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勇者の成長1
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リュコの力を手に入れてから数週間が経った
自分でもわかるほどの圧倒的な力にアイシスは苦しんでいた
制御しきれない
キーラやリドリリもその苦悩を理解しているがゆえに口を出せずにいた
まず力を発動すると体に激痛が走った
そのためかうまく力が練れない
さらに我慢して練れたとしても強すぎてコントロールができない
「諦めねぇぞ絶対に!」
アイシスは毎日ボロボロになりながらも少しずつ、亀の歩みほどに成長していた
その実感は自分でも分かる
本当に少しずつ、ゆっくりと
「キーラ、そろそろ休憩にするか」
「うん!」
当然キーラとの大切な時間も忘れない
リドリリが用意したお菓子を美味しく食べて体力を回復
傷ついた体も傷一つなく元通りになる辺り、リドリリのお菓子作りの腕前もかなり上達しているようだ
ちなみにリドリリは将来的にお菓子屋を開くことを夢見ているらしい
婚約者もキーラもそれに大賛成しており、キーラはそのための援助を惜しまないことを約束している
リュコの力を定着させ始めてすでに一か月が経った
ようやく痛みも和らぎ、コントロールも繊細にできるようになったころに、アイシスはその力を試すため魔国の冒険者ギルドで一つの依頼を受けた
オルグサーペントという角の生えた巨大ウミヘビを討伐する依頼
ランクはAランクとアイシスなら力を使わずとも倒せる
相手は海にいるため力を全力で使うにも申し分ない相手と言えた
「じゃ、行ってくる。キーラ、お利口に待ってるんだぞ」
「もう! 私ももうすぐおとなだよ! 大丈夫だよ」
そう言うキーラだが、見た目は十歳前後の子供にしか見えないため説得力がない
だがそれも微笑ましいためアイシスは笑顔でキーラの頭を撫でた
依頼を受けて魔国に接する大海原を見るアイシス
討伐隊が組まれているため船は国から貸し出されていた
その船に多くの冒険者と共に乗り込む
この国ではアイシスは有名人であるためすぐに顔がばれ、冒険者たちに囲まれたが、彼女は嫌な顔一つせずにそれに答えていく
そして目的の海域に着くころには少し疲れた顔になっていた
「申し訳ないです勇者様、しかし魔国の魔族たちは皆勇者様に感謝しているのです。戦争を終わらせてくれたこと、キーラ様を救ってくださったこと、魔族とヒト族の仲を精霊様と共に取り持ってくださったこと。私達は皆勇者様が大好きなのです!」
冒険者の女性、アムと呼ばれる彼女は先の戦争の被害者でもあった
両親を失い、戦災孤児となっていたが、戦争が終わってそんな孤児たちが安寧に暮らせる施設が数多くできた
それはアイシスが真っ先に立ち上げたことで、子供好きな彼女は子供の大切さをよくわかっていた
そしてそんなアイシスに彼女も感謝しており、憧れの勇者に合えたことが嬉しかったのだ
「そうか、俺も、役には立ててたんだな」
彼女から言われた言葉をかみしめ、勇者は今しがた首をもたげて襲ってきたサーペントを右腕だけで受け止める
「見とけ、これが勇者の力だ!」
黄金の竜が体から湧き上がるようにして現れ、それが腕にまとわりつく
金色の刺青のように手に竜が描かれ、それが力となった
「回転式龍拳、覇天光!」
足から腰、腰から胸、胸から腕に力が回転し、大きな力となってサーペントに襲い掛かる
それはまるで竜の咢のようにサーペントにくらいついて一瞬で消滅させた
今までアイシスの体も傷つけていた力は今正しくアイシスの体に合致したようだ
キラキラと輝く彼女を他の冒険者たちは尊敬の眼差しで見、そこに信仰心が生まれた
信仰心、それが彼女の新たな力となる
自分でもわかるほどの圧倒的な力にアイシスは苦しんでいた
制御しきれない
キーラやリドリリもその苦悩を理解しているがゆえに口を出せずにいた
まず力を発動すると体に激痛が走った
そのためかうまく力が練れない
さらに我慢して練れたとしても強すぎてコントロールができない
「諦めねぇぞ絶対に!」
アイシスは毎日ボロボロになりながらも少しずつ、亀の歩みほどに成長していた
その実感は自分でも分かる
本当に少しずつ、ゆっくりと
「キーラ、そろそろ休憩にするか」
「うん!」
当然キーラとの大切な時間も忘れない
リドリリが用意したお菓子を美味しく食べて体力を回復
傷ついた体も傷一つなく元通りになる辺り、リドリリのお菓子作りの腕前もかなり上達しているようだ
ちなみにリドリリは将来的にお菓子屋を開くことを夢見ているらしい
婚約者もキーラもそれに大賛成しており、キーラはそのための援助を惜しまないことを約束している
リュコの力を定着させ始めてすでに一か月が経った
ようやく痛みも和らぎ、コントロールも繊細にできるようになったころに、アイシスはその力を試すため魔国の冒険者ギルドで一つの依頼を受けた
オルグサーペントという角の生えた巨大ウミヘビを討伐する依頼
ランクはAランクとアイシスなら力を使わずとも倒せる
相手は海にいるため力を全力で使うにも申し分ない相手と言えた
「じゃ、行ってくる。キーラ、お利口に待ってるんだぞ」
「もう! 私ももうすぐおとなだよ! 大丈夫だよ」
そう言うキーラだが、見た目は十歳前後の子供にしか見えないため説得力がない
だがそれも微笑ましいためアイシスは笑顔でキーラの頭を撫でた
依頼を受けて魔国に接する大海原を見るアイシス
討伐隊が組まれているため船は国から貸し出されていた
その船に多くの冒険者と共に乗り込む
この国ではアイシスは有名人であるためすぐに顔がばれ、冒険者たちに囲まれたが、彼女は嫌な顔一つせずにそれに答えていく
そして目的の海域に着くころには少し疲れた顔になっていた
「申し訳ないです勇者様、しかし魔国の魔族たちは皆勇者様に感謝しているのです。戦争を終わらせてくれたこと、キーラ様を救ってくださったこと、魔族とヒト族の仲を精霊様と共に取り持ってくださったこと。私達は皆勇者様が大好きなのです!」
冒険者の女性、アムと呼ばれる彼女は先の戦争の被害者でもあった
両親を失い、戦災孤児となっていたが、戦争が終わってそんな孤児たちが安寧に暮らせる施設が数多くできた
それはアイシスが真っ先に立ち上げたことで、子供好きな彼女は子供の大切さをよくわかっていた
そしてそんなアイシスに彼女も感謝しており、憧れの勇者に合えたことが嬉しかったのだ
「そうか、俺も、役には立ててたんだな」
彼女から言われた言葉をかみしめ、勇者は今しがた首をもたげて襲ってきたサーペントを右腕だけで受け止める
「見とけ、これが勇者の力だ!」
黄金の竜が体から湧き上がるようにして現れ、それが腕にまとわりつく
金色の刺青のように手に竜が描かれ、それが力となった
「回転式龍拳、覇天光!」
足から腰、腰から胸、胸から腕に力が回転し、大きな力となってサーペントに襲い掛かる
それはまるで竜の咢のようにサーペントにくらいついて一瞬で消滅させた
今までアイシスの体も傷つけていた力は今正しくアイシスの体に合致したようだ
キラキラと輝く彼女を他の冒険者たちは尊敬の眼差しで見、そこに信仰心が生まれた
信仰心、それが彼女の新たな力となる
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