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勇者の成長18
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「さてまずは俺たち二人同時に君に力を渡すということについてだが、ヨウコは妖力、俺からはいよいよ神力、お前本来の力を呼び覚ます力を与えようと思う」
「俺本来の力ですか?」
俺っ娘たちの俺っ娘たちによる話し合い
そんな三人を微笑ましく眺めているものがいた
彼女はフフフと子供を見守るかのような目で見て笑い、そっと隠れつつ様子を拝見している
「では受け取る準備はできたか?」
「いつでもばっちりですよ!」
アイシスがグッドポーズ(リディエラに教わった)を女神二柱に向けたとたん、二人が手をアイシスに伸ばし、一気にその力を与えた
「ぐっ、うあああああ!! 苦しい、体が裂けそうだ・・・。アコ様、ヨウコ、様・・・」
「気をしっかり持て! 今お前の中に眠る真なる力を解放している。もう少しだ」
「ぐぅ、痛い、アアアア!! 痛いぃいい!」
アイシスの体にひびが入り始める
ビキビキとたくさんのひび割れが彼女の体を走り、どんどん亀裂が広がって行く
「これまずくないっすか!?」
「いやこれでいい、ほらヨウコ、しっかり注げ!」
「はいっす!」
今にも砕け散りそうなアイシスの体にさらに力を注いでいく二柱
アイシスはもはや悲鳴も上げず体のひび割れからは光が漏れ出していた
覗いていた何者かもヒヤヒヤとしながらその様子を眺める
やがて力の全てがアイシスの体内にとどまった
そして、アイシスの体は粉々に砕け散った
「アコさん! 失敗じゃないっすか! どうするんすかこんないたいけな子を殺しちゃって! 殺人犯! 警察、警察! お巡りさんこっちです!」
「馬鹿、よく見ろ」
砕け散ったアイシスの体があった場所には裸で光り輝く神々しいアイシスの姿があった
その髪は長く伸び、もともと可愛らしかった顔立ちが神掛かった美しさに変化している
アコはそっと懐からローブを取り出すとアイシスに被せた
「どうだアイシス、人の殻を破って本来の姿になった気分は」
閉じていた目をゆっくりと開くアイシス
自分の変化に気づいたのか、目を見開いて手のひらをじっと見つめ、開いたり閉じたりを繰り返す
「すごい、今までの苦しみが嘘みたいに気分がいいです。しかも力が溢れて来るような」
「ああそれでいい、お前は人としての側が外れ、精神生命体となった」
「俺が、精霊と同じに?」
「まぁ精霊ではないんだが、同じようなもんぐぶぁあああ!!」
突如アコが何者かに思いっきり飛びつかれて吹っ飛んでいった
「ぐふ、何をするんですかアマテラス様」
ゆっくりと立ち上がりつつその飛びついてきた相手を立ち上がらせる
「フフフ、油断禁物じゃアコよ」
太陽神アマテラス、鬼ヶ島でも信仰されている女神の一柱で、この世界を見守っている女神でもある
いわばこの世界の主神だ
そしてリディエラが元居た世界である地球の三神の一柱でもある
「ああよくぞ試練に耐えた大勇者よ。わらわも鼻が高い」
今度はアイシスに抱き着きその頭を思いっきり撫でぐり始めた
「う、あ、う、あ、や、やめて、くだ、さい」
「おおすまんすまん、じゃが、ほんに可愛らしい子じゃ。お主わらわの娘にならぬか?」
「いえ、俺の母はシルフェイン様一人だけですので」
「おおそうじゃったの、あの子が養子にしたのじゃったな。すまん失言じゃった。して大勇者アイシス、お主にはこれから別世界へ旅立ってもらわねばならぬ」
「ええ、それは聞いています」
「つらく厳しい戦いになろう」
「はい、でも心はもう決まっているので」
「うむ、素晴らしい。そこでじゃアイシス、お主には先代大勇者に会ってもらう」
「先代ですか?」
「うむ、とある世界で現在は隠居生活をしてはいるが、かつて異放者と呼ばれる世界の外から来た侵略者と戦った者じゃ。その守りに長けた力で皆をまもったのじゃよ」
守護の大勇者と呼ばれた先代大勇者は大盾を武器に戦った
彼女は現在大勇者を退きとある世界で平和に暮らしている
そんな彼女に大勇者としての心構えなどを教わるため、アイシスはその世界へと行かなければならない
「でも俺、世界を超える方法なんて知らないんですが」
「その点は問題ない。もう自分で出来るはずじゃ」
人としての殻を破り、新たな種族となったアイシス
彼女にはもうすでに世界を超えるための力が備わっていた
単純に力が足りずにできなかっただけである
「まぁまずは目覚め、親しい者との別れを済ませて来るのじゃ」
「は、はい・・・」
アイシスはこれからキーラを置いて別世界へと旅立つのだ
妹のようなキーラと離れることは当然辛いことだった
「俺本来の力ですか?」
俺っ娘たちの俺っ娘たちによる話し合い
そんな三人を微笑ましく眺めているものがいた
彼女はフフフと子供を見守るかのような目で見て笑い、そっと隠れつつ様子を拝見している
「では受け取る準備はできたか?」
「いつでもばっちりですよ!」
アイシスがグッドポーズ(リディエラに教わった)を女神二柱に向けたとたん、二人が手をアイシスに伸ばし、一気にその力を与えた
「ぐっ、うあああああ!! 苦しい、体が裂けそうだ・・・。アコ様、ヨウコ、様・・・」
「気をしっかり持て! 今お前の中に眠る真なる力を解放している。もう少しだ」
「ぐぅ、痛い、アアアア!! 痛いぃいい!」
アイシスの体にひびが入り始める
ビキビキとたくさんのひび割れが彼女の体を走り、どんどん亀裂が広がって行く
「これまずくないっすか!?」
「いやこれでいい、ほらヨウコ、しっかり注げ!」
「はいっす!」
今にも砕け散りそうなアイシスの体にさらに力を注いでいく二柱
アイシスはもはや悲鳴も上げず体のひび割れからは光が漏れ出していた
覗いていた何者かもヒヤヒヤとしながらその様子を眺める
やがて力の全てがアイシスの体内にとどまった
そして、アイシスの体は粉々に砕け散った
「アコさん! 失敗じゃないっすか! どうするんすかこんないたいけな子を殺しちゃって! 殺人犯! 警察、警察! お巡りさんこっちです!」
「馬鹿、よく見ろ」
砕け散ったアイシスの体があった場所には裸で光り輝く神々しいアイシスの姿があった
その髪は長く伸び、もともと可愛らしかった顔立ちが神掛かった美しさに変化している
アコはそっと懐からローブを取り出すとアイシスに被せた
「どうだアイシス、人の殻を破って本来の姿になった気分は」
閉じていた目をゆっくりと開くアイシス
自分の変化に気づいたのか、目を見開いて手のひらをじっと見つめ、開いたり閉じたりを繰り返す
「すごい、今までの苦しみが嘘みたいに気分がいいです。しかも力が溢れて来るような」
「ああそれでいい、お前は人としての側が外れ、精神生命体となった」
「俺が、精霊と同じに?」
「まぁ精霊ではないんだが、同じようなもんぐぶぁあああ!!」
突如アコが何者かに思いっきり飛びつかれて吹っ飛んでいった
「ぐふ、何をするんですかアマテラス様」
ゆっくりと立ち上がりつつその飛びついてきた相手を立ち上がらせる
「フフフ、油断禁物じゃアコよ」
太陽神アマテラス、鬼ヶ島でも信仰されている女神の一柱で、この世界を見守っている女神でもある
いわばこの世界の主神だ
そしてリディエラが元居た世界である地球の三神の一柱でもある
「ああよくぞ試練に耐えた大勇者よ。わらわも鼻が高い」
今度はアイシスに抱き着きその頭を思いっきり撫でぐり始めた
「う、あ、う、あ、や、やめて、くだ、さい」
「おおすまんすまん、じゃが、ほんに可愛らしい子じゃ。お主わらわの娘にならぬか?」
「いえ、俺の母はシルフェイン様一人だけですので」
「おおそうじゃったの、あの子が養子にしたのじゃったな。すまん失言じゃった。して大勇者アイシス、お主にはこれから別世界へ旅立ってもらわねばならぬ」
「ええ、それは聞いています」
「つらく厳しい戦いになろう」
「はい、でも心はもう決まっているので」
「うむ、素晴らしい。そこでじゃアイシス、お主には先代大勇者に会ってもらう」
「先代ですか?」
「うむ、とある世界で現在は隠居生活をしてはいるが、かつて異放者と呼ばれる世界の外から来た侵略者と戦った者じゃ。その守りに長けた力で皆をまもったのじゃよ」
守護の大勇者と呼ばれた先代大勇者は大盾を武器に戦った
彼女は現在大勇者を退きとある世界で平和に暮らしている
そんな彼女に大勇者としての心構えなどを教わるため、アイシスはその世界へと行かなければならない
「でも俺、世界を超える方法なんて知らないんですが」
「その点は問題ない。もう自分で出来るはずじゃ」
人としての殻を破り、新たな種族となったアイシス
彼女にはもうすでに世界を超えるための力が備わっていた
単純に力が足りずにできなかっただけである
「まぁまずは目覚め、親しい者との別れを済ませて来るのじゃ」
「は、はい・・・」
アイシスはこれからキーラを置いて別世界へと旅立つのだ
妹のようなキーラと離れることは当然辛いことだった
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