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利善とレイド5
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目が覚めたレイドは決意した
自分の世界が本当にこうならないためにも、弟を助け出すためにも自ら戦う決意を
その時いきなり警報が鳴った
ディアが仕掛けた警報装置、それには敵意ある何かが侵入すると反応するように設定をされている
「どうやら私の警報装置に何かがかかったようですね。調査に向かうのは一旦中止です。危険生物が入り込んだのかもしれません」
「あの、当然のように言ってるけど警報装置を作ったのは僕だよ?」
「でも、おかしい、結界張ってるから危険生物、入れない」
「ウル、でしょうか?」
三姉妹が話し合いを始めながら歩き始める
それについて行きつつレイドと利善も戦う準備をした
利善の力は空間を操る力、そのため中々に強力だ
ここにいる危険生物くらいなら問題なく倒せるだろう
「それでどのあたりにそいつらはいるんだ?」
「この建物の隣の建物です」
「そこたぶん体育館です。運動をする場所で・・・」
「急ごう、窓からだ」
利善が力を使って窓から空間で足場を作り出す
「見えないから俺の後に続いて降りてくれ」
空間能力で出来た階段を駆け下り隣にある体育館へ
扉を開けるとそこに一人フードを目深にかぶった人影があった
そいつはうやうやしくお辞儀をしてフードを取った
「やあ、はじめましての方は初めまして、そうでない方はお久しぶり、私だよ、アリアンナ・ヘイスターだよ。君たち脱走者を捕らえに来た」
どうやら女性のようで、彼女は利善とレイドに指をびしっと伸ばした
しばらく流れる沈黙
「あの、何かいってよ。私寂しくなるじゃない」
いたたまれなくなったのかアリアンナ自信が顔を真っ赤にしながらわめく
「いやその何というか、君がまさかそんな感じだったとは思わなくてな。だって君は」
「い、言わないでくれ! あれは気の迷いと言うかその、えっと、うう」
どうやら利善と彼女はウルにいた時の知り合いのようだ
過去を知っているためか恥ずかしさで涙目になっている
「あの、お知り合いなのですか?」
「ああそうだな、同じリーダーの下についていた知り合いだ。あの時は何と言うか、中二病か?」
「ばっ! 言うなって!」
「だがどうして、君は悪に屈するような子じゃないだろう・・・。人質、か」
「ごめん、私だって気心知れた君を捕らえるなんてできないよ。でも、でも姉さんが囚われて」
涙を流すアリアンナ
彼女はウルに来た当初は別に人質を取られていたわけではなかった
自らの意思でアウルのカリスマ性にあこがれてウルに入ったし、リーダーは四姉妹の長女ディスだった
だが根が優しい彼女にはとても人を傷つけることができず、今回利善とレイドが脱走したことで人質を取られ、無理やり追跡者にされた
本来なら彼女のリーダーディスが命令を下すはずだが、リーダーであるはずのディスがどうなっているのかは彼女もわからないらしい
「だからなあ利善、掴まってくれよおとなしくよお!」
急に口調が変わり、アリアンナの体からどす黒い闇の炎が吹きあがると彼女の体が変わった
「何だこれは、アリアンナにこんな能力はなかったはずだが」
「恐らく改造されたのでしょう。ウルの中にはそう言ったことができる能力者がいるので」
「だがこれではあまりにも・・・。彼女の能力はビーストだ獣になれるだけの能力のはずだ」
変わったアリアンナの姿は巨大な竜そのものだった
それがこちらをにらみ、鼻息を吹きつけて来る
「アリアンナ! 俺が分かるか!?」
「グルルルラアアアアアア!」
もはや理性が無く、全員を殺そうと迫ってきた
「私が、止めます!」
レイドはその能力を発動した
建物の中であるにもかかわらず彼女の周囲に雨が降り始める
「なぜ屋内で雨が・・・」
その雨はレイドの体に吸い込まれていき、そのまま彼女を巨大化させた
まるで光の巨人のような姿
彼女の能力は雨を支配する巨人
故に雨の支配者、レインドミネーター、略してレイドだった
そのレイドと竜との戦いが始まった
自分の世界が本当にこうならないためにも、弟を助け出すためにも自ら戦う決意を
その時いきなり警報が鳴った
ディアが仕掛けた警報装置、それには敵意ある何かが侵入すると反応するように設定をされている
「どうやら私の警報装置に何かがかかったようですね。調査に向かうのは一旦中止です。危険生物が入り込んだのかもしれません」
「あの、当然のように言ってるけど警報装置を作ったのは僕だよ?」
「でも、おかしい、結界張ってるから危険生物、入れない」
「ウル、でしょうか?」
三姉妹が話し合いを始めながら歩き始める
それについて行きつつレイドと利善も戦う準備をした
利善の力は空間を操る力、そのため中々に強力だ
ここにいる危険生物くらいなら問題なく倒せるだろう
「それでどのあたりにそいつらはいるんだ?」
「この建物の隣の建物です」
「そこたぶん体育館です。運動をする場所で・・・」
「急ごう、窓からだ」
利善が力を使って窓から空間で足場を作り出す
「見えないから俺の後に続いて降りてくれ」
空間能力で出来た階段を駆け下り隣にある体育館へ
扉を開けるとそこに一人フードを目深にかぶった人影があった
そいつはうやうやしくお辞儀をしてフードを取った
「やあ、はじめましての方は初めまして、そうでない方はお久しぶり、私だよ、アリアンナ・ヘイスターだよ。君たち脱走者を捕らえに来た」
どうやら女性のようで、彼女は利善とレイドに指をびしっと伸ばした
しばらく流れる沈黙
「あの、何かいってよ。私寂しくなるじゃない」
いたたまれなくなったのかアリアンナ自信が顔を真っ赤にしながらわめく
「いやその何というか、君がまさかそんな感じだったとは思わなくてな。だって君は」
「い、言わないでくれ! あれは気の迷いと言うかその、えっと、うう」
どうやら利善と彼女はウルにいた時の知り合いのようだ
過去を知っているためか恥ずかしさで涙目になっている
「あの、お知り合いなのですか?」
「ああそうだな、同じリーダーの下についていた知り合いだ。あの時は何と言うか、中二病か?」
「ばっ! 言うなって!」
「だがどうして、君は悪に屈するような子じゃないだろう・・・。人質、か」
「ごめん、私だって気心知れた君を捕らえるなんてできないよ。でも、でも姉さんが囚われて」
涙を流すアリアンナ
彼女はウルに来た当初は別に人質を取られていたわけではなかった
自らの意思でアウルのカリスマ性にあこがれてウルに入ったし、リーダーは四姉妹の長女ディスだった
だが根が優しい彼女にはとても人を傷つけることができず、今回利善とレイドが脱走したことで人質を取られ、無理やり追跡者にされた
本来なら彼女のリーダーディスが命令を下すはずだが、リーダーであるはずのディスがどうなっているのかは彼女もわからないらしい
「だからなあ利善、掴まってくれよおとなしくよお!」
急に口調が変わり、アリアンナの体からどす黒い闇の炎が吹きあがると彼女の体が変わった
「何だこれは、アリアンナにこんな能力はなかったはずだが」
「恐らく改造されたのでしょう。ウルの中にはそう言ったことができる能力者がいるので」
「だがこれではあまりにも・・・。彼女の能力はビーストだ獣になれるだけの能力のはずだ」
変わったアリアンナの姿は巨大な竜そのものだった
それがこちらをにらみ、鼻息を吹きつけて来る
「アリアンナ! 俺が分かるか!?」
「グルルルラアアアアアア!」
もはや理性が無く、全員を殺そうと迫ってきた
「私が、止めます!」
レイドはその能力を発動した
建物の中であるにもかかわらず彼女の周囲に雨が降り始める
「なぜ屋内で雨が・・・」
その雨はレイドの体に吸い込まれていき、そのまま彼女を巨大化させた
まるで光の巨人のような姿
彼女の能力は雨を支配する巨人
故に雨の支配者、レインドミネーター、略してレイドだった
そのレイドと竜との戦いが始まった
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