をしてしまった
「はい、この世界での生活はまるで夢のようで、私達が育てた作物や家畜も別世界で人気なんですよ」
 その作物を見せてくれたんだけど、ものすごく真っ黒なサツマイモだった
 でも試食品はとんでもなく甘くておいしかったよ
「では主様の元へ案内いたします」
 色々話してくれて案内してくれてる彼女はミヤさん
 彼女は闇人のリーダーで、パリケルさんの付き人をしている
 で、そんなパリケルさんなんだけど、彼女の部屋に入るとかなり真剣な顔で待っていた
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