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新世界より4
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崩れていたか所を私の破壊の力で崩す
洞窟、こういう雰囲気も久しぶりだわね
お姉ちゃんと私はかつて一つの体を共有して旅をしていた
あの頃のお姉ちゃんは本来の記憶を無くし、大神の娘としての力に苦しんでいたわ
私はお姉ちゃんの中でその苦しみを分かち合ってた
私とお姉ちゃんは遥かな昔にはただの人間として暮らしていた
大神の血を引いてるのは確か
でも私達を産んだ大神は亡くなる寸前に私達を人間の両親の元へと送ったの
それは安全のためにだったんだけど、無事に育った私達が十歳を迎えた日の朝のこと、人間の両親と一緒にいた私達の元に突如として何かが落ち、私達をかばった両親は亡くなった
その時の衝撃で私の体は一度消滅、お姉ちゃんは力が暴走して魂が別の世界へと飛ばされてしまった
私の魂は何とかお姉ちゃんの魂に入り込めて、お姉ちゃんは地球という場所で再び人間として生まれた
それからのお姉ちゃんは大変だった
少し大きくなれたと思ったら殺されたり、流行り病で死んだりと、まるで地球という場所がお姉ちゃんを拒んでいるみたいだった
そして千年ほどの月日が流れ、日本という場所に生まれた
そこでのお姉ちゃんは悲惨というしかなかった
今までも確かにつらかったけど、今回は愛がない
お姉ちゃんがここまで生まれ変わった人間達はちゃんと親の愛を、兄弟の愛を受けていた
でも今回は全然違う。生まれてから十歳の誕生日までずっと虐待され、やせ細った体は見ていられなかった
私が変わりたくても中からじゃ何もできなかった
許せないあいつら、私の大好きなお姉ちゃんを
お姉ちゃんに気づいてもらいたい。でもお姉ちゃんはこの千年で完全に記憶がなくなってる
多分私のことももう覚えていない
十歳の誕生日の日の夜、お姉ちゃんは逃げ出した
ボロボロでフラフラで、今にも倒れそうな足取り
それでも自らの幸せを求めて、降りしきる雨の中走るお姉ちゃん
青信号になった横断歩道を渡ろうとした途端、信号無視をした車にはねとばされた
痛みは私の方に変換、死ぬ間際まで痛みはなかったと思うわ
悲しい、こんな転生の繰り返しに一体何の意味があるって言うの?
お姉ちゃんの心はもう擦り切れてる。記憶はなくしても傷は残り続けてる
何とかしたい。そう思った時視界が変わった
これは感覚でわかる
世界が変わった? 別の世界に来たみたい
そこでは私達の姿は人間とはかけ離れた姿になっていた
まるで化け物
お姉ちゃんの記憶はまだ戻ってないけどここは今までにいた地球とは全然違う
魔力の溢れた世界
そこでお姉ちゃんはようやく自分のことを思い出し、そのおかげで私はやっとお姉ちゃんとコミュニケーションを取れるようになった
その後は、旅をして、世界を救って
いやまぁそこはいっか
とにかく私達はいろいろあって女神の末席に加わった
本当の家族を手に入れて私達はようやく幸せを手に入れたの
そして現在
枯れた井戸の調査のために地下の洞窟にきたけど、暗い
リィリアちゃんは明かりをつける魔法を使ってゆっくりと奥へ進んでる
この子動じないわね。まあ中身おじいさんらしいし、落ち着いてても不思議じゃないか
「この先に何かの気配を感じます。お二人もすでに感じているでしょうが」
「え、そうなの?」
「すごいわねリィリアちゃん。感知能力は私に匹敵するかも」
「そ、そうですか? 嬉しいです」
あ、照れてる。可愛いとこもあるわね
とりあえずその気配がするところまで入り組んだ洞窟をゆっくり進む
魔物はいないみたいね
何かの気配は特に悪い感じはしないけどもしかしたら危険かもしれないし、警戒しながら進まなきゃね
「もうすぐです。気配は近いですね」
この子の感知能力速いわね。磨けば感知の女神キュカ姉さんに匹敵するかも
それに内部に女神がいるから新聖魔法も威力が段違いだし
今度お姉ちゃんに会った時にでもいい能力をあげてもらおうっと
「あ、原因の何かが分かりました」
洞窟を流れる水、その流れをせき止めているのは巨大なナマコ?
とにかくぶよぶよとした何かが塞いでるみたい
「これなんでしょうかね?」
「分からないわ。見たことないわこんなの」
魔物って結構種類がいるから当然私じゃわからないのもいる
お姉ちゃんならわかるかもしれないけどね
とりあえず悪い感じはしないからまずはコミュニケーションをとってみることにした
「えーっともしもし」
「女神様、これってコミュニケーションとれるんですかね?」
「分かんないけど悪いものじゃないから一応ね」
すると声に反応したのかもぞもぞと動き始めた
うん、ますますナマコっぽいわ
それは顔らしきものをこちらに向ける
「むわあああん」
何かしゃべってるけど何言ってるのか分からない
こういう時こそお姉ちゃんがくれた能力を使うべき時
翻訳の能力でナマコ君が何を話しているのか聞き取ってみる
「んあ、君たちは? もしかして冒険者か何かかな?」
「うんまあそう言う感じかな」
「僕に何か用かな?」
「えっとね、あなたがそこの水路を塞いでるから村の井戸が枯れちゃったの。邪魔だからどいてくれる?」
「んおあ、それは悪いことをしたね。眠くて眠くて。ちょっと寝るつもりが長居をしてしまったようだね」
聞き分けのいいナマコ君ね。心なしか愛らしい気もしてきたわ
彼はゆっくりと動き始めると塞いでいた水路からどけて、「迷惑かけてごめんね」と言いながら洞窟の奥に戻って行った
「これで解決かな?」
「ええ恐らく」
とりあえず解決したみたいだから私達は村に戻った
洞窟、こういう雰囲気も久しぶりだわね
お姉ちゃんと私はかつて一つの体を共有して旅をしていた
あの頃のお姉ちゃんは本来の記憶を無くし、大神の娘としての力に苦しんでいたわ
私はお姉ちゃんの中でその苦しみを分かち合ってた
私とお姉ちゃんは遥かな昔にはただの人間として暮らしていた
大神の血を引いてるのは確か
でも私達を産んだ大神は亡くなる寸前に私達を人間の両親の元へと送ったの
それは安全のためにだったんだけど、無事に育った私達が十歳を迎えた日の朝のこと、人間の両親と一緒にいた私達の元に突如として何かが落ち、私達をかばった両親は亡くなった
その時の衝撃で私の体は一度消滅、お姉ちゃんは力が暴走して魂が別の世界へと飛ばされてしまった
私の魂は何とかお姉ちゃんの魂に入り込めて、お姉ちゃんは地球という場所で再び人間として生まれた
それからのお姉ちゃんは大変だった
少し大きくなれたと思ったら殺されたり、流行り病で死んだりと、まるで地球という場所がお姉ちゃんを拒んでいるみたいだった
そして千年ほどの月日が流れ、日本という場所に生まれた
そこでのお姉ちゃんは悲惨というしかなかった
今までも確かにつらかったけど、今回は愛がない
お姉ちゃんがここまで生まれ変わった人間達はちゃんと親の愛を、兄弟の愛を受けていた
でも今回は全然違う。生まれてから十歳の誕生日までずっと虐待され、やせ細った体は見ていられなかった
私が変わりたくても中からじゃ何もできなかった
許せないあいつら、私の大好きなお姉ちゃんを
お姉ちゃんに気づいてもらいたい。でもお姉ちゃんはこの千年で完全に記憶がなくなってる
多分私のことももう覚えていない
十歳の誕生日の日の夜、お姉ちゃんは逃げ出した
ボロボロでフラフラで、今にも倒れそうな足取り
それでも自らの幸せを求めて、降りしきる雨の中走るお姉ちゃん
青信号になった横断歩道を渡ろうとした途端、信号無視をした車にはねとばされた
痛みは私の方に変換、死ぬ間際まで痛みはなかったと思うわ
悲しい、こんな転生の繰り返しに一体何の意味があるって言うの?
お姉ちゃんの心はもう擦り切れてる。記憶はなくしても傷は残り続けてる
何とかしたい。そう思った時視界が変わった
これは感覚でわかる
世界が変わった? 別の世界に来たみたい
そこでは私達の姿は人間とはかけ離れた姿になっていた
まるで化け物
お姉ちゃんの記憶はまだ戻ってないけどここは今までにいた地球とは全然違う
魔力の溢れた世界
そこでお姉ちゃんはようやく自分のことを思い出し、そのおかげで私はやっとお姉ちゃんとコミュニケーションを取れるようになった
その後は、旅をして、世界を救って
いやまぁそこはいっか
とにかく私達はいろいろあって女神の末席に加わった
本当の家族を手に入れて私達はようやく幸せを手に入れたの
そして現在
枯れた井戸の調査のために地下の洞窟にきたけど、暗い
リィリアちゃんは明かりをつける魔法を使ってゆっくりと奥へ進んでる
この子動じないわね。まあ中身おじいさんらしいし、落ち着いてても不思議じゃないか
「この先に何かの気配を感じます。お二人もすでに感じているでしょうが」
「え、そうなの?」
「すごいわねリィリアちゃん。感知能力は私に匹敵するかも」
「そ、そうですか? 嬉しいです」
あ、照れてる。可愛いとこもあるわね
とりあえずその気配がするところまで入り組んだ洞窟をゆっくり進む
魔物はいないみたいね
何かの気配は特に悪い感じはしないけどもしかしたら危険かもしれないし、警戒しながら進まなきゃね
「もうすぐです。気配は近いですね」
この子の感知能力速いわね。磨けば感知の女神キュカ姉さんに匹敵するかも
それに内部に女神がいるから新聖魔法も威力が段違いだし
今度お姉ちゃんに会った時にでもいい能力をあげてもらおうっと
「あ、原因の何かが分かりました」
洞窟を流れる水、その流れをせき止めているのは巨大なナマコ?
とにかくぶよぶよとした何かが塞いでるみたい
「これなんでしょうかね?」
「分からないわ。見たことないわこんなの」
魔物って結構種類がいるから当然私じゃわからないのもいる
お姉ちゃんならわかるかもしれないけどね
とりあえず悪い感じはしないからまずはコミュニケーションをとってみることにした
「えーっともしもし」
「女神様、これってコミュニケーションとれるんですかね?」
「分かんないけど悪いものじゃないから一応ね」
すると声に反応したのかもぞもぞと動き始めた
うん、ますますナマコっぽいわ
それは顔らしきものをこちらに向ける
「むわあああん」
何かしゃべってるけど何言ってるのか分からない
こういう時こそお姉ちゃんがくれた能力を使うべき時
翻訳の能力でナマコ君が何を話しているのか聞き取ってみる
「んあ、君たちは? もしかして冒険者か何かかな?」
「うんまあそう言う感じかな」
「僕に何か用かな?」
「えっとね、あなたがそこの水路を塞いでるから村の井戸が枯れちゃったの。邪魔だからどいてくれる?」
「んおあ、それは悪いことをしたね。眠くて眠くて。ちょっと寝るつもりが長居をしてしまったようだね」
聞き分けのいいナマコ君ね。心なしか愛らしい気もしてきたわ
彼はゆっくりと動き始めると塞いでいた水路からどけて、「迷惑かけてごめんね」と言いながら洞窟の奥に戻って行った
「これで解決かな?」
「ええ恐らく」
とりあえず解決したみたいだから私達は村に戻った
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