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蟲人族の国2
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サフィちゃんを無事元に戻したところで彼女に話を聞いてみた
「ちょっと待ってね、今変わるから」
「変わる?」
彼女はふぅと息を吐くと魔力を体に込め始めた
「変身!」
ボフンと煙が出てサフィちゃんを包み、その煙が晴れると中からコギャルのような褐色の少女が出てきた
「おっしオケオケ。こう見えて神獣だから人型になれるんよ~」
可愛い。青く輝く髪と宝石のようなサファイア色の眼、大きさは僕より少し小さいくらいで胸はペタンコ。ハクラちゃんが親近感を覚えたのか満足そうに胸を見てる
「じゃあ教えてもらえるかな?」
「うん、でも少ししか覚えてないんよ私。えっとね、まずいつもみたいに花の蜜を吸いにこの先の花畑に行ってたんだけど、その日は他にも蟲人族の女の子達がいてね。で、ほんのちょっとだけ邪魔だなぁって。ほんと、ほんのちょこっとだけよ? そう思ったら急に目の前が赤くなってきて、あの子達を排除しなきゃって。ホントなんでそんなこと思ったのか分かんない。私別に蟲人族のこと嫌いじゃない。むしろ好きなのにあんなこと。あの子達怖かったでしょうね。うう、あとで謝んないと」
「ふむふむ、それでそうなる前に誰かに会わなかった?」
サフィちゃんは少し考えこんで思い出したように目を開けた
「そうだ! その前の日だったかな? 道を教えて欲しいって人がいてね。あれ?人? おかしい。今考えたらすごくおかしいのに、その時は何も思わずに道を教えたんよ。ここは蟲人族、もしくは植物人かエルフくらいしか入ってこないはずなのに・・・。あ、もちろん妖精さんや精霊様はいつでも入ってこれるよ。でね、その人に道を教えてからなんていうか、心がもやもやし始めたんよ」
どうやらその時に何らかの細工をされたみたいだ
蟲人族もサフィちゃんみたいなおとなしい神獣がいきなり暴れ出すなんておかしいって言ってたし
「その人はどこに行きたいか言ってなかった?」
「あ! そうだよね、道を教えたんだよ。えっと、オーク族の国だ!」
「オ、オーク族の?」
オークといえば昔はかなりの暴れ者で、他種族の女性を攫っては、口では言い表せないようなことをしていた種族だと聞く
「それは誤解ですよ~。オーク族は獣人族より獣に近いから姿が猪が二足歩行しているような姿をしてるんよ。そのせいで勘違いされたりあらぬ噂を立てられたりしてたけど、本当は草食のおとなしい人たちなんよ~」
「そうだったんだ。精霊達と交流がないから文献をうのみにしてたよ」
でもそれならオークたちを助けにいかないと。そこに向かったのはサフィちゃんを凶暴化させた不届き者だ
あの時の異世界の魔族の男の仲間と思われるそいつを止めないと
「ありがとうサフィちゃん」
「あ、もいっこ思い出した。そいつは一週間後にオークの国に行かないとって言ってたから、あと三日はオークの国に出現しないと思うよ」
何で一週間後なのかは分からなかったみたいだけどいい情報だ
それまでにオークの国に付けば対策できるもんね
それにしてもオークの国に何の用なんだろう?
「ねぇ、これまで世界中に混乱を起こしてきた奴らの仲間なんだとしたら、なんでオークの国に用事があるんだと思う?」
「うーん、私は分かんないです」
「申し訳ありません精霊様、私も存じません」
鬼神二人は分かんないか・・・。じゃあ蟲人族はどうだろう?
というわけでビュゼさんに報告がてら聞いてみることにした
「オーク族の国でございますか・・・。あ、確かあそこには神獣である黄金の猪、グリンブルスティがいるという話を聞いたことがございます。かつては神を乗せて走ったこともあるのだそうです」
ということは次に狙われるのはそのグリンブルスティか
今から行けばそいつが現れる日にまで間に合う
「二人とも、行こう」
「「はい!」」
オーク族は僕のような精霊を受け入れてくれるだろうか?
「ちょっと待ってね、今変わるから」
「変わる?」
彼女はふぅと息を吐くと魔力を体に込め始めた
「変身!」
ボフンと煙が出てサフィちゃんを包み、その煙が晴れると中からコギャルのような褐色の少女が出てきた
「おっしオケオケ。こう見えて神獣だから人型になれるんよ~」
可愛い。青く輝く髪と宝石のようなサファイア色の眼、大きさは僕より少し小さいくらいで胸はペタンコ。ハクラちゃんが親近感を覚えたのか満足そうに胸を見てる
「じゃあ教えてもらえるかな?」
「うん、でも少ししか覚えてないんよ私。えっとね、まずいつもみたいに花の蜜を吸いにこの先の花畑に行ってたんだけど、その日は他にも蟲人族の女の子達がいてね。で、ほんのちょっとだけ邪魔だなぁって。ほんと、ほんのちょこっとだけよ? そう思ったら急に目の前が赤くなってきて、あの子達を排除しなきゃって。ホントなんでそんなこと思ったのか分かんない。私別に蟲人族のこと嫌いじゃない。むしろ好きなのにあんなこと。あの子達怖かったでしょうね。うう、あとで謝んないと」
「ふむふむ、それでそうなる前に誰かに会わなかった?」
サフィちゃんは少し考えこんで思い出したように目を開けた
「そうだ! その前の日だったかな? 道を教えて欲しいって人がいてね。あれ?人? おかしい。今考えたらすごくおかしいのに、その時は何も思わずに道を教えたんよ。ここは蟲人族、もしくは植物人かエルフくらいしか入ってこないはずなのに・・・。あ、もちろん妖精さんや精霊様はいつでも入ってこれるよ。でね、その人に道を教えてからなんていうか、心がもやもやし始めたんよ」
どうやらその時に何らかの細工をされたみたいだ
蟲人族もサフィちゃんみたいなおとなしい神獣がいきなり暴れ出すなんておかしいって言ってたし
「その人はどこに行きたいか言ってなかった?」
「あ! そうだよね、道を教えたんだよ。えっと、オーク族の国だ!」
「オ、オーク族の?」
オークといえば昔はかなりの暴れ者で、他種族の女性を攫っては、口では言い表せないようなことをしていた種族だと聞く
「それは誤解ですよ~。オーク族は獣人族より獣に近いから姿が猪が二足歩行しているような姿をしてるんよ。そのせいで勘違いされたりあらぬ噂を立てられたりしてたけど、本当は草食のおとなしい人たちなんよ~」
「そうだったんだ。精霊達と交流がないから文献をうのみにしてたよ」
でもそれならオークたちを助けにいかないと。そこに向かったのはサフィちゃんを凶暴化させた不届き者だ
あの時の異世界の魔族の男の仲間と思われるそいつを止めないと
「ありがとうサフィちゃん」
「あ、もいっこ思い出した。そいつは一週間後にオークの国に行かないとって言ってたから、あと三日はオークの国に出現しないと思うよ」
何で一週間後なのかは分からなかったみたいだけどいい情報だ
それまでにオークの国に付けば対策できるもんね
それにしてもオークの国に何の用なんだろう?
「ねぇ、これまで世界中に混乱を起こしてきた奴らの仲間なんだとしたら、なんでオークの国に用事があるんだと思う?」
「うーん、私は分かんないです」
「申し訳ありません精霊様、私も存じません」
鬼神二人は分かんないか・・・。じゃあ蟲人族はどうだろう?
というわけでビュゼさんに報告がてら聞いてみることにした
「オーク族の国でございますか・・・。あ、確かあそこには神獣である黄金の猪、グリンブルスティがいるという話を聞いたことがございます。かつては神を乗せて走ったこともあるのだそうです」
ということは次に狙われるのはそのグリンブルスティか
今から行けばそいつが現れる日にまで間に合う
「二人とも、行こう」
「「はい!」」
オーク族は僕のような精霊を受け入れてくれるだろうか?
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