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勇者の成長2
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竜の力は思った以上に強力で海が一瞬割れた
そのため船が沈みそうになるが、アイシスが慌てて防いだため被害はなかった
一緒に来ていた冒険者たちはアイシスの強さに憧れ、また尊敬し、信仰心がどんどん集まって行く
「よし、帰るか」
城に戻るとキーラが笑顔で出迎えた
そんなキーラの頭を撫でて城の中へ入ったとたんまたしてもアイシスはコテンと倒れ込んでしまった
「ああああ!アイシスぅ!!」
スースーと寝息を立てるアイシスをリドリリが直ぐに抱え上げてベッドに寝かせた
「疲れたのでしょう。今は寝かせておきましょう」
「うん」
心配そうなキーラを安心させてリドリリはアイシスの世話をするための準備をしに部屋を出た
夢の中、今度はものすごく尻尾を振る犬耳の少女が足に抱き着いてきた
「よっす! 私はワコですわん!」
「こ、これは、なんて可愛いんだ!」
ワコを抱え上げるとその頭をよしよしと撫でてみる
気持ちよさそうなワコを見てアイシスも満足そうにうなづく
「あ、そろそろ降ろしてほしいですわん。これから私の力を注ぎますわん」
「はい、よろしくお願いします!」
ワコをそっと地面に降ろすとワコは尻尾を振りつつ説明するように指をピンと立てた
「さてまず私の力を受け取ってもらってから、そこから話ははじまるのですわん」
「はい、それは、皆さんもそうだったので」
「あ、そう、そうですよね。いや失敬ですわん。とりあえず手を出すわん」
「はい」
アイシスの手を握るとすぐに力を譲渡した
その力はどことなく吹き抜ける風のようで開放感がある
優しい力がゆっくりと体にしみこんでいき、アイシスは心までもが癒されていく感覚に酔いしれた
「はい、これで力は受け渡せたですわん。今ちょっと使ってみるといいわん」
「え、夢の中で使えるんですか?」
「使えるわん。ここは夢の中とは言っても魂の世界でもあるわん。だからいろんな力を使うことができるのですわん」
アイシスはさっそくワコから授かった力を使ってみる
優しい風が周囲に吹き渡り、アイシス自体の体から若草のような香りのするキラキラとした何かが出た
それが地面に当たるとにょきにょきといきなり草花が生い茂って来た
「これは?」
「その力は癒しの風ですわん。怪我や心を癒し、生命力を活性化させるのですわん。どうですわん? 自分まで気分が落ち着くでしょう?」
「その、すごく気持ちいい風ですね」
目をつむるとその風の香りに頭もすっきりしていった
「そうそうその感じをしっかり覚えて置くのですわん。この力は攻撃はできないし、怪我や心を癒すと言った単純なものですけど、鍛えればもっとサポートができますわん。役立ててほしいですわん」
「はい、そこは任せてください!」
ワコは嬉しそうに笑うとそのまま目の前からすーっと消えた
どうやら天界に帰ったようだ
それと同時に目が覚めた
ベッドから起き上がるとキーラが横で口を開けて寝ている
どうやら看病疲れのようだ
「ありがとなキーラ」
キーラを起こさないように立ち上がり、先ほど手に入れたばかりの癒しの風を彼女に使ってみる
するとキーラの寝顔がさらにだらしくなっていった
「げっ、これは、ちょっと」
癒されすぎたせいでキーラの心と体が解放されたようだ
かなり女性としては危なげな感じになってしまっている
「うん、寝てる相手にはこれは使わない方がいいな」
そっと布団をかけるとアイシスはリドリリに報告に行った
リドリリはどうやらご飯を作っていたようで、それが作り終わるのを待ってからの報告
丁度作り終わったところに起きてきたキーラがやってきた
「アイシス! 起きたんだね!」
キーラに抱き着かれて顔がほころぶ
その後は報告を終え、リドリリの料理にありついた
野菜たっぷりのスープにクリームソースの乗った魚のムニエル
絶品
顔が蕩けるほどの素晴らしい味に二人は大満足だった
リドリリの料理の腕もどんどん上がっているようだ
そのため船が沈みそうになるが、アイシスが慌てて防いだため被害はなかった
一緒に来ていた冒険者たちはアイシスの強さに憧れ、また尊敬し、信仰心がどんどん集まって行く
「よし、帰るか」
城に戻るとキーラが笑顔で出迎えた
そんなキーラの頭を撫でて城の中へ入ったとたんまたしてもアイシスはコテンと倒れ込んでしまった
「ああああ!アイシスぅ!!」
スースーと寝息を立てるアイシスをリドリリが直ぐに抱え上げてベッドに寝かせた
「疲れたのでしょう。今は寝かせておきましょう」
「うん」
心配そうなキーラを安心させてリドリリはアイシスの世話をするための準備をしに部屋を出た
夢の中、今度はものすごく尻尾を振る犬耳の少女が足に抱き着いてきた
「よっす! 私はワコですわん!」
「こ、これは、なんて可愛いんだ!」
ワコを抱え上げるとその頭をよしよしと撫でてみる
気持ちよさそうなワコを見てアイシスも満足そうにうなづく
「あ、そろそろ降ろしてほしいですわん。これから私の力を注ぎますわん」
「はい、よろしくお願いします!」
ワコをそっと地面に降ろすとワコは尻尾を振りつつ説明するように指をピンと立てた
「さてまず私の力を受け取ってもらってから、そこから話ははじまるのですわん」
「はい、それは、皆さんもそうだったので」
「あ、そう、そうですよね。いや失敬ですわん。とりあえず手を出すわん」
「はい」
アイシスの手を握るとすぐに力を譲渡した
その力はどことなく吹き抜ける風のようで開放感がある
優しい力がゆっくりと体にしみこんでいき、アイシスは心までもが癒されていく感覚に酔いしれた
「はい、これで力は受け渡せたですわん。今ちょっと使ってみるといいわん」
「え、夢の中で使えるんですか?」
「使えるわん。ここは夢の中とは言っても魂の世界でもあるわん。だからいろんな力を使うことができるのですわん」
アイシスはさっそくワコから授かった力を使ってみる
優しい風が周囲に吹き渡り、アイシス自体の体から若草のような香りのするキラキラとした何かが出た
それが地面に当たるとにょきにょきといきなり草花が生い茂って来た
「これは?」
「その力は癒しの風ですわん。怪我や心を癒し、生命力を活性化させるのですわん。どうですわん? 自分まで気分が落ち着くでしょう?」
「その、すごく気持ちいい風ですね」
目をつむるとその風の香りに頭もすっきりしていった
「そうそうその感じをしっかり覚えて置くのですわん。この力は攻撃はできないし、怪我や心を癒すと言った単純なものですけど、鍛えればもっとサポートができますわん。役立ててほしいですわん」
「はい、そこは任せてください!」
ワコは嬉しそうに笑うとそのまま目の前からすーっと消えた
どうやら天界に帰ったようだ
それと同時に目が覚めた
ベッドから起き上がるとキーラが横で口を開けて寝ている
どうやら看病疲れのようだ
「ありがとなキーラ」
キーラを起こさないように立ち上がり、先ほど手に入れたばかりの癒しの風を彼女に使ってみる
するとキーラの寝顔がさらにだらしくなっていった
「げっ、これは、ちょっと」
癒されすぎたせいでキーラの心と体が解放されたようだ
かなり女性としては危なげな感じになってしまっている
「うん、寝てる相手にはこれは使わない方がいいな」
そっと布団をかけるとアイシスはリドリリに報告に行った
リドリリはどうやらご飯を作っていたようで、それが作り終わるのを待ってからの報告
丁度作り終わったところに起きてきたキーラがやってきた
「アイシス! 起きたんだね!」
キーラに抱き着かれて顔がほころぶ
その後は報告を終え、リドリリの料理にありついた
野菜たっぷりのスープにクリームソースの乗った魚のムニエル
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