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利善とレイドの異世界旅15
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黄金鎧を着た少女に助けられた四人
彼女は仲間が連れてきた助っ人、そして全ての世界を救うために遣わされた大勇者だった
黄金鎧を脱いだ彼女は誰もが見惚れるほどの美しさで、それこそ神がかっていた
全員が思わず見続けているとそれに気づいた大勇者アイシスは顔を赤らめて後ろを向いた
「あの、あまり見ないで欲しいんですが」
「あらん、大勇者ちゃんは恥ずかしがり屋さんなのね。ふふふ、可愛いわぁ」
アインドーバにそう言われてアイシスはさらに顔が赤くなった
可愛いなど言われ慣れていないからだろう
「と、ともかくだ、まだ大幹部とかいうやつが残ってるんだろう? それに敵があれだけだとは思えない」
アイシスの言うように、幹部一人に十数人の部下だけがこの場にいた
だがそれだで世界一つを落とすのに戦力としては不十分だろう
数人の幹部は必ず来ているだろうし、その幹部それぞれに部下もついているはずだ
何よりこの場だけにいるとも限らない
世界を回らなければどれほどの敵がいるかもわからないのだ
それに生き残ったこの世界の住人もいる
彼らはウルから逃げ隠れている可能性が高く、まだ戦い続けている者もいるかもしれない
「そうね、私達だけじゃ心もとないけど、生き残りだって探さなくちゃいけないし・・・、大勇者ちゃんはこの闇でもよく見えてるのよね?」
「ああ、昼間と変わらないくらいには見えてる」
「だったら、そうね、私とあなたでまずはこの炎使いが支配していた地域を探してみましょう。利善ちゃん、クルちゃんをお願いね」
「ああ、アインドーバさんも気を付けて」
アインドーバと大勇者は連れ立って探索へと走った
この辺りの建物はどれも破壊されており、恐らく街だったのであろう跡地ばかりだった
崩れた廃墟はどれもが焼かれており、骨まで炭化した死体が数多く転がっていた
この世界が支配されてから数ヵ月は経っているが、死体が放置されていることから生き残りがいる可能性はほぼ絶望的であると思われる
逃げていればいいだろうが、この闇の中逃げるのは困難だろう
「酷い有様ね」
「ああ、ここまでできるなんて人間の所業じゃないよ・・・」
悲しむアイシスとアインドーバ
二人はそれでも可能性にかけて生き残りを探した
しかしながらこの街には誰一人として生き残りはおらず、ただ死体が転がるばかりだった
「だめね、戻りましょう」
「・・・」
言葉もなく戻る二人
「どうだった?」
「だめだったわ。次の街に行きましょう」
諦め、次の街を目指すことにした一向
ここから次の街までどれほどの距離があるかもわからないが、この世界を取り戻すために一行は重い足取りで歩き出した
アイシスの目による案内で進むこと一日半ほど
ようやく次の街が見えてきたのだが、どういうわけかその街は壊されてもおらず普通の街に見えた
だがやはりどこかおかしい
音が何もしないのだ
「生活音、人の声、動物の鳴き声すらないわね」
街に入るがやはり人っ子一人見当たらない
どの建物にも人はおらず、死体すらなかった
「人はどこに行ったんでしょう?」
歩き疲れた様子のレイドが疑問を投げかけるが、誰に答えられるはずもなく、もう一度隅々まで探してみることにした
そんな中目を覚ましたクルルがどこからか一枚の紙きれを見つけてきた
「クルちゃん、これは?」
「んー? そこにあったよー」
紙で折り紙をしようとしているのかその紙を折り始めたが、すぐにアイシスが止めた
「待ってくれクルルちゃん!」
紙を奪い取ったためクルルがぐずり始めたのをアインドーバがなだめつつ、他の紙を探してきて与えて泣き止ませた
クルルが持ってきた紙切れには何やら文字が書いてあり、アイシスはそれに反応したようだ
「これは、なるほど、住人が残したものか・・・。アインドーバさん、どうやらこの街の住人は無事なようだよ」
アイシスは紙に書かれていた文字を読む
「たのむ、もしこれを読んでいる者がいるならとある場所に隠れている俺たちを見つけてくれ」
ただそれだけ書かれていただけだが、希望があることが分かった
彼女は仲間が連れてきた助っ人、そして全ての世界を救うために遣わされた大勇者だった
黄金鎧を脱いだ彼女は誰もが見惚れるほどの美しさで、それこそ神がかっていた
全員が思わず見続けているとそれに気づいた大勇者アイシスは顔を赤らめて後ろを向いた
「あの、あまり見ないで欲しいんですが」
「あらん、大勇者ちゃんは恥ずかしがり屋さんなのね。ふふふ、可愛いわぁ」
アインドーバにそう言われてアイシスはさらに顔が赤くなった
可愛いなど言われ慣れていないからだろう
「と、ともかくだ、まだ大幹部とかいうやつが残ってるんだろう? それに敵があれだけだとは思えない」
アイシスの言うように、幹部一人に十数人の部下だけがこの場にいた
だがそれだで世界一つを落とすのに戦力としては不十分だろう
数人の幹部は必ず来ているだろうし、その幹部それぞれに部下もついているはずだ
何よりこの場だけにいるとも限らない
世界を回らなければどれほどの敵がいるかもわからないのだ
それに生き残ったこの世界の住人もいる
彼らはウルから逃げ隠れている可能性が高く、まだ戦い続けている者もいるかもしれない
「そうね、私達だけじゃ心もとないけど、生き残りだって探さなくちゃいけないし・・・、大勇者ちゃんはこの闇でもよく見えてるのよね?」
「ああ、昼間と変わらないくらいには見えてる」
「だったら、そうね、私とあなたでまずはこの炎使いが支配していた地域を探してみましょう。利善ちゃん、クルちゃんをお願いね」
「ああ、アインドーバさんも気を付けて」
アインドーバと大勇者は連れ立って探索へと走った
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崩れた廃墟はどれもが焼かれており、骨まで炭化した死体が数多く転がっていた
この世界が支配されてから数ヵ月は経っているが、死体が放置されていることから生き残りがいる可能性はほぼ絶望的であると思われる
逃げていればいいだろうが、この闇の中逃げるのは困難だろう
「酷い有様ね」
「ああ、ここまでできるなんて人間の所業じゃないよ・・・」
悲しむアイシスとアインドーバ
二人はそれでも可能性にかけて生き残りを探した
しかしながらこの街には誰一人として生き残りはおらず、ただ死体が転がるばかりだった
「だめね、戻りましょう」
「・・・」
言葉もなく戻る二人
「どうだった?」
「だめだったわ。次の街に行きましょう」
諦め、次の街を目指すことにした一向
ここから次の街までどれほどの距離があるかもわからないが、この世界を取り戻すために一行は重い足取りで歩き出した
アイシスの目による案内で進むこと一日半ほど
ようやく次の街が見えてきたのだが、どういうわけかその街は壊されてもおらず普通の街に見えた
だがやはりどこかおかしい
音が何もしないのだ
「生活音、人の声、動物の鳴き声すらないわね」
街に入るがやはり人っ子一人見当たらない
どの建物にも人はおらず、死体すらなかった
「人はどこに行ったんでしょう?」
歩き疲れた様子のレイドが疑問を投げかけるが、誰に答えられるはずもなく、もう一度隅々まで探してみることにした
そんな中目を覚ましたクルルがどこからか一枚の紙きれを見つけてきた
「クルちゃん、これは?」
「んー? そこにあったよー」
紙で折り紙をしようとしているのかその紙を折り始めたが、すぐにアイシスが止めた
「待ってくれクルルちゃん!」
紙を奪い取ったためクルルがぐずり始めたのをアインドーバがなだめつつ、他の紙を探してきて与えて泣き止ませた
クルルが持ってきた紙切れには何やら文字が書いてあり、アイシスはそれに反応したようだ
「これは、なるほど、住人が残したものか・・・。アインドーバさん、どうやらこの街の住人は無事なようだよ」
アイシスは紙に書かれていた文字を読む
「たのむ、もしこれを読んでいる者がいるならとある場所に隠れている俺たちを見つけてくれ」
ただそれだけ書かれていただけだが、希望があることが分かった
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