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世界に選ばれし者たち11
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犬たちに囲まれて非常に満足した表情のマリーをライナに託し、一行は街での聞き込みに励んだ
大道芸人らしき姿は見えないのでもう街を出たか、まだ休んでいて広場に来ていないかのどちらかである
そのことについては最初に聞いた男性によってすぐに情報を得ることができた
「ああ、彼なら昼過ぎからいつも始めてるよ。毎日芸が変わるから僕なんか楽しみで仕方ないよ」
どうやらもう少し待つ必要があるらしく、仕方なく広場の屋台で串焼きなどの昼食をとりつつ待つことにした
犬たちと戯れていたマリーは数匹の子犬を手に抱えつつライナと共にやって来た
キラキラした目で子犬を見ているが当然連れて行けるわけがないので後で帰さなければいけないが、今は良いだろうということで持たせておいた
「はぁ、ワンちゃん可愛いなぁ・・・。私、こんな子犬と一緒に暮らしてた気がする」
突如記憶に関することがマリーの口から飛び出したことで全員が驚いた
「マリーちゃん何か思い出したの?」
「うん、うっすらと、だけど、私お母さんとお父さんがいて、それで、犬がいて・・・。でもこれ以上思い出せない」
全て思い出せたわけではないが思わぬ収穫だ
少なくともこの子は両親とペットがいる幸せな家庭で育ってきたということが分かった
「まあこれからもゆっくりと思い出していけばいいさね。さ、もうすぐ時間だよ」
優しくエーテに言われ、少し陰ったマリーの顔もほころんだ
そして広場で始まる大道芸
男一人だけでいくつもの大道芸をこなしているようだ
だがその大道芸、魔力波感じないが不思議な力を感じた
宙に浮く、物体と物体の瞬間移動、空中に魚を泳がす、突如出現したぬいぐるみを見に来ていた女の子にあげる。などなどの大道芸
「これは、手品とも違うね・・・。かつて見た力に似てる気がするよ」
アモンはこの力の正体を知っていた
仲間たちの視線がアモンに集まる
「この力は超能力とかいう力だよ。ごく一定の確率で人間が発現する力でさ、その中には非情に強力な力を持つ人もいるんだ。例えば物を宙に浮かす、物体をテレポートさせる、他には炎を出したり凍らせたり」
「まるで魔法みたいだねぇ」
「うん、でも魔力を使わないんだ」
そう、だから彼から魔力を感じなかったのだ
彼はひとしきりの大道芸を披露した後、お金も受け取らず宿へ帰って行った
「あれ? 何でお金を受け取らないんだろう?」
「ああ彼は毎回こうなんだよ。みんなの笑顔が僕の報酬ですって言って帰るんだ」
「笑顔が、か」
その気持ちはアモンにもよくわかった
彼もまた人々の笑顔が好きだ
どうやら彼はウルでも何でもないようだが、この世界の住人でもなさそうだ
この世界に超能力などない
一応は話を聞くため彼に会いに行くことにした
ところ変わって彼の宿
偶然にも自分達の取った宿と同じであったためあっさりと彼に会えはしたのだが
「やあ待ってたよ異世界の人達、って僕もそうなんだけどね」
「何で僕達のことを知ってるんだい?」
「ふふ、僕には未来予知って力があってね。数週間先の未来を視ることができるんだ」
彼の超能力はいろいろあるらしく、大道芸に使っている力も未来予知もそのほんの一部らしい
「君たちが来ることは数週間前に視えていた。それと君たちの目的ももうわかってるよ。僕はそのウルとかいうのじゃない。まあ疑ってもないみたいだけど」
「すごい、そこまでわかるのかねぇ?」
「心も読めるからね。あ、でも深くまでは読んでないから大丈夫。情報くらいしか見てないよ」
彼は心を読む範囲も制御できるらしい
「さて、せっかくのお客さんなんだ。君たちのことを聞かせてよ」
彼はそう言うとルームサービスであらかじめ頼んでおいた紅茶とお菓子をふるまった
大道芸人らしき姿は見えないのでもう街を出たか、まだ休んでいて広場に来ていないかのどちらかである
そのことについては最初に聞いた男性によってすぐに情報を得ることができた
「ああ、彼なら昼過ぎからいつも始めてるよ。毎日芸が変わるから僕なんか楽しみで仕方ないよ」
どうやらもう少し待つ必要があるらしく、仕方なく広場の屋台で串焼きなどの昼食をとりつつ待つことにした
犬たちと戯れていたマリーは数匹の子犬を手に抱えつつライナと共にやって来た
キラキラした目で子犬を見ているが当然連れて行けるわけがないので後で帰さなければいけないが、今は良いだろうということで持たせておいた
「はぁ、ワンちゃん可愛いなぁ・・・。私、こんな子犬と一緒に暮らしてた気がする」
突如記憶に関することがマリーの口から飛び出したことで全員が驚いた
「マリーちゃん何か思い出したの?」
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全て思い出せたわけではないが思わぬ収穫だ
少なくともこの子は両親とペットがいる幸せな家庭で育ってきたということが分かった
「まあこれからもゆっくりと思い出していけばいいさね。さ、もうすぐ時間だよ」
優しくエーテに言われ、少し陰ったマリーの顔もほころんだ
そして広場で始まる大道芸
男一人だけでいくつもの大道芸をこなしているようだ
だがその大道芸、魔力波感じないが不思議な力を感じた
宙に浮く、物体と物体の瞬間移動、空中に魚を泳がす、突如出現したぬいぐるみを見に来ていた女の子にあげる。などなどの大道芸
「これは、手品とも違うね・・・。かつて見た力に似てる気がするよ」
アモンはこの力の正体を知っていた
仲間たちの視線がアモンに集まる
「この力は超能力とかいう力だよ。ごく一定の確率で人間が発現する力でさ、その中には非情に強力な力を持つ人もいるんだ。例えば物を宙に浮かす、物体をテレポートさせる、他には炎を出したり凍らせたり」
「まるで魔法みたいだねぇ」
「うん、でも魔力を使わないんだ」
そう、だから彼から魔力を感じなかったのだ
彼はひとしきりの大道芸を披露した後、お金も受け取らず宿へ帰って行った
「あれ? 何でお金を受け取らないんだろう?」
「ああ彼は毎回こうなんだよ。みんなの笑顔が僕の報酬ですって言って帰るんだ」
「笑顔が、か」
その気持ちはアモンにもよくわかった
彼もまた人々の笑顔が好きだ
どうやら彼はウルでも何でもないようだが、この世界の住人でもなさそうだ
この世界に超能力などない
一応は話を聞くため彼に会いに行くことにした
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「やあ待ってたよ異世界の人達、って僕もそうなんだけどね」
「何で僕達のことを知ってるんだい?」
「ふふ、僕には未来予知って力があってね。数週間先の未来を視ることができるんだ」
彼の超能力はいろいろあるらしく、大道芸に使っている力も未来予知もそのほんの一部らしい
「君たちが来ることは数週間前に視えていた。それと君たちの目的ももうわかってるよ。僕はそのウルとかいうのじゃない。まあ疑ってもないみたいだけど」
「すごい、そこまでわかるのかねぇ?」
「心も読めるからね。あ、でも深くまでは読んでないから大丈夫。情報くらいしか見てないよ」
彼は心を読む範囲も制御できるらしい
「さて、せっかくのお客さんなんだ。君たちのことを聞かせてよ」
彼はそう言うとルームサービスであらかじめ頼んでおいた紅茶とお菓子をふるまった
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