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逸脱した女神9
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えりかはさっそくヒーローが多数所属している本部へ戻ると情報を集め始めた
トップヒーローである彼女になら様々な情報が開示される
したがってどんな情報だろうと世界中ありとあらゆる情報が収集可能だった
「やぁクールちゃん、さっき連絡くれたとき言ってた資料、まとめといたよ。一応怪しそうなのだけピックアップしといた」
「ありがとうデルタ」
様々な情報を管理しているデルタと言いう女性から資料を受け取るとえりかは急いで目を通し始めた
多くの資料があったため数時間かかったがようやくすべてに目を通し終え、そこからどうやらウルの仕業らしい事件を見つけ出した
彼女がトップヒーローとして活躍できるのも、その慎重で冷静な性格と思慮深い心があってこそだ
分析も一流の彼女は人が数日かけて解析するようなものすら数時間足らずで分析しきるえりか
見つけ出したウルの痕跡をまとめ、それらを分かりやすく起こすとルニアたちの元へ戻った
「お待たせしました。少々時間がかかりましたが恐らくこの資料にある事件がウルと思われる者の仕業でしょう」
えりかが手渡した紙の束
即席で書いているためクシャッとなってはいるが、文字もきれいで見やすくまとめられている
そこに書かれていたのは数時間前に大宗樹という街で起こった事件と、ドレッガという国で起こった事件、ガビタルという国で起こった事件など多岐にわたる
しかしそのどれもが同じような事件であった
「なるほど、不気味な泥から生まれる変な化け物、弱いけど街を覆いつくすほどの数で攻めて来る。それからそれから、泥は突然現れる、ね。えーっとこの国と近い国ばかり・・・。ねええりかさん、これってつまり」
「はい女神様、恐らくこの国にこそその邪悪がいると思われます」
事件の日付や発生している場所を見てみると、この国を中心に円状に広がっていることが分かった
そしてその中心、そこにこの事件を引き起こしている何者かがいる
「これ、まさか」
「ああそのようだ」
「パパ!でも!」
「お前の分析が物語っているだろう」
中心が示す場所は、ヒーローたちが集う場所
ヒーローを派遣している組織
その中に犯人がいる
「そんな馬鹿なことってないわパパ! 本部は最新鋭の防犯システムだってあるし、何よりアルファ、ベータ、ガンマ、デルタの四姉妹がいるのよ!?」
えりかに資料を渡したデルタ、彼女には三人の姉がいる
彼女らは四人で施設の管理と防衛をしており、悪しき者が近寄れないようになっている
現に今まで犯罪者などが本部に入り込めた試しは無い
「ひとまず本部を調べる必要があるな」
神宮司の言葉で本部の調査をすることが決まった
「でも調べると言ってもどう調べるの? 四姉妹でも見つけれないのよ?」
「それなら私がなんとかできるわ。正確な場所さえわかればこっちのもんよ」
今のルニアなら近くにいれば誰がウルなのか瞬時に見分けがつくだろう
えりかはそんな女神ルニアを見て憧れを抱いた
それから数分後、本部へ入るとルニアはすぐに探知を始めた
「へぇ、巧妙に隠してるけどすぐわかったわ。ほらそこ!」
ルニアは何もない所を拳で撃ち抜いた
するとそこがどろどろと溶け、泥の塊が出来上がり、そこからぐにゅぐにゅと蠢く何かが這い出て来る
「ぐがぁ、俺の泥隠蔽を見破るだと?」
小太りの男
特に印象も浮かばない小太りという以外に対した特徴もない男が不機嫌そうな顔で出てきた
見つかったというのに慌てる様子もなく男はすっと立ち上がる
「まぁ見破られてもいい。うんいい、だった俺には手段があるからね。手段が、あああるとも、あるんだとも」
男の体から泥がボタボタと垂れ落ち始めた
「泥人形、あいつらを飲み込んでしまうんだ」
男が命令するとその泥は人型となり、それがどんどん増えて行った
トップヒーローである彼女になら様々な情報が開示される
したがってどんな情報だろうと世界中ありとあらゆる情報が収集可能だった
「やぁクールちゃん、さっき連絡くれたとき言ってた資料、まとめといたよ。一応怪しそうなのだけピックアップしといた」
「ありがとうデルタ」
様々な情報を管理しているデルタと言いう女性から資料を受け取るとえりかは急いで目を通し始めた
多くの資料があったため数時間かかったがようやくすべてに目を通し終え、そこからどうやらウルの仕業らしい事件を見つけ出した
彼女がトップヒーローとして活躍できるのも、その慎重で冷静な性格と思慮深い心があってこそだ
分析も一流の彼女は人が数日かけて解析するようなものすら数時間足らずで分析しきるえりか
見つけ出したウルの痕跡をまとめ、それらを分かりやすく起こすとルニアたちの元へ戻った
「お待たせしました。少々時間がかかりましたが恐らくこの資料にある事件がウルと思われる者の仕業でしょう」
えりかが手渡した紙の束
即席で書いているためクシャッとなってはいるが、文字もきれいで見やすくまとめられている
そこに書かれていたのは数時間前に大宗樹という街で起こった事件と、ドレッガという国で起こった事件、ガビタルという国で起こった事件など多岐にわたる
しかしそのどれもが同じような事件であった
「なるほど、不気味な泥から生まれる変な化け物、弱いけど街を覆いつくすほどの数で攻めて来る。それからそれから、泥は突然現れる、ね。えーっとこの国と近い国ばかり・・・。ねええりかさん、これってつまり」
「はい女神様、恐らくこの国にこそその邪悪がいると思われます」
事件の日付や発生している場所を見てみると、この国を中心に円状に広がっていることが分かった
そしてその中心、そこにこの事件を引き起こしている何者かがいる
「これ、まさか」
「ああそのようだ」
「パパ!でも!」
「お前の分析が物語っているだろう」
中心が示す場所は、ヒーローたちが集う場所
ヒーローを派遣している組織
その中に犯人がいる
「そんな馬鹿なことってないわパパ! 本部は最新鋭の防犯システムだってあるし、何よりアルファ、ベータ、ガンマ、デルタの四姉妹がいるのよ!?」
えりかに資料を渡したデルタ、彼女には三人の姉がいる
彼女らは四人で施設の管理と防衛をしており、悪しき者が近寄れないようになっている
現に今まで犯罪者などが本部に入り込めた試しは無い
「ひとまず本部を調べる必要があるな」
神宮司の言葉で本部の調査をすることが決まった
「でも調べると言ってもどう調べるの? 四姉妹でも見つけれないのよ?」
「それなら私がなんとかできるわ。正確な場所さえわかればこっちのもんよ」
今のルニアなら近くにいれば誰がウルなのか瞬時に見分けがつくだろう
えりかはそんな女神ルニアを見て憧れを抱いた
それから数分後、本部へ入るとルニアはすぐに探知を始めた
「へぇ、巧妙に隠してるけどすぐわかったわ。ほらそこ!」
ルニアは何もない所を拳で撃ち抜いた
するとそこがどろどろと溶け、泥の塊が出来上がり、そこからぐにゅぐにゅと蠢く何かが這い出て来る
「ぐがぁ、俺の泥隠蔽を見破るだと?」
小太りの男
特に印象も浮かばない小太りという以外に対した特徴もない男が不機嫌そうな顔で出てきた
見つかったというのに慌てる様子もなく男はすっと立ち上がる
「まぁ見破られてもいい。うんいい、だった俺には手段があるからね。手段が、あああるとも、あるんだとも」
男の体から泥がボタボタと垂れ落ち始めた
「泥人形、あいつらを飲み込んでしまうんだ」
男が命令するとその泥は人型となり、それがどんどん増えて行った
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