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神と白黒鬼神23
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「レッディアさん、この子の記憶、きっと私たちが取り戻して見せます」
「女神様・・・。ありがとうございます。どうか、どうかよろしくお願いいたします」
とりあえずアディシアちゃんの記憶を取り戻すためにもその攫ったやつらを探し出さなくちゃいけない
ウル、だとは思うけど実はよく分からない
アディシアちゃんの力があれば一つの世界くらいは楽に滅ぼせるだろう
それでもこの子の記憶のみを奪って返してる
子供のうちなんて洗脳しやすいからそのままウルに引き込むことだって考えられる
なのにこの子はこの世界に帰って来てる
多分だけどウルとは違う誰かが関わってる気がするんだ
「ところでなんですが、この世界に他に何か異常な出来事や事件、何かが暴れ回ってるなんてことはないですか?」
「そうですね、確かこの街から南に少し行ったところに海流があるのですが、その流れに乗って着くアクオフォリアと言う街近くで巨大な海竜が目撃されたという情報が入っているのですが、一週間ほど前に一度目撃されただけでそれ以来特に目撃証言が上がって来ていません。恐らく何かの見間違いかと」
「分かりました。ありがとうございます。リディエラちゃん、今度はその街に行ってみましょうか」
「はい」
レッディアさんとアディシアちゃんの仲良し姉妹と別れ、僕らはその海流に乗って次なる街へと流されて行った
泳がなくていいって楽だね
ちらっとハクラちゃんの方を見るとやっぱり溺れてるみたいにもがいていた
ガボガボと暴れているから可愛い顔が台無しだ
クロハさんの方はと言うとそんなハクラちゃんを見てキュンとしてる
このお姉さんほんとにハクラちゃんのこととなるとダメだ
しばらく海流に流されていると街が見えてきた
街とは言ってもここは巨大サンゴ礁に造られた街で、巨大なサンゴをくりぬいて家ができている
ちなみにこの巨大サンゴはその程度じゃ死なないらしい
「ここがアクオフォリア、凄くきれいな街だね」
サンゴの薄紅色が日の光に照らされて輝いて見える
そのサンゴビル群の間をマーメイドが泳ぐ姿は非常に絵になるね
街に入ってキョロキョロと辺りを見渡していると、いつの間にか何人かのマーメイドに囲まれていた
「ようこそおいでくださいました女神様! 精霊神様!」
ん? マーメイドの中に水の精霊と海の精霊がいる
「わーい、精霊神様だ! すごいすごい、近づいただけで力が増してる!」
「これエリオ! 精霊神様に失礼ですよ!」
「えー良いじゃん、シーアもこっちきてみなよ」
「こ、こら! 申し訳ございません精霊神様!」
「いいっていいって、そんなことよりえと、シーアさん?もこっちにおいでよ」
「は、はい、ではお言葉に甘えて」
気さくな方は水の精霊エリオちゃん、生真面目な方は海の精霊のシーアさんで、姉妹らしい。いや精霊は一人の精霊祖神(僕の母さん)から生まれたから皆姉妹兄弟なんだけど、この二柱は同じ水から生まれたらしいんだ
「精霊神とは言っても成りたてだし、それに母さんの方が偉いと思うし」
「母さん?」
「うん、元精霊祖神のシルフェイン母さんだよ」
「「え!?」」
そっか、レッディアさんのとこでは精霊神としか自己紹介してなかった
元精霊祖神である母さんは数多の世界に数々の精霊を芽生えさせた
でも母さんから直接生まれたのは僕一柱だけだ
その意味で僕は母さんの後継者でもあるわけで、それをこの世界の精霊は今知ったわけなんだよね
「あ、う、申し訳ございません! 私達如きが!」
「いやいやいややめてよ! 僕のお姉さんたちなんだから僕なんかに頭をさげないでよ!」
「で、ですが・・・」
「敬語もやめてよ、ね、お姉さん」
「そうですね、その方があなたにとってもいいようですね」
よかった、理解が早いお姉さんで
この街を納めているのはこのシーアさんで、同時に海の管理もしているようだ
この世界の海が綺麗なのはこのお姉さんのおかげってことだね
「女神様・・・。ありがとうございます。どうか、どうかよろしくお願いいたします」
とりあえずアディシアちゃんの記憶を取り戻すためにもその攫ったやつらを探し出さなくちゃいけない
ウル、だとは思うけど実はよく分からない
アディシアちゃんの力があれば一つの世界くらいは楽に滅ぼせるだろう
それでもこの子の記憶のみを奪って返してる
子供のうちなんて洗脳しやすいからそのままウルに引き込むことだって考えられる
なのにこの子はこの世界に帰って来てる
多分だけどウルとは違う誰かが関わってる気がするんだ
「ところでなんですが、この世界に他に何か異常な出来事や事件、何かが暴れ回ってるなんてことはないですか?」
「そうですね、確かこの街から南に少し行ったところに海流があるのですが、その流れに乗って着くアクオフォリアと言う街近くで巨大な海竜が目撃されたという情報が入っているのですが、一週間ほど前に一度目撃されただけでそれ以来特に目撃証言が上がって来ていません。恐らく何かの見間違いかと」
「分かりました。ありがとうございます。リディエラちゃん、今度はその街に行ってみましょうか」
「はい」
レッディアさんとアディシアちゃんの仲良し姉妹と別れ、僕らはその海流に乗って次なる街へと流されて行った
泳がなくていいって楽だね
ちらっとハクラちゃんの方を見るとやっぱり溺れてるみたいにもがいていた
ガボガボと暴れているから可愛い顔が台無しだ
クロハさんの方はと言うとそんなハクラちゃんを見てキュンとしてる
このお姉さんほんとにハクラちゃんのこととなるとダメだ
しばらく海流に流されていると街が見えてきた
街とは言ってもここは巨大サンゴ礁に造られた街で、巨大なサンゴをくりぬいて家ができている
ちなみにこの巨大サンゴはその程度じゃ死なないらしい
「ここがアクオフォリア、凄くきれいな街だね」
サンゴの薄紅色が日の光に照らされて輝いて見える
そのサンゴビル群の間をマーメイドが泳ぐ姿は非常に絵になるね
街に入ってキョロキョロと辺りを見渡していると、いつの間にか何人かのマーメイドに囲まれていた
「ようこそおいでくださいました女神様! 精霊神様!」
ん? マーメイドの中に水の精霊と海の精霊がいる
「わーい、精霊神様だ! すごいすごい、近づいただけで力が増してる!」
「これエリオ! 精霊神様に失礼ですよ!」
「えー良いじゃん、シーアもこっちきてみなよ」
「こ、こら! 申し訳ございません精霊神様!」
「いいっていいって、そんなことよりえと、シーアさん?もこっちにおいでよ」
「は、はい、ではお言葉に甘えて」
気さくな方は水の精霊エリオちゃん、生真面目な方は海の精霊のシーアさんで、姉妹らしい。いや精霊は一人の精霊祖神(僕の母さん)から生まれたから皆姉妹兄弟なんだけど、この二柱は同じ水から生まれたらしいんだ
「精霊神とは言っても成りたてだし、それに母さんの方が偉いと思うし」
「母さん?」
「うん、元精霊祖神のシルフェイン母さんだよ」
「「え!?」」
そっか、レッディアさんのとこでは精霊神としか自己紹介してなかった
元精霊祖神である母さんは数多の世界に数々の精霊を芽生えさせた
でも母さんから直接生まれたのは僕一柱だけだ
その意味で僕は母さんの後継者でもあるわけで、それをこの世界の精霊は今知ったわけなんだよね
「あ、う、申し訳ございません! 私達如きが!」
「いやいやいややめてよ! 僕のお姉さんたちなんだから僕なんかに頭をさげないでよ!」
「で、ですが・・・」
「敬語もやめてよ、ね、お姉さん」
「そうですね、その方があなたにとってもいいようですね」
よかった、理解が早いお姉さんで
この街を納めているのはこのシーアさんで、同時に海の管理もしているようだ
この世界の海が綺麗なのはこのお姉さんのおかげってことだね
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